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何処も彼処も小さい新八。
でも心はそんなに大きくないようで、今現在、絶賛銀さんを
お説教中だ。
ちなみに理由は呑んだ上の朝帰り。
や、別にいいじゃんな?自分の金で呑んだ訳でもねぇし。
全額ちゃんと長谷川さんに払わせたし。
朝帰りしたのだって、夜道を歩くのは危ないよな~っていう
安全性を求めた結果だし。
そんな事を思っていたら、ものっそい目力でもって
睨まれた。
あれ?もしかして声に出てた?
ってかそれ止めてくなんい?オマエの目力、マジ半端ないから。
眼鏡と言う防御壁がなかったら、本気で銀さんの
心が射止められちゃうからね?
ま、もう射止められるって言う以前に
縫い付けられてる勢いだけど。
「アンタね~、何長谷川さんにたかってんですかっ!
せめて奢っ・・・割り勘にしましょうよ、ソコは!
それにアンタのどこら辺を見たら夜道に危険性を感じるんですか!!
寧ろ日々の背後に注意しろよ。
昼夜問わず、家の中、外問わず!!」
「え、何ソレ。
なんで家の中で背後に注意ぃぃ!!?」
「や、別に背後だけじゃないですけどね?」
「訂正するトコ、ソコォォォ!!!?」
そう言ってみたものの、新八の目は思いっきり真剣だった。
しかも 『そうですけど、何か?』 みたいな感じで頷かれたし。
・・・うん、とりあえず呑みに行くの、控えとこう、本気で。
あぁ、でも・・・と、未だ説教の最中である新八を見詰める。
本当、よく回る口だね~。
あんなに小さいのに、よくもまぁあれだけ軽快に喋れるもんだ、と
少し感心する。
やっぱアレか?舌が短かったりするのか?
あ、この場合長いからよく回るのか?
でもあれだけ小さいんだ。そんなに長かったら
口の中に収まらないよなぁ。
だって本当小さいもん、新八の口。
「ちょっと、聞いてんですか!?」
どうやら話を聞いてないのがバレたようだ。
じっと見ていた新八の小さい口が、ムッとへの字に歪んで
近付いてきた。
「や、聞いてる聞いてる。
聞いてるからちょっと舌出して。べーって」
そう言うと新八は訝しげに眉を顰めたものの、素直に
ベーッと舌を出してくれた。
・・・本当、ここまで素直でいいのか、この子は。
や、いいんだけどね、銀さん的には。
・・・ってか長さ的には普通だな、これ。
長くもなく、かと言って短くもなく・・・
なんかピンク色でものっそく美味しそうだ。
「はんはんへふは?ひんひゃん」
さっき以上に新八の舌に集中している俺に、
舌を出したまま新八が問い掛けてくる。
うん、とりあえず疑問は解決したんだけどね?
したんだけどもね?
「ちょっと噛み付いてもいいですか?」
甘噛みにしとくから。
そう言って新八の顎へと手を伸ばしたら、反対に思いっきり
噛み付かれた。
あれ?新ちゃんてば犬歯あったっけ?
なんかシャレにならないぐらい
食い込んでんですけどぉぉ!!?
その後、痛がる俺を余所に、新八は洗面所へと姿を消し、
勢い良くウガイと歯磨きをされていました。
ちょ、それ本気で凹むからやめてくなんいぃぃぃ!?
・・・ま、手についた噛み跡はやっぱり小さくて可愛かったから
銀さん的には幸せなんだけどね!
あ、すみません、嘘です。
そんな事微塵も思ってないんで、包丁は仕舞ってください。
や、皮むき器も駄目ですから。
え?じゃあどうしろって?
・・・とりあえず反省するんで許してください。
***************
反省しても、きっと挑戦はする(何に!?)
「ぶっちゃけ銀さんの事をどう思ってますか?」
何時もの様に洗濯物を干していると、何時の間に背後にやって来たのか
のそりと銀さんが立っていて、そんな事をほざかれました。
「・・・・・は?」
なので思いっきり不審な顔をしてしまったのは、仕方が無い事だと思います。
「で?何であんな事聞いてきたんですか?」
どうやらあの時の僕は、不審な顔・・・と言うより虫を見るような顔を
していたらしい。
背中を丸めてソファの隅に座り込んでいる銀さんの前に
お茶を出しながら、僕は銀さんの隣へと腰を降ろした。
本当は向かいのソファに座りたかったんだけど、銀さんの声が
小さい上に篭りがちなので、全然聞こえてこないのだ。
別に聞こえてこないんだからそのまま流してもいいんだけどね。
それだともっと拗ねるから、この人。
で、その小さな声による返答によると、どうやらテレビの影響かららしい。
素人の恋愛相談か何かで、長年付き合っているからか、
愛情が当然のものになり、家族感覚になってきたのだと言うのが
あったとか。
「や、そりゃ~長年って言うほどでもねぇけどそれなりに長いじゃん?
しかも毎日一緒に居て、既に一緒に住んでるが如しじゃん?
一緒に居るのが当然って感じじゃん?
や、当然なんだけどさ。
でもなんか最近、最初の頃のような
『銀さん、カッコ良い!!』みたいな感じがなくなってきた
気がするのよ、銀さん。
寧ろ呆れ感が増してきた感じ?
や、気のせいだと思うんだけどね?考えすぎだと思うんだけどね?」
「安心して下さい、銀さん。
気のせいなのは最初の感じの方です」
「ちっげぇぇぇよっ!
あれは全然気のせいじゃなかったからね!
絶対新ちゃん、カッコ良いって思ってたから!
目がすっげーキラキラしてたからぁぁ!!?」
グチグチ言う銀さんに、とりあえずの訂正を入れてみれば
勢い良く振り返りながらそう怒鳴られた。
「はいはい、じゃあそう言う事にしときましょ~ね~。」
「・・・なんかものっそい投げ遣り感がするんだけど」
「はいはい、それもそう言う事にしときましょ~ね~。」
「本気で投げ遣りぃぃぃ!!?
ちょ、本気で愛が見えないんですけどぉぉぉ!!?」
ぅわっ!何コレ、マジで恋の危機!?一緒に居すぎて最早家族感覚!?
なんて言いながら、銀さんは頭を抱えて喚きだした。
全く、何言い出してんだか。
それを見て、僕は溜息を吐きながらもクスリと口元が緩むのを
感じた。
大体家族も何もさ・・・
「あのね?銀さん・・・」
ブツブツと未だ何か呟いている背中にそっと手を当て、
銀さんの耳元へと顔を近づけた。
「恋愛感情も、長く続いてそれがもっと大きくなれば、
何れ家族へと変化するもんじゃないんですか?」
そう言って軽く耳元に唇を落とすと、銀さんは目を丸くして
こちらを見てきたけど、直ぐにソレまで以上に顔を下げて
丸くなってしまった。
うん、やっぱりカッコ良いってより可愛いって感じですよ、銀さんは。
*****************
ヘタレ坂田、万歳☆
雨がしとしとと降り注ぐ中、普段ダラダラと過ごす事を
人生としている白い毛玉は、目の前で普段以上の
ダラダラ加減を前面に押し出していた。
「あ~、暇だな、暇」
「ならチラシ作りでもします?」
「んな暇はねぇ」
「や、どっちだよ、それ」
ペシリと目の前の・・・と言うか膝の上の毛玉を叩いてみる。
うをっ!なんかフワッとした、フワッと!!
何コレ、実はリンスの変わりに柔軟剤でも使ってんじゃないの?
叩いた手をそのままに、思わずその感触を堪能するべく、
痛いと文句を言う毛玉を無視してヤワヤワと撫でてみた。
・・・本当、なんだろうコレ。
なんかものっそくフワフワだ。
あ、もしかしてこのお陰で頭への衝撃が抑えられていたりするのかな?
・・・うん、きっとそうだ。
だってそうじゃなきゃ、銀さんの脳みそなんて
今頃零れててないよ?
・・・ま、皺は今もなさそうだけど。
「ね?なんか手つきは優しいけど
なんだか泣きたくなって来るのはなんでだ?」
そんな事を考えていると、毛玉が動いて銀さんの嫌そうな顔が見えた。
「そりゃ男の膝枕って言う現実からじゃないですか?」
ってかなんで僕はこの人に膝枕をしているんだろう。
寧ろ僕の方が泣きたくなって来る。
「いやいや、男の膝枕って言う前に、新ちゃんの膝枕だからね?
どっちかって言うと嬉しくて泣きそうになってくるから」
「・・・すみません、立ち上がって良いですか?
それも勢い良く」
じっとりとした視線を送りながらそう言うと、銀さんは慌てて
体ごと僕の方へ向けると、ワシッと両腕を僕の腰へと
回してきた。
「いやいやいやいや、もうちょっと座ってろって。
ほら、新ちゃんってば何時も家事で動き回ってっから
疲れてんじゃん?だからさ、折角の雨なんだから、
もう少しゆっくりしてた方がいいって!!」
そう言ってギューっとしがみ付き、僕のお腹へと顔を
埋める銀さんに、僕は一つ息を落として再びフワフワの頭へと
手を伸ばした。
「・・・別に雨の日だからって仕事が少なくなるって
事はないんですけどね?」
寧ろ晴れの日にはない仕事があったりするから、ちょっと大変だ。
洗濯物は乾かないし、買い物にだって行くのに時間が掛かる。
こんな日でも外に遊びに行ってしまった神楽ちゃんは、
きっと泥だらけのずぶ濡れで帰ってくるだろうし・・・
あぁ、考えただけで疲れてしまう。
本当、こんな事してる場合じゃないんだけどなぁ。
そう思いながらも、銀さんの頭を撫でる手は止まらない。
フワフワ ふわふわ。
普段なら届きもしない銀さんの髪の毛の感触。
それはなんだかとっても触り心地が良くって。
なんだろう、何かもう・・・癒されてる感じ?
おっさんの髪の毛って現実が
非常に悲しいけど。
でも・・・気持ち良いしなぁ。
あ、これはきっとアレだ。
人間、誰しも一つはいい所があるって言う
典型的な例だよね。
「・・・ね、なんか銀さん、また突然に
泣きたくなって来たんですけど・・・」
その声に視線を降ろしてみれば、なんだか恨めしそうに
こちらを見ている銀さんの顔が見えた。
それにクスリと笑って、やんわりと頭を撫で上げる。
「だから嬉し泣きでしょ」
そう言えば銀さんは、チキショー と呟きながら、
僕のお腹へとグリグリと額を押し付けてきた。
その感触のせいか、それとも銀さんの子供染みた仕草のせいか、
クスクスと湧き上がる笑いと共に、
ま、たまにはいっか。
と、もう少しだけこの気持ち良い時間を過ごす事にした。
*************
この後、ドロだらけで濡れ鼠な娘が加わり、
一瞬にして悲惨な光景に・・・(笑)
その日、夢破れて帰宅すると、家の中が程よく冷えていました。
・・・あれ?ウチ、何時エアコン買ったっけ?
ブルリと震える体を両腕で抱え込み、小さい声ながらも律儀に
帰宅の言葉を出しながら家へと上がると、
次に俺を出迎えたのは、愛らしくも小さい足が一組、
見掛けとは裏腹にとても漢らしく仁王立ちされていた。
「お帰りなさい。朝から何処に出掛けられていたんですか?」
その優しげな声に顔を上げれば、これまたにっこりと
可愛らしい笑顔の新八が居て。
・・・あれ?なんかまた室温下がったような気がするよ?
なんでだろう、新ちゃんはちゃんと笑ってるのに、
なんかもう、程よくを通り越して極寒に近いんだけどぉぉ!!?
「もしかして仕事探してたりしてくれたんですか?
この暑い中?午前中から今まで?」
それは大変でしたね。なんて笑顔のまま、新八はポンと両手を打って
そう問い掛けてくる。
思わずそれに頭を縦に振ろうとしたのだが・・・
「あはは、そんな訳ないですね」
と、今度は言葉は笑ってるのに顔が無表情と化した
新八にスッパリ断ち切られた。
いや、なんできっぱり断言!?
もしかしたらやってるかもしれないじゃん?
言っとくけど銀さん、やる時はやる子だよ?
しかも恥かしがり屋さんだから、それを前面に出す事無く、
こっそり隠れてやる子だからね!?
そう訴えれば、じゃあ何処に行ってたんですか。と
素晴らしくも的確なご質問がやって来た。
「だから・・・仕事?」
「銀さん、銀玉を弾くのは仕事って言わないんですよ?
知ってます?判ってます?理解してます?
ってかどうせなら鉛玉に弾かれて
葬式代貰って来いよコノヤロー」
「ちょ、治療費通り越して葬式代ぃぃ!!?
それ死んでるから。銀さん死んじゃってますからぁぁ!!!」
「うっせぇよ!
僕等が餓死するよりマシじゃボケェェェ!!!」
言葉の刃と共に、新八の可愛らしい足が顔面へと飛んできた。
それを慌てて避ける。
って、何でこんな時だけものっそい迫力出すかな、こいつ。
やっぱアレか?オカンオーラは絶対無敵なのか!?
「大丈夫だって、新八!
いざとなったらこの財布を・・・っ!」
繰り出される新八の攻撃を避けつつ、懐から財布を取り出せば、
一瞬新八の攻撃が止まる。
・・・良かった。
何せ愛すべき新八の攻撃だ。
うっかり当たって癖になったらたまらない。
新ちゃんから贈られるものになら、
なんにでも愛を見出しそうだからね、銀さん!
「え?もしかして銀さん、パチンコで勝ってきたとか・・・」
そんなまさか・・・と物凄く驚いた表情でこちらを見てくる新八。
や、失礼だからね。
幾ら銀さんでも、偶には勝つ事だってあるから。
・・・ま、大抵その後打ち込んじゃうんだけどね。
今回もそれだったんだけどね?
ってかあんだけ期待度が大きいリーチ画面出しといて
なんで外れるかなぁぁ!!?
・・・あ、いやいや、それよりも今は目の前の危機だ。
俺は恭しく取り出した財布を両手に持ち、新八へと捧げた。
「・・・多分煮込めばなんとか食べれます。」
その瞬間、俺は空気が凍る音と、人の中の何かがが勢い良く切れる音を
同時に聞いた気がする。
・・・うん、この調子なら今年の夏は冷房いらずだな。
体感的には勿論、財布や心までもが冷え冷えだ。
********************
期待度が高いリーチ画面で外れた時の
辛さと言ったらっ!!(←坂田と同レベル)
「時々可愛く見えちゃうんですよね~」
そう言って新八は遠くに視線をやりながらパクリと溶けかけた
アイスを口にした。
同じように川原へと続く坂へと腰を降ろし、アイスを口にしていた
沖田は、へ~。と適当に相槌を打った。
巡察の途中、新八を見掛けた沖田が、アイスをエサに
暇潰しに誘ったのはい先程の事だ。
その後、キラキラと光る水面を見ながら、どうでもいい様な事を
話していたのだが・・・
「とりあえず俺に向って言ってんなら、お礼代わりに
今すぐそこの川のソコに沈めてやらぁ」
「安心して下さい。時々も何も
全くそう見えた事ないですから」
念の為・・・と沖田が聞いてみると、スパッと断ち切られる。
とりあえず男として可愛いと見られる事は嫌なので、
断ち切ってもらえて良かったのだが、断ち切るにも程があるだろう。
沖田はなんとなく面白くなさそうに あ、そう。と告げると、
残っていたアイスを全て口に入れ、手元に残った棒をフラフラと振る。
「じゃあ誰の事言ってんでィ?
まさかチャイナじゃねぇよなぁ?」
「何言ってんですか、そんな事ある訳ないでしょ?」
またもやスパッと断ち切られ、沖田は少しだけ目を丸める。
あぁ言ったものの、一番確立が高いのは神楽だと思っていたのだ。
性格と行動と頭と・・・まぁ言い出したらキリがないが、
色々と問題があるものの、パッと見は可愛らしいといえるだろう。
あくまでパッと見、
しかも完璧傍観者の立場として・・・だが。
だが、隣でポトリとアイスを落とし後悔している新八は
喧嘩もするしパシリにもされているのに、
神楽の事は大層可愛がっている。
それはもう、妹を通り越して娘の様な感じだ。
その新八が、神楽の事を可愛いと思ってないとは・・・
「神楽ちゃんは何時も可愛いと思ってますもん
時々じゃないです」
意外だ・・・と思ってたら、やっぱりそうではなかった。
と言うか、あの乱暴者と言う言葉は甘すぎるような少女の
身近に居て、どうしてそこまで可愛いと思えるのか・・・
あぁ、そう言えばあの放送禁止用語使いなマニア向けアイドルや
最怖の姐さんも新八にとってみれば敬愛するべき女性だったっけな。
きっと普通の女性と接した事がないからの発言だろう。
そう納得し、沖田は隣で神楽のいい所を語っている新八に
視線を向けた。
へ~、食べ終わった皿を運んでくれたんですかィ。
でもその後割られちゃ意味ねぇんじゃねぇのかィ?
しかも運ばした新八が悪いと逆切れされた・・・と。
「・・・とりあえず新八、眼鏡の度、変えなせぇ
後、頭の中の回路をちゃんと繋ぎ合わせなせェ」
「・・・どう言う意味ですか」
沖田の言葉にじっとりとした視線を向けてくる新八に、
そのままの意味でさァ。と返すと、沖田はその場に寝転んだ。
「・・・で?」
「何がですか?」
新八は沖田からアイスの棒と袋を受け取ると、自分の分も一緒に
持っていたビニール袋へと入れ、問い返した。
「何がじゃねぇよ。さっきの時々可愛く見えるって
やつでさァ」
このままじゃ気になって昼寝も出来やしない・・・と、
一体誰の事でィ。そう問い掛けると、新八はあぁ。と声をあげ、
次に深々と溜息を吐いた。
「それが・・・銀さんなんですよ」
「・・・・へ~」
「や、何ですかその一切の感情が篭ってない声は。
それにその目!ちょ、やめて下さいよ。
泣きますよ、僕」
「泣きたいのはこっちでさァ。
ってか泣いたらそこら辺から旦那が出てきそうだから
止めて下せェ」
「・・・アンタ、銀さんをなんだと思ってんですか。」
「新八マニア」
「・・・本気で泣きたくなる様な事をさらっと言わないで下さい」
でも、そんなのでも見えちゃうんですよ、可愛く・・・
と新八はカクリと肩を落とした。
「銀さんが呑みに行く時って大抵泊まるんですけど、
時々あの人、帰ってこないんですよ。
で、朝帰りしやがってコノヤローとか思って朝玄関開けると、
其処で寝てるんですよ、大の字で。
しかも何処で拾ってきたのか、看板とか抱き締めたまま、
僕の名前とか寝言で言ったりして。
ま、見ない振りして放置してるんですけどね。
え?キュンって来ないのかって?
う~ん・・・どっちかって言うと、ウザッてなりますね。
其れ故の放置ですから。
後、怖いテレビとか見た後、無理矢理泊まらせたかと思うと
夜中ず~っと喋り捲ってたりとか?
あ、別に大変じゃないですよ?
大抵ほっといて僕は速攻寝ちゃうんで。
他にも天パなのに寝癖気にしたりとか、立ち上がる時とか
必死になって『よいしょ』って言うの我慢してたりとか。
それでもやっぱり言っちゃって、ウザイくらいに落ち込むトコとか?
そう言うの見てると、可愛いな~って思っちゃって・・・」
なんでかなぁ?と再び溜息を吐く新八に、沖田は
呆れた顔で見返した。
それは既に可愛い大人ってよりも、
可哀想な大人だ。
とりあえず思った事を告げると、新八は一瞬キョトリと目を丸くし、
次に
「あぁっ!」
とポンと手を打った。
どうやら彼の疑問は無事解消されたようだ。
沖田はしきりに頷いて納得している新八を余所に、
心置きなく昼寝をする為、ゆっくりとその目を閉じたのだった。
*************
暑いので坂田苛め。(え?)