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「ぶっちゃけ銀さんの事をどう思ってますか?」
何時もの様に洗濯物を干していると、何時の間に背後にやって来たのか
のそりと銀さんが立っていて、そんな事をほざかれました。
「・・・・・は?」
なので思いっきり不審な顔をしてしまったのは、仕方が無い事だと思います。
「で?何であんな事聞いてきたんですか?」
どうやらあの時の僕は、不審な顔・・・と言うより虫を見るような顔を
していたらしい。
背中を丸めてソファの隅に座り込んでいる銀さんの前に
お茶を出しながら、僕は銀さんの隣へと腰を降ろした。
本当は向かいのソファに座りたかったんだけど、銀さんの声が
小さい上に篭りがちなので、全然聞こえてこないのだ。
別に聞こえてこないんだからそのまま流してもいいんだけどね。
それだともっと拗ねるから、この人。
で、その小さな声による返答によると、どうやらテレビの影響かららしい。
素人の恋愛相談か何かで、長年付き合っているからか、
愛情が当然のものになり、家族感覚になってきたのだと言うのが
あったとか。
「や、そりゃ~長年って言うほどでもねぇけどそれなりに長いじゃん?
しかも毎日一緒に居て、既に一緒に住んでるが如しじゃん?
一緒に居るのが当然って感じじゃん?
や、当然なんだけどさ。
でもなんか最近、最初の頃のような
『銀さん、カッコ良い!!』みたいな感じがなくなってきた
気がするのよ、銀さん。
寧ろ呆れ感が増してきた感じ?
や、気のせいだと思うんだけどね?考えすぎだと思うんだけどね?」
「安心して下さい、銀さん。
気のせいなのは最初の感じの方です」
「ちっげぇぇぇよっ!
あれは全然気のせいじゃなかったからね!
絶対新ちゃん、カッコ良いって思ってたから!
目がすっげーキラキラしてたからぁぁ!!?」
グチグチ言う銀さんに、とりあえずの訂正を入れてみれば
勢い良く振り返りながらそう怒鳴られた。
「はいはい、じゃあそう言う事にしときましょ~ね~。」
「・・・なんかものっそい投げ遣り感がするんだけど」
「はいはい、それもそう言う事にしときましょ~ね~。」
「本気で投げ遣りぃぃぃ!!?
ちょ、本気で愛が見えないんですけどぉぉぉ!!?」
ぅわっ!何コレ、マジで恋の危機!?一緒に居すぎて最早家族感覚!?
なんて言いながら、銀さんは頭を抱えて喚きだした。
全く、何言い出してんだか。
それを見て、僕は溜息を吐きながらもクスリと口元が緩むのを
感じた。
大体家族も何もさ・・・
「あのね?銀さん・・・」
ブツブツと未だ何か呟いている背中にそっと手を当て、
銀さんの耳元へと顔を近づけた。
「恋愛感情も、長く続いてそれがもっと大きくなれば、
何れ家族へと変化するもんじゃないんですか?」
そう言って軽く耳元に唇を落とすと、銀さんは目を丸くして
こちらを見てきたけど、直ぐにソレまで以上に顔を下げて
丸くなってしまった。
うん、やっぱりカッコ良いってより可愛いって感じですよ、銀さんは。
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ヘタレ坂田、万歳☆