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大好評開催中、第十一回デンジャー怪談大会~」

「あれ?十回は?」

「昨日やりやした。
新八の家に泊まりがてら」

「ちょ、なんでそんな時だけ仲間外れぇぇ!!?」

時は真昼間、場所は万事屋。
沖田の言葉に、銀時の本気の叫びが鳴り響いた。

 




「ってか何時までやるつもりだよ、これ」

「勿論飽きるまでネ」

些かげんなりしている銀時に、神楽のあっさりした返事が返る。
それに何度か頷きつつ、沖田も言葉を返す。

「ちなみに今の所、全く飽きる気配がしやせん」

「密かに去年からずっとやってましたもんね」

「え!?毎年って事!!?」

何かを思い出すように、遠くの方に視線をやりながら
告げる新八に、銀時が食いつく。
その言葉に、新八はきょとんと目を丸くする。

「いえ?去年からですよ?」

「ただしそれからずっとだけどナ」

「季節関係なし!!?
ちょ、どんだけ長い間仲間外れにしてんだよっ!」

イジメ、カッコ悪い!と嘆く銀時に、沖田は 何言ってんでさァ。
と軽く肩を叩いた。

「安心して下せェ、旦那。
最初っから仲間だと思ってやせんから」

「安心する要素ってどこっ!?
怖い、もう十分怖いよっ!
子供の無邪気さと言葉の刃が怖いっ!!」

あ~煩いっ!!グチグチと言い募り始めた銀時を一言と共に
ソファから蹴落とし、神楽がムンと胸を張った。

 

 

 


「今日は私の話ネ」

そう言い、以前の沖田の様に真昼間で全く意味がないと思うのだが、
懐中電灯を顎の下から照らした。

 

 



 

工場長とかぶき町の女王と言う二つの肩書きを
持った女の子が、偶には下賎のモノ共を構ってやろうと
公園の中でガキ共と遊んでいた時のお話・・・

 

「え、それってオマエじゃね?
ってか口調変わってね?」

「・・・銀さん、黙ってて下さい」

「旦那・・・空気読んで下せェ。
おろしますぜィ?」

「寧ろ引きちぎってやるネ」

「え、何処を!!?
・・・ってすんません、本当すんません」

 

コホンと軽く咳払いをし、神楽は話を続けた。


 


その女の子は、態々ガキ共のレベルに合わせて缶蹴り等を
して遊んでやってたのだが、やはりどんなにレベルを合わせても
差は出てくるもの。

女の子にどうしたって叶わないと悟ったガキ共は、体を使う
遊びを止め、丸くなって話をし始めた。

女の子としては、くだらないテレビの話等に加わろうとは
思わなかったのだが、一つ気になる言葉が耳に入ってきたのを
切欠に、その中へと入っていった。

気になる言葉、それは所謂『都市伝説』

あまりにも荒唐無稽な話ばかりだが、ガキ共は真剣だ。

少々呆れたが、シティーガールでもある女の子としては、
『都市』に纏わるものは抑えておきたい。

そうしてガキ共の話を聞いていた所、ふとその中の一人が
このかぶき町にもある・・・と話し出した。

人○犬ならぬ人面ゴリラ。
いつの間にか赤く染まっている某家の門。
とある家
から毎晩の様に聞こえてくる、男の叫び声。

その中に、とある公園の話が出てきた。

普段は何の変哲もない公園なのだが、そこには・・・


「出るんだって」


そう言って、話をしていたガキは真剣な顔で呟いた。

なんでも夕方になり、家へと帰ろうとしたのだが、
公園に忘れ物をした事に気付いた子がいたらしい。

別に明日も遊びに行くのだから、そのまま帰っても良かったのだが、
幸い、まだ公園からそんなに離れてもいなかった為、
その子は友達と別れ、先程まで居た公園へと戻る事にした。

友達は 止めときなよ。と言ったが、
夕方と言ってもまだ明るい。
しかも何時も遊んでいる公園なのだ。

大丈夫と一言告げ、その子は足早に公園へと向かった。

だが、戻った公園は何時もと雰囲気が違っていて、
その子の足を一瞬止める。

既に皆帰った後の公園は、何時もと違いしんと静まり返っていて。
夕焼けに染まる遊具は、まるで違うものに見えたのだ。

けれど、折角ここまで来て忘れ物を取らずに帰るのはいやだ。

その子は覚悟を決め、目的の場所まで走って行く事に決めた。

その子の忘れ物は、想像していた場所にちゃんとあった。
それにホッと安心すると同時に、その子の気持ちに
若干余裕が生まれた。

寧ろ誰も居ない公園に一人居ると言う事に、少しだけ
優越感が浮かぶ。

明日友達に自慢してやろう。

そう思い、忘れ物を手にしたままぐるりと公園内を見渡した。

その時、不意にカサリと言う音が後ろの方から聞こえてきた。

ビクッと体を震わせ、恐る恐る後ろへと視線を向けるが、
あるのは子供の背丈ぐらいの大きさの垣根のみ。

誰か居るのならその姿が見える筈なので、何も居ない事に
小さく息を吐く。

風か猫か・・・猫だったら少し遊びたいな。

その子はそんな想いから、その場にしゃがみ込んだ。
そして下を覗くように頭を下げる。

すると、カサリ、カサリと木々が揺れるのが目に映った。

やっぱり猫だ。と体を寄せようとした瞬間、

 

 

「中から上半身だけの人が凄い勢いで出てきたんだって!」

 


こう、カサカサカサって!そう言ってその子は組んでいた腕を
勢い良く前後に動かした。

その瞬間、ガキ共の間から悲鳴が聞こえてくる。

そして、この公園だったらどうしよう。等と言う声も聞こえ、
同時にもう帰ろうよ。と言う声も聞こえてきた。

全く、これだからガキ共は・・・

呆れた目で見詰める女の子の前で、ガキ共はそろそろ帰る
時間だし・・・と、次々に家路へとついてしまった。

残るはその女の子一人。

別に一人でも遊べるが・・・と、夕焼けに染まっている
公園内に目をやったその時。

 

カサリ。と女の子の背後から音が聞こえてきた。

 

先程見た時、女の子の背後にあったのは、子供の背丈ほどの
垣根だけだった。

風も・・・今は吹いていない。

もしかして・・・、そんな思いに小さく女の子の喉が鳴る。

その間も、カサリ、カサリと木々が揺れる音が聞こえてくる。


カサリ、カサリ・・・音がする。

ドクドク・・・と女の子の心臓が跳ねる。


でも・・・と女の子は思った。

もしかしたら、先程のガキ共が自分を怖がらせようと、
帰った振りをして後ろの木々に隠れているのかもしれない。

そうとなれば見っとも無い所は見せられない。
だって、自分は工場長兼女王なのだ。

女の子は気持ちを奮い立たせると、勢い良く音のする場所へと
体を向けた。

案の定、垣根の上に姿は見えない。

下に隠れているのだろう・・・女の子は逆に驚かしてやれ。と、
その場にしゃがみ込んだ。


その瞬間、女の子はある事に気付いた。


ガキ共は先程帰った。
確かにそれほ自分は見届けた。

そしてそれは、今見ている垣根とは正反対の場所であった
のではないか・・・と。

なら、これは・・・と目を見開く女の子の前で、
垣根の下からガサリと人の手が出てきて・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

「ちょ、銀さん煩いっ!」

神楽の話の途中で銀時が叫び、その声の大きさに
近くに居た新八達は耳を塞いだ。

「だ、オマッ、これ、あの・・・
えぇぇぇえ!!?マジか、マジでか、これっ!」

ウソと言ってくれっ!そう叫びながら、銀時は神楽の肩を
揺すぶった。

「何がネ!ってか人の話の邪魔すんじゃねーヨ!!」

そう言い、神楽は銀時の頭を力強く叩いて
深い眠りへと強制的に落とした。

「ったく、折角の怖い話が台無しネ」

「全くでさァ」

ムスリと唇を尖らす神楽に、沖田も同意する。
そこに、心配げな顔をした新八が声をかけた。

「でもそれって本当なの?不審者とかじゃなくて?」

まぁどっちも危ないけど・・。と言う新八に、神楽は あぁ。と
声を上げるとニカリと口元を上げた。

「大丈夫ヨ。単なる公園が住処なマダオ
起き出して来ただけだったネ」

でも伝説になるなんてズルイから、激しくボコッといたけどナ。

そう言って笑う神楽に、新八の頬がヒクリと引き攣る。

どうやら木陰で眠っていた長谷川さんが、神楽の声に
気付いて這い出て来たらしい。

・・・長谷川さん・・・すみません。

思わず今も公園に居るだろう、ある意味伝説の男に、
新八は心からの謝罪を贈ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 


その後、ちゃんとしたオチを教えてあげようと、復活した銀時に
話しかけた新八だったが、神楽の話の続きと聞くだけで
銀時は逃げまくり、結局真実を知る事はなかったと言う。


そんな銀時が、数日の間、公園どころか家からも出なかったのは
言うまでもない。

************
調子に乗りました。
怖がって頂けましたでしょうか、狸御殿様v(笑)

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