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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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「第九回、チキチキ怪談大会~」

「よっしゃぁぁぁ!!!」

沖田の声に、新八達から楽しげな声が上がり、

「・・・ね、本当に何やってんの、お前ら」

銀時からは地を這うような声が上がった。
そのテンションの低さに、神楽達からじっとりとした
視線が送られる。

だがそれも仕方が無いだろう。
だって場所は勿論万事屋、そして時は真昼間。
しかもがっちり銀時が在宅中で、昼寝をしていた所を
文字通り叩き起こされたのだ。

これでテンションを上げろと言う方が無理と言うものだ。
大体、銀時のテンションは常にグダグダなのだし。

新八が関係していなければ。

「ね、なんなのこいつ等。苛め?苛めなの、コレ。
ったく折角新八と二人でまったり過ごしてたって言うのによぉ」

と言う事で、グダグダしたまま銀時は隣に座っている
新八の元へと擦り寄っていく。
が、にっこり笑った新八の手によって
直ぐに離された。

「まったりしてたのは銀さんだけで、僕は確り
仕事してましたけどね。単なる掃除ですけど」

どうやら少しだけ、だらけていた銀時に怒っていたようだ。
それに便乗するように、神楽達も声を上げる。

「仕事自体がないから、暇潰しには丁度いいネ」

「だよなぁ~」

「いや、お前はあるだろ。
だって隊服じゃん?思いっきり仕事中って感じじゃん?」

「感じなだけでさァ」

「携帯鳴ってっけど?」

「空耳でさァ。っつうか話が進まねぇんで
ここら辺で切って良いですかィ?」

「進まねぇようにしてんだよっ!
気付けよ、そこはっ!そして聞けっ!!」

銀時の叫び虚しく、新八達はソファに座ったまま、
顔を中央のテーブルの上に寄せ、声のトーンを
落として話し始めたのであった。

 

 

 

 


「これは俺の友達の話なんだけどねィ」

真昼間なので全く意味がないと思うのだが、沖田はそう言うと
懐中電灯を顎の下から照らした。

 

 




 

その日、夜も更けた頃一人暗い道を歩いていた時だった。
遠くから聞こえる繁華街の喧騒以外何も聞こえない筈なのに、
ふと、ヒタヒタと後ろから足音が聞こえてきたのだ。

まぁ夜も更けたと言っても、そこは天下の往来。
自分以外にも歩いている人は居るだろう。とその時は気にしなかった。

だが、その足音は何故か自分の家まで着いてきたらしい。

まぁこれもアリだろう。と、あまり気にしなかった。
夜更けと言えども、自分の家は民家の集まっている所だ。
偶々同じ方向なのだろう。と思っていた。

けれど、不思議な事にその足音はほぼ毎日、自分の後を着いてきた。

しかも帰る時間は度々違うのに・・・だ。

その上一度、忘れ物をした事に気付き振り返った時、
白い何かが視界の隅を横切ったのだ。

流石に気味悪くなったので、それから暫くの間
一人では帰らないようにしていた。

すると、その足音はぴたりとしなくなった。

やはり気のせいだったかと、再び一人で帰るように
なったのだが、それを待っていたかのように、足音も再び着いて来た。

走れば向こうも走り、止まれば向こうも止まる。

チラリと振り返れば、白い何かが視界を横切る。

そう、実体は見えないのに、白い何かは居るのだ。
その上、その足音は日に日に自分に近づいてくるような気がする。

とりあえず今の所は不気味なだけで、実害はない。
けれど、この先ずっと大丈夫かと言えば、そう言う確証はない。
誰かと居れば大丈夫だが、それによって頼んだ人に
被害が及ばないとも限らない。

さて、どうしよう。

と、今日も足早に駆け込んだ玄関先で考えていると、
玄関の直ぐ外で明らかな舌打ちと・・・

 


「今日も捕まえられなかったか・・・」

 

 

と言う忌々しげな声が聞こえてきて・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「んで、流石にヤバイだろうと思ったそいつは俺に相談してきたんでィ。
一緒に帰ると現れないから、後ろから着いて来てくれないか・・・ってねィ」

淡々と話を続ける沖田に、新八達の喉がコクリと鳴る。

「で、どうしたネ」

「勿論言うとおりにしたぜィ?すると確かにあいつの後ろを
着かず離れずの位置に、白い影がフラフラしてやがる。
その上その白い影は、何度かそいつに手を伸ばそうと
してるじゃねぇか。
流石の俺もブルッと来たねィ、あれには」

まるで違う世界に引きずり込んでしまおう・・・と言う気配だった。
と沖田は一度言葉を止め、新八達を見回した。

「だから俺は気付かれない様注意しながら
走り寄ったんでさァ、そんな事させてたまるかっ!てねィ。
だが相手もさるもの、細心の注意を払った筈なのに、
不意にその白い影は消えちまった。
慌てて周囲を見回すが、誰も居ない」

一体何処に・・・と振り返ると・・・

 

 


「そこだぁぁぁぁ!!!」

「ぎゃぁぁぁぁ!!!!!」

突然の沖田の大きな声と指された指先に、銀時が絶叫を上げながら
飛び上がって新八に抱きつく。

「何処、何処だコノヤロー!!
いらないから、銀さんそんな影いらないからぁぁ!!!」

「ちょ、銀さん落ち着いて下さいよ。
そんなの居るわけないじゃないですか」

ギュウギュウと新八を抱き締めながらも、決して顔を上げようとしない
銀時。
それに新八が苦笑しつつ、宥めるように背中を摩った。

「・・・銀ちゃん、ダセェアル」

「うっせぇ!別に本気じゃねぇから、あんなの。
ただ臨場感を出してやろうと思っただけだから、銀さん!
でも一応後ろを確認しといて下さい、新ちゃん」

銀時の言葉に、アンタは・・・と少し呆れながらも
きちんと銀時の背後を確認する新八。
そして 大丈夫だ。 と告げると、最後の仕上げとばかりに
銀時の頭をポンポンと撫でた。

「さて・・・と。僕、お茶でも淹れて来ますね」

そう言って立ち上がる新八に、銀時も慌てて立ち上がり、
偶には手伝ってやらぁ。 と、後を追った。

そんな二人を見送っていた神楽に、沖田がチョイチョイと手招きする。

「どうしたネ」

「さっきの話、どうでィ」

ニヤニヤと笑う沖田に、神楽は小さく鼻を鳴らす。

「ありきたりで全然怖くなかったネ。
そんな白い影、毎日見てるし」

「そりゃそうだったねィ」

そう言い合う二人の視線の先には、新八の後ろを
フラフラと着いていく白い銀時が。

 

 


「まぁ銀ちゃんのヘタレ過ぎる行動に恐れはなしたけどナ」

でも当分捕まえる事も別の世界へと連れ込む事も出来やしないネ。

神楽の言葉に沖田が笑い、台所の方で銀時がくしゃみする音が聞こえた。

**********
送って行きたいのに言い出せないヘタレ坂田。
 

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