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「じゃじゃ~んっ!」
その日、遊びから帰ってきた神楽は、効果音を口にしながら嬉しそうに
手にしていたモノを銀時達に見せ付けた。
「うわ、何ソレ、オマエ。
なんか滅茶苦茶懐かしいんだけど」
「ってかどうしたの、そのフラフープ」
それぞれちょっと驚きながら言葉を返してくる二人に、
神楽はフフンと得意そうに鼻を鳴らす。
「みぃちゃんが新しいの買ったからってくれたネ」
「え、大丈夫なの、それ。ちゃんと親御さんの許可取ったのかな?」
「ったく、メガネは心配性ネ。そんなんじゃ今夜禿げるヨ。
ちゃんとみぃちゃんのマミーも貰ってくれって言ってたアル」
「なんでそんな急展開!!?
禿げないからね?まだまだ元気だから、僕の毛根!」
でも良かったね、神楽ちゃん。そう言うと、神楽はニシシと笑みを零した。
そして 見てるヨロシ。 と言うと、輪の中に体を入れて
思い切りフラフープを回し始めた。
ウホホ~イッ!と楽しそうな声に、新八は微笑み、銀時も小さく笑みを零した。
「・・・しっかし本当懐かしいな。何アレ、また流行ってんの?」
ぐるぐるとフラフープを回し続ける神楽を眺めながら、ふと過ぎった
疑問を銀時が口にすると、新八はコトッと小さく首を傾げた。
「さぁどうなんでしょう?
流行ってるとかどうかより、定番ってヤツなんじゃないですか?」
玩具屋で見かけますし。そう答えてお茶を啜る新八に、
銀時はチラリと視線を向ける。
「・・・なぁ、オマエは出来んの?アレ」
ニヤリと意地悪そうに口元を上げる銀時に、新八は微かにムッとする。
「出来ますよ、アレぐらい」
「ふ~ん。」
「・・・なんすか、その顔。普通にキモイんですけど」
「ん~?別にぃ?でもそっかぁ、新ちゃん、出来るのか~」
いや~、凄い凄い。等と口にしながらも、銀時の顔はニヤニヤしたままだ。
「っ神楽ちゃん!ちょっとソレ貸してっ!!」
そんな銀時に憤ったのか、新八は眉を吊り上げたままぐるぐると
フラフープを回し続けている神楽へと近付き、手を差し出した。
「いいですか!?その死んだ目を半分でいいから蘇生させて
見ててくださいよ!?」
「ん~、あいよ~」
フラフープを構え、ビシッと銀時を指差し、本来ならムカッとして
言い返してくるような事を告げる新八だったが、
銀時はニマニマと暢気な返事を返すだけだ。
その態度に新八は益々ムカッとする。
怒りのあまり、ちょっと頬が赤くなっていたりするのだが、
それがまた銀時のニヤケ顔を助長する。
そんな銀時を視界に入れないよう、
新八はじっとフラフープを見詰めると、ホッと小さな掛け声と共に
勢い良くフラフープを回した。
「フッ・・・ホッ・・・」
クルクルと腰を回してフラフープを操る新八。
最初は中々勘が戻らず、難しい顔をして回していたが、
その内にだんだんとコツを思い出したのか、リズム良く腰を回し始めたのであった。
「あ~、やっぱりちょっと難しいですね。
でも出来ましたよ、銀さんっ!」
見てましたか?と、止めたフラフープを手に、少しだけ息を弾ませて
ニコニコと銀時へと顔を向ける新八だったが、
そこに居たのはソファの上で前屈みで蹲る銀時と、
それを冷たい視線で見詰める神楽。
「って銀さん!!?ちょ、どうしたんですか?
っつうか鼻血!!神楽ちゃん、ティッシュ取って、ティッシュ!!」
慌てて銀時の元へと近寄り、取って貰ったティッシュを渡す。
「本当どうしたんですか、一体。
チョコでも食べ過ぎました?」
心配そうに銀時の背中を撫でる新八に、銀時はティッシュで鼻を
抑えながら緩く首を振った。
「いや、あらぬ妄想が目の前を過ぎって・・・」
「そこはチョコ食べ過ぎたって言えよぉぉぉ」
なんですか、あらぬ妄想って!!そう言ってティッシュ箱を床に
叩きつける新八に、神楽が呆れた声で答えた。
「なんか知らないけど、新八がフラフープやりだしたら
段々と銀ちゃんの体が前屈みになっていったネ」
でも視線だけは逸らさなかったヨ。その神楽の言葉に、
当ったり前だ!!と銀時は体を起こした。
「だってオマッ!あんなレア映像、早々に見られるもんじゃねぇぞ!?
グィングィン一生懸命腰回して、ほっぺた赤くして、
尚且つ息弾ませて・・・っ!!」
「フラフープやってただけだろうがぁぁ!!!」
変な言い回ししてんじゃねぇ!と、新八は器用にフラフープを回し、銀時へと強烈な
打撃を与えたのであった。
その後、万事屋内でフラフープ禁止となったのは言うまでもない。
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バトルモーションはサンデー様で(コラ)