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ウチで細々とした家事をこなしているちっちゃなオカン。
そんな彼は、思ってたよりもちっちゃかったようだ。
だって俺は、もう少しでかかった。
やっぱアレか?食生活に問題があるのか?
ってか戦してた時よりも過酷な食生活なのか
ここは。
・・・本気出して仕事しようかな、うん。
そんな事を思いつつも、体はダラリとソファの上。
俺は、この間実際に目にして・・・と言うか手にして
まざまざと実感したちっちゃな足を目で追っていた。
本当、あんなちっちゃな足でよく動くもんだ。
箒片手にパタパタと動く足を見詰め、感心する。
・・・と、ここで新たな疑問発生。
足は確かにちっちゃかった。
ならその上は?
のそりと上げた視線の先で、袴に包まれたお尻がユラユラ揺れていた。
・・・ってか判らん。
ぶっちゃけ袴が邪魔だ。
俺はノソリと起き上がり、暫し悩む。
が、悩んでても仕方ないと腰を上げ、新八へと近付いた。
「なぁ、新八」
「はい?」
名を呼べばくるりと振り返る。
だが、直ぐ後ろに居たとは思わなかったのだろう。
眼鏡の奥で、でかい目が更にでかくなった。
ってか目はでかいのな、目は。
そんな事を思いつつも、とりあえず疑問を晴らすべく、俺は
新八の後ろへと手を回した。
「ぎゃっ!!」
途端、短く声を上げる新八。
あまり可愛げがない上に、耳元で上げられて少し煩い。
だが、今はこちらだ・・・と、がっしり掴んだ新八の尻を揉む。
「うおっ!なんだコレ。」
ちっちぇえっ!ちっちぇえだろコレ。
なんかもう、俺の手が余る勢いだぞ!!?
予想してたより小さいその感触に、銀さんびっくりだ。
思わず声を上げ、ニギニギと指を動かしていると、
腕の中の新八が暴れだした。
「こっちの台詞だよ!何コレ。
一体どんな状況ぉぉぉ!!?」
いやどんな状況って、新八の尻の確認だよ。
そんな事を思いつつ、やっぱりニギニギ。
うわ~、足もそうだったけど、本当ちっちぇえ。
え?これで本当に生活出来てるの?オマエ。
なんか無理してない?
椅子とかに座ると、転げ落ちちゃいそうなんですけど!?
ってかよく、近所のヤツラに新八の尻に敷かれてるねぇ
・・・とか言われるけどさ。
これで敷くってオマ・・・無理だろ。
だってちっちぇえもん。
俺の両手にばっちり余るもん、コレ。
あ~、でも感触はいいなぁ、オイ。
やわっこいっつうか、ジャストフィットっつうか・・・
なんかもう、俺の両手の為にあるようなもんじゃね?
寧ろこの尻に敷かれるなら、本望じゃね?
「いい加減離せ、このセクハラ大魔神っ!!」
ずっとニギニギしていたら、とうとう新八が切れ始めた。
「いや、なんか手が離れなくてよぉ」
寧ろ吸い付く勢いだ。
そんな事をポロッと口に出せば、凄い勢いで睨まれた。
「なら一層、体から切り離してやりましょうか。その手」
や、それは不味いでしょ。
だってそれだと、手だけが新八の尻に
引っ付いてる感じになっちゃうからね?
ナイス感触が全く本体に伝わってこないから、ソレ。
なので渋々手を離す事にする。
少し惜しいが仕方ない。大きさも確認出来たしな。
足のちっちゃいこいつは、お尻もやっぱりちっちゃかった。
やっぱり見ただけじゃダメだ。
行動に移さなければ、判らない事もある。
じゃなければ、このナイス感触なんて判らなかった。
でも、最後に・・・
「とりあえず頬ずりして良い?」
そのナイス感触を、是非手以外にも。
そう言ったら、問答無用でちっちゃい膝が、俺の脚の間へと
振り上げられた。
そして蹲るのと同時に、クルリと新八の体が回り、繰り出される
華麗な回し蹴り。
・・・どうやらあのちっちゃくて手触りの良いお尻は、
とっても柔軟性に優れているらしい。
とりあえず、俺の手が新八の尻から離される前に、
俺の意識がぶっ放された。
うん、これだけバランス感覚があるなら大丈夫だろ。
その後、非常に手触りの良いちっちゃいそのお尻は、
暫くの間俺の視界に入ることはなかった。
ってか触らせてくれないなら、せめて見せろよ、おい。
**********************
・・・シリーズになるのか?これ(笑)
「たでぇまぁ~」
頼まれていた品物を脇に置き、モソモソとブーツを脱ぐ。
ってか面倒臭ぇな、コレ。
誰がこんなの選んだんだ?
もうちょっと便利性を重視しとこうよ。
なんで脱ぐだけでこんなに時間かかるんだって話だよ、本当?
出掛ける時もさぁ、もういっその事外に行くの止めようか?って
思っちゃうからね、実際。
「あぁ、て事は寧ろ外に出ず、家でダラダラしてろって
事なのかね、コレ」
ならしゃ~ねぇわな。うん、と納得して頷いていたら、
ポコリと軽い衝撃が頭にきた。
あまり痛くはないが、つい手をあててしまう。
その格好で振り向けば、何故だか呆れ顔の新八が仁王立ちしていた。
「何妙な証明してんですか、アンタ」
「いやいや、妙なじゃねぇよ?
これはある意味真理だ」
「怠け者の心理ですよ。
それよりも頼んでおいたもの、買ってきてくれました?」
新八に言われ、座り込んだまま買ってきた物を手渡す。
するとほっこり笑われて、有難うと言われてしまった。
うん、面倒でも行ってよかった。
この笑顔の為なら、ブーツの面倒さなんて屁でもねぇ。
屁でもねぇけど・・・やっぱ面倒臭ぇなぁ、おい。
渡したものを手に、台所へと引っ込んでいく新八を余所に、
俺は再びダーツとの格闘に望んだ。
そしてやっと脱げたブーツをポイポイとそこら辺に放り投げる。
・・・が、直ぐに我に返り、きちんと並べなおした。
場所は勿論新八の草履の隣だ。
幾ら面倒臭いブーツでも、俺の一部だ。
なら新八の隣に居るのが当然だろう、うん。
ちなみに神楽の靴の定位置は新八を挟んだ向こうだ。
今はないが、帰って来たらきちんとソコに並ぶのだろう。
まさに仲良し坂田家。
ヤバイほど完璧な光景だ。
目の前の光景にうんうんと満足し、腰を上げようとした所で
ふと、ある事に気付いた。
・・・ってかちっちゃくね?
上げようとした腰を再び降ろし、しゃがみ込んだ状態で
並んだ靴を見てみる。
神楽のもそうだが、新八の草履も結構ちっちゃい。
や、俺のブーツがでか過ぎるってのもあるけどね?
でも・・・うん、ちっちぇえな。
それはもう、思わず手にして
愛でたいぐらいの勢いだ。
・・・や、流石にしないけどね。
我慢出来る子だから、銀さん。
そして、そう言えば・・・とふと思う。
こんなちっちゃい草履で、新八は足を痛めたりしないのだろうか・・・と。
と言うか、そもそもそんなちっちゃい足で、歩いていても
平気なんだろうか。
考えてみれば、新八はよく外を歩く。
それは買出しだったり、仕事だったり、ここに来る為だったり
するが、そんなに歩いても大丈夫なんだろうか。
こんなにちっちゃい足してるのに。
そう言えば以前、新八は足の骨を折ってしまった事があったっけ。
あれはやはり無理してるからではないのか?
もしかして、今日俺に買い物を頼んだのも、それが原因か?
だって、こんなにちっちゃい足をしているのだ。
俺は慌てて新八の居る台所へと向った。
「新八っ!」
台所に入るなり呼び掛けると、びっくりした表情の新八が
こちらを振り返った。
「え?どうしたんですか、銀さん」
そう聞かれるが、今は無視だ。
それよりも早く確かめなければ・・・と、俺は中へとズカズカ入り、
新八の足元へと膝を着いた。
そして新八のちっちゃい足を掴むと、そのまま立てている自分の
膝の上へと引き寄せる。
バランスを崩しかけた新八が、慌てたように何か言っているが
それも無視だ。
がっちり掴んだまま、目の前にあるちっちゃい足をじっと見詰める。
・・・うん、怪我とかはしてねぇな。
ちっちぇけど。
ってか本当、ちっちぇえなぁ、おい。
自分のものとは全く違う、白い足袋に包まれた足をそっと撫でる。
全く、こんなちっちゃくてよくあんなに動けるもんだ。
寧ろ、よく普通に立っていられるもんだ。
足だってこんなに細いのに・・・って本当、細いな、おい。
これはアレか?こんだけ細いからこそ、こんなちっちゃくても
支える事が出来てるのか?
・・・って、あ。動いた。
今、ピョコンって動いたよ、指。
うわ~、本当に動くんだな、コレ。
きっと指もちっちぇえんだろうなぁ。
それがこう・・・ピョコピョコ動いて?
・・・なんか不思議だ、うん。
ちっちぇえ癖に、俺と同じように動くのが本当不思議だ。
あぁ、それにしても・・・
「あの・・・銀さん?何して・・・」
黙ってひたすら足を見詰めている俺を不思議に思ったのか、
頭上からおずおずとした声がかかる。
それに、俺は足から目を離さないまま答えた。
うん、何もねぇけどさ。
「ちょっと舐めても良い?コレ」
基本、我慢出来る子な銀さんだが、流石に
目の前にこんな可愛いのがあったら
我慢も出来ねぇ。
だが、一応礼儀として聞いてみたら、目の前のちっちぇえ足が
ものっそく凄まじい勢いで顔面へとやってきた。
どうやらこのちっちぇえ足は、スピード重視な設定になっているらしい。
おまけに想像よりも、かなり頑丈なようだ。
あぁ、でもやっぱちっちぇえのな。
顔面に感じた足の感触に、そんな事をしみじみと思った。
ちなみに、その後暫くの間、そのちっちぇ足は俺の
傍には寄ってこなくなった。
どうやら危険回避能力も兼ね備えているらしい。
・・・・・・・・・・・・ちっ!
*******************
某様と盛り上がったちっちゃい新ちゃん話。
その日は、何時もの様に新八に起こされるのではなく、新八の電話に
起こされた。
なんでも少し来るのが遅れるらしい。
んだよ、じゃあ誰が朝御飯作るんだよ。
ってかお早うのちゅーは?
そう言ったら暫し無言の後、突然電話が切れた。
これはアレだ。
多分未払いだったからだ、うん。
ほんの少しだけ仕事しなきゃなぁ・・・なんて考えつつ、
俺は神楽を起こす事にした。
目指すは新八の家だ。
ご飯がなければ食べに行けばいいのだ。
そしてお早うのちゅーがないなら、
しに行けばいいのだ。
序にただいまのちゅーもしよう。
俺はそう決断すると、未だウダウダと寝惚けている神楽の頭を
軽く叩いた。
「・・・なんで来るんですか、アンタ等」
そう言って呆れた顔を向けてくる新八は、今日もツンデレ街道まっしぐらだ。
「てかオマエこそなんで来ないのよ。
銀さん、腹が減って愛が足りなくて仕方ないんですけど?」
「なら腹も愛も自給自足しろよ、いっそ。
それに仕方ないじゃないですか、まだ真選組からお迎えが
来ないんですもん」
そう言う新八の視線の先には、魂の抜けたゴリラが転がっていた。
っつうかあいつ等のお迎えより、
黄泉の国からのお迎えのほうが
先に来そうじゃね?あれ。
「姉御とご飯はどうしたネ?」
「姉上はもう寝たよ。ってなんでご飯!?」
本当、何しに来たんだよっ!と怒りつつも、朝飯の用意をしてくれる
新八に愛を感じる。
うん、やっぱり新八はツンデレだ。
「で?まだあいつ等こねぇの?」
連絡したんだろ?と、食後の茶を飲みながらそう聞くと、新八は
ん~と困惑気味に首を傾げた。
「一応連絡はしたんですけど・・・なんか変なトコに繋がっちゃったんです。」
「変なトコ?」
新八の言葉に、俺も神楽も首を傾げる。
「元々アソコは変なトコネ」
「や、そうなんだけどね。
でもそれ以上に変なトコで・・・」
「んだよ。ただ掛け間違っただけじゃねぇの?」
よし、銀さんが掛けてやらぁ。そう告げて、俺は電話の所まで足を運んだ。
・・・が、
『はい、こちら真選ジャー』
掛かった場所は本当に変なトコロだった。
何度掛けてもやはり変なトコに掛かるので、俺は大人しく諦める事にした。
頭を捻りながら新八達の下へと帰ると、やっぱり・・・と
これまた諦め顔な新八に迎えられた。
「なんなんですかね、真選ジャーって。
シンケ○ジャーなら判るんですけど・・・」
「え?何ソレ。銀さんどっちも判んないんですけど!?」
ポツリと零された新八の言葉に、思わずそう聞くと
知らないんですか?と不思議そうに聞き返された。
いや、そこで不思議顔される意味も判らないんですけど。
ってか何で神楽に至っては半笑いぃぃ!?
ちょ、本当何ソレ。
二人だけで判ってんじゃねぇよ。仲間外れには良くないよ?
実は寂しがり屋だからね、銀さんっ!
とりあえず、新八の説明によれば、最近やっている
所謂子供向けの英雄モノらしい。
・・・それを何で俺が知らない事に不思議がられるのか
判んないんですけど。
銀さんはなんでも知ってるなんて思うなよ?
あ、でも恋の手ほどきはバッチリなんで
安心して下さい。
・・・って、アレ?
「もしかして新八、日曜日の朝、来るのが遅いってぇのは・・・」
と、思い当たった原因を恐る恐る問えば、
あはっ と可愛らしくも恥ずかしそうに笑顔で肯定された。
「って、何してんの、オマエっ!!
ダメでしょ、銀さんとの時間は、もっと大切にしなきゃっ!!
これは浮気だよ!?浮気と一緒だよ!!?」
「その前に本気の影すらありませんけどね、
僕には。
それにこれは侍の勉強ですからっ!」
「なんで侍!?英雄モノだろうが、コレ。」
「いやいや、英雄モノで侍なんでィ」
俺と新八が言い合っていると、突然第三者の声が入り込んできた。
ちなみに神楽はまだ米を飲み込んでいる最中だし、
ゴリラは臨死体験ツアー真っ最中だ。
・・・って事は。
ちらりと視線を動かせば、片手を挙げてノソリと縁側に
上がりこんで来る黒い物体が。
「ど~も~。真選ジャー、参りやした」
・・・や、だから真選ジャーって何?
「中々あれは奥が深い番組でしてねィ。お陰で屯所内では
空前のシンケ○ジャーブームでさァ」
そう言って呑気にお茶を飲むS王子。
その言葉に、新八がポンと手を叩く。
「じゃあもしかして真選ジャーって・・・」
「パクりやした」
「少しはオブラートに包めよ、そこ。
あぁ、でも良いですもんね~、アレ」
そう言う新八の目は、まさに夢見る少年だ。
そのまま沖田とシンケ○ジャー語りに入ってしまう。
どうやら内容は昔と変わらず勧善懲悪的なものらしいが、
英雄側が侍設定らしい。
おまけにリーダー的赤が殿様で、
オリガミがロボットになるらしい。
確かに、話を聞くと侍を志している新八にとっては
興味深いものなんだろう。
なんか侍道を前面に出しているらしいし?
その名もズバリ、侍○隊って言うらしいし?
・・・・・・・でも悪ぃ。
幾ら妄想逞しい銀さんでも、
全く想像がつかねぇや、ソレ。
「ってか沖田君がそう言うの好きなのってのも
想像つかないんだけど・・・」
ポツリと呟けば、当の本人から ヤレヤレ と言った感じで
首を振られた。
「旦那ぁ、判ってやせんねィ。
数人掛かりで一人をボコりまくるなんて、
Sの心を鷲掴みじゃねぇですかィ」
「・・・・あ、そう」
多分製作側が鷲掴みにしたいのは、子供の心と
親の財布だと思うんだけどね、銀さん。
どうやら目の前のパクリ英雄にとって、正義のSは
そのままドSのSと一直線に結ばれていたらしい。
そうこうしていると、漸く腹が満たされたのか、神楽までその話の中に
入っていった。
おまけに蘇生成功したゴリラまでもが・・・だ。
ってかその三人はまだ許せるが、流石にオマエはダメだろう。
いや、忠義がどうとか知らないから。
何?正義の方にそんなのまで背負っちゃってんの!?
子供向けの三十分に、
どんだけ大和魂注ぎ込まれてんだよ、ソレ。
結果、和気藹々としている輪から、ポツンと離れた所に
銀さんは居るわけで。
・・・とりあえず、今度の日曜はちゃんと起きて見てみようと
心に誓ってみた。
「ってか銀さんも一応英雄じゃね?特に新八的に」
「旦那ァ、英雄ってのはキラキラしてるもんですぜィ?
アンタはムラムラしてるだけじゃねぇですかィ」
「それにデレデレしてるのもプラスするネ」
「あ、後ダラダラしてるってのも」
「・・・ね?泣いていい?」
*************************
判り辛くてすみませんι週末限定で平和を守っている
お兄さん達の話です。
もう、今年の英雄が大好きなんで、
ついやっちまいました☆(反省の色なしかいっ!)
って事で是非、そのまま蒼さんも嵌ってくださいっ!!(おいぃぃ!!)
その日、銀時が二日酔いの頭を抱えながら居間へと行くと、
見慣れないお客様が鎮座されていた。
「・・・え?何コレ」
「あ、銀さん漸く起きましたね。
全く、弱いくせにお酒呑むの止めないんだから」
「全くネ。どうせ呑むならお米にするヨロシ」
「や、神楽ちゃん。お米は呑むものじゃなくて
食べるものだからね?」
「酒も元はお米ネ。どっちも同じアル。
寧ろ腹にたまる分だけ、断然いいヨ」
銀時の問い掛けを無視して、ソファに向かい合って座っていた
新八と神楽が話を進める。
「いや同じじゃねぇからな?
大人にとっちゃ酒の方が米より必要な時もあるから。
それよりもお前ら、それは・・・」
「それ以前に人としてお米は
とっても大切なんですけどね。
あ、銀さん、ご飯食べられます?
食べられないなら無理しないで下さいね。
昼食が一人分浮くんで」
そう言って笑う新八からは、暖かいという笑顔に似合いの
形容詞が丸っきり抜けていた。
どうやら昨日呑んで帰って来た事が、彼の怒りに触れたらしい。
銀時は少しだけ体を小さくすると、味噌汁だけを丁重に
要求した。
ただでさえ痛む頭に、これ以上ダメージを与えたくはない。
銀時は大人しく定位置であるソファに腰を降ろすと、
運ばれてきた味噌汁を一口、口にした。
なんだかんだ言って、しじみの味噌汁という所に愛を感じる。
・・・今の彼等の視線から
全く感じられない分、余計に。
そして、それを暫し堪能した所で、銀時は再び先程の質問を口にした。
「で?どったのよ、そのでっけーぬいぐるみは」
新八の言葉を借りるとこうだ。
どうやら何時もの如く、ストーカーがお妙の元にやって来たらしい。
しかも、今目の前にあるものっそくでかいぬいぐるみを持って。
ちなみにクマのぬいぐるみで大変愛らしい。
愛らしいのだが、何分でかい。
大人が座ったのと同じぐらいの大きさだ。
しかも微妙にプレゼントする年齢層やタイプが違っている気がする。
だってアレだ。
お妙の様な年頃の娘に、こんなでかいぬいぐるみはないだろう。
それに相手はあのお妙である。
絶対抱き締めて可愛がるとかしないだろうし、
寧ろサンドバック代わりにするのがオチだ。
それともアレか?
それを見越して、少しでも自分の身代わりになってくれ・・・と言う
切なる願いでも込められているのだろうか。
なら種類が間違っている。
クマじゃなくてゴリラにしろ、ゴリラに。
とりあえず、本物のゴリラの方は願い虚しく、ボコられたらしい。
で、残されたのは、無傷なぬいぐるみだ。
一応迎えに来た真選組に、一緒に引き取ってくれるよう頼んだらしいが、
断られたそうだ。
そりゃぁそうだ。
厳つい野郎共の棲家に、こんなファンシーな塊は置いておけないだろう。
精々藁人形ぐらいなもんだ、アソコに似合うのは。
だが・・・
「ウチにも似合わねぇと思うんだけどよぉ」
しみじみと呟けば、新八が笑って同意した。
「だから誰か欲しい人居ないかと思って。
ほら、銀さん無駄に顔が広いから」
ウチに置いとくと、近藤さんが誤解しちゃいますし。そう言われ、
成る程・・・と納得する。
確かに何時までもアソコに置いておいたら、何時でもプラス思考な
ストーカー魂が炸裂するだろう。
とりあえず、貰ってくれそうなヤツを思い浮かべながら、
ふと沸いた疑問を新八に投げかけた。
「で?家から態々持って来たの、オマエ」
そう言うと新八は えぇ。 と頷き、ドカリと鎮座していた
ぬいぐるみをよいしょとばかりに抱え上げた。
「こうやって・・・っと。朝早いからそんなに人は
居なかったですけど、少し恥ずかしかったです」
そう言って抱えたぬいぐるみからチョコンと顔を出し、
照れたように笑う新八に、一瞬クラリとする。
・・・ヤバイ、何アレ。
ちょっとした最終兵器なんですけどぉぉ!!!?
可愛くてでっかいものに、これまた可愛くてちっこいのがってオマッ!
え?何ソレ。そんな格好でここまで来たの?
道をえっちらおっちらやって来て、時たま抱えなおしながら
チョコンと顔出して前方確認して?
よいしょよいしょって、ここの階段上って?
よく攫われなかったなぁ、オイ。
俺だったらアレよ?親切装ってそのまま掻っ攫うよ?
ってかなんで寝てたかな、その時の俺ぇぇぇ!!!
見たかったんですけど。
もう滅茶苦茶じーっと後ろからその姿を見て
居たかったんですけどぉぉ!!!
あまりの事に心底悔やんでいると、今度は神楽が
ぬいぐるみを抱えている新八の元へと行き、前からぎゅっと
それにしがみ付いた。
「でもこの子、滅茶苦茶抱き心地がいいネ。
これだったら私、ずっと持ち歩いててもいいヨ」
そう言ってスリスリとぬいぐるみに顔を摺り寄せる神楽に、
再びクラリとする。
だってオマッ・・・本当ヤバくね!?
可愛くてでっかいのに、
可愛くてちっこいのが二人もって!!!
「確かに。気持ち良いよね~、この子」
そう言ってやんわりと笑い、同じように頬を摺り寄せる新八。
だからそれ、ヤバイからね。
本当、責任持てないから、銀さん。
や、何の責任かは判んないけど、
兎に角持てないから。
「それにどんなに抱き締めても大丈夫ネ。
安心して可愛がれるヨ」
ニコニコと笑って抱き締める神楽。
や、流石にやり過ぎるとダメだろう。
死にはしないが、多分中身が飛び出る。
って言うかその前に俺がダメだ。
色々クラクラし過ぎて、中身が溶けそうだ。
ってかちょっと羨ましいな、
コノヤロー。
でもまぁ・・・と、俺は浮かべていた心当たりを
サラリと消す事にした。
とりあえずアレだ。
今銀さん、二日酔いで頭まわんないから。
心当たりとか全然思い浮かばないから。
後二・三週間ぐらいしないと復活しないからね、コレ。
そして変わりに思い浮かべる事はただ一つ。
・・・カメラ、どこに仕舞ったっけ?
これだけは早急に頭をまわして行動しなければ。
***********************
こうして坂田のお宝写真は増えていきます。
その日、沖田が甘味屋の軒先でボーっと団子を食べていると、
視線の先で見慣れた顔を見つけた。
どうやら買い物帰りらしく、
大きなビニール袋を片手に歩いている。
全く働き者な眼鏡でィ。
自分よりも小さな体で、チョコマカと家事をこなしているだろう
光景を思い、沖田は少しだけ感心する。
その時、こちらに気付いたのか、新八が軽く頭を下げてきた。
「こんにちは、沖田さん。」
それに対し、沖田は置かれた長椅子にダラリと腰を
落としたまま、軽く手を上げて挨拶を返す。
そして序とばかりに、チョイチョイと手招きをしてみた。
「何ですか?」
「暇なんでィ。ちょっと相手していきなせェ」
その堂々とした態度から、隊服であるにも関わらず
もしかして休憩時間なのだろうか・・・などと言う考えが
新八の頭に浮かぶ。・・・が。
「もう暇過ぎて仕事にでも戻らなきゃどうしようもない
感じだったんでィ。新八が来て丁度良かった」
「いや、そこは戻ってくださいよ。
ってか堂々としすぎじゃね!!?」
この人に対して『もしかして』なんてある訳なかったよっ!!
新八は一つ溜息を吐いたものの、言っても仕方ないと
判りきっているので、素直に沖田の隣に腰を降ろした。
「まぁいいじゃねぇですかィ。頑張って働いてるご褒美に
団子でも施してやりやすから」
新八が腰を降ろしたのを確認し、沖田はニヤリと笑うと
奥に居る店員に、団子の追加を頼む。
それを聞き、新八はもう一つ、息を零した。
「施すってアンタ・・・普通に奢るって言ってくださいよ」
「それは禁止用語でィ、サド的に」
「寧ろ禁止用語じゃない方が禁止なんですけどね、
一般的に」
ま、いいか。とりあえず団子は美味しそうだし。
どっちにしろタダだし。
「じゃあ・・・遠慮なく戴きますね?」
「おぅ、ガキが遠慮なんてするもんじゃねぇでさァ。
そんなんするぐらいなら、ひたすら恩を感じ取って
生涯忘れる事がねぇようにしなせェ」
「それは本気で遠慮したいんですけど!!?
ってかそんなに年、変わらないでしょうがっ!」
「いやいや、この年代の年の差は馬鹿にできねぇぜ?
特に知識の差が半端ねぇや」
「・・・思いっきり偏ってそうですけどね、
その知識」
まぁいいか。と言い合いを諦め、新八は運ばれてきた団子を
パクリと口にいれ、
沖田は満足気に頬を緩ませた。
その後、二人並んでまったりお茶をしていると、
前方から見慣れた黒服が視界へと入ってきた。
「あ、近藤さん」
「ん?あ、本当でィ。何やってんだ、あの人。」
二人して見ていると、大きく手を上げてこちらへと
近付いてくる近藤の姿が見えた。
「おぉ、総悟に新八君。
二人して仲良く何してるんだ?」
「沖田さんに丁度会って、お団子をご馳走になってたんです」
ニコニコと笑う近藤に新八がそう告げると、近藤は一瞬
キョトリと目を丸くし、次にクシャリと顔を綻ばせた。
「なんだ、総悟。誰かに奢るなんて
オマエも大きくなったんだな~」
そう言って大きな手で頭を撫でてくる近藤に、
沖田は身を捩って抵抗をする。
「違いまさァ!俺は施してただけでィ。
近藤さんこそこんなトコで何してんでさァ。
サボってんじゃねぇよ、コノヤロー!!」
「・・・や、それ沖田さんが言う台詞じゃないような・・・」
「うんうん、俺は判ってるぞ、総悟。
でもそっか~、人の財布は俺の財布って思ってた総悟がな~。
いや~、月日が経つのは早いもんだな~、うん」
「今でも当然そう思ってやすから、
安心して下せェ」
沖田にムッとした表情で手を振り払われたものの、
近藤の顔は満足気に微笑まれたままで。
「でも今日は新八君に奢ってあげるんだろう?
お兄ちゃんだもんな、総悟は」
あ、でもお義兄さんは俺だけどな。そう言って豪快に笑う
近藤に、
「なら今日の支払いは近藤さんがしといて下せェ」
とぶっきら棒に告げると、新八の手を取り、その場から
ダッシュで立ち去っていってしまった。
「えぇ!?ちょ、総悟ぉぉ!!!?」
そう呼びかけるものの、二人の姿は既に遠くなってしまって。
「まずった・・・かな?」
近藤は苦笑し、頭を掻いた。
それから数日後。
「おい総悟。オマエ近藤さんとなんかあったのか?」
ここの所何時もと雰囲気が違う二人に、不思議に思った土方が
沖田にそう問い掛ける。
「別に何でもないですぜィ、土方死ねコノヤロー。
アンタの気のせいでしょう、
本気でもう死んで来いコノヤロー」
「おいぃぃぃ!!
何、その不吉な語尾っ!!ちょ、近藤さん。
アンタからも何とか言えって・・・て、
何襖の陰からこっそり覗いてんのぉぉぉぉぉ!!!?」
「あ~もうウゼェ大人共だねぇ。
一回と言わず、二・三回ぐらい
腹ぁ掻っ捌いてくれねぇかなぁ。
特に土方中心に」
「なんで俺中心んん!!!?」
「・・・後、今回は特別に近藤さんも。
ってか腹じゃなくて、寧ろ
口ぃ縫い付けて来いよ、もう」
「ちょ、どんな特別ぅぅ!!?
悪かった、近藤さんが悪かったから。
だからいい加減口をきいてくれ、総悟ぉぉ!!!」
********************
難しいお年頃です。