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その日は、何時もの様に新八に起こされるのではなく、新八の電話に
起こされた。
なんでも少し来るのが遅れるらしい。
んだよ、じゃあ誰が朝御飯作るんだよ。
ってかお早うのちゅーは?
そう言ったら暫し無言の後、突然電話が切れた。
これはアレだ。
多分未払いだったからだ、うん。
ほんの少しだけ仕事しなきゃなぁ・・・なんて考えつつ、
俺は神楽を起こす事にした。
目指すは新八の家だ。
ご飯がなければ食べに行けばいいのだ。
そしてお早うのちゅーがないなら、
しに行けばいいのだ。
序にただいまのちゅーもしよう。
俺はそう決断すると、未だウダウダと寝惚けている神楽の頭を
軽く叩いた。
「・・・なんで来るんですか、アンタ等」
そう言って呆れた顔を向けてくる新八は、今日もツンデレ街道まっしぐらだ。
「てかオマエこそなんで来ないのよ。
銀さん、腹が減って愛が足りなくて仕方ないんですけど?」
「なら腹も愛も自給自足しろよ、いっそ。
それに仕方ないじゃないですか、まだ真選組からお迎えが
来ないんですもん」
そう言う新八の視線の先には、魂の抜けたゴリラが転がっていた。
っつうかあいつ等のお迎えより、
黄泉の国からのお迎えのほうが
先に来そうじゃね?あれ。
「姉御とご飯はどうしたネ?」
「姉上はもう寝たよ。ってなんでご飯!?」
本当、何しに来たんだよっ!と怒りつつも、朝飯の用意をしてくれる
新八に愛を感じる。
うん、やっぱり新八はツンデレだ。
「で?まだあいつ等こねぇの?」
連絡したんだろ?と、食後の茶を飲みながらそう聞くと、新八は
ん~と困惑気味に首を傾げた。
「一応連絡はしたんですけど・・・なんか変なトコに繋がっちゃったんです。」
「変なトコ?」
新八の言葉に、俺も神楽も首を傾げる。
「元々アソコは変なトコネ」
「や、そうなんだけどね。
でもそれ以上に変なトコで・・・」
「んだよ。ただ掛け間違っただけじゃねぇの?」
よし、銀さんが掛けてやらぁ。そう告げて、俺は電話の所まで足を運んだ。
・・・が、
『はい、こちら真選ジャー』
掛かった場所は本当に変なトコロだった。
何度掛けてもやはり変なトコに掛かるので、俺は大人しく諦める事にした。
頭を捻りながら新八達の下へと帰ると、やっぱり・・・と
これまた諦め顔な新八に迎えられた。
「なんなんですかね、真選ジャーって。
シンケ○ジャーなら判るんですけど・・・」
「え?何ソレ。銀さんどっちも判んないんですけど!?」
ポツリと零された新八の言葉に、思わずそう聞くと
知らないんですか?と不思議そうに聞き返された。
いや、そこで不思議顔される意味も判らないんですけど。
ってか何で神楽に至っては半笑いぃぃ!?
ちょ、本当何ソレ。
二人だけで判ってんじゃねぇよ。仲間外れには良くないよ?
実は寂しがり屋だからね、銀さんっ!
とりあえず、新八の説明によれば、最近やっている
所謂子供向けの英雄モノらしい。
・・・それを何で俺が知らない事に不思議がられるのか
判んないんですけど。
銀さんはなんでも知ってるなんて思うなよ?
あ、でも恋の手ほどきはバッチリなんで
安心して下さい。
・・・って、アレ?
「もしかして新八、日曜日の朝、来るのが遅いってぇのは・・・」
と、思い当たった原因を恐る恐る問えば、
あはっ と可愛らしくも恥ずかしそうに笑顔で肯定された。
「って、何してんの、オマエっ!!
ダメでしょ、銀さんとの時間は、もっと大切にしなきゃっ!!
これは浮気だよ!?浮気と一緒だよ!!?」
「その前に本気の影すらありませんけどね、
僕には。
それにこれは侍の勉強ですからっ!」
「なんで侍!?英雄モノだろうが、コレ。」
「いやいや、英雄モノで侍なんでィ」
俺と新八が言い合っていると、突然第三者の声が入り込んできた。
ちなみに神楽はまだ米を飲み込んでいる最中だし、
ゴリラは臨死体験ツアー真っ最中だ。
・・・って事は。
ちらりと視線を動かせば、片手を挙げてノソリと縁側に
上がりこんで来る黒い物体が。
「ど~も~。真選ジャー、参りやした」
・・・や、だから真選ジャーって何?
「中々あれは奥が深い番組でしてねィ。お陰で屯所内では
空前のシンケ○ジャーブームでさァ」
そう言って呑気にお茶を飲むS王子。
その言葉に、新八がポンと手を叩く。
「じゃあもしかして真選ジャーって・・・」
「パクりやした」
「少しはオブラートに包めよ、そこ。
あぁ、でも良いですもんね~、アレ」
そう言う新八の目は、まさに夢見る少年だ。
そのまま沖田とシンケ○ジャー語りに入ってしまう。
どうやら内容は昔と変わらず勧善懲悪的なものらしいが、
英雄側が侍設定らしい。
おまけにリーダー的赤が殿様で、
オリガミがロボットになるらしい。
確かに、話を聞くと侍を志している新八にとっては
興味深いものなんだろう。
なんか侍道を前面に出しているらしいし?
その名もズバリ、侍○隊って言うらしいし?
・・・・・・・でも悪ぃ。
幾ら妄想逞しい銀さんでも、
全く想像がつかねぇや、ソレ。
「ってか沖田君がそう言うの好きなのってのも
想像つかないんだけど・・・」
ポツリと呟けば、当の本人から ヤレヤレ と言った感じで
首を振られた。
「旦那ぁ、判ってやせんねィ。
数人掛かりで一人をボコりまくるなんて、
Sの心を鷲掴みじゃねぇですかィ」
「・・・・あ、そう」
多分製作側が鷲掴みにしたいのは、子供の心と
親の財布だと思うんだけどね、銀さん。
どうやら目の前のパクリ英雄にとって、正義のSは
そのままドSのSと一直線に結ばれていたらしい。
そうこうしていると、漸く腹が満たされたのか、神楽までその話の中に
入っていった。
おまけに蘇生成功したゴリラまでもが・・・だ。
ってかその三人はまだ許せるが、流石にオマエはダメだろう。
いや、忠義がどうとか知らないから。
何?正義の方にそんなのまで背負っちゃってんの!?
子供向けの三十分に、
どんだけ大和魂注ぎ込まれてんだよ、ソレ。
結果、和気藹々としている輪から、ポツンと離れた所に
銀さんは居るわけで。
・・・とりあえず、今度の日曜はちゃんと起きて見てみようと
心に誓ってみた。
「ってか銀さんも一応英雄じゃね?特に新八的に」
「旦那ァ、英雄ってのはキラキラしてるもんですぜィ?
アンタはムラムラしてるだけじゃねぇですかィ」
「それにデレデレしてるのもプラスするネ」
「あ、後ダラダラしてるってのも」
「・・・ね?泣いていい?」
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判り辛くてすみませんι週末限定で平和を守っている
お兄さん達の話です。
もう、今年の英雄が大好きなんで、
ついやっちまいました☆(反省の色なしかいっ!)
って事で是非、そのまま蒼さんも嵌ってくださいっ!!(おいぃぃ!!)