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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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仕事から帰ってくる途中、托鉢中のお坊さん(この言い方でいいのか?)
を見掛けました。

一人で家々を周るそのお姿・・・


思わず写メりたくなった私は
罰当たり者ですかね?(当然です)


・・・だってお坊さんの格好って、無駄に萌る(おぉぉい!!)






以下、メルフォお返事

団子様
ご感想、有難うございます~vv
有難いお言葉の数々に、思わず頬が緩々と・・・v
無茶だなんてとんでもないっ!ものっそく
楽しんで書かせて貰いました~♪
もう志村家は、二人ともさっさと嫁に行けば
いいと常々思っている次第ですよ(笑)
今後もこんな調子でやらかして行く予定なんで、
またお気軽に遊びに来てくださいませvv

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日も高くなってきた頃、晴れ晴れとした空とは対照的にどんよりとした
空気を背中に負いながら、銀時は道を歩いていた。

その足取りは重く、フラフラとしているが、それでも少しずつ
前に進んでいた・・・が、突然その足が止まる。
そして垂れていた頭をのそりと上げ、目の前の建物を気まずそうに
見上げた。

銀時の視線の先、そこは自分の家である万事屋があって。

「・・・もう来てんだろうなぁ」

銀時はそう呟くと、大きな溜息を吐いて再びその頭を垂れた。

昨夜、長谷川に誘われて呑みに行こうとした所、新八に釘を刺されたのだ。
自分は今日は帰らないといけないから、早めに帰って来い・・・と。

どうやら新八は神楽を夜一人にする事に抵抗があるらしい。

その気持ちは十分判る。
俺だって子供を一人にするのには、あまり賛成出来ない。
だが相手は子供ではなく神楽だ。
しかも定春まで居るのだ。

これの何処に不安要素があると言うのだ。

大体子供だって一人の人間だ。
そいつの自主性を尊重していこうぜ。
そんで銀さんの呑みに行く行動も尊重して下さい。

前にそう言ったら本気で殴られて、少しの間口を聞いてくれなかった。

や、別にいいけどね。
新八に殴られても全然痛くねぇし、無視されても返って小言を
言われなくて済んで、万々歳なぐらいだったし。
まぁでも子供の言う事を聞いてやるのも大人の勤めだし?
少しだけ新八の言い分を聞いてやろうと思ったけどね?
それだけだから。
大人の余裕って言うか貫禄って言うか、そう言う事だから。
別に殴られて滅茶苦茶心が痛かったり、小言どころか
存在すら無視されて泣きそうになって心底堪えた
とかじゃ全然ないからっ!
強い子だからね、銀さん。
最終的に布団の中で
丸まってなんかいないから、本当っ!!



・・・でもとりあえず謝ろう、うん。



銀時はもう一度息を吐いて覚悟を決めると、渋々足を動かし始めた。

 







 

「いや~もう参ったよ、長谷川さん全然離してくんねぇんだもん。
もうアレよ?銀さん帰りたかったのに、許してくんねぇんだもん。
最悪だね、本当。いっそそこら辺に沈めてこようかと思ったけどさ、
ホラ、銀さん優しいじゃん?可哀想な人、見捨てて置けないじゃん?
そのせいでこんな時間まで連れ回されちゃってさ~。
あ、呑み代はちゃんと迷惑料として全額出させてきたから
安心して?あ~、でもそれぐらいじゃ怒りは収まらないよね。
って事で怒るなら是非長谷川さんに・・・って、アレ?」

先程の決心は何処に行ったのか。
玄関を開けた瞬間からダラダラと言い訳を吐き出し、なんとか
新八の怒りを回避しようとした銀時だったが、何の反応も
返って来ない事に我に返り、足元に落としていた視線を
ちらりと上げ、数回瞬いた。

「んだよ、まだ来てなかったのかよ」

緊張して損した~。と、銀時は体の力を抜き、そのままソファへと
倒れこんだ。

そして暫し、ゆっくりと忍び寄ってくる眠気に身を委ねる。

し~んと静まり返り、時計の音しかしない室内は、
眠るのに打って付けだ。

そのまま時計の音を子守唄に、眠りの国へと入国した所で
ふと、ある事に気が付く。

「・・・あれ?定春居なくね?」

閉じそうになる目をなんとかこじ開け、頭を上げれば
やはりその巨体は何処にも見えない。

「・・・ってか静か過ぎじゃね?」

幾ら寝ていたとしても、胃袋に忠実な神楽が起きて来て
騒ぎ出していい時間だ。
だが、そんな兆候・・・と言うか物音一つしない。

「・・・っつうか遅過ぎだろ」

時計を見れば、その針は十時を指していて。
遅刻にしても遅すぎる時間だし、何より生真面目な新八が
遅刻するなんて有り得ない。

「・・・もしかして呆れて実家に帰っちゃったとか?」

一瞬、怒り心頭の新八が身支度を整え、神楽達と共に
万事屋を出て行く光景
が脳裏を過ぎるが、直ぐに銀時は
頭を振ってそれを追い出した。

「いや、ない。ないな、うん。
神楽はアレだ。何時も通り定春を連れて遊びに行ってて、
新八は買い物かなんかだ、うん」

自分に言い聞かすようにそう呟くと、銀時はゴロリと体勢を変えて
再び目蓋を閉じた。


うん、だってアレだもん。こんなの何時もの事だし。
この間だって怒られたばっかりだし。
・・・あ、でもその時、今度やったら・・・判ってますね?って
言われたっけ。お妙譲りのあの笑顔で。
そん時は判ってます!!って答えたけど・・・
何を判ってたんだ?あん時の俺。
今現在全然判んないんですけどぉぉぉ!!!
え?もしかしてヤバイ?これってヤバイ感じ?


「って、どうヤバイ感じなんだっつうのっ!!!!」

叫びながら体を起こすが、やはり何も返っては来ない。
銀時は横たえていた体を起こし、ソファに座って額に手を当てた。

その脳裏に浮かんでくるのは、先程思い描いた光景ばかり。

「いやいや、違うから。
本当そんなんじゃねぇから。
第一新八はここに住んでねぇし。
何時か住ますけど」

ははっと力なく笑ってそう呟くと、銀時はゆっくりとソファから
腰を上げた。

「大丈夫だって。だってこんなにいい天気だよ?
神楽が何時までも家の中に居る訳ねぇじゃん」

そう言いながらも、一応神楽の寝床である押入れを
開いてみたりする。
・・・が、やはりソコには誰も居なくて。

「もしかしたら新八と一緒にこっちで寝てんのかもしんねぇし」

そう言って今度は自分が普段寝ている和室の襖を少しだけ開けてみる。
・・・が、ソコには新八が敷いておいてくれたのだろう、
銀時の布団しか見えなくて。

「いやいや、もしかしたら銀さんを驚かそうと、どっかに
隠れてるのかもしんねぇなぁ」

あいつ等ガキだし。そう言いながら机の下や風呂場等も覗くが、
期待している姿は見えず、更に玄関まで行ってみたら
履物すらなかった。

「ってぇ事はやっぱアレだ。買い物だね、買い物。」

それか散歩。うんうんと自分に言い聞かすように呟きながら、
銀時は水でも飲もうと台所へ足を踏み入れた。

そしてコップを手に取り、蛇口に手を置いた所で、
ふとある違和感に気が付いた。

手に取ったコップは乾いていて、見れば食器は愚か、鍋も
乾いたままだ。
おまけにシンクには水滴一つついていなくて・・・

銀時は手にしたコップを放り投げると、勢い良くその体を
玄関へと走らせた。

幾らなんでも朝食を作ったのならば、あんな風に
乾いている筈が無いのだ。
それと同時に、あの神楽が朝食を食べていないなんて事が
ある訳が無いし、何より新八がそんな事をする訳が無い。

・・・って事は、少なくとも今朝、ここにあいつ等は
居なかったのだっ!

何処だ!?本当に実家に帰ったのか!?
いや、それならいいが・・・って、あんま良くねぇけど、
万が一何かに巻き込まれていたりしたら・・・っ!!

「新八っ!神楽、定春っ!!」

浮かんできそうになる嫌な考えを振り切るように、
銀時はブーツを履くのも面倒だと、そのまま玄関から降りると、
力強く扉を開けた。

・・・と、その瞬間、視界の中に入り込んできた見慣れた
色の頭たち。

「ぅわっ!ちょ、なんですか、行き成り」

「・・・・・・へ?」

驚いた声に、僅かに視線を下ろせば、ソコには真ん丸く目を
見開いている新八の姿が。

「どうしたネ、銀ちゃん。鳩が鉄砲食らったような
目をしてるネ」

「いや、それ普通に死んでるからね。
銀さんのは一応『死んだようなだから」

「どっちも同じネ」

「ワンッ!」

そしてその横にはフンと鼻で笑っている神楽と、大人しく
座っている定春の姿が。

「お・・・前ら、何処に・・・」

突然の事に、呆然としたままそう呟けば、新八が あぁ と
苦笑を浮かべた。

「昨日はあぁ言ったけど、きっと銀さん遅いんだろうなぁと
思って、昨夜は神楽ちゃん達連れて僕の家に行ったんです」

メモに書いてあったでしょ?と言われるが、銀時には全く
覚えが無く、緩々と頭を振った。
それに新八が アレ?と首を傾げる。

「ちゃんと机の上に置いといたのになぁ」

「アレなら私が隠しといたネ。」

「は?ちょ、それじゃ書置きの意味ないじゃん!?」

「チチチ、甘いぜぱっちぁん。まずは隠してあるメモを
見つける所から冒険は始まるものヨ」

「なんの冒険だよ。
あぁ、じゃあびっくりしましたよね、銀さん。」

すみません。と、すまなそうに新八が言うが、冗談じゃねぇ。
びっくりなんてする訳ねぇだろ。


そんな風に思う前に、どうにかなっちまいそうだったよ、俺は。


「え?ちょ、銀さん!?」

「銀ちゃん、離すヨロシ!
何時にも増して臭いアルヨ!!」

「うるせ~。
ってか何時にも増してってどう言う意味だ、コラ」

ギャーキャー騒ぎ出す子供達を無視して、俺は纏めて腕の中に
仕舞いこんでやった。

あぁ、もう本当。どっかに行ってなくて良かった。
何もなくて良かった。
戻って来てくれて、本当に良かった。

 


とりあえず、こんな事は二度とゴメンだ。と、銀時は
呑みに行くのも程ほどにしよう。と心に誓い、
序に今度会ったら長谷川さんを殴っとこう。と固く心に決めたのだった。




「所で銀さん、やっぱり帰ってきたの遅かったんですね」

「うん、でも大丈夫。元凶である長谷川さんは
今度きっちり殴っとくから」

「は!?いや、元凶も何も、誘いに乗った銀さんが・・・
って何が大丈夫!!?全然意味判んないんですけどぉぉ!
っつうかいい加減離せぇぇぇぇ!!!」

「離してたまるか、ゴラァァァ!!!」




寧ろ一生離しません。

**************************
三万打お礼企画・第八弾。
白様からのリクで
「万事屋に誰も居なくて焦って探す銀さん」との
事でしたが・・・如何でしょうか?

もう少し焦らせって貰おうと思ったんですが、
そうなると白夜叉様御降臨となりそうだったので、
ここまでにさせて頂きましたv

こんな感じになりましたが、少しでも気に入って頂けたら
嬉しい限りですvv

企画参加、有難うございました。

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その日、定春を洗おうと言う無謀なチャレンジの末
万事屋のお風呂が壊れ、早めに帰宅する新八と共に、
銀時と神楽も志村家へと向う事となった。

ちなみに一々来るのも面倒と言うこともあって、
数日間のお泊りセットもばっちり持参だ。

「定春だけで大丈夫ですかね?」

心配気に言う新八に、隣を歩いていた神楽が自信有り気に
胸を叩く。

「大丈夫ネ。定春は何処かのマダオみたいに
一人寝が寂しくて自棄酒&不貞寝なんかしない良い子ネ」

「・・・何処のマダオだよ。
別に知りたくも無いけど。
じゃなくて、泥棒とか・・・」

まぁまた朝には行くから、エサとかは大丈夫だろうけど。
と、眉を下げる新八に、今度は神楽の隣を歩いていた銀時が
ダルそうに答える。

「それこそ大丈夫じゃね?
アイツの存在はセ○ム以上だ。
あ、それとも泥棒の心配か?なら安心しろって。
ちゃんと掘って埋めとくだろ。
ヤツの犬の習性を信じろ。」

「安心できねぇよ。
ってかそれのどの部分で安心できるんですかっ!
これから疑心暗鬼な毎日じゃんっ!!」

いっその事一緒に連れてくれば良かった・・・と思い、大きく息を吐いた。

だが、昼間ならまだしも、要塞モード状態となった夜の庭に
あの巨体で入られたらシャレにならないし、常時在住とも言える
自称愛のハンター本物の野生の本能で狩られても困る。

それに万が一何かがあって、定春の
犬の習性に頼る羽目
になっても、
なんだか普通に蘇ってきそうだし。

・・・多分それは安心していい所なんだろうけど、
やっぱり普通に怖いしキモイ。

結果、定春だけはお留守番と言う事になったのだが・・・

 


「・・・今更な心配だったかな・・・」

ははっと乾いた笑みで呟く新八の視線の先。
辿り着いた志村家からは、現在進行形で
本物のハンターによる雄叫びと、
狩られているだろうゴリラの悲鳴
が聞こえてきた。

 

 

 

 


「あら、皆お帰りなさい」

そう言ってやんわりと微笑みながら銀時達を迎えてくれたお妙だが、
どうした事だろう。

すぐさま『いってらっしゃい』と言って見送って欲しいと
切に願ってしまうのは。

そうは思うものの、躾はきっちりと、それこそ文字通り
体に刻み込まれた
新八は、なるべく下を見ないようにして
帰宅の言葉をお妙に告げた。

それに続き、神楽や銀時までもがきちんと帰宅の言葉を告げる。

やはり視線はひたすら真っ直ぐ、おまけに背筋も真っ直ぐだ。

「え!?何ソレ。
なんで万事屋までここに帰って来てんのぉぉ!!!?」

だが、不意に銀時達の足元から驚きの声が上がり、
銀時と新八は溜息を、そして神楽は冷ややかな視線を落とした。

「って言うかそれはこっちの台詞なんですけど。
なんでここに居るんですか、近藤さん」

「新八、それは愚問ネ。
寧ろ居ない方が不思議ヨ」

「てかなんで足蹴にされてんだよ。
プレイか?そう言うプレイなのか?
止めてくんない?こっちは年頃の子達が居るんだからさぁ。」

「馬鹿を言うな、万事屋っ!
これはそんな如何わしいモンじゃなくて
愛の重みと暖かさを伝えてもらっている
最も尊い行為なんだぞっ!!
ね、お妙さん」

「やだわ~近藤さん。馬鹿な事しか言わないのは貴方もでしょ
って言うか誰が重いって?ああん??」

「ぐぅほっ!
い、いやお妙さんが重い訳ないじゃないですかっ!
寧ろ天使の如く軽く、今にもこの地から飛び立ってしまいそうな・・・」

「あら、なら近藤さんは相当重いのかしら。
地面に減り込んでますよ、顔。
そのまま地獄の果てにでも落ちて行きそうなぐらい・・・
ってか落ちろよ、もう」

「・・・や、姉上。もう本当に落ちる寸前ですから、それ」

笑ってはいるが、明らかに背負っているオーラがその表情を
裏切っている。
ギリギリと近藤の頭に乗せている足に体重を掛けていくお妙に、
流石に不憫に思ったのか、新八からストップが掛けられた。

その声に、渋々足を下ろすお妙だったが、直ぐに表情を変え、
今度こそ本当の笑顔を浮かべた。

「ま、いいわね。時間・・・と言うか人生の無駄だし。
それより今日は神楽ちゃん達も泊まっていくんでしょ?
折角だから私も仕事、お休みしたのよ?」

一緒にお風呂、入りましょうね。そう言うとお妙は神楽を
連れて家の中へと入っていった。

「・・・で、コレどうすんの?」

二人を見送った銀時達の足元には、止めた甲斐なく、
既に落ちてしまった近藤の姿が・・・

新八はカクリと頭を垂れると、中に連れて行きましょう。と告げた。

「そんな事して怒んねぇの?お前のネェちゃん」

「既に何時もの事ですからね。
すみませんが縁側にでも運んでおいて下さい」

僕、救急箱持ってくるんで。新八にそう言われ、銀時は
軽く返事をしながら、未だ沈黙している近藤の足を掴んだ。

 

 

 

 

 

 


「・・・・・あ?」

「あ、戻ってきやがった」

掛けられた声に視線を向ければ、座敷に座ってお茶を飲んでいる
銀時の姿が見え、近藤は微かに目を瞬かせた。

何時もなら気付いた自分に声を掛けてくれるのは新八君なんだが・・・
なんで万事屋?・・・と、ソコまで思い、そして落ちる寸前の会話を
思い出して、小さく納得の声を上げ・・・

「・・・ってちっげぇよっ!
ちょ、なんでお前がここに帰ってきてんのぉぉぉ!!!?」

しかも泊りってっ!!勢い良く体を起こし、にじり寄って来る近藤に、
銀時はペシリと湯呑みを置いた手を振り下ろす。

「うるせぇよ。仕方ねぇだろ?風呂が壊れたんだから」

「だからって何で泊まりぃぃ!!?帰ればいいじゃん。
普通に帰ればいいじゃん、そんなの!」

「湯冷めすっだろうが。
大体なんで態々自分から新八と離れなきゃいけねぇんだよ。
そんな選択肢なんか存在するわきゃねぇだろ。
俺の足は常に新八に向って突き進んでいるんですぅ」

「俺の足だって常にお妙さんへと突き進んでいるわぁぁ!!
よし、そう言う事で俺も泊まろう」

「いや、その前にお前の時間が止まるから。
確実に人生の終着駅へと
迷い無く突き進んでるからな、ソレ。
ってか何お前、本当なんなの?
何時もあんな事されてるんですかコノヤロー」

突然眉を顰めて睨みつけてくる銀時に、近藤は何の事か判らなく
首を傾げる。
すると突く・・・と言うには勢いがあり過ぎる感じで額に
人差指を突き立てられた。
その瞬間に走った痛みに、近藤は小さく悲鳴を上げると慌てて身を引き、
突き立てられた部分に手を翳した。

そして感じる、サラリとした布の感触。

見れば腕にも手当てされた跡があり、あぁ。と近藤は
恥ずかしそうに笑みを浮かべた。

「また新八君に面倒を掛けてしまったか・・・」

「掛けてしまったかじゃねぇよ。そう言うのは俺の特権なんですぅ。
何?そんなに人生儚んでんの?
自殺願望故の行動だと受け取るよ?俺」

言い方はアレだがキラリと光る目が銀時の本気を物語っている。

・・・ってかなんで延命処置的なモノが
真逆のモノに受け取られてんのぉぉぉぉ!!?

慌てて首を振って違うと示すが、どうも相手は納得していないようだ。
嫌な汗を流す近藤と、無駄に目が煌いている銀時。
そんな二人の間に、一つの声が落ちてきた。

「あ、近藤さん気付きましたか」

「し、新八君~!!!」

「え?なんで涙目?
そんなに今日のはきつかったんですか?」

心配げに聞いてくる新八に、近藤は緩く首を振った。
その顔は涙目ながらも何処かホッとしているようで、新八は軽く首を
傾げるものの、直ぐに近藤へとお茶を入れて差し出す。

「とりあえず真選組には連絡しておきましたから、
もう少ししたら迎えに来て貰えると思いますよ?」

近藤はその言葉とお茶に礼を言いながら湯呑みを受け取ると、
不意に横から空になった湯飲みが新八へと差し出された。

「本当、少し加減てものを覚えて下さいね。
連絡するのもタダじゃないんですから」

無言のまま差し出されたソレを、新八は近藤にお小言を言いながら
受け取り、お茶を注いで差し出した銀時の元へと返した。

それを受け取り、黙ったままお茶を飲む銀時と、自分の分を
注ぎだす新八。

その光景を見て、近藤はふとある違和感を感じた。

見れば二人の湯呑みは大きさに違いはあるものの、何処か似ている
造りのもので。
新八が持って来たお盆の上に伏せられている他の二つも、
やはり似ている造りのもので。

だが・・・と視線を落とせば、ソコには明らかに客用と見られる
モノが自分の手の中にあって。

・・・あれ?

ふと湧き上がった疑問に、近藤が首を傾げる間もなく、
新しい声が座敷の中へと入ってきた。

「新八~、銀ちゃ~ん。私、今日は姉御と一緒に寝るネ」

どうやら風呂に入っていたらしい。
タオルを首に掛け、髪を濡らしたまま入ってきた神楽に、
慌てて新八が腰を浮かす。

「あぁもうっ!ちゃんと髪の毛拭いてきてって何時も言ってるでしょ!」

そう言うものの、新八の手は既にタオルへと伸びていて、
神楽をその場に座らせると、優しい手付きで髪を拭いていく。

「それはいい・・・ってか大歓迎だけどな。
あんま迷惑掛けんなよ?怒らすと怖ぇからな、マジで」

銀時は髪を拭いている新八へと手を伸ばすと、そのままタオルを
受け取り、変わりに些か強めにその手を動かした。
それを見て、新八がドライヤーを持ってくると言ってその場を後にした。

残された神楽と銀時は、乱暴だの我慢しろだのと騒ぎながら
髪を乾かしていたが、ふと視線を感じ、二人して
その視線の元へと顔を向けた。

「・・・何ネ。ニヤニヤして気持ち悪いヨ。」

神楽が吐き出すように視線の主である近藤に告げるが、
近藤は気にもしていないようにヘラリと頬を緩めるのを
止めなかった。

それに訝しげな視線を送る二人。

それを受け、近藤が笑顔のまま いや、何て言うかさ。と答え、

「さっきは泊りがどうとか言ったが・・・見てるとアレだな。
嫁さんの実家に泊まりに来た家族みたいだな、お前ら」

と、益々笑みを深めた。
それを聞き、銀時と神楽は一瞬キョトンとしたものの、
直ぐにニヤリと口元を緩める。

「当然ネ。私達は家族も同然ヨ。
だから私達の家は私達の。
新八の家も当然私達の家ネ」

「ってかゴリもアレだね。中々良いトコ見てんじゃないの。
流石野生は違うね、いいよ~、その観察眼。
後で取って置きの覗き場所教えてやる」

「いや、野性でもないし、誰でも判るからね、その雰囲気。
ってそんな場所があるのかぁ!?よし、防犯上の事もあるので、
詳しく明細に教えてくださぁぁぁぁぁいっ!!!!」

銀時の言葉に、近藤が勢い良く頭を下げ・・・序に畳みに
額を減り込ませた。
見ればソコには、近藤の頭に足を乗せ、菩薩の笑みを
浮かべている修羅が・・・

「あぁら、こんな所にゴリラの敷物があるわぁ。
これって燃えるゴミに出せるのかしら?」

そう言うとお妙は白目を向いた近藤の襟に手を掛け、
勢い良く庭へと放り捨てた。

それを見送り、思わず拍手を送る銀時と神楽。

「どうかしました・・・って、あぁまた・・・」

ドライヤーを片手に戻ってきた新八は、目の前の惨状に
大きく息を吐いた。

そして、また手当てしなきゃなぁ。と思わず遠くを眺めたくなり、
飛ばした途中で、ふとお妙の所でその視線を止めた。

「あれ?姉上、お風呂入ってきたんですよね?」

「えぇ、そうよ?」

それがどうかした?と問い掛けるお妙に、新八は不思議そうに
首を傾げた。

「ならどうしてまだお化粧してるんです?」

「・・・・・・・・女の嗜みです」

そう答えたお妙の顔は、何時もと同じ表情ではあったが、
微かに頬が赤くなっている様な気がして・・・


今度は銀時と神楽が、今現在庭で意識を絶っている人物へと
やんわりとした笑みを送る事となったのだが、
送られた本人がそれに気づくのは、まだ先のお話になりそうである。

************************
三万打お礼企画・第七弾。
団子様からのリクで「坂田家とノーマルCPが絡む話」
と言う事でしたが・・・如何でしたでしょうか。
最後にほんの少しだけ近妙風味になれた気がするんですがι
・・・気のせいですかね?(おいぃぃ!!)

外れてるなんてとんでもないv毎度素敵なリクを
有難うございますvvv
少しでも気に入って頂けたら、嬉しい限りですvvv

企画参加、有難うございましたv

拍手[1回]



明日(てか既に今日)、ヒーローに会ってきます(え?)
で、二千円出して接触してきます。

・・・や、単に握手するだけですけどね。

序に言うと、それはあくまで玩具のオマケであるんですけどね。
ぶっちゃけオマケが目当てです(←素直が信条です)





以下、メルフォお返事

香山様
ご感想、有難うございます~vvv
接点がない二人ですが、それを絡ませるのが
妄想屋の本領ですからっ!(おいι)
最後の髪発言は、あのパピーの子供なら一度は
やっておかないといけない部分ですよね♪(え?)
多分あの後、がっつり手入れをしつつ、妹に自慢、そして
新八には報告と称して会いに行ってると思います(笑)
で、髪を結って貰う為に、壮絶な兄妹バトルが・・・v
こんな調子で今後も続けていきますので、
これからもよろしくお願いします。


姫りんご様
ご感想、有難うございますっ!
ヘタレ、大好物でしたかvv良かったです~vvv
ウチの坂田はそれが基本装備なんで(笑)
無表情で告白現場を見詰めている銀八。
多分アレですね。頭の中は完璧ホラー寸前か
昼ドラも真っ青な感じになってると思われます(えぇ!?)
それか『断れ~っ!!』と念を送っているか・・・(笑)
この調子でまだまだ突き進んでいく予定ですので、
今後ともよろしくお願いします。

拍手[0回]


 


「失礼しや~す」

沖田はそう言うと、返事を待たずに目の前の扉を開けた。

「先生ぇ、持って来やしたぜィ」

中へと足を踏み入れながら、目当ての人物にそう言うが、
ここでもやはり返事は返ってこない。

さすがに変だと思い、沖田はキョロリと室内を見渡した。
すると窓辺でボーッと立っている銀八の姿を見つけ、
沖田は手に持っていたプリントをヒラヒラと振りながら
銀八の元へと足を進めた。

が、未だに銀八は沖田に気付かない。
ただボーっと・・・と言うかジーッと窓の外を見詰めている。

何か面白いもんでもあるのかねィ。

つられる様に沖田も視線を窓の下へと移すが、別に気を引くものは
何もない、至って普通の光景だ。
だが、その光景の中に、見知った顔を沖田は見つけた。

そしてもう一つ、見知らぬ女生徒の姿も。

声までは聞こえないが、雰囲気だけはヒシヒシと伝わってくる。
どうやら青春における一ページ的な光景らしい。

恥ずかしそうに、けれども必死な感じで新八に何かを差し出している
女生徒。

それを見て、これまた恥ずかしそうに、けれども困ったような
居た堪れない感じの新八。


そして、それをじっと見詰めている銀八。


よくよく見れば、その表情は怖いぐらいに無表情で、
沖田は小さく溜息を吐いた。

クラス内で地味だなんだと言われてはいるが、他人への優しさや
生真面目さ、面倒見の良さなどもあって、新八は結構もてる。

しかも見掛けで騒ぐ連中の様なものではなく、真剣なヤツラに。

その代表が、ここに居る大人なのだけど・・・



「先生ぇ、大人気ねぇでさァ」

ポツリと呟けば漸く自分の存在に気付いたのか、銀八が
ちらりと視線を寄越してきた。

「あ?何がだよ。ってか何でここにいんだ?」

「提出物を持って来たんでさァ」

ヒラヒラとプリントを振って渡すと、銀八はクルリと窓に背を
向けて受け取ったプリントへと視線を落とした。

「ったく、今頃出すなよ。
寧ろ出すな、ここまできたら」

提出期間ギリギリじゃねぇか。ブチブチと文句を言う銀八を余所に、
沖田は窓枠に肘を置くと、そのまま先程の光景を見詰めた。

「先生ぇ、あっちはもういいんですかィ?」

「・・・何がよ」

「新八、手紙受け取りそうですぜィ?」

そう言うと隣の銀八が微かに反応するのが感じられた。
だが、背は向けられたままだ。

それにチラリと視線を向けながら、沖田は今現在の状況を再び報告した。

「てか受け取りやした」

「・・・あ、そう」

興味無さ気にそう言い、あくまで背を向けたままの銀八に、
沖田は小さく肩を竦める。

それを感じてか、銀八は落としていた視線をプリントから外すと、
白衣のポケットからタバコを取り出して口へと咥えた。

「別にいいんじゃね?青春上等じゃねぇか。
いや~羨ましいねぇ、おい」

 

それはどっちが?

 

タバコに火をつけながら、自分の机へと戻る銀八に問い掛けてみたかったが、
上手く交わされるのが目に見えていたので、とりあえず止めにする。

そう言う所は嫌なぐらい大人なのだ、この男は。

沖田は既に誰も居なくなった窓の下から目を外し、体を反転させて
窓枠へと寄り掛る。

全く、本当は誰よりも先程の少年に固執している癖に。
偶にはそれを前面に出してみればいいのだ。
どうせ今更な社会的地位なのだし、その方が面白みがあるってもんだ。
自分的に。



「そう言うなら先生も青春したらどうでさァ」

皆、そっと見ない振りしてくれまさァ。そう言うと銀八は椅子に座ったまま
軽く手を振った。

「あ~無理無理。俺、もうそう言うの遥か昔に卒業してるから。
ってか何、その半端で生暖かい優しさ。
大体そう言うのは若いモンの特権でしょ。
俺等大人はただ見守るだけよ」

って事でお前もさっさと青春しに行け。と、今度は追い払うように手を
振ってくる銀八に、沖田は軽く肩を竦めながら、体を起こした。

「へいへい、だからさっきも見てただけって事ですかィ。
全く大人の余裕ってのは凄いもんでさァ」

見習いたくはねぇですけど。そう言う沖田に、銀八は一瞬目を丸くすると、
次に苦笑へと表情を変えた。

と、その時、コンコンと扉を叩く音が室内に響いた。
そして聞こえてくる、聞き慣れた声。

銀八はそれに答えると、扉が開き、予想通りの姿が現れる。

「あれ?沖田さん、何してるんですか?」

キョトンとした顔で自分を見てくる新八に、沖田はここに来た理由を
簡潔に述べた。
それに呆れたような顔を返す新八。

「全く、だから早く出しといて下さいって言ったのに」

「いいじゃねぇか、ギリギリでも間に合ったんだから。
それより新八はどうしてここに?」

部活に入っていない新八は、放課後になれば学校に居る理由がない。

・・・まぁ今日は理由があったようだけれど。

そう聞くと、新八は何かを思い出したかのように小さく声を上げると、
銀八へと視線を向けた。

「先生、なんなんですか、このメモッ!!」

そう言って突き出したのは折り目の付いた小さなメモ用紙で。

「ん~?そのまんまだけど?」

「そのまんまじゃねぇよっ!毎回毎回・・・どうせ呼び出すなら
HRの後にでも言ってくださいよ」

二度手間じゃないですかっ!そう怒る新八から、銀八に止められる前に
突き出されていたメモを奪い、視線を落としてみる。

ソコには見慣れた文字で一言。



 

『放課後、資料室まで』



 

「・・・これ、何処にあったんでィ」

下駄箱ですよ。僕帰る所だったのに」

「毎回?」

「ほぼ毎日ですね。
他にもお弁当のおかずのリクエストとか
色々チョクチョクと・・・」

紙の無駄遣いですよ。ムッとしたままそう答えられ、
沖田はへ~。と返しながら銀八へと視線を移した。

そこには素知らぬ顔で何処かを見ている銀八が。

「・・・見守るだけ・・・ねィ?」

にやりと口元を上げ呟く沖田に、新八が軽く首を傾げる。
そしてその意味を聞こうとするが、その前に銀八から今日の手伝いを
言い渡され、ブツブツ言いながらもそれをこなす為、
資料室の奥へと足を進めていった。


残されたのは苦い顔をした銀八と、ニヤニヤ顔の沖田。



「・・・大人って言うよりガキでさァ。
まんま中二的な」

「そっと見ない振りしてくれるんじゃなかったの?」

「それは皆であって、俺自身の事じゃありやせん」

なんとも言えない表情で聞いてくる銀八に、酷く楽しげな顔で
そう答えれば、自称大人は盛大な溜息を吐いて肩を落とした。

**********************
三万打お礼企画・第六弾
姫りんご様からのリクで
「3Zで大人の余裕ぶっててもギリギリな銀八」
と言う事でしたが・・・如何だったでしょうか?
なんか単なるヘタレになったような・・・ι

まぁ何時ものことなんですが(おいっ!)

こんな感じになりましたが、少しでも楽しんで頂ければ
嬉しい限りですv

企画参加、有難うございましたvv

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