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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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ふっと浮上した意識の中、心地よい音が耳へと流れ込んできた。

・・・あぁ、雨振ってんのか。

ぼんやりと目を開ければ、部屋の中は薄暗く、けれど
夜とは違う暗さで、今がもう朝だと言う事を告げていた。

そのままボーッとしていると、再び睡魔が襲ってきて
俺はごろりと寝返りを打った。

暖かくなったと言っても、まだ朝方は肌寒い。
そんな中の布団はまさに天国だ。

おまけにしとしとと程よい音量の雨音。

迫ってくる睡魔に抗いもせず、俺はゆっくりと瞼を
閉じていった。

・・・っつうか何で雨音ってこんなに眠りを誘うかね。

ぼんやりとしてきた意識の中、そんな事をふと考える。

静かな方が眠るにはいいだろうに、何故だか雨音と言うのは
子守唄の様に心地良い。

そういや昔っからそうだったっけ。
・・・まぁそん時はこな暖かい布団に包まっていなかったが。

それでも、やっぱり雨の降る夜は何時もより
寝心地が良かった気がする。

しとしとと降る雨音が、とても耳に心地よくて・・・

あぁ、幸せだな~。なんて眠る寸前の頭で考え、
あれ?と一瞬思考が止まる。

ってか昔もこんなに幸せな感じしてたっけ?

突然沸いた思わぬ疑問に、少しだけ睡魔が遠ざかる。

確かに昔も心地よいとは思ってた。
まるで子守唄のようだとは思ってた。

だが、幸せだな~なんて事は思ってたか?

自分の今の気分を不思議に思い、布団の中をごそごそと動いて
暫し考える。

・・・暖ぇ布団のせいか?それとも足を伸ばして
横になれてる事に対してか?

色々と考えてみるが、どうにも納得がいかない。

この幸せな気分は一体なんでだ?

一人、布団の中で悶々と考えていると、不意に雨音しか
入ってこなかった耳に、違う音が入ってくる。

これは・・・洗濯機の音か?

低く、床を揺するように響いてくる音に少しだけ耳を澄ます。
すると、続いて入ってくる、パタパタと歩く軽い足音。

あぁ、新八がもう来てんのか。
っつうか雨の日でも洗濯すんのかよ。
部屋干しはそんなに好きじゃねぇって言ってたのに。
・・・あ、それ以上に洗濯が溜まるのが許せねぇって言ってたっけ。

以前、新八が休みの日に洗濯をせずに居た時の事を
思い出し、ブルリと体が震えた。

まさか洗濯の為に命の選択を迫られるとは思ってなかった。
怖い、オカン新八、怖い。

思い出した恐怖に身を震わせていると、
新八の足音にもう一つ、音が加わってくる。


『新八~、顔洗ってきたネ~』

『はいはい・・・って神楽ちゃん、前髪びしょ濡れじゃない。
どんな洗い方したのさ』

『序に寝癖も直せる画期的な洗い方ヨ』

『あ~、もうこんなに濡れて。寝癖は後で直してあげるから
ちゃんと拭いてきて』

『序に髪の毛も縛るヨロシ』

『はいはい。あ、序に定春にご飯上げてくれる?』

『了解ネ。いくよ定春』


神楽の言葉と共に、今度はノシノシと重い足音が加わる。
それと、食器が重なり合う音。

どうやら新八は朝食の準備をしているらしい。


耳を澄ませば澄ませるほど、加わっていく音達。

それが酷く心地よくて、幸せで。

 


 


あぁ・・・・これか。

雨音よりも、布団よりも。

俺を心地よく、暖かく幸せにしてくれる音の正体は。

 

 

 

 



 

 


緩む頬をそのままに、俺は幸せな音に包まれて
今度こそ素直に睡魔の誘いへと落ちていった。

 

********
この後、幸せの原因に叩き起こされます。

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