忍者ブログ
銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


 

外は生憎の雨模様。

普段なら、そんなもの関係なく外に遊びに出掛ける神楽であったが、
本日は家の中でゴロゴロする事にしたらしい。

銀時や神楽の服の繕い物をする新八の横で、ゴロリと横になったまま
チラシの裏に何かを描いていた。

そこに、ガラリと玄関の開く音がし、次に銀時の声が聞こえてくる。

「あ~、ったく、雨の日に外に出るもんじゃねぇな」

なんか身も心も湿っぽくなった気がするぜ。そう言いながら、
銀時は手で簡単に着物に付いた雫を払いながら、居間を通り越して
新八達の居る和室へと姿を現した。

それを見て、新八は繕い物をしていた手を止め、顔を上げる。

「お帰りなさい、銀さん。
ってか、そう言うなら態々出掛けなくて良かったんじゃないですか?」

「バッカ、週に一度のジャ○プデーを逃してどうすんだよ。
言っとくけどな、一週でも見逃したら最後、全然話に付いて行けなく
なっちゃうからね?
仲間に入れなくなっちゃうから、コレ」

「どこの仲間ですか、ソレ。」

「何処の仲間なんでしょうかね~、ソレ。」

呆れた顔でそう言う新八に適当に返事を返し、銀時は神楽と同じように
その場に横になりジャ○プを読み始めようとし、


「あ?何描いてんだ、オマエ」


ふと視界に入った神楽の手元に、疑問の声を上げた。
その言葉に、一生懸命に何かを描いていた神楽の視線が上がる。

「何って・・・見たら判るネ」

「いや、判んねぇから聞いてんだろうが」

銀時の言葉に、繕い物を再開しようとしていた新八の視線も向けられる。
神楽の手元、そこにはチラシの裏一杯に描かれた・・・


「角の生えた・・・毛玉・・・・・っがっ!!!!」


神楽の手元を覗き込みながらそう呟いた銀時の顔に、勢い良く神楽の
頭が減り込む。

「ちょ、オマ何しやがるっ!!」

ゴポッと溢れ出る鼻血を手で押さえ、のた打ち回る銀時を余所に、
神楽はハンと鼻を鳴らした。

「失礼な事言うからアル。これだから絵心のないヤツはダメネ。」

「すみません、絵心所か人としての心がないんですけど、
この子。
寧ろ修羅の心しか見えないんですけどぉぉ!!?」

「これが猫以外のモノに見えるヤツには、
そんなものしか見えないネ!」




・・・あ、猫だったんだ、コレ。




そう言われてみれば、なんとなく銀時の言っていた角の部分が
耳に見えてくる気がしないでもない。

新八がそう思っていると、

「・・・いや、コレは猫以外のモノにしか見えねぇだろ・・・」

と言うとても残念そうな銀時の声が聞こえてきたので、新八は
慌てて後で雑巾にでもしようかと思っていた布キレを銀時の
顔へと押し付けた。

とりあえず、天気がこの状態なのに、これ以上洗濯物が増えるのは
阻止したい新八であった。

「・・・見えないアルカ?」

だが耳には入ってしまったのだろう。
先程のように怒らないまでも、
うつ伏せたまま不安げにチラリと視線を上げてくる神楽に、
新八はやんわりと口元を緩ませた。

「そんな事ないよ?フワフワしててとっても気持ち良さそうだよ」

「そうアルカ!」

新八の言葉に、神楽は嬉しそうに顔を綻ばせた。

「ま、確かにフワフワはしてそうだよな、これ」

それを見てニヤニヤとしながら言う銀時に、再び神楽の唇が尖っていく。
そして何を思いついたのか、新しいチラシを銀時へと差し出した。

「ソコまで言うなら銀ちゃんも描いてみるヨロシ!」

ホラ。と言ってチラシを裏返し、パンッ!と銀時の目の前へと
叩き付けた。

「あ?言っとくけど銀さん上手いよ?
伊達にジャ○プ読んでるわけじゃないからね?」

そう言うと、銀時は起き上がって鉛筆を手に取り、
屈みこんでサラサラとチラシの上に書き込んでいく。

それを両脇から新八と神楽が覗き込んで・・・あれ?と首を傾げた。


「オラ!もう完璧じゃね?
銀さん、マジ上手くね?」


そう言って描き終わった絵を見せられた訳だが。

「・・・いや、上手には上手ですけど・・・」

「うん、上手いには上手いネ。でも・・・」

 








「「これ、新八・僕じゃね?」」

 







二人が問い掛けた先、ソコには微妙に上手く描かれた
新八の顔があって。

確か神楽は猫を描いていた筈だ。
それでからかってきた銀時にも描けと言って。
確かに何を描けとは言わなかったが、話の流れから言って、
ここは猫を描く所なんじゃないんだろうか。

そう思っている二人の前で、銀時はケロリとした顔で口を開いた。



「ん。だから『ネコ』」




「「は?」」

「あ?」

訳が判らず首を傾げる神楽と新八。
そして何を判っていないのかが判らず、首を傾げる銀時。

コトリと首を傾げる三人の後ろで、定春が呆れた様に
大きな欠伸を吐き出した。

 

 

 

 


数日後、銀時の言っていた意味を沖田から教えられた新八が
顔を真っ赤に染めながら、銀時自身を赤く染め上げたのは
言うまでもない。


*******************
坂田の思考は、ほぼ新ちゃんで出来ています。

拍手[3回]

PR

四万打お礼企画の募集は終了させて頂きました。
ご参加して下さった皆様、有難うございますv

近いうちに順次上げさせて頂きますので、
もう少しお待ち下さいませv


以下メルフォお返事

もんちょ様
再度のリク、有難うございますv
もしかしたらこの二つを合わせた感じになるかもしれませんが
よろしいでしょうか?(汗)
ちょっと内容的に被ってしまうかもしれないのでι
すみません、その分気合入れて書かせて頂きますっ!



14日0:23様
ご参加して頂き、有難うございますvv
いいですよね~、万事屋ファミリーvv
もうあの三人が居るだけで、幸せオーラが漂っている感じがします(笑)
リクエスト、がっつり受け取らせて頂きましたよvv
どちらも心揺れる内容で、今から妄想が止まりませんv
少しでも気に入って頂けるよう、頑張らせて頂きますvv


Mag.様
こちらこそ、何時も暖かいお言葉を有難うございますvv
申し訳ないなんてとんでもないっ!もう、容赦なくガンガン
参加して下さいませvv
本気で喜びますから、私(笑)
少しでも楽しんで頂けるよう、気合入れて書かせて頂きますねv

拍手[0回]


 

「やっぱり猫も犬も可愛いアル~」

夕飯も食べ終わった後、テレビの前を陣取って
幸せそうに神楽が呟いた。

その視線の先にあるテレビでは、最早定番となりつつある
動物達の特集番組が流れている。
それを見て、銀時がハッと鼻で笑った。

「何が『可愛いアル~』だ。よく考えてみろ、神楽。
幾ら外見が可愛くても、人間にすりゃ~もうそれなりの年だぞ?
なのに走り回って滑って転んだだの・・・
単なるダメなおっさんじゃねぇか」

「アンタの方こそ、その思考回路を深く考えてください。
なんで態々人間変換?
テレビぐらい素直に見て下さいよ」

食後のお茶を運んできた新八は、呆れた顔でそう言うと
それぞれの前に湯呑みを置き、銀時の隣へと腰を降ろす。

「全くネ。これだから根性捻まくった穢れたオッサンは
ダメヨ」

「あ~もううっせぇなぁ!俺だってこれの裏番だったら
素直に見てたってぇのっ!
子供の如き純粋さで結野アナを
ガン見しまくってたってぇのっ!!」

「・・・や、既にソレ、純粋さの欠片も残ってないでしょ」

白けた視線で銀時を見、すぐさま新八は神楽へと視線を
移した。

「で、神楽ちゃんは猫と犬、どっちが好きなの?」

「動物だったら何でも好きネ!あ、でも一番は定春アル」

ね、定春~。と嬉しそうにソファの裏側に寝そべっている
定春の背中を撫でる神楽に、新八の頬もやんわりと緩んでいく。

最近少しずつ力の加減が出来るようになってきた神楽だが、
やはり不安はあるようで、街中で猫などを見つけても
そっと撫でるだけに止まっているらしい。

その姿を見かける度、新八は本当に定春が居てくれて良かったと
思うのだった。

「新八は?どっちが好きネ」

「え?僕?」

ソファの背凭れに体を預けたまま、クルリと首を捻って
問い掛けてくる神楽に、新八はコトリと首を傾げる。

「そうネ。あ、でも何でもいいアルヨ」

どんな動物が好きネ?と聞いてくる神楽に、新八は視線を
上げて暫し考える。

「う~ん、そうだなぁ・・・犬も猫も好きだけど・・・ハムスターとかも
好きかな?ちっちゃい頃、友達が飼ってたし」

すっごくフワフワしてた覚えがある。と言うと、神楽は
羨ましげに瞳を輝かせた。

「フワフワだったアルカっ!」

「うん、まるで毛玉みたいだったよ」

今度、ペットショップに見に行こうか。と新八が誘うと、神楽は
嬉しそうに何度も首を振って了承した。

「銀ちゃんはどうアルカ?」

「あ?何がよ」

それまでの会話を聞いてなかったのか、いつの間にか手にした
ジャンプから顔を上げ、銀時は訝しげに問い返した。

「だから好きな動物ネ!
銀ちゃんは何が一番好きアルカ?」



 




「んなもんオメェ、新八に決まってんじゃねぇか」

 









「「・・・・・・は?」」

 


「あ?だからきな動物だろ?
なら銀さんの一番は新八です。以上」

「以上じゃねぇぇぇっ!!!」

当然と言った顔で言い切る銀時の頭を、新八が勢い良く叩いた。

「んだよっ!ちゃんと答えたじゃねぇかっ!
だったらここは頬を赤く染めて、『僕もです、銀さん』とか言って
胸に飛び込んで来いよっ!って、あぁ、顔は赤くなってっか。
なら後は飛び込んで来るだけだな。
よし来いっ!」

「行かねぇよっ!
寧ろ飛び込んで行く時は
包丁持って行きますよ、僕はっ!
大体動物って言ってんでしょっ!!」

「人間だって動物だろうが、差別してんじゃねぇ」

「差別じゃなくて区別だぁぁぁ!!!!
ってかなんでさっきから一緒くたにしてんですか、アンタはっ!」

「別にいいだろうが。
どっちにしろ一番はオマエなんだから」

しれっと答える銀時に、その日二度目の平手が今度は顔面に
振り落とされた。

 





 

「ったくよぉ、照れ隠しにも程があるだろ」

「違います、全然照れてなんかいましぇんっ!」

「・・・新八、その顔と言葉じゃ説得力ないネ」

赤くなった顔を摩りつつぼやく銀時に、新八はフンと顔を背けて
答えるが、生憎言葉を噛んでしまい、益々その頬を赤く染めた。

「で、銀ちゃんは結局犬と猫、どっちが好きネ」

「ん~、じゃあ猫耳新八で」

「居ねぇよ、そんな種別っ!!!!」


・・・万事屋内に、再び張り手の音が鳴り響くのも時間の問題のようだ。

*******************
偶には男らしい坂田を(笑)

拍手[2回]



買い物を終え、スーパーから出てきた所で、新八はばったりと
隊服に身を包んだ山崎と遭遇した。

「あ、新八君、久しぶり~」

ニコニコと笑って近付いてくる山崎に、新八も笑顔で挨拶を返す。

「こんにちは、山崎さん。本当、久しぶりですね~
どうかしたんですか?」

少し前まで、新八と山崎は良く顔を合わせていた。
と言っても見掛ける場所は殆どスーパーで、新八は買出し、
山崎はマヨの買出し・・・と言う理由であったが。

だが、その山崎とここの所顔を合わせてなかったのだ。

もしかして体調を崩したのか。
はたまた土方のマヨ中毒が改善されたのか。
それともとうとうパシリ要員から外れる事が出来たのか。

どれにしろ、新八にしてみれば

『どうかしちゃったんですか?』

という感じだ。

そんな思いから聞いてみれば、山崎は普通に受け取ったようで、
頭を掻きながら、いや仕事でね。と簡潔に理由を述べてくれた。

「えっ!?・・・あ、いやそうなんですか。それはお疲れ様でした」

少し『仕事』と言う言葉に驚いてしまったのは内緒だ。

新八は本音を隠して労わりの言葉を送る。

「・・・なんか今、ちょっと驚いてたりしなかった?」

「そうですか?
それよりも、そんな長いお仕事だっんなら、ミントン出来なくて
辛かったんじゃないですか?」

流石地味でも監察方。突っ込んでくる山崎の言葉をサラリと流し、
新八は話の方向をさっさと変えた。

この話題ならば、これ以上突っ込まれる事もないだろう。
・・・だが。

「いや、したよ?」

「いや、すんなよ。」

ケロッとした顔で答える山崎に、今度は新八がツッコム羽目になった。

 

 




 

その後、自分も帰る途中だから・・・と言う山崎の言葉に甘え、
荷物を半分持ってもらい、二人は並んで道を歩いていた。

「そう言えばさっきも思ったんだけど・・・新八君、少し大きくなった?」

「え?そうですか?」

不意に言われたその言葉に、新八の目が輝く。
それを見て、山崎はクスリと笑みを浮かべた。

「うん、久しぶりに会ったからそう見えたのかもしれないけど。
新八君は成長期だもんね?」

そうだとしても不思議はないよ。と言う山崎に、言われた新八は
ますます嬉しそうに頬を緩めていく。

別に自分がそんなに小さいと思っている訳ではないが、
成長したと言われればやはり嬉しいもので。

「ですよね~、僕、成長期ですもん。
その内山崎さんを追い越しちゃうかもしれませんね」

「あ、それは嬉しくないかも。
やっぱり新八君の成長期はなしね、なし」

「なんですか、それ」

 

「なんか楽しそうね~、オマエ等」

 

クスクスと笑い合って歩いている二人の背後に、ふと聞き慣れた
声が掛けられた。
揃って振り返ってみれば、ソコには着物に片手を突っ込んだ銀時が
立っており。

「何々?楽しい話なら銀さんも混ぜろや。
って言うか銀さんを入れてジミーを抜け。
そしたらもっと楽しくなるから、
銀さんが」

「いや、混ぜてませんよね、それ。
明らかに俺の存在突き飛ばしてますよね、ソレ」

相変わらずだな~、旦那は。と苦笑すね山崎にハンと鼻を鳴らし、
銀時は二人の下へと近付いてきた。

「で?何話してたの?」

「あ、それがですね~」

「そうだっ!銀さん、銀さんっ!」

銀時の問い掛けに、山崎が答えようとした所で急に新八が
名を呼び、銀時の袖を引いた。

「ん?何だよ」

「僕、少し大きくなったねって言われたんです。
銀さんもそう見えます?」

期待を込めた眼差しでそう問われ、銀時は微かに首を傾げ
新八を見下ろした。

「ん~、そう言われてもなぁ・・・毎日見てっと
あんま判んねぇし・・・」

あ、そうだ。そう言うと銀時は新八の持っていた荷物を山崎へと
渡し、そのまま両脇へと手を差し入れると、新八の体を
ヒョイと持ち上げてしまった。

「えぇ!?ちょ、旦那何してっ!!」

銀時の行動に驚き、思わず声を上げてしまった山崎だったが、
驚いているのは山崎一人らしく、抱き上げられた新八は
至って普通の表情だ。

・・・いや、寧ろ何か期待しているらしく、目を輝かせて
銀時の顔を見詰めている。


って、期待って何をぉぉぉ!!?
え、何コレ。もしかして新八君、体だけでなく心まで
成長しちゃいましたかぁぁぁ!!?
ってどんな成長だぁぁぁぁ!!!!


「・・・どうですか?銀さん」

山崎が一人、脳内で暴走しているのを余所に、抱き上げられた
新八は抱え上げられたことで下になってしまった銀時の顔を
じっと見詰め、問い掛けてみる。

すると、銀時は暫し目を閉じて暫し唸り、

「ん~・・・確かにちょっと重くなってはいるなぁ。」

ま、成長期だし、いいんじゃね。と言ってやんわりと口元を緩めた。

「本当ですか?山崎さん、やっぱり僕、大きくなってましたよ」

流石観察方ですね。そう言って嬉しそうに笑う新八に、山崎は
ハハハ・・・と乾いた笑いを返した。

「ってかよぉ、見ただけでこんな微かな変化に気付くなんて、アレだな。
セクハラにも程があるだろ、おい。
目ん玉刳り貫くぞ、コラ」

「旦那にだけは言われたく
ないんですけどぉぉぉ!!?」

寧ろ何で抱っこしてそんな微妙な変化が判るんですかっ!
ってか何で新八君も普通に接してるのぉぉ!!?
何?これが普通なの?日常的なの?
坂田家的スキンシップなのぉぉ!?

そんな山崎の心の叫びを鼻で笑い飛ばし、銀時は断言する。

「セクハラじゃありません。
身体測定です」

「・・・いや、身体測定はそんな格好でしません。
ってかお尻も撫でません」

さり気なく片手で抱えた状態で、新八のお尻を撫でる銀時に、
山崎は白けた視線を送る。

「筋肉の付き具合を見てるだけだろうが。
ったく、やだね~エロいヤツは何でもその方向に結び付けるんだから。」

「それ以外の何処にも結びつかないよね、ソレっ!
ってか新八君もそんな事本気にしないのっ!!」

「え?違うんですか、これ?」

不思議そうに首を傾げる新八に、山崎はカクリと肩を落とし、

 

とりあえず自分の身の安全の為に、体よりも先に危機感を
急成長させてくれないだろうか・・・

 

 

と、真剣に願ったのであった。

*****************
坂田家ではセクハラ=スキンシップ(待てι)

拍手[3回]



その日、神楽が酢昆布を噛みながら、定春と共に道を歩いていると、
前方から新八が歩いてくるのを見つけた。

が、その姿が何時もと少し違う。

何時もは背筋をピシッと伸ばし歩いているのに、
今は何故か肩を怒らせ、少し前屈みに歩いている。

しかも、何だか今にも鈍い音の効果音が聞こえてきそうな
歩き方だ。

その新八の姿に、あぁ、なんかあったな。と神楽は
大きな瞳を半分に窄めた。

 

 





「新八~、何処に行くアルカ?」

口にしていた酢昆布を胃の中へと納め、定春を促して
新八の前へと行くと、新八は珍しくも足を止めないまま、

「家っ!」

と言葉を吐き出した。
それに並ぶように、神楽も進行方向を変え、隣に並び
思い浮かんだ原因を口に出してみた。

「・・・また銀ちゃんアルカ?」

そう、新八の怒りの対象は、大抵銀時だ。

偶に・・・本当に偶に自分が原因だったりするが、
それは仕方ない事だと神楽は思う。

だって見本の大人がアレネ。

なのでその時の怒りも最終的に銀時行きだ。

そんな銀時は、日頃から、ダラダラとやる気を見せず、
金もないのにギャンブルをし、酒を呑み、
序に医者に禁じられてる糖分も取る。

その度に新八に怒られているのだが、本人にとっては
何処吹く風・・・寧ろ構ってもらえるのが嬉しいらしく、
ちょくちょくその怒りに火を注いでいる。


だが、今日はその火を思った以上に燃やしてしまったらしい。

新八は足を緩める事もなく、眉間の皺を深く刻んだ。

「全く、今日と言う今日は本当に怒ったからね。
とうぶん帰ってやらないんだからっ!」

「・・・それって家出アルカ?」

「そっ!家出っ!!」

そう言ってズンズンと進む新八に、神楽は呆れながらも
少しだけ口元を緩めた。

進む先は新八の家だ。
お妙と住んでいる、正真正銘の家だ。

けれど、今出てきたところも新八の家だ。
自分と、銀ちゃんと、定春と住んでいる、
新八の家だ。

だって言ったではないか、家出だと。

とうぶん帰らないのだと。

それだけ聞けば哀しい言葉だが、言い換えればアソコを家だと、
帰る場所なのだと言っているようで、なんだか嬉しい。

「よしっ!なら私も付き合ってやるネ」

偶には私達の有り難味を、銀ちゃんに味あわせてやるネ。
そう言って新八の手を取り、勢い良く振り出す神楽に、
一瞬新八の目が丸く開かれる。

が、直ぐにやんわりと細められ。

「だね。今日は二人で家出しちゃおうっ!
あ、勿論定春も」

「きっと銀ちゃん、寂しくて泣いちゃうネ」

「だね~、銀さんあぁ見えて寂しがり屋だから」

いつの間にか新八の怒りも解けたようで、足取りが何時ものソレになる。
そして二人で顔を合わせ、まるで悪戯でもしているかのように
小さく笑い合った。


さぁ、何日ぐらい家出をしてやろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・て、なんでアンタまでウチに来るんですか」

その日の夜、何故かちゃっかり志村家の夕飯に全ての元凶とも
言える銀時の姿があったりして。

「や、だって一人とかってアレじゃん?
やっぱ仲間外れとか良くないと思うんだよね、銀さん。
なので家出してきました」

「アレって何だよ。
素直に寂しかったって言えよ、このマダオが」

「あれ?なんか普通に酷い言葉が聞こえてきたよ?
違うからね、銀さん寂しかったとかじゃ全然ないから。
寧ろ超快適だったんだけどね?やっぱ家出とかって
連れが居てなんぼじゃん?だからさ~」

「既に神楽ちゃんが居ますから大丈夫です。
ってか皆出て来たら、家出じゃなくて
夜逃げみたいじゃないですかっ!」

「お、上手いね~、新ちゃん。
じゃ、それで」

「それでじゃねぇぇぇぇっ!!!!」


****************
坂田が一人で居られる訳がナイ(断言)

拍手[2回]


[41] [42] [43] [44] [45] [46] [47] [48] [49] [50] [51
«  Back :   HOME   : Next  »
無駄語りご案内
銀魂の新八受け中心、女性向けブログです。 BL、やおいなどの言葉を知らない方、また、知っていて嫌気をを感じる方は、ご注意を。 また、出版社様、原作者様、その他関係者様方とは一切関係ありません。
HN:
太門
性別:
非公開
フリーエリア
ご感想、きりのいい数字等踏まれましたら、お気軽にドウゾ☆
バーコード
ブログ内検索
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]