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毎日寒いわけですが、そろそろ花粉の事も考えなきゃいかん。
って事で、現在病院に行こうか悩み中です。
(↑毎年事前に注射&薬で対抗中)
・・・が、行ってインフルエンザ貰ってきたら、シャレにならんι
待合室が怖いです(泣)
以下、メルフォお返事。
団子様
こちらこそ、毎度暖かいお言葉の数々、有難うございます。
どんぶり飯三杯いけましたかっ!ときめいて頂き、有難うございます~vv
坂田家とお登勢さん・・・と言うか、もう二世帯住宅ですよね、
あそこは!(笑)
多分ウチの坂田は、あの主婦コンビ(おいι)には頭が上がらないと
思いますvv
・・・と言うか、主婦コンビが最強すぎる気が・・・・(笑)
その日、何時も騒がしいことこの上ない二階が、何時にも増して
騒がしかった。
「あいつ等・・・またやってるのかい」
お登勢は煮詰めていた鍋に蓋をし、タバコに火をつけながら
呆れた表情で頭上を見上げた。
それからほんの少しして、玄関の開く音と、
「なら言う通りにしてやりますよ、この腐れ天パーッ!!」
という少年の高い声と、これまた盛大に玄関を閉める音が聞こえてきた。
そして、少年の今の心境をそのまま現してるかのような階段を
降りてくる足音が聞こえ、お登勢は一つ溜息を零す。
が、次に聞こえてきたのは、控えめに店の扉を開ける音だ。
お登勢は長くなった灰を落としつつ、そちらへと視線を向けた。
「・・・少しは労わってくれるといいんだけどね、この家」
そう呟けば、すまなそうな顔をした少年が軽く頭を下げながら
店へと入ってくる。
それにお登勢は小さく肩を竦めると、鍋の火を少しだけ落とした。
「で?今日はどうしたんだい、新八」
お登勢の言葉に、店に入ってきた新八はカクリと頭と肩を落としたのだった。
店で出す料理の仕込みを手伝って貰いながら話を聞けば、
本当に相変わらずの内容だった。
ようは銀時がパチンコで大損した上、憂さ晴らしとばかりに糖分を摂取
してきたらしいのだ。
「そりゃ~万事屋の社長は銀さんですよ?稼いだお金をどう使おうと
勝手だと思いますよ?でもそんな風に使ってたら
生活が成り立たないじゃないですか!」
そう言いつつも、新八の手は休まらない。
丁寧且つ迅速に野菜を切り揃えていく。
・・・まぁ少しばかり力が入っているようだが。
お登勢はちらりと視線を頭上へと向けた。
あれだけ騒がしかったのが嘘のように、今はシーンと静まり返っている。
それはそうだ。原因の一人がここに居るのだから。
「あぁ、そりゃ新八が正しいね。幾ら宵越しの金を持たないって言うのでも
限度があるよ。って言うか社長だからこそダメだろう、そんな使い方。」
勢い良く切られていく野菜を眺めながらお登勢が同意すると、
ですよねっ! と新八が頷き、再びいい音を立てて包丁が野菜へと
叩きつけられた。
「それに糖分だって!アノ人、また医者に怒られたんですよ、この間。
なのに懲りもなくパフェだの何だの食べてきてっ!!」
ダンッ!ダンッ!!
・・・と、最早野菜と言うよりその下のまな板を切っているような
力で包丁を振り下ろす新八に、つい苦笑が漏れる。
偶にあるのだ、こう言う事が。
大抵銀時のせいで喧嘩が始まり、怒った新八が上を出て、
こっそりとお登勢の店へとやって来る。
その都度、お登勢は愚痴を聞いてやり、そのお礼か、新八が
店の事を手伝っていく。
・・・まぁストレス発散も含まれているのかもしれないが。
「こんだけ新八が心配してんのに・・・何様のつもりかねぇ、あいつは」
「お子様ですよ、そのまんま!
で、注意したら『俺の方針に文句があるヤツは出てけぇぇ!!』ですよ。
全く、人の心配をなんだと思ってんだ!!」
その言葉と共に、最後とばかりに包丁を降ろし、材料を全て
切り終えた新八は、それらを丁寧に鍋の中へと入れた。
どうやら怒ってはいても、身についた作業は完璧のようだ。
それ以降も、文句を言いつつも料理を淡々と進めていく新八に、
お登勢は時折相槌を入れて行き、気が済むまで付き合うのだった。
そうして料理が何品が出来上がった頃、再び頭上が騒がしくなった。
豪快に廊下を走る音がしたかと思うと、そのまま玄関の開く音が聞こえ、
次に勢い良く階段を降りてくる足音が聞こえる。
そして銀時の愛車である原付のエンジンの音が聞こえたかと思うと、
凄い速さでその音は遠ざかっていった。
「・・・行ったみたいだね」
そう呟いて時計に目をやれば、新八が来てから既に一時間弱。
・・・いや、まだ一時間弱・・・と言った所か。
「まぁ今日は持ったほうじゃないかい?」
笑って告げれば、先程まで怒っていた少年もクスリと笑う。
「ですかね?ってか銀さん、今鍵閉めて行かなかったですよね。」
全く無用心なんだから。新八はボヤキながらも着ていた割烹着を
脱ぎ、丁寧に畳んでいく。
そしてカウンターに置きながら自分自身もカウンターの外へと出ると、
お登勢に向けて軽く頭を下げた。
「何時もお邪魔しちゃってすみません」
「別にいいさ。こっちも手伝って貰えて助かってるしね。
ただ家はもう少し大事に扱っておくれ」
お登勢の言葉に乾いた笑いを浮かべると、じゃあお邪魔しました。
と言って再度頭を下げ、新八は店を後にしようとした。
それにお登勢が声を掛ける。
不思議顔で振り向く新八に、お登勢は緩く口元を上げると、
「手伝って貰ったお礼だよ。少し持っていきな」
そう言って先程まで作っていた料理を、皿へと取り分けて
新八へと差し出した。
「勿論、銀時には食べさすんじゃないよ?」
少しは反省させな。そう笑うお登勢に、新八も 当然です。 と笑って
返すと、お礼の言葉と共に皿を受け取り、今度こそ店の外へと
出て行った。
それを見送りながら、お登勢は新しいタバコに火をつける。
「・・・ま、そうは言っても食べさすんだろうけどね、きっと」
クスリと笑みを浮かべながら、お登勢は今頃街中を探し回っている
だろう銀髪の姿を思い浮かべた。
きっと落胆して帰ってくるものの、家に点いてる明かりを見て
再び階段を勢い良く上がっていくのだろう。
そしてまた、二階は騒がしさに包まれるのだ。
「近所迷惑にも程があるっていうのにねぇ」
全く、何度言っても聞きやしない。
紫煙と共に頭上に文句を吐き出すが、お登勢の声は
どこか嬉しげな音が滲んでいた。
***********************************
嫁、実家に帰る(←ちがっ!)
銀さんの好みは、家庭的で可愛くて、純粋でしっかりしてるけど鈍感で、
こんなマダオを甘やかしてくれるのに、男前な面も持ってたりする眼鏡な
16歳なんだけど、丁度いい人、知りませんか?
ちなみに銀さんは一人ぴったりな子、知ってるんだけど。
俺のその言葉に、新八は驚いたように目を丸くした。
そして次第に赤くなっていく頬。
・・・さすがに気がついただろう、これは。
じっと反応を見詰めていると、新八は頬の赤さもそのままに、
パクパクと口を開いた。
あ~、食いつきてぇ、その口。
って、待て待て自分。ちょっと落ち着け。
そうじゃないだろ、今は。
確かに食いつきてぇけど、今はちょっと待て。
これは・・・アレだろ?何か言いたいけど、言葉に出ないってヤツだろ?
いいよいいよ。出るまで待つから。
ってか悪い返事だったらそのまま引っ込んでて、マジで。
そう思うものの、この新八の反応から見れば、多分そんなに
悪い返事は返ってこないだろう。
だってさ、俺の言葉にこんなに顔真っ赤にして?
恥ずかしそうに目を潤ませて?
じっと俺を見詰めてきて?
・・・あ~、うん。待つよ、銀さん。
こう言うの、大事だもんな。
俺達の第一歩だもんな、うん。でもさ・・・
頑張れ、新八。本当、頑張れ。
オマエはやれば出来る子だ!
そして空気もばっちり読める子だ!!
だからさっさと返事して
色々させろよコンチキショー!!
何、その表情!
アレですか!これは拷問ですかコノヤロー。
ただでさえ返事にドキドキしまくってるってぇのに、
違う意味でもドッキドキだよ!
寧ろムラムラだよ!!
あ~、でも耐えなきゃなぁ。
そう、耐えるんだ、俺!
そうすれば新八から、きっと幸せな言葉がっ!!
色んな感情と銀時が戦っていると、漸く新八の口から小さな音が
零れ出てきた。
「え?何、新八」
しかし銀時の耳には届かず、もう一度言ってくれ・・・と促すと、
新八は恥ずかしそうに視線を反らし、先程よりも心持大きな声で
言葉を吐き出してきた。
「えっと・・・だからあの・・・大丈夫です。
そう言う特殊な趣味でも、僕引きませんから」
そう、何処か労わる様な笑顔と共に。
「・・・・・・・はい?」
思わず目を見開く銀時に、新八は慌てて言葉を続けた。
「あ、判ってます。人の趣味はそれぞれですもんね。
大丈夫ですよ。例え眼鏡萌えでロリコンに近い趣味でも!」
「あ・・・あの・・・新ちゃん?」
「いやでも意外と言うか、さすが銀さんと言うべきか・・・
ドSってだけでも人に言うのに勇気が居ると思うのに、
それに加えて眼鏡だのドジッ子だの・・・
あ、でも今は僕だけだからいいですけど、神楽ちゃんの前では
止めて下さいね?その特殊嗜好を披露するの」
切々と言い募る新八に、銀時は何も言えなくなる。
どうやら顔を赤らめていたのは、銀時の性的嗜好が恥ずかしかった
だけらしい。
あ~・・・なんかさ、うん。
なんかもう・・・いっか、コレ。
未だ何か言っている新八に、銀時は大きく息を吐くと掴んでいた手を
引っ張り、ゴロリとその場に引き倒した。
そして驚く新八を余所に、伸し掛かるように覆いかぶさった。
「え?どうかしたんですか、銀さん」
「いやどうも何もさぁ・・・とりあえずアレだ。
やっぱ男なら行動あるのみだな、うん」
「は?いや、意味全然判んないんですけど。
ってか近い!近いですって顔!!」
「近づけてんだから当たり前だろうが。
ってか鈍感にも程があるってもんですよ
コノヤロー!!!!!」
・・・その行動の結果、漸く気持ちを判ってもらえた俺は、
新八から望んでいた言葉を貰う事が出来ました。
多くの青痣と共に。
*******************************
その上未遂(笑)
M様、こんな押し倒され方もアリでいいですか?(最悪だぁぁ!!!!)
「ってか有り得なくね?」
「何がですか?」
どうやら無意識に声に出ていたらしい。
自分の呟きに、お茶を持ってきてくれた新八がコトリと首を傾げた。
それに何でもない事のようにダラリと・・・しかし内心焦りまくった
状態で 別に・・・ と返せば、新八は不思議そうな顔を
しながらも、洗濯物を取り込みに行ってしまった。
それを見送りながら、ホッと息を吐き、置かれた湯飲みに手を伸ばす。
一口飲めば、ほんわりと心が和らいだ。
あ~、うめぇ~。
今まで最高の飲み物はイチゴ牛乳と信じて疑わなかったが、
中々どうして、日本茶も結構いける。
・・・まぁ新八の淹れてくれたお茶限定なのだが。
しかし本当。味といい温度といい、ばっちり俺好みだ。
ちなみにそれを淹れてくれた新八も、がっつり好みだ。
・・・そしてそれはどうやら周囲にはきっちりバレていたらしい。
その事実が、現在の俺を少しばかり凹ましているのだけれど。
「・・・有り得ねぇってマジで」
鼻歌交じりで洗濯物を取り込んでいく新八を眺めながら、
俺はもう一度声に出した。
何からそうなったのか、ある日新八は知り合いの面々に俺の好みのタイプを
聞いて回ったらしい。
おいおい何だよ~。そんなに銀さんの好きなタイプが気になんのか?
ヤバクね?それってちょっと恋が入ってね?
寧ろ入っててくんね?
そんな事を思ったのだが、どうやら本人は純粋に、ただの好奇心だったらしい。
・・・お子様と言うのは時に残酷だ。
けれど現実はもっと残酷だ。
どうやら俺の心に秘めていた恋心は、知り合い共にはバレバレだったらしいのだ。
なんだっけ、確か・・・家庭的で?可愛くて?純粋でしっかりした子?
はっ!馬鹿らしい。
もういっその事、普通に新八って言えよ。
言っちまえよコンチキショー。
で、少しは新八にどっきりさせてやってくれ。
出来れば俺を意識する方向で。
全く、使えないヤツ等めっ!と、思い浮かんだ面々を罵りながらも、
ふと以前の事を考えてみる。
以前の俺の好みは、むっちりとした肉感的な?
それでいてあんまり積極的でない?
そんなのが良かったのよ、うん。
なのにさ~、実際の所新八は滅茶苦茶積極的に万事屋に来た訳で?
・・・や、良かったんだけどさ、それで。
今現在、本当感謝してるし。
ってかいい事はしてみるもんだね、うん。
よくやった俺。ナイス判断だ俺。
で・・・まぁむっちりともしてないんだけどさ。
寧ろいい感じに筋肉ついてるんだけどさ。
あ、でもほっぺはムニムニしてるか・・・うん。
後尻もこう・・・ってアレだから。まだ触ってないからね、銀さん。
そんな勇気、塵ほども持ってないから!
視覚的感想を述べてるだけだから、これぇぇぇ!!!
と、まぁ・・・俺はぼんやりと、和室で取り込んだ洗濯物を
畳んでいる新八を眺めた。
ここまで好みと違ってる・・・寧ろ性別からして正反対の新八を
どうしてここまで好きになったのか。
自分の思考回路でありながら、ちょっと不思議だ。
最初はただのこ煩い少年だった・・・筈だ。
や、ちぃ~っとばかし可愛いな~・・・なんて思ったけどね。
それは普通に小動物に対するような?そんな感じのものだったと思うし?
でも、あのまっすぐな目で見詰められて、細々と世話を焼かれて。
守らなければと思っていた背中は、案外強くて。
時に俺を守ってくれたりもして。
そこまで思い、俺は あぁ・・・ と納得した。
それはあの日、俺が紅桜とやり合ったあの日。
新八の背中に守られたあの瞬間。
微かに震えている背中に、ほんの少しの罪悪感と酷い安堵感を覚え、
俺は自分の気持ちを自覚し、どれだけ新八に守られていたかを知ったのだ。
どれだけ傷付いても、家に帰れば新八が待っててくれる。
どんなに寒い夜でも、帰れば新八が家を暖めて待っててくれる。
そして、どれだけ弱い自分を見せても、新八はずっと傍に居てくれる。
共に歩いていこうとしてくれる。
それがどんなに奇跡的で素晴らしいことか。
「これで惚れるなって方が無理だよなぁ」
ポツリと呟けば、視線の先で新八の手が止まり、きょとりとこちらに
視線を向けてきた。
「何かいいました?銀さん」
それに俺は いんや~? と返しつつ、ニマニマと笑みを浮かべた。
「たださぁ、新ちゃんてば本当、家庭的だねぇと思って」
銀さん、本当助かっちゃう。そう言えば呆れたような顔が帰って来た。
「仕方ないでしょ。誰もやんないんですから。
別に銀さんがやってくれてもいいんですよ?」
「それにさぁ、よっく見ると結構可愛いよね、その眼鏡」
「おい、人の話聞けよ。ってかなんで眼鏡ぇぇ!?
や、別に僕自身に言われてもアレですけどっ!」
怒る新八に、だって新八の大部分は眼鏡で構成されてるでしょ。なんて
嘯きながら、俺はソファから腰を上げて和室へと足を向けた。
「あとアレだよね。何にも知らなそうだから、一から
教え込みたくなるよね、色々と」
「・・・なんかどっかで聞いたような台詞なんですけど。
ってかなんですか、色々って。
あ、いいです。細かい説明はいいです、怖いから」
新八の言葉に親切にも例をあげながら説明しようとしたが、
青褪めた顔で全力で拒否られた。
・・・ま、いいけどね。何れ身を持って知ってもらうから。
それこそ全力で。
そんな事を思いながら、俺は洗濯物を畳んでいる新八の隣へと
腰を降ろした。
「・・・で、しっかり屋さんだ、うん」
「そうですか?別に普通でしょ」
胡坐をかいた膝に肘を乗せ、顔だけ新八へと寄せながら言えば、
畳んでいたタオルを持ち上げながら、不思議そうに首を傾げられた。
「いやいや、この万事屋で普通の生活が営めるのは新ちゃんの
お陰でしょ。普通出来ないよ?コレ。
貧乏神にも見捨てられた存在だからね、この家」
「自覚あるなら仕事しろよ。
ってかなんなんですか、さっきから」
そう言われ、俺は苦笑しつつ新八の膝に合ったタオルをどかすと、
その上にゴロリと頭を乗せた。
ちょ、何してんですかっ!!って言う非難の声が聞こえたが、
それは無視の方向で。
俺は逃げようとする新八の腰に手を回すと、下から新八の顔を見上げた。
その顔はほんの少し赤みを帯びているものの、困惑が前に出ていて
少し笑える。
ここまで言って、そしてこの行動で。まだ判らないかね、この子は。
「本当、鈍感」
「や、鈍感も何も訳が判らないですから。何?枕が欲しかったんですか?」
なら出して上げますよ。と言われ、俺は小さく息を吐きながらも
いらない。と返し、目を閉じた。
「僕の膝なんて、固くて寝辛いでしょ」
「オマエ、銀さん舐めんなよ?酔っ払って地べたで寝た暦、
何年だと思ってんだよ」
「自慢じゃねぇよ、それ。
ってか僕、まだやる事あるんですけど・・・」
「いいからいいから。ホラあれだよ?
人生、時に休息も必要だよ?」
「あんたは休息の中に、時に人生ですね」
どう言っても動かない俺に、とうとう諦めたのか小さい溜息と、
温かい手が頭に落ちてくるのを感じた。
それにチラリと薄く目を開ければ、視線の先でやんわりと笑っている
新八の顔が。
俺は慌てて目を閉じると、頭に乗せられた新八の手をキュッと掴んだ。
そしてそのまま目蓋の上へと持ってくる。
「銀さん?」
眩しかったですか?と聞いてくる新八に、曖昧に返事を返しながら
俺はゆっくりと口を開いた。
銀さんの好みは、家庭的で可愛くて、純粋でしっかりしてるけど鈍感で、
こんなマダオを甘やかしてくれるのに、男前な面も持ってたりする眼鏡な
16歳なんだけど、丁度いい人、知りませんか?
ちなみに銀さんは一人ぴったりな子、知ってたりするんだけど?
*****************************
この後報われるのかどうかはご自由にご想像下さい(おいι)
仕事も無い午前中、ボーッとしながらテレビを見ている銀さんを
避けながら居間の掃除をしていると、聞き覚えのある名前が
テレビから聞こえ、暫し手を止めた。
視線をやれば、有名な俳優が電撃入籍をしたと言う。
へ~、そうなんだ~。とだけ思い、そのまま掃除を再開しようと
した所で、ふと目に入ったモノに再び手が止まってしまった。
目に入ったのはその俳優の年齢。
それは、目の前でダラリとした格好でソファに寝そべっている銀さんと
同じ年齢だったのだ。
「そう言えば銀さんってどんな人がタイプなんだろう」
考えてみれば銀さんだってそれなりの年齢だ。
そう言う話が出てもおかしくは無い。
おかしくはないのだが・・・なんでだろう、
あまり現実味がない気がする。
・・・やっぱりあの性格だからかな?
ってか結婚する気あるのかな、アノ人。
そんな事を考えながら買出しの道を歩いていると、途中で桂さんと行き会った。
またこの人はこんな大通りで・・・
でも今は丁度良かったのかもしれない。
僕は爽やかに挨拶をしてくれる桂さんに頭を下げつつ、頭の中にあった
疑問を投げ掛けてみた。
「銀時の好みのタイプ・・・か」
桂さんはそう言うと顎に手を当て、少しの間黙り込んだ。
そして、一瞬僕の方へと視線を向けると、何か考えながら言葉を紡ぎ出した。
「多分、家庭的で可愛らしい子・・・じゃないか?」
その言葉に、僕はつい首を傾げてしまう。
「でも持ってるエッチな本には派手な人ばかり載ってますよ?」
「いや、それは以前の好みと言うか、
それとこれとは話が違うと言うか・・・
と言うか、あいつはそんな物を堂々と部屋に置いているのか!」
未成年も居ると言うのに!そう怒る桂さんに、僕は苦笑する。
「や、一応隠してくれてるみたいなんですけどね、神楽ちゃんの手前。
でも僕掃除するじゃないですか。そうすると・・・見つけちゃうんですよね」
でも本人は完璧に隠してるみたいなんで、黙ってて下さいね。僕が
そう頼むと、桂さんは酷く微妙な顔で頷いてくれた。
武士の情けだしな・・・とか言ってたけど、何なんだろう。
別にエッチな本ぐらい恥ずかしい事じゃないよね?
あ、でもアノ人、嗜好が特殊だからやっぱり少しは恥ずかしいのかな?
とりあえず桂さんに礼を言い、その場を別れて僕は買い物へと足を進めた。
そう考えると、やっぱりS宣言しているだけあって、Mっぽい人の方が
いいのだろうか。
でも、さっちゃんさんには冷たいしなぁ。アノ人結構美人なのに。
やっぱり桂さんの言う通り、家庭的で可愛い子の方がいいのかな?
そんな事を考えていると、スーパーから沖田さんが出てくるのが見えた。
どうやら今日は駄菓子屋ではなく、ここでお菓子を買っていたらしい。
僕は軽く挨拶をしながら、S星出身のお言葉を聞く事にした。
「旦那の好きそうなタイプ・・・ねィ」
そう言うと沖田さんはチラリと僕へと視線を向けた。
なんだろう、未成年には早すぎる言葉の羅列でも出てくるのかな?
あ、でもこの人も未成年じゃん。
ってかここ、人通り激しいですからね?
なるべくソフトな感じでお願いしますっ!!
一応身構えて沖田さんの言葉を待っていると、
「別にSだからって必ずともMを好きになる事はないですぜィ?
寧ろ何も知らない子を一から調教していって自分色に染め上げる方が
楽しいですからねィ」
旦那もそうなんじゃないんですかィ?そう言ってニヤリと嫌な笑みを
浮かべられてしまった。
・・・いや、そう言われても知りませんから。
と言うかそんなSの性質、
知りたくも無いですからぁぁぁ!!!!
僕はこれ以上ヤバイ言葉が出ないうちに・・・と慌てて礼を言い、
スーパーの中へと飛び込んでいった。
でも、何も知らないって事は、純粋な子って事でいいのかな?
僕は特売品を詰め込んだビニール袋を手に、万事屋へと帰りながら
そう変換し直してみた。
と言うと、家庭的で可愛くて純粋な子って事か・・・
確かに、そんな子なら結婚もしてみたくなるだろう。
そう思っていると、今度は前から近藤さんと土方さんが歩いてきた。
ここは一つ、同年代の意見も聞いてみよう。
そう決めると、僕は嬉しそうに手を振る近藤さんの元へと足を進めた。
「万事屋の好きなタイプねぇ」
そう言うなり、近藤さんは腕を組んで考え出し、土方さんは嫌そうに
舌打ちをした。
「とりあえず今出てるのは、
家庭的で可愛くて純粋な子って言うのなんですけど」
そう言うと近藤さんは大袈裟なぐらい手を叩き、納得していた。
「確かに!そんな感じだよなぁ、うん」
「相手にとっちゃぁ不運極まりねぇけどな」
ケッと言い捨てる様に呟く土方さんに、僕は少しだけ首を傾げる。
なんか・・・そう言うタイプの人に心当たりでもあるのかな?
そんな事を考えていると、近藤さんが あ、後もう一つ! と言って
指を立てた。
「やっぱりしっかりしてる子だろう。あの万事屋を支えてくんだ。
余程しっかりしてなきゃダメなんじゃないかな?」
うんうんと自分の言葉に頷く近藤さんに、僕も あぁ。 と声を上げた。
確かに、経済観念とか銀さんの生活態度とか、しっかり支えて
貰わなきゃいけないもんね。
アノ人、言われなきゃ仕事しないし、糖分摂取しようとするし。
ん?でもこれってタイプとかじゃなくて、銀さんに似合いの人って
感じになってない?
当初と少しずれてしまった答えに、微かに首を傾げていると、
土方さんから盛大な溜息が聞こえてきた。
見れば土方さんの視線は、僕が持ってる袋を見詰めていて。
なんだろう、そんなに特売のシールが哀れみを誘ったのかな?
でもコレ、賞味期限が近いだけで、別に味に変わりないんだけど。
大体その日に食べちゃうのが殆どなんだから、これで十分でしょ。
そう言うと、もっと大きな溜息を吐かれ、近藤さんには
やっぱりしっかりしてるね。と褒められた。
や、しっかりも何も、死活問題ですから、これ。
僕はとりあえず頭を下げてお礼を言うと、二人と別れ、万事屋へと向った。
「って事なんですけど、実際どうなんですか、銀さん」
万事屋へと帰り、買ってきた物を冷蔵庫へと仕舞い終わると二人分のお茶を
淹れ、僕はソファへと座って銀さんに問い掛けてみた。
「どうってオマエ・・・なんて事聞き歩いてんだよ」
銀さんはお茶を一口飲み、呆れたように僕を見た。
だって仕方ないじゃないですか、気になっちゃったんですもん。
ムッと口を尖らす僕に、銀さんは困ったように髪を掻くと、
「でもまぁ・・・大体あってんじゃね?」
と、ポツリと言葉を零した。
その言葉に、思わず繁々と視線をやれば、今度は腕を伸ばして
僕の頭を掻き混ぜてきた。
その頬はほんの少しだけど赤く染まって見え、僕はこっそり笑ってしまう。
そっか~、銀さん、そう言う人がタイプなんだぁ。
確かに、そんな相手の人だったら直ぐにでも結婚したくなるけど、
銀さんの周りにはいなさそうだなぁ。
って事は、まだまだ結婚しないって言うか、出来ないって事か。
なんだか安心してしまい、クスクス笑っている僕に気付いたのか、
銀さんは 何笑ってんだか。 と力なく呟いて僕の軽く頭を叩き、
そのままソファの背凭れの上へと伸ばしてダラリと顔を上に向けてしまった。
「ってかあいつ等にはバレバレかよ、オイ
あ~、もう最悪じゃねぇかっ!!!」
「別に好きなタイプぐらいバレたっていいでしょ?
何恥ずかしがってんですか」
「おまっ・・・まぁいいや、もう。
ってか新八、序にすっげー鈍感ってのも付け加えといて
マジで鈍感だから」
「鈍感?銀さん、そう言う人が好きなんですか?」
変わった趣味ですね~。そう言って笑う僕に、俺もそう思う。と、
やけにしみじみとした銀さんの声が返って来た。
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報われない男、坂田(笑)