忍者ブログ
銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。




―――坂田銀時、そろそろ覚悟を決めようと思います。

新八の帰ってしまった夜、神楽にそう宣言すると、非常に残念な顔をされた

「銀ちゃん・・・とうとう覚悟を決めて糖尿と共に
生きて行く事にしたアルカ」

「いやいや、なんで?何度も言うけどまだギリギリセーフだから!
ってか共に生きるのは新八と決めてるから、銀さん!!」

「新八と同じ年月生きてられると思ってるアルカ、
この糖尿が。
身の程知らずもいいとこネ」

「いやいやいや、そういう意味じゃねぇから。
ってか糖尿じゃねぇって言ってんだろうがぁぁ!!」

机を力強く叩きながらそう言うと、神楽は不思議そうに首を傾げた。
どうやら目の前の小娘は、まだ俺のとんでもない覚悟が判らないらしい。
俺は深々と息を吐き出した後、仕方なく教えてやる事にした。



「・・・坂田銀時、そろそろ告ろうと思います」



重々しくそう告白すると、重々しい拳が俺の頬に炸裂した。
くだらねぇことに時間を使わすんじゃねぇよ。と吐き出すように
神楽に言われた気がしたが、多分気のせいだ。

だってもう、記憶飛んでたからね。その時の銀さん。

 

 

 



 


「銀さん、起きて下さい!」

愛しい声に呼ばれ、目を開けばそこにはやっぱり愛しいあの子。
・・・が、その向こうは何時もの和室の天井ではなく、居間のものだった。

・・・あれ?なんで俺、こんなトコで寝てんだ?
おまけになんか頭ってか顔が痛いんだけど・・・あれ?
昨日酒呑んだっけ??

理由が判らず、頭を掻きながら起きれば、そこには呆れた顔をした
新八が腰に手を当ててこちらを見ていた。

「全く・・・なんでこんなトコで寝てんですか」

「いや・・・なんでだろ??」

素直にそう言うと、新八は大きく息を吐き出した。

「新八~、そんなに溜息吐いてると幸せが逃げんぞ?」

「誰がそうさせてんですか」

新八の言葉に一瞬頭を捻る。

誰って・・・俺だな。銀さんだな。

出てきた答えに、少し頬が緩む。
なんにせよ、新八が俺の事で・・・ってのは嬉しい。
あ、大丈夫だから。溜息吐いても全部銀さんが
吸い込んでやるから。
それでもって全力で幸せにしてやるから、銀さんが。
って・・・・

そこまで思い、漸く昨日の事がおぼろげに思い出されてきた。

そうだよ、俺重大な決意したじゃん!!!

朝食を作りに行こうとしたのだろう。台所へと向かおうとしている
新八の手を慌てて掴む。
それに新八は、キョトンとして振り返った。

よし、言うぞ!
言っちまうぞ!!

俺はゴクリと唾を飲み込むと、新八を見詰める目に力を入れた。

そんな俺を不審に思ったんだろう、新八はコトリと首を傾げて
未だ上半身を起こしたのみの俺に合わせ、腰を曲げてきた。

「どうかしたんですか?銀さん」

いや、どうしたもこうしたも・・・ち、近くね?
どう見ても近いよね、この距離!!
だっておまっ!
軽くいつもの距離超えてんじゃねぇかぁぁ!!!
いつもはさ?身長差もあってさ?ある程度取られてるじゃん?距離。
しかも上から目線だから、そんなにきっちり見えねぇんだよ、顔とか。

・・・ま、その分鎖骨とか項は見放題だけどな。
アレだね。色んな意味で背が高くて良かったと思ったね、銀さん。
初めて真剣に自分を褒めたよ、
本当。

あ、いや、それは今は置いといて。
・・・だからよぉ、こんな真正面で・・・とか。
しかもこんな至近距離で・・・とか。

心臓に超悪いんですけどぉぉぉぉぉ!!!!

もう信じらんねぇぐらい心臓バクバクだから、銀さん!
今までで一番活発に活動してるから、心臓ぉぉぉ!!!
お陰で、血流がものっそい勢いで流れまくってるからね。
あ、主に頭ね。ってか顔ね。
それは仕方ないと諦めてやるから、
下には行くなぁぁぁぁ!!


「銀さん?本当どうしたんですか?ってか大丈夫ですか?」

無言のまま固まってしまった俺を益々不審に思ったらしい。
新八は心配げに眉を下げ、俺に掴まれていない方の手を、
俺の額へと伸ばしてきた。

どうやら具合が悪いと思ってるらしい。

そりゃそうだろ。だって俺、きっと今顔赤いしな。
あ~、でも心配してくれんだな、新八。
嬉しいなぁ、おい。・・・ってダメだろ、自分。
このチャンスを逃がしてどうすんだ!

奮い立て、俺の覚悟!!
そして今は立つな、俺のナニか!!!


俺はもう一度コクリと喉を鳴らすと、伸ばされたもう一つの手も
ギュッと握り締めた。
そして・・・

「新八・・・オマエの味噌汁を毎日飲ませてくれ」

覚悟を決め、そう告げた。
俺の決死の言葉に、新八はキョトリと目を丸くしたが、
すぐにクスリと笑みを浮かべてきた。

その笑みに、俺は何処かでラッパの音が鳴るのを聞いたような気がする。

思わずそれまで緊張していた距離を気にせず、
新八の方へと身を乗り出そうとしたが、何故か距離は離れてしまった。

「し・・・新八?」

見れば辛うじて手は握られているものの、新八の腰は伸ばされていて。
戸惑う俺に、新八は一つ息を吐くと、苦笑を浮かべ、

「仕方ないですね、今日は豆パンの予定でしたけど
特別にご飯にしてあげます」

そう言い、両手を握っていた俺の手を一纏めにすると、ポンポンと軽く
叩き、そっと手を離した。

ダラリと落ちるのは、俺の手と気合を入れた心。

「でも、ちゃんと毎朝飲みたいなら、サボらず仕事して下さいよ?」

お味噌もただじゃないんだから!人差指を立て、俺にそう言うと
新八は今度こそ台所へと向っていってしまった。

 





「・・・馬鹿丸出しネ、銀ちゃん」

何時の間に起きたのか、居間の入り口で非常に残念そうな
をした神楽がこちらを見ていた。

どうやらラッパの音だと思ったのは、神楽が襖を開けた音だったらしい

・・・いや、て言うか今銀さん、全力で告ってたよね?

「寧ろ全力でヘタレだったアル」

「って心の声に返事してんじゃねぇよ、
ゴルァァァ!!!」

「顔に書いてあるヨ。そんな男と共に生きていってくれるのは
最早糖尿しかないヨ。覚悟決めるヨロシ」

「マジでか!?
ってかそんな覚悟はいらねぇんだよぉぉぉぉ!!!!」

 

 

 

 

 


「・・・って僕、毎朝作るっての拒否してないんだけど」

判ってんのかな、あの人。そう言って微かに頬を染め、
照れ臭そうに笑う新八を、居間で絶叫している銀時が知るのは
まだまだ先のお話・・・。

**************************************
二万打お礼企画第七弾。
もんちょ様からのリクで「すれ違い銀新(ギャグ)」と言う事でしたが
如何だったでしょうか?
こんな感じのすれ違いで良かったでしょうかι

再びのリクエスト、お待たせしてすみませんでしたι
これからも楽しんで頂けるよう頑張りますので、
お付き合いよろしくお願いしますvv

企画参加、有難うございました♪

拍手[3回]

PR


「ただいまヨ~」

銀ちゃんと二人、買い物から帰って来た事を告げると奥の方から
新八の声がした。

出迎えの言葉と、手洗いうがいの要求。
判ってるネ、毎度毎度言わなくてもヨロシ。
10代の記憶力を馬鹿にすんなヨ?
・・・ま、銀ちゃんのは判らないアルけどな。

とりあえず居間から出てきた新八に買ってきた物を渡し、
洗面所へと向う。
狭い洗面台で銀ちゃんと二人、冷たい冷たいと足踏みしながら
手を洗い、ガラガラとうがいをする。

その間に新八がガサガサと袋を鳴らしながら台所へと向う足音が
聞こえた。

それを耳だけで追いながら、適当に手の水を払う。

うぅ、すっかり冷たくなったネ。早く暖めなきゃ!

神楽は悴んだ手を摩りながら、この家で唯一暖房器具がある
和室へと駆け込んだ。
既に炬燵には定春が入っていて、同じように炬燵の中へと
潜り込む。

あぁ、生き返るネ。

温かい炬燵に表情を緩ませながら、モゾモゾと体を
横たえた。

きっちり場所取っとかないと、銀ちゃんに奪われるネ!

定春の体に沿うように、自分の足を伸ばして場所を確保する。
こうしておかないと、満足に炬燵の中で足を伸ばせないのだ。

無理矢理入れてきたら、蹴り出してやるネ!!

そう決意し、待っていたが銀時は中々現れない。
神楽は小さく首を傾げた。

この時期、気が付けば炬燵の住人となって動こうとしない銀時の事だ、
今など外から帰って来たのだから、直ぐにでも炬燵に潜り込んでくると
思っていたのだが・・・

「・・・行き倒れたカ?」

ただでさえ寒いのに、あんな格好で、しかも裸足なんかでいるからネ。

「自業自得ネ」

そう呟き、炬燵の暖かさに目を瞑ろうとするが、一度気になると
どうしようもない。

「・・・仕方ない、救助に行くアル」

同じように炬燵に潜り込んでいる定春を促し、その場から抜け出す。
そして定春の背中に乗ったまま、進んでいくと、台所から
新八と銀時の声が聞こえた。

暖も取らずに何やってるネ。もしかして私に黙って
何か美味しいものでも食べてるアルカ?

ならば銀時が炬燵に一向に来ないのも頷ける。

神楽は定春に小さく声を掛けると、証拠現場を押さえるべく
台所へと静かに向った。

 

 

 



 


「あ~、もうマジ寒かったよ、凍えるかと思ったよ。」

「だから僕が買い物に行くって言ったのに・・・」

「いや、あの寒さには耐えられないね。
銀さんだから耐えられたレベルだから、本当。
あ、ちなみに神楽は別ね。あいつは最早
そう言うレベルで生きてねぇ」

「どう言うレベルだよ。ってか若者舐めんなよコノヤロー。
でもまぁ・・・とりあえずご苦労様でした」

台所で夕飯の支度をしている新八と、それを後ろから抱き締め、
懐いている銀時。
火を扱ってるせいか、少しだけ他の部屋よりは温かそうだが、
寒いものは寒い。

銀時は裸足の足を、小刻みに動かしながら、新八の腰に
回している腕に力を込めた。

「もうさ、アレだね。外もそうだけど、冬の手洗いうがいは拷問だね。
寧ろ風邪引くね、アレ」

「や、しない方が風邪引きますからね?」

ってかそんなに寒いなら炬燵に入ってて下さいよ。そう言う新八に、
銀時は益々体を寄せると、小さな肩口に額を擦りつけた。

「ん~、でもそうすっと新ちゃんが寒いじゃん?
どう?銀さんの愛、暖かい?」

「暖かいけど邪魔です、ウザイです。
ってかぶっちゃけ台詞がアレ過ぎて寒いです」

「ひどっ!何ソレ、ものっそく冷たいんですけど、新八の言葉ぁぁ!!
あ~、もうダメだ。マジダメ。銀さん、悲しすぎて凍えそう」

叫びながらグリグリと額を押し付ける銀時に、呆れた声が
新八から発せられる。

「なら凍死する前に炬燵に行って暖まって下さい」

「いやです~、この寒さは新ちゃんの愛で暖めて下さい~」

責任取れやコノヤロー。そう言って新八の肩口から首筋へと
鼻を埋める銀時に、新八が小さな笑い声を上げた。

「はいはい、じゃあちゃんと取ってあげますから、
もう少しだけ我慢してて下さいね~」

とりあえず・・・と、新八は鍋から小さめのジャガイモを菜ばしで取ると、
数回息を吹きかけて銀時の目の前に差し出した。
銀時は一瞬目を丸くしたが、直ぐに口を開けると、少しだけ首を伸ばし、
新八の肩越しにそれを口の中へと入れた。

モグモグと咀嚼する銀時に、新八はやんわりと笑うと
どうですか? と問い掛ける。
それに銀時はコクコクと頷くと、

「・・・うん、ちょっと暖まった」

ニンマリと笑い、お返しとばかりに銀時は新八の頬に
唇を落とした。

 

 





 

 

「・・・アソコだけ季節が違うネ」

台所での光景を目にした神楽は、呆れたように溜息を落とすと
そのまま定春と共に炬燵へと引き返した。

そして先程と同じように炬燵の中へと潜り込む。

体は冷えてしまったが、なんとなくさっきとは違う。

ポカポカとした温かさを感じながら、神楽は緩く口元を上げた。

 

寒い中、邪魔な男を背中に背負いながらも
温かい夕飯を作ってる新八。

寒そうな足を小さく踏み動かしながらも、新八の傍から
離れようとしない銀ちゃん。

 

「みんなポカポカネ。」


ね、定春。そう言って定春に擦り寄ると、今度こそ
ゆっくりと目蓋を閉じた。

***********************************
二万打お礼企画第六弾。
団子様からのリクで「出来上がり過ぎてる夫婦」
と言う事でしたが、如何だったでしょうか?
なんか夫婦と言うより、家族話になってしまった気が・・・ι
少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。

温かいお言葉の数々、本当に有難うございますv
調子に乗って、これからも色んな話を書いていこうと
思いますので、どうぞ呆れずお付き合いして下さいませv

では、企画参加本当に有難うございましたv


 

拍手[2回]


「またこんなに呑んできて!」

良い具合に呑んで帰ってくると、玄関で新八が仁王立ちで待っていた。
時刻は日付が変わって少し経った位。
神楽はもう夢の中だ。

それもあってか、小言は早々に終わり、中へと招き入れられる。

ユラユラと揺れる体を支えられ、ソファに座らされると、
新八はそのまま何処かへ姿を消してしまった。

多分水でも持ちに行ったのだろう。

ボーッと天井を見上げていると、案の定コップを片手に新八が帰って来た。
礼を言って受け取り、中の水を飲み干す。

あぁ、美味いな。
新八が持ってきてくれたと思うと、美味しさ倍増だね。

そう告げると、新八は眉を顰めつつも微かに頬を染めた。

「何言ってんですか!なら幾らでも持ってきて
上げますから、呑みに行くの、少し控えてくださいよ!」

最近多いですよ?そうお説教の様に言うが、心配している
気配もして、少しだけ口元が緩む。

それを見られたのか、新八はムッと口を尖らすと、腕を組んで
こちらを睨んできた。

「お陰で僕、最近家に帰れてないんですけど?」

だな。オマエ、神楽を一人に出来ないからって
必ず泊まってくもんな。

「姉上にも、怒られましたし・・・」

その時の事を思い出したのか、新八は少しだけ肩を落とした。


知ってるよ、俺もお妙に言われたもん、いい加減にしろって。
睨まれたもん、さっさと帰せって。


だが、それは口に出さず、代わりに新八へ向けて手を出してみる。

「ちょ、銀さん!?」

組まれていた腕を掴み、引き寄せれば簡単に新八は俺の元へと
倒れこんできた。
その体を、ギュッと抱き締める。

「別にいいじゃ~ん。ここだってオマエの家みたいなもんだろ?」

そう言ってサラサラと感触の良い黒髪に頬を寄せれば、
少しだけ新八が身じろぐのが判った。

「そ、それはそうですけど・・・でも・・・」

ちらりと視線を下げれば、微かに赤くなった新八の耳が見えた。
それは大層美味しく俺の目に映り、ついペロリと舐めてしまう。

その瞬間、腕の中の新八がビクリと跳ねた。
そして距離を取ろうとしているのか、腕を突っぱねてきたので
舐めるのを止め、再び頭に頬を摺り寄せて
背中に回した手を、ポンポンと謝罪する様に数回叩いた。

すると諦めたのか、小さく新八が息を吐き、力が抜けたのが判った。

それにホッと胸を撫で下ろす。
ヤバイヤバイ。まだ新八補給が済んでないというのに、
ここで離れられたら最悪だ。
離れていた分、きっちり補給しなければ。

「でもさぁ、実際新八が家に居るって思うと
安心するんだよねぇ、銀さん」

だからごめんなさい。俺は先程の事などなかったかのように、
のんびりとした声で謝罪した。

「なんですか、それ。僕は留守番要員ですか」

腕の中からムッとした声が聞こえ、俺は摺り寄せていた頬を離し、
新八の顔を覗きこむように顔を下げた。

見ればやっぱり、ムッとしている新八の顔が。

俺は小さく首を振ると、

「ん~ん。ずっとここに居てくれって事」

そう言って柔らかい頬に唇を当てた。
すると新八は一瞬目を丸くし、次にハニャリと顔を崩した。

「何ソレ。銀さん調子良い」

クスクスと笑う新八に、俺は バーカ、本気だよ。と言いながら
何度も唇を落とした。

しかし新八は本気にしてないようで、少しだけ悪戯っぽく笑うと、

「でも、財布の中身も姉上も怖いから、程々にして下さいね」

そう言って手を伸ばし、俺の鼻先を摘んだ。
俺はそのままの格好で

「あ~・・・善処します」

と鼻声で答えると、新八の手を取り、そちらにも唇を落とす。
それが擽ったかったのか、新八は肩を竦めると、恥ずかしそうにポテリと
俺の肩口へとオデコをくっつけてきた。

そして吐かれる言葉。


「・・・それに、ここに居ても銀さんがいないと寂しいし・・・」


その言葉に、俺は小さく謝罪の言葉を返し、侘び代わりに
そっと新八の髪の毛に口付けを落とした。



うん、だよな。
俺も寂しいよ、オマエ置いて呑みに行くの。
だけどよ、俺が呑みに行かないと、オマエ帰っちまうだろ?
お妙が心配だって、行っちまうだろ?


そうすっとさ、もっと寂しくなんのよ、俺が。


寝る時も、寝てる時も、ずっと一緒に居たいんだよ。

もっと言うなら、起きてる時も、何してる時もオマエと一緒がいい。

家とかじゃなく、俺の中に居てほしい。

俺の腕の中に、ずっと、ずっと。

 


言葉にしないものの、俺はそれを示すかのように
抱き締めていた腕に力を込めた。

しっくりと隙間なく重なる体に、満足げに息を吐き出す。


「でも、流石に明日は帰らないとなぁ・・・」

ボソリと呟かれた言葉に、俺の中の温かいものが一瞬冷える。
それに気付かないまま、新八は独り言のように言葉を続けた。

「なんか最近、帰ると機嫌悪いんですよね、姉上」

その言葉に、ビクリと俺の目蓋が痙攣する。

 


そうだろうな、機嫌悪いだろうな、きっと。
言われたよ、ちゃんと家に帰してくれって。
ちゃんと・・・返してくれって。
本当、女って変なトコで鋭いのな、やんなっちまう。


オマエもさ、お妙の事心配してんの、知ってるよ。
夜遅くまで仕事して、頑張ってるお妙の事。
一人であの広い家に居る事、気になんだろ?

当たり前だよな。
だってずっと二人だったんだろ。
二人でずっと支えあってきたんだろ。

でもよ?

ならよ?

 





もういいんじゃねぇか?

 





ずっと二人だったんだろ?
ならこれからのは俺にくれや。


これからの分は全部俺にくれや、新八。


だってもう十分だろ。
お妙との時間は、もういいだろ?
今までずっと二人で居たんだから。

お妙だってもういいだろ?
今までずっと二人だったんだから、もう諦めろよ。
俺に譲れよ、これからの時間。


渡せよ、新八の全てを。



まぁ今すぐにとは言わねぇからさ。
少しずつ俺のもんになってけや。

少しずつ、少しずつここでの時間を増やしていって。
俺の中での時間を増やしていって。






何れ、俺達だけになろうや。な?

 



俺は腕の中の新八に擦り寄り、その温かい温もりと嗅ぎ慣れた匂いに
鼻を鳴らした。


それは、何度も泊まる内に、自然と置きっぱなしにしている着物で。

香るのは、この家と同じ匂いで。



多分お妙は気付いているのだろう。

いつの間にか減っていく、新八の荷物を。


きっと感じているのだろう。

自分には馴染みのない匂いを纏いつつある新八を。

 

「なら、今度機嫌取りに行くか?
俺も着いてってやっから」


仕方ねぇからな、俺達の時間に少しだけ関わらせてやろう。

 

 


・・・今のトコは・・・な。

 

 

 

最後は言葉にせず、そう告げると、腕の中の新八は嬉しそうに
返事を返してきた。

それに少しだけまた心が冷えるが、それ以上に新八から
感じる信頼感に、心が震える。


俺はやんわりと目を細めると、とりあえず今の二人の時間を
じっくりと味わう為、目の前にある微かに赤くなっている新八の耳へと
舌を伸ばした。

******************************
二万打お礼企画第五弾。
柚和様からのリクで『甘甘なんだけど銀さんがちょと病んでる銀新』
と言う事でしたが・・・如何だったでしょうか?(ドキドキ)

ウチのちょい病み銀さんを気に入って頂けてるとか・・・
有難うございます~vvこれからも調子に乗ってチョクチョク書いていこうと
思います!(おいι)

では、企画参加本当に有難うございましたvv
少しでも気に入って頂けたら嬉しいですv

拍手[5回]


少し肌寒いが太陽は元気で、きっとこんな日は日差しの入る部屋で
昼寝なんかしたら幸せなんだろうな~・・・と言う本日。

いつもならその考え通り、ゴロゴロとする所だがそうもいかない。
何故だか俺の体は、その思考を振り切ってチョコチョコと動いてたりする。

・・・や、仕事じゃないんだけどね。
動いてるって言っても、万事屋内だから。
しかもなんか、仕事してるってより、邪魔してる感じだから、俺。

そう、今現在、俺は新八の後を追って洗濯干しを
見詰めてる最中だったりします。

「・・・ねぇ銀さん?さっきから一体なんなんですか」

自分の後ろにボーッと立ってる俺が相当気になったのだろう。
新八は今日幾度目かの質問を俺に投げ掛けてきた。


実はさっきまで、俺は台所にいた。
勿論新八が朝食の後片付けをしている後ろに・・・だ。
ちなみにその時は、突っ立ってるなら皿ぐらい拭いてくれ。と言う
新八の要求に従い、途中から隣で皿を拭いてたりした。

その前は洗濯機の前だ。
・・・いや、正確には洗濯機の前に居る新八の後ろ・・・だけど。
昨日新八は休みを取っていたので、洗物が何時もより多く、
色物やらタオルやらが一部混ざってしまってたらしい。
少しだけお小言を貰いながら、一緒に洗濯物を判別した。

その前の前は・・・って同じだな。
家事をする新八の後ろに立ち、何してるか問われ、最終的に
一緒に家事をやってたりする。

で、今は・・・

「とりあえず突っ立ってるなら干すの手伝ってください」

と言う溜息と共に吐かれた新八の要求により、
狭い干し場に並んで、やっぱり洗濯物を干していたりする。

・・・あれ?俺、もしかして邪魔してるんじゃなくて
手伝ってんじゃね?これ。

「や、邪魔ですけどね。
でっかいのに背後取られてるのは」

ボソリと呟かれた新八の言葉に、ビクリと肩が跳ねる。

あれ?何コレ。以心伝心!?
なんかもう、心と心で通じ合っちゃってますか!!?
既に俺達に言葉はいらないよ状態ですかぁぁ!!?
やっべぇ、それはやべぇよ新八君!!
確かにそんな領域まで軽くいける俺達だけど、
それだと銀さん脳内のあ~んな事こ~んな事
駄々漏れじゃん!?
オマエはまだ16だからまずいって!
銀さん脳、殆ど18禁だから!!

冷や汗をかいてそんな事を思ってたら、そんな汗なんか吹き飛ぶほどの
冷たい視線を新八から向けられた。

「顔に出てるだけなんですけど・・・」

そう言っていたが、視線は明らかに違っていた気がする。
・・・うん、これからは少し控えよう、俺。


その後、休む事をせず掃除を始める新八に、やっぱり俺もついていく。
それを見て、新八が呆れた顔をしたが、掃除機の音の間から
微かな笑い声も聞こえてきた。

少しだけ恥ずかしくなったが仕方ない。
体が言う事を聞かないのだ。
俺自身訳が判らないのだから、仕方ない。

そう思いつつ、言われた通り今度は雑巾がけをした。
・・・うん、仕方ない。

 

「・・・明日は曇りのち晴れ、時折暴風雨と雹が降って
所により雷が落ちるネ」

新八と一緒に昼ご飯を作っていると、遊びから帰って来た神楽に
そう言われ、引かれた。

なんだコノヤロー。
俺だってそんぐらいあるかもって
思い始めたわコンチキショー。

「まぁまぁいいから。偶にはこんな日もあるよ」

気味悪がる神楽に、新八がそう言い聞かせる。

うん・・・なんか微妙な庇われ方だ。
だが、実際自分でも不思議なのだから何も言い返せない。
言いたい様に言わせとこうと思う。
ほら、銀さん大人だから。
神楽の炒飯のハムが少ないのは気のせいだから、本当。




そして今、俺と新八は並んで昼食の後片付けをしている。
神楽は既に外へと飛び出して行った。
なんでも今から盛大な鬼ごっこをするらしい。

・・・あれ?盛大ってなんだ?

そう思いつつも、口に出す事はない。
隣の新八も、他の事ばかり話している。

うん、やっぱり俺達以心伝心だな。
とりあえずこの思いが神楽にも伝わってる事を願う。



「さてっと・・・次は・・・」

後片付けも終わり、新八が台所から出て行く。
勿論俺もその後を付いていく。

今度は何をするんだ?

そう思っていると、新八は居間を通り過ぎ、和室へと足を踏み入れた。
そして窓の側に腰を降ろすと、にっこりと笑って俺を見上げ、

「今はやる事もないし、少し休みましょうか、銀さん」

そう言って自分の膝をポンポンと叩いた。

・・・え?あの・・・あれ?
それってつまりあの・・・えぇぇぇ!!?

突然の事に目を丸くし、立ち尽くしていると、新八はクイッと
着物の裾を引っ張ってきた。
それにつられ、俺も膝をつく。

「今日は銀さんが手伝ってくれて助かりましたからね。
少しゆっくりして下さい」

そう言ってやんわりと笑われ、俺は柄にもなく照れてしまう。
忙しなく首筋を掻くと、小さく じゃあお言葉に甘えて・・・ と告げて
横になり、新八の膝へと頭を乗せた。

その頭を、新八が優しく撫でる。
それが益々照れ臭くて、俺は慌てて瞳を閉じた。

真っ暗な視界の向こうで、新八がクスリと笑うのを感じる。

乗せている膝から、温かい新八の温度を感じる。

頭を撫でている手から、愛しさを感じる。


・・・あぁ、そうか。


俺は漸く今日の自分の行動の意味を知った。

新八が居なくて、寂しかったんだな、俺。

その答えは大人としてどうかと思うが、人としては仕方ないと思う。
だってよ、好いたヤツとは離れてたくねぇだろ、やっぱ。

俺は最高の枕に一つ、頬ずりすると、そのまま目の前の
袴を指で握った。

そして、

「な?今日泊まってけよ。ってか泊まれ」

出した提案に、返って来たのは小さな笑い声と、この寂しん坊。と言う
言葉。


そして微かだけれど柔らかな唇の感触。


どうやら俺の心は、何処までもコイツに読まれてるらしい。

****************************
二万打お礼企画第四弾。
Mag.様からのリクで「銀さんが幸せな話(報われる話?)」
との事でしたが、如何だったでしょう?
少しは報われてたでしょうか?(笑)

何時も暖かいお言葉を送って頂き、有難うございますvv
少しでもそのお礼になってればいいのですがι

企画参加も本当に有難うございましたv

拍手[3回]



「やっと見つけたぜ、高杉」

久しぶりに来た江戸で一人、気晴らしに街を歩いていると
不意に背後から声を掛けられた。

序に程よい殺気も。

高杉はククッと笑いを零し、ゆっくりと振り向いた。
そこには思った通りの人物、昔の戦友、銀時の姿が。

「おいおい、久しぶりに会ったってのに
そんなに殺気立ってんじゃねぇよ、まだ昼間だぜ?」

「うっせぇよ。なら殺気立つまで探させんじゃねぇっての。
こんな人気のねぇ裏通り歩きやがって」

表を歩け、表を!!そう怒鳴る銀時に、少し呆れる。

「・・・おい、オメー記憶力ってもんの存在を知ってるか?」

確か俺は指名手配されてる身なんだが・・・
と言うか、探しても見つからないが故の指名手配
だと思うのだが。

そんな真っ当な事を考えるが、生憎目の前の男は真っ当ではなかった。

「当たり前だろうが。そんなもんなかったら
テメーみたいな架空の存在に声掛けたりしてねぇよ。
知ってるか?妖怪ってのは人が記憶してる事によって
存在出来てるらしいぜ?
良かったな、覚えてくれてる人が居て」

「何処の古本屋で仕入れてきやがった、
そんな知識。
ってか勝手に妖怪扱いすんじゃねぇよ、この腐れ綿飴」

「んだよ、綿飴馬鹿にすんじゃねぇぞ?
糖分はなぁ、腐っても糖分様々なんだよ」

と、そのままの勢いで糖分について話し出す銀時に、高杉は黙って
懐から煙草入れを取り出し、刻みタバコをちょっと捻って火皿に詰め、
プカリと吹かす。

そして数回プカプカと吹かすと、一吹かししてから灰を落とし、
一度吹き込んで中の煙等を出し切ってから、再び刻みタバコを
火皿に詰めた。

優雅で粋に見える煙管だが、実際はものっそく忙しない。
が、
暇潰しにはもってこいだ。


「・・・おい、俺の話聞いてたか?」

気が付けば銀時の糖分演説は終わっており、じっとりとした視線を
高杉へと投げ掛けていた。
それに高杉は吸った煙をブカリと吐き出すと、

「あぁ?人聞きの悪ぃ事言ってんじゃねぇよ。
んなもん、聞くわけあるめぇよ」

「おぉぉぉぉい!!
最初の言葉は何処に掛かってんだ?」

「テメーの話を全うに聞く事を・・・だな。」

「しみじみ言ってんじゃねぇぇぇ!!!!」

怒鳴りつける銀時に、高杉は少しだけ眉を上げると、
吹かしていた煙管からポンと灰を落とす。

「で?何の用だ?」

俺と殺り合いにでも来たのか。そう言ってニヤリと楽しげに笑みを
浮かべる高杉だが、きちんと煙管の後始末をする行動がなんだか切ない。
だが銀時は、それで最初の目的を漸く思い出したようだ。

自分を落ち着かせる為か、一つ深く深呼吸すると、ガシガシと
首筋を掻く。

「んな訳あるかよ。まぁ啖呵は切ったけどな?
今はそれよりも大事な用があんだよ」

とりあえずよぉ。そう言うと銀時は何時もより数倍真剣な表情を
高杉へと向けた。

銀時がこれだけ真剣になる・・・しかも自分に関わる用。

その事に、少しだけ興味が沸き上がる。

大人しく手入れしていた煙管を煙草入れに戻し、続きを促そうとした瞬間、
ヒョコリと表の道からこちらを覗く顔が目に入った。

「あ、やっぱり居た!も~、行き成り走り出すから
何事かと思ったじゃないです・・・か・・・」

そう言って近付いてくるのは、目の前にいる男の助手で。
銀時の元へと走り寄って来たかと思うと、高杉の姿を見てポカリと
目と口を開けたまま固まってしまった。

しかし銀時はそんな新八の態度に気付いていないのか、
ナイスタイミング☆
と言いながら肩を抱き寄せ、高杉の方を指差した。

「ホラホラ新ちゃん。高杉だよ高杉~。
よ~く目を見開いてガン見して頂戴ね」

言われなくても既にガン見だ。

・・・と言うか俺が言うのもなんだが、そう簡単に犯罪者の前に
一般人を晒しだしていいんだろうか。
いや、銀時の元で働いているって時点で既に一般人とは言えめぇか。
いやいや、でも俺を前に固まっているってのは、正しい一般人の
反応か?

繁々と観察する高杉に、固まったままの新八。
微妙な空気の中、銀時一人だけがテンション高めのままだ。

「お、そうだ!見るだけじゃダメだな、うん。
漸く見付けたんだ。新八。
銀さんとお前の明るい未来の為、コイツの着物ベッタベタ
触っときなさい。今だけ許したげるから、
俺以外に触れるの」

「アンタとの未来には赤い文字が連なる
虚しい明るさしかありませんよ。
って言うかなんで誰かに触るのに銀さんの許可が必要なんです?
寧ろアンタが僕に触るの、許可した覚えないんですけど」

と言うか最近やけに外出してたのは、この為かぁぁ!!
銀時の言葉に、漸く新八も体の固まりを解いたようだ。
何時ものように突っ込み返すと、肩に乗っていた銀時の手を
軽く叩いて引き離した。

「それに、多分銀さんの言ってるのは例の噂からでしょうけど・・・
ちゃんと高杉さんの着物、見ました?」

息を吐き、少し呆れたように言い返す新八に、銀時は不思議そうな
顔をし、高杉に視線を戻した。
そして次の瞬間、大きく目を見開く。

「あぁぁぁあああ!!!ちょ、高杉、おまっ・・・えぇぇ!?
なんでそんな地味な着物ぉぉぉ!!!」

そう、今日の高杉の着物は、何時もの女物の着物ではなく、
至って普通の着物なのだ。

銀時の叫びに、それまで黙って二人のやり取りを聞いていた高杉が
眉を顰める。

「別に普通だろうが、地味じゃあるめぇよ」

寧ろあの手の着物しか持ってないという方が普通じゃない。
と言うかコレを地味とか言う前に、あっちが派手なだけだ。

そうは思うが、銀時は納得しない。

「い~や、地味だね。寧ろ高杉じゃないね、そんな着物。」

あ~もう本当、使えねぇ!そう言って鼻を鳴らす銀時に、
高杉の眉間がピクリと動く。

・・・なんで着物一枚で存在否定をされなきゃなんねぇんだ?

「大体よぉ、テメーは無駄に派手な蝶柄靡かせて
フラフラヒラヒラ漂ってりゃいいんだよ。
なのに滅多に見掛けねぇわ、見つけても使えねぇんじゃ
意味ねぇだろうが!!」

「銀さん・・・一応高杉さんは指名手配されてるんですから、
今のが正統なんだと思うんですけど・・・」

新八の言葉に、高杉も頷く。
 
そう頻繁に街中を練り歩く指名手配犯なんて聞いた事はない。
・・・まぁ見た事はあるがな。
ヅラとかヅラとか
ヅラとか。

しかも日頃から派手な行動は慎めとは言われた事はあるが、
派手に漂ってろと言われた事はない。
なんなんだろうか、コイツは。
そんなに真選組に捕まって欲しいんだろうか。

とりあえずムカつくほどブチブチと文句を言っている銀時を捨て置き、
高杉は呆れた視線を送っている新八へと問い掛けた。

「なんだってんだ、コイツは。」

高杉から声を掛けられたという事に、少しだけ新八の体が
ビクリと動いたものの、直ぐに視線を寄越し、苦笑を浮かべた。

「あ~・・・いやその・・・とある噂がありまして。
それが高杉さんに関連してると言うか何と言うか・・・」

「噂?」

その言葉に、高杉の口元がニヤリと上がる。

どうせロクでもねぇ噂に違いあるめぇよ。

今までの自分がやって来た事柄を思い浮かべ、それがどんな噂なのかと
続きを促すと、新八は大変言い難そうにモソモソと口を開いた。



一つ、高杉を見ると色気力が上がるらしい。

一つ、その上着ている着物の柄の蝶に触ると妊娠確実☆






 

・・・本当にロクでもねぇなぁ、おい。







 

「あ、でも本当、単なる噂なんで!寧ろ都市伝説的なものなんで!!」

よっぽど酷い顔をしていたのだろう、目の前の新八が両手を振りながら
慌ててそう言葉を続けた。

何故だろう、都市伝説的と言われると、もっと凹みたくなる。
と言うか今まで自分がやって来た事は
どの辺に捨てられてしまったのだろう。

色事とは全く関係ない、寧ろ殺伐とした事ばかりしてきた筈の
今までの事に思いを馳せる。

が、ある事に気付き、高杉は訝しげな視線を銀時に向けた。

「ってぇ事は・・・だ。アイツがアレだけ俺の着物に執着するってぇのは・・・」

そして次に新八へと視線を移した。
新八は高杉の視線に気付くと、ニッコリと笑みを浮かべ、

「単に馬鹿なだけですよ」

と、至って普通の事のように答えた。

「ちょ、新ちゃん!?何ものっそい笑顔で酷い事言ってんの!?
銀さんは新ちゃんとの明るい未来を現実にしようとだなぁ・・・」

「あぁ、病気ですね。重度の妄想癖って感じの」

銀時の言葉を、ニコニコと笑顔のままぶった切って行く新八の
言葉は冷たい。
序に纏っている空気も更に冷たい。

つい高杉も口を閉ざしてしまう・・・が銀時は黙らない。

「え、何コレ。ツンデレ!?新ちゃんの色気力は
ツンデレですか!?
高杉のお陰でツンデレ力鰻上りですかぁぁ!!?
いや、銀さんSだから。どっちかって言うと言いたい方ですから!
あぁ、でもこのちょっとツンとしたのもいいかも・・・あれ?
銀さん、ちょっと別の扉
開いちゃった!!?」

「そのまま、是非僕とは別の世界で生きていってください」

言い合う二人からそっと視線を反らし、高杉は再び煙草入れへと
手を伸ばした。
そして煙管を吹かし、プカリと煙を吐き出す。


・・・もう帰るか。


寧ろ帰りたい。目に痛いほどの青空を眺めながら、
なんだか妙に懐かしい自分の船を思い出していた。

*************************
二万打お礼企画第三弾。
蒼月様からのリクで「都市伝説攘夷・高杉編(笑)」
と言う事でしたが・・・如何だったでしょうか?
もう少し弄り倒したほうが良かったですかね?(おいι)
多分この後、数ヶ月は引き篭もります、ヤツは(笑)

こんな感じになりましたが、どうぞ広いお心で持って
受け取ってくださいませvv
リクエスト、有難うございました~vv

拍手[1回]


[61] [62] [63] [64] [65] [66] [67] [68] [69] [70] [71
«  Back :   HOME   : Next  »
無駄語りご案内
銀魂の新八受け中心、女性向けブログです。 BL、やおいなどの言葉を知らない方、また、知っていて嫌気をを感じる方は、ご注意を。 また、出版社様、原作者様、その他関係者様方とは一切関係ありません。
HN:
太門
性別:
非公開
フリーエリア
ご感想、きりのいい数字等踏まれましたら、お気軽にドウゾ☆
バーコード
ブログ内検索
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]