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少し肌寒いが太陽は元気で、きっとこんな日は日差しの入る部屋で
昼寝なんかしたら幸せなんだろうな~・・・と言う本日。
いつもならその考え通り、ゴロゴロとする所だがそうもいかない。
何故だか俺の体は、その思考を振り切ってチョコチョコと動いてたりする。
・・・や、仕事じゃないんだけどね。
動いてるって言っても、万事屋内だから。
しかもなんか、仕事してるってより、邪魔してる感じだから、俺。
そう、今現在、俺は新八の後を追って洗濯干しを
見詰めてる最中だったりします。
「・・・ねぇ銀さん?さっきから一体なんなんですか」
自分の後ろにボーッと立ってる俺が相当気になったのだろう。
新八は今日幾度目かの質問を俺に投げ掛けてきた。
実はさっきまで、俺は台所にいた。
勿論新八が朝食の後片付けをしている後ろに・・・だ。
ちなみにその時は、突っ立ってるなら皿ぐらい拭いてくれ。と言う
新八の要求に従い、途中から隣で皿を拭いてたりした。
その前は洗濯機の前だ。
・・・いや、正確には洗濯機の前に居る新八の後ろ・・・だけど。
昨日新八は休みを取っていたので、洗物が何時もより多く、
色物やらタオルやらが一部混ざってしまってたらしい。
少しだけお小言を貰いながら、一緒に洗濯物を判別した。
その前の前は・・・って同じだな。
家事をする新八の後ろに立ち、何してるか問われ、最終的に
一緒に家事をやってたりする。
で、今は・・・
「とりあえず突っ立ってるなら干すの手伝ってください」
と言う溜息と共に吐かれた新八の要求により、
狭い干し場に並んで、やっぱり洗濯物を干していたりする。
・・・あれ?俺、もしかして邪魔してるんじゃなくて
手伝ってんじゃね?これ。
「や、邪魔ですけどね。
でっかいのに背後取られてるのは」
ボソリと呟かれた新八の言葉に、ビクリと肩が跳ねる。
あれ?何コレ。以心伝心!?
なんかもう、心と心で通じ合っちゃってますか!!?
既に俺達に言葉はいらないよ状態ですかぁぁ!!?
やっべぇ、それはやべぇよ新八君!!
確かにそんな領域まで軽くいける俺達だけど、
それだと銀さん脳内のあ~んな事やこ~んな事が
駄々漏れじゃん!?
オマエはまだ16だからまずいって!
銀さん脳、殆ど18禁だから!!
冷や汗をかいてそんな事を思ってたら、そんな汗なんか吹き飛ぶほどの
冷たい視線を新八から向けられた。
「顔に出てるだけなんですけど・・・」
そう言っていたが、視線は明らかに違っていた気がする。
・・・うん、これからは少し控えよう、俺。
その後、休む事をせず掃除を始める新八に、やっぱり俺もついていく。
それを見て、新八が呆れた顔をしたが、掃除機の音の間から
微かな笑い声も聞こえてきた。
少しだけ恥ずかしくなったが仕方ない。
体が言う事を聞かないのだ。
俺自身訳が判らないのだから、仕方ない。
そう思いつつ、言われた通り今度は雑巾がけをした。
・・・うん、仕方ない。
「・・・明日は曇りのち晴れ、時折暴風雨と雹が降って
所により雷が落ちるネ」
新八と一緒に昼ご飯を作っていると、遊びから帰って来た神楽に
そう言われ、引かれた。
なんだコノヤロー。
俺だってそんぐらいあるかもって
思い始めたわコンチキショー。
「まぁまぁいいから。偶にはこんな日もあるよ」
気味悪がる神楽に、新八がそう言い聞かせる。
うん・・・なんか微妙な庇われ方だ。
だが、実際自分でも不思議なのだから何も言い返せない。
言いたい様に言わせとこうと思う。
ほら、銀さん大人だから。
神楽の炒飯のハムが少ないのは気のせいだから、本当。
そして今、俺と新八は並んで昼食の後片付けをしている。
神楽は既に外へと飛び出して行った。
なんでも今から盛大な鬼ごっこをするらしい。
・・・あれ?盛大ってなんだ?
そう思いつつも、口に出す事はない。
隣の新八も、他の事ばかり話している。
うん、やっぱり俺達以心伝心だな。
とりあえずこの思いが神楽にも伝わってる事を願う。
「さてっと・・・次は・・・」
後片付けも終わり、新八が台所から出て行く。
勿論俺もその後を付いていく。
今度は何をするんだ?
そう思っていると、新八は居間を通り過ぎ、和室へと足を踏み入れた。
そして窓の側に腰を降ろすと、にっこりと笑って俺を見上げ、
「今はやる事もないし、少し休みましょうか、銀さん」
そう言って自分の膝をポンポンと叩いた。
・・・え?あの・・・あれ?
それってつまりあの・・・えぇぇぇ!!?
突然の事に目を丸くし、立ち尽くしていると、新八はクイッと
着物の裾を引っ張ってきた。
それにつられ、俺も膝をつく。
「今日は銀さんが手伝ってくれて助かりましたからね。
少しゆっくりして下さい」
そう言ってやんわりと笑われ、俺は柄にもなく照れてしまう。
忙しなく首筋を掻くと、小さく じゃあお言葉に甘えて・・・ と告げて
横になり、新八の膝へと頭を乗せた。
その頭を、新八が優しく撫でる。
それが益々照れ臭くて、俺は慌てて瞳を閉じた。
真っ暗な視界の向こうで、新八がクスリと笑うのを感じる。
乗せている膝から、温かい新八の温度を感じる。
頭を撫でている手から、愛しさを感じる。
・・・あぁ、そうか。
俺は漸く今日の自分の行動の意味を知った。
新八が居なくて、寂しかったんだな、俺。
その答えは大人としてどうかと思うが、人としては仕方ないと思う。
だってよ、好いたヤツとは離れてたくねぇだろ、やっぱ。
俺は最高の枕に一つ、頬ずりすると、そのまま目の前の
袴を指で握った。
そして、
「な?今日泊まってけよ。ってか泊まれ」
出した提案に、返って来たのは小さな笑い声と、この寂しん坊。と言う
言葉。
そして微かだけれど柔らかな唇の感触。
どうやら俺の心は、何処までもコイツに読まれてるらしい。
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二万打お礼企画第四弾。
Mag.様からのリクで「銀さんが幸せな話(報われる話?)」
との事でしたが、如何だったでしょう?
少しは報われてたでしょうか?(笑)
何時も暖かいお言葉を送って頂き、有難うございますvv
少しでもそのお礼になってればいいのですがι
企画参加も本当に有難うございましたv