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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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一人、呑気にソファに寝転びながらジャ○プを読んでいると
大きな音を立てながら階段を上がってくる音がした。

どうやら買い物に行っていた新八達が帰って来たらしい。
ってかもう少しお上品に上って来れないもんかねぇ。
ババァにどやされっぞ。

そう思っていたら、案の定下から『うるせーっ!!!』と言う
怒鳴り声が聞こえた。
序に新八の謝る声も。

・・・やっぱりな。

何時もの事・・・と、再びジャ○プの世界に戻ろうとした所で
景気良く玄関の戸が開く音がした。

・・・や、だからお上品に開けろよ、オマエ等。
幾ら景気良く開けたって、その戸は壊れていくばかりだから。
景気、どんどん悪くなるから。

しかし、銀時の想いも虚しく、二人の足音(+一匹)はそのままの勢いで
居間へと向かってきた。


「ただいま帰りました~」

「工場長のお帰りネ。頭を垂れて出迎えるヨロシ」

「おぅ、ご苦労~。ってか、工場長はそんな偉くねぇぞ~」

「オマエもナ。このマダオがっ!!!!」

ジャ○プから顔を上げず、寝そべったまま二人を出迎えると、
神楽が銀時の腹目掛けて飛び掛ってきた。

そのせいで自然と銀時の口から無残な音が飛び出てくる。
新八は買い物袋片手にそれを見、一瞬気の毒に思うが、何時ものことか・・・
と、神楽に手加減するように一言だけ注意し、そのまま台所へと
消えていった。

「あ・・・愛が全然見えねぇ・・・」

っつうかどけ、神楽!!銀時は読んでいたジャ○プを放り投げ、
未だ人の腹の上に乗っかっている神楽を睨み付けた。
が、反対に睨み返され、ちょっとだけ怯む。

「・・・んだよ。酢昆布と言う名の給料ならねぇぞ?

「違うネ!銀ちゃん、銀ちゃんの将来の夢は何アルカ?」

「はぁ?なんだ?行き成り」

神楽の突然の質問に、銀時は眉を顰めた。

「幾ら将来性のないマダオで、死んだ目をしててもぐらい
持っててもいいネ。
寧ろ夢ぐらい見てないと可哀想ヨ

おぉぉぉおい。なんか酷い事言ってない?
酷い事言ってる気がしないぃぃ!!?」

てか、なんでそんな事突然聞くんだよ。捲くし立てて来る神楽の頭を
軽く叩き、そう聞くとようよう神楽は質問の意味を話し始めた。

なんでも買い物帰りに真選組の連中に会ったらしい。
で、何時ものように神楽は沖田と死闘を繰り広げ、新八と土方は
それを見守っていたらしい。

・・・てか何時もの事ながら何やってんだよ、神楽も沖田君も。
そこは流れ弾宜しく偶然装ってヤッとけって、多串君を

で、頃合を見て新八が止めに入り、別れる間際に多串君が
新八に言ったらしい。


「そんなトコに居たんじゃ、将来真っ暗だぞ」


・・・と。
大きなお世話だコノヤロー。
自分の周囲を確認してからモノを言えってんだ。
それともそれを確認した上での捨て身の助言ですか?

眉を顰める銀時をよそに、神楽は興奮気味に話を続けた。

「で、ここに来るまでに新八と将来の夢について話してたネ」

勿論私はパピーを超えるエイリアンハンターヨ。そう言って笑う神楽に、
銀時は微かに口元を緩め、そうか。とその頭を優しく撫でる。
そして新八はなんて言ってたのか・・・と問い掛けた。

すると視線を上げ、少し首を傾げながら、神楽はその時の会話を
思い起こし、言葉を続けた。

「確か・・・道場復興とか言ってたけど・・・でもやっぱり
ココに居るんだろうな~って言ってたアル」

私もそうネ!ニシシッと笑う神楽に、銀時はむず痒いやら照れ臭いやらで
少しだけ乱暴に神楽の頭をかき混ぜ、今と変わんねぇじゃねぇか。
とぶっきら棒に告げ、放り投げたジャ○プへと手を伸ばした。

「そう!だから私言ったネ!新八はお嫁さん貰わないアルカって?」

神楽のその言葉に、銀時の体がピクリと反応する。
が、それに気付かず、神楽は言葉を続ける。

「そしたら新八、『いつかは貰うんじゃないかな?』って言ってたネ。
どんなのが良いか聞いたら、優しい人って言ってたヨ」

あの駄眼鏡、範囲広すぎヨ。ふ~っと息を吐き、オーバーアクション気味に
肩を竦める神楽に、銀時はジャ○プに視線をやり、興味なさ気に
相槌を打った。

「で、銀ちゃんの将来の夢は何アルカ?」

興味津々と言った神楽の視線を感じながらも、銀時はジャ○プから
視線を移さず、

「・・・夢じゃねぇけど、決まった事ならある」

「何ネ?」

「優しい人に、俺はなる」

とだけ簡潔に答えた。

それに対し、神楽の視線が、冷たく、痛い視線に変わった気がするが
そんなもの構やしない。
っつうか、これは夢じゃなくて決定事項だから!
銀さん、優しい人になるから!!


そう思っていると、ポンポンと神楽に方を叩かれた。

「・・・ま、夢見るだけなら罪にはならないアルヨ」

「や、夢じゃないからね?」


本当だからね?
ちなみにもう一つはやっぱり害虫駆除だから。
危険な出会いは、確実に、木っ端微塵に
徹底的に潰していこう。
そしてウェルカム、ハッピーライフだ、コノヤロー。


銀時は手にしていたジャ○プを再び放り出し、ソファから身を離した。


「新ちゃ~ん、銀さん暇なんだけど、なんかやる事ある?」


そう言って台所に行ったら、物凄く驚いた顔に出迎えられた。

酷くね?銀さん、やる時はやる子よ?
で、誰よりも優しい人よ?

だから、夢でも何でも、銀さん以外の人を横に置くんじゃネーヨ。

銀時はそう思いながら、何れ迎える未来に向けて、
自称優しい笑顔をニンマリと浮かべた。

**********************
彼の夢は新ちゃんの真っ当な将来設計を潰す事(笑)

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その日、万事屋から帰った新八は、家の冷凍庫を見て姉の好物である
アイスがない事に気が付いた。

いつも夜遅くまで仕事を頑張ってくれている姉だ。
せめてこれぐらいは用意しといてあげたい・・・と、少し遅い時間
ではあったが、財布を片手に買い物へと出掛けた。

「とりあえず明日の分だけでいいかな。スーパーで買った方が
安いし・・・」

ついでに何か買うものあったっけ・・・と、考えながら人気のなくなった
道を歩いていると、不意に背後から爆発音が聞こえてきた。

何事だ!?と振り返った瞬間、フワリと体が浮き上がったのを新八は感じた。

「えぇぇ!??な、何んでぇぇえ!!!!???」

「あぁ、新八君、こんばんは」

パニックになっている新八に、聞き慣れた声が掛けられた。
その発生先に目をやれば、そこには流れていく街並みをバックに
軽く片手を上げ、挨拶している桂の姿が。

見れば自分を抱え上げているのはエリザベスで、こちらも看板片手に
挨拶をしてきていた。

「あ、あぁこんばんは・・・ってぇ!!そうじゃないでしょ!!
何なんですか、これは!

なんで抱え上げられて全力疾走!?と、問い掛けようとした所で、
後ろから嫌な音が新八達を追ってきた。
そして身構える暇もなく、両サイドで爆発が起こる。

「全くだ。夜中だと言うのにドッカンドッカンと・・・
近所迷惑にも程があるだろう。騒がしくて眠れぬわ。」

「いや、聞きたいのはそこじゃないんですけどね。
ってか、その前に眠る場所がなくなっちゃうでしょ、あれじゃ」

新八は爆発音に身を竦めながらも、しっかりとエリザベスの体へと
しがみ付き、視線を後ろへと流した。

そこには予想通り黒い集団が追っかけてきており、先頭を走る人物も
思ったとおりの人物で、新八は大きく息を吐いた。

普段サボってばっかのような気がするのに・・・なんでこう言う時は
生き生きとしているんだろう。

てか、走りながらバズーカ撃つって、何気に凄くない?
寧ろ周囲を気にせず撃ちまくる
その精神が凄くないぃぃ!!?

一般市民も居ると言うのに、構わず撃ってくるとは・・・」

走りながらも器用に背後からの攻撃を交わしている桂が
忌々しげに呟くのに、新八も少し頷く。・・・が、

「っつうかその一般市民を巻き込んだのは誰ですか。
行き成り抱き抱えて・・・」

新八の言葉に、桂は心外そうな表情で見返してきた。

「それは違うぞ、新八君。俺達はキミを危ない状況から
救ったにすぎん」

「危ない状況?」

振動に舌を噛みそうになるのを堪えながらそう問い返すと、
桂が神妙に頷いた。
エリザベスも空いている片手で看板を出し、桂の言葉に同意している。


・・・てか、果てしなく器用だな、エリザベス・・・


今現在自分の置かれている状況から逃避したくなる思考を押さえ、
新八は先程の自分の事を思い返した。

確かあの時は、後ろから爆発音が聞こえて・・・

「まさか、流れ弾とかに当たりそうになってたんじゃ・・・」

少しだけ青褪めてそう呟けば、


「いや、未成年の一人歩きは
危ないだろう」


と、至って普通に返された。

「っておぉぉぉおおい!!
何ソレ、どんな危機的状況!!?」

「何を言う!少し冒険したいと言うお年頃な気持ちも判らないでもないが、
その些細な気持ちが少年少女を悪の道へと引きずり込むのだぞ!?」

「少しも何も、今現在とんでもない冒険に巻き込まれ中だよ!
悪じゃなくて死への道に道連れ寸前だよ!!!

そう突っ込む間にも、直ぐ横で景気良く爆発は繰り広げられているのだが、
桂は気にせず言葉を続けた。

「しかもこんな夜更けに出歩くとは・・・自分で思っているほど
親切な大人ばかりではないのだぞ?中には優しい振りをして
人攫いをする輩もいるのだから気を付けねば・・・

「って、今まさに攫われてる状況
なんですけどぉぉお!!」

「こら、人の話はきちんと聞きなさい。理由があるなら
きちんと聞いてあげるから」

「って聞けるか、こんな状況で!!!!」

見れば先程よりも背後の真選組との距離が縮まっている様な気がする。

しかも、沖田の構えるバズーカの標準が、なんとなく合ってきている
気がする。

ヤバイ・・・と咄嗟に目を瞑る新八に、桂は不意に立ち止まると、

「確かに・・・少し周りが煩いな」

そう呟いて懐からんまい棒を取り出すと、それを力強く地面へと
叩き付けたのであった。

 








「もう目を開けてもいいぞ」

桂に言われ、恐る恐る目を開けてみれば、そこは何処かの屋根の上らしく、
周囲は静けさに包まれていた。

どうやら上手く真選組は撒けたようだ。

新八は安心して肩の力を抜いた。
それを見詰め、桂がフッと笑みを浮かべる。

「どうやら安心したようだな。どんな理由があったにせよ、
夜道の一人歩きと言うのは不安になるものだ

「・・・もうそれでいいです」

一々突っ込むのも疲れる。と、新八は諦めてカクリと頭を垂れた。

「そうか、では家まで送るとしよう」

行くぞ、エリザベス。桂はその様子に満足げに頷くと、未だ新八を
抱え上げたままのエリザベスを促し、そのまま屋根伝いに
歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・で、なんでここなんです?」

心身ともに疲れきった新八が漸く降ろされた場所は、何故か夕方後にした
ばかりの万事屋の前で。

家まで送ってくれるんじゃなかったのかよ。と、無言で桂を見上げれば、

「なんでも何も、
家まで送ると言っただろう

と、至極当たり前のように返された。




・・・いやここ、僕の家じゃないから。
一応職場だから。
最早第二の家のようなもんだけど、
本籍住所は違うから。


そうは思うが、もう色々と疲れた。


「大体銀時も銀時だ。こんな夜分に新八君一人を出歩かせるとは・・・」

一度よく言い聞かせねば・・・と、チャイムを押し続ける桂を見詰め、
新八は諦めと共に大きく息を吐き出した。

******************************
落し物シリーズです(断言)
てか、ヅラは多分間違ってない(笑)

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別ジャンルの腐友達がここを見たらしく、

「日記が書いてないからつまらん」

・・・とのお言葉を贈って下さいました。
なので早速ネタにします(待てι)
でも踊らされるのは嫌なので、詳細は省きます。(え?)

ざまぁみろ♪(←大人気ないι)


・・・ま、本人もネタにはされたくないだろう。
ん?て事はやっぱ事細かく書いた方がいいのか?(待て待てι)


しかし、同じような事を前にも言われた事があったりしまして。

多分これは決して周囲の友人が、全く、塵ほどにも銀/魂に興味がない訳ではなく、
私の日常生活に異様なほど興味を持っている為だと思われます(ぇえええっ!!?)






・・・やっべ、色んな意味で危険だ、私の身(本当になι)

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夜も更けた頃、万事屋の一室には、銀時とその助手であり
尚且つお付き合いしている新八が仲良く並んで座っていた。

何時もなら帰宅している筈の新八が、珍しくも

「今日、泊まってってもいいですか?」

と言ってきたのだ。

何を今更。ここはオマエにとっても家だろうが。
一々断りを入れるんじゃねぇよ。

無駄に萌えるだけだから。

何時もならこちらからクドイほどお泊りを推奨しているのだ。
新八のお願いに、小さく、しかし力強く拳を握り締めた銀時であった。

・・・ま、その姿は物凄く冷めた視線でお子様二人から見られた訳だが。

だが、今日は新八からお泊り発言が出たのだ。
冷めた視線でもなんでも構いやしない。
幸せすぎるぜ、コンチキショー!!

・・・と、喜んでいた銀時であったが、何故か今では力なく肩を落とし、
新八の隣に座っている。


神楽は既に眠ってしまった。
(少しぐらい音を立てても起きてこねぇんだよな、うん)

明日幸い(?)な事に、仕事は入っていない。
(体が辛くても大丈夫なんだぞ、新八!)

時間帯も、恋人同士にとってはいい頃合と言えるだろう。
(なんか完璧じゃね?この状況!!)





なのに銀時はソファの上でションボリだ。

何故か。
理由は簡単。愛しの新八君が、テレビに釘付けなのである。

そのテレビの中では、新八の愛しのお通が映し出されていて・・・

 

・・・て、いやいや、違うから。
新八の愛しの~は銀さんだから。
俺達、付き合い始める前から、既に
夫婦認識されてたから!!

 

そうは思っても、新八の視線はテレビに一直線。
どうも、帰宅時間と見たかった番組が重なっていた為故の
お泊り発言だったらしい。

「全くさ~、男心を弄ぶ様な発言しやがって。
小悪魔か?小悪魔気取りか、コノヤロー」

力なく項垂れ呟くと、何言ってんですか。と、大変白けた声が
隣から発せられた。

「んだよ、盗み聞きとは失礼なヤツだな。
プライバシーの侵害よ?」

大体テレビはどうした。銀時はちらりと顔を上げながら、口を尖らした。
実は最初、なんとかこちらに意識を向けようと、色々と話しかけていたのだ。
けれどその方法は芳しい結果を齎す事無く、仕舞いには頭に張り手を
プレゼントされた。


・・・ま、その時は口だけではなく、
手も出していたのだけれど。


「こっちこそ、名誉毀損で訴えますよ?」

ちなみに今はニュースの時間なんで。新八の言葉に目を移せば、
確かに画面には気難しそうな顔のキャスターが何かを話していた。

「なんだ、終わったのか?」

期待を胸に問い掛けたが、いえ、この後また始まります。との答えに
再び撃沈される。

「っだよぉ。銀さん、期待に胸とその他を膨らませたのに~

「萎んじまえ、そんなもの」

嘆く銀時に、新八は呆れ気味の視線を向けると、今のうちに新しい
お茶を入れようと、二人分の湯飲みを持って立ち上がった。

「あ、ちょい待ち!!」

立ち上がる新八の手を掴み、銀時はそのまま抱き寄せる。
それに慌てたのは新八で、このままではもうすぐ始まるであろうお通が
見れなくなる・・・と、必死で抗った。

「わ~ってるって。始まったらちゃんと離すからよ」

銀時は小さく息を零してそう言うと、

「・・・だから今だけ。少しだけオマエを補給させろや、な?」

そう呟き、新八の髪の毛に頬を摺り寄せた。
新八は、そんな銀時の行動に小さく噴出してしまう。
それが聞こえたのか、銀時は んだよぉ。とイジケたように呟くと、
ギュウギュウと力任せに新八の体を抱き締めた。

「ちょ、痛いですって、銀さん」

「ば~か。銀さんの心の方が痛いんですぅ」

だからさっさと慰めろ。そう言う銀時に新八は自分の手をゆっくり上げ、
フワフワとした銀時の髪をそっと撫でた。

「もう、本当に寂しがりやなんだから。たった数時間の事なんですから、
それぐらい我慢して下さいよ。あんたとはずっと一緒に居るんだから」

ね?新八はクスリと笑い、顔の見えない銀時を見上げた。

「・・・オマエの事に関しちゃ、我慢は出来ねぇ・・・
大体お通と俺、どっちが大切・・・て、いやいや、この台詞はねーな。
ウザイ事山の如しだな、うん。いや、だけど・・・」

等と直ぐ近くから聞こえるくぐもった銀時の言葉に、新八は再度溜息を零した。

「あのね~、現実でこんなマダオ好きになったんですよ?
理想ぐらい大事にさせて下さい。」

ほら、そろそろ始まるから離して下さい。そう言ってペチペチと頭を叩かれ、
銀時は渋々その腕から新八を解放した。

「・・・今なんか嬉しい言葉が聞こえた気がすんだけど、
酷い言葉も聞こえた気がする・・・」

真実を言ったまでですよ。あ、始まった!!」

新八は銀時の腕から抜け出ると、画面に視線を移したまま元居た場所でなく、
銀時の膝の間へと腰を下ろした。

「へ???あ、あの新ちゃん?????」

突然の新八の行動に、今度は銀時が慌てる。
新八はワタワタと所在無げに振られる銀時の手を掴むと、そのまま自分の
腹へと廻し、ゆったりと広い胸に背中を預けた。

「銀さんのせいでお茶持って来れなかったんですからね?罰として
座椅子の刑です」

ちなみにオイタしたらお仕置きです。フフッと笑う新八に、
銀時は何か言おうと口を開けたが、結局何も言えず、
黙って熱くなった顔をその小さな肩へと押し付ける事しか出来なかった。

 


神楽は既に眠ってしまって。
(きっと今頃いい夢見てんだろ)

明日も幸い(?)な事に、仕事は入ってなくて。
(いや、今日も・・・てか一昨日も入ってなかったか・・・
すんません、明日は頑張ります)

時間帯も、恋人同士にとってはいい頃合と言えて。
(でもその恋人はテレビに夢中だったりするが・・・)

 

とりあえず、ソファの上で銀時は、幸せそうにニンマリ笑った。

********************
所詮ウチの坂田はヘタレです(笑)
 

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銀さんは最近、質問魔へと変身する。


今日も仕事がなく、仕方なしに部屋の掃除をしていると、
ソファに寝転んだ銀さんがボケッとこちらを向いていた。

なんですか?と問い掛けると、カクリと首を傾げ、

「新八はなんで掃除すんの?」

と聞いてきた。

「何でも何も、僕がしなきゃ誰が掃除してくれるって言うんですか!?」

少しだけムカつきながら答えると、いやいやそうじゃなくて。 と
手をプラプラと振る。

「なんで掃除すんのかな~と思ってよ」

だって結構綺麗じゃん。そう言ってチラリと周囲に視線を廻した。
それに僕は はぁ と息を吐く。

こう見えても埃って溜まってるんですよ?定春の抜け毛もあるし。
どっかの誰かさんが隠れてお菓子食べるから、そのクズもあるし。

一部棘を含ませて言うと、思いっきり顔を逸らされた。


・・・やっぱ食べてやがったか、この糖尿。


憎憎しげに思うが、チラチラとこちらを伺うように見てくる天パに笑みが
零れる。

だってまるで、怒られる寸前の子供のようだ。

「でもやっぱり一番の理由は綺麗になるからですかね?」

なんか空気まで綺麗になった感じしません?そう言うと、銀さんは顔を上げて
数回鼻を鳴らし、

「ん~・・・確かに?」

と呟いた。その姿がまた変に素直で、まだ掃除の途中だから空気は埃で
一杯ですよ
。・・・と言うツッコミは止めておいた。

 

 

ある日洗濯物を寄せていると、背後から銀さんが現れた。

「ね、なんで毎日洗濯すんの?」

僕の腰に手を廻し、肩に顎を乗せてそんな事を言うので僕は呆れてしまった。

「洗濯しなきゃ、汚れ物がたまるでしょ」

「や、でも毎日じゃなくてもよくね?」

手伝う気はないらしく、そのままの体勢で喋られるので、
擽ったくてつい笑ってしまう。

アンタね、シミを馬鹿にすんなよ、コノヤロー。
ついたのは仕方ないにしても、素早く的確に処置すれば、
結構綺麗になるもんなんだよ。って言うか、毎日着てるんだから
毎日それなりの量になるんです。
雨なんか降ったら、一網打尽なんだからな!?それに・・・

僕は手にしていたタオルをそのまま肩口にある銀さんの顔に押し当てた。

「洗濯したものって、気持ち良いでしょ?」

そう言うと、銀さんはその感触を確かめるように軽くタオルに顔を
擦りつけ、

「ん~・・・確かに」

と、気持ちよさ気に笑った。

 

 


ある日、夕飯を作っていると、ヒョッコリと銀さんが台所に顔を出した。

「もうすぐご飯だから、いちご牛乳は後にして下さいよ」

そう言うと、ムスッとした顔で ちげーよ。 と答えられた。
なら何の用だ。と、思っていると、隣に来た銀さんが僕の手元を覗き込んできた。
そして

「ね、なんで新八はご飯作ってくれんの?」

朝だって自分は食べてきたのによぉ。と、問い掛けてきた。
その問いと共に伸ばされた指をペシッと叩き、

「当番制にしても無駄だったからでしょう」

と、簡潔に答えた。すると銀さんは一瞬怯んだものの、

「だってオマエの味、好きだもんよ、銀さん」

拗ねたようにポツリと答えられ、こちらも少しだけ怯む。

アンタね、いつもいつも甘味が足りないとか文句言うくせに。
て言うか甘さ控えめは誰の為だと思ってんですか。
大体そんな事言って持ち上げたって、デザートとか出ませんからね!

僕の言葉にムッと口を尖らせ、ちげーよ、俺は・・・と話し出す銀さんの
口元に、ヒョイッと鍋の中から煮ていたジャガイモの欠片を菜箸で
押し込んだ。

「ちなみに今日のも控えめですけど」

どうです?と言う僕に、

「ん・・・確かに・・・」

でもやっぱ旨い。小声で呟いた銀さんの言葉に、僕はそっと笑みを浮かべた。

何時も美味しそうに食べてくれるから。
偶にそう褒めてくれるから。

僕のご飯を作る理由は、そんな理由。

 

 


「て言うか、なんで一々そんな理由聞いてくるんです?」

ある日僕は銀さんに聞いてみた。
まるで子供が不思議がって色々と聞いてくるアレみたいだ。

反応が面白いけど、ちょっとウザイ

すると銀さんは恥ずかしそうに口を尖らし、少しだけ視線を落とした。

「仕方ねぇじゃん、気になんだもんよ」

なんでこんな事してくれんのかな~。どこまで、何時までしてくれんのかな~。
って。そうボソボソと呟く銀さんに、少し呆れる。

そんな事を思ってたのか、この天パ。

僕は一つ息を吐いて、その答えを銀さんに向けた。

「そんなの、ずっとに決まってるでしょ。て言うか、家の事するのに
大層な理由なんてある訳ないでしょうが」

「へ?あ・・・あぁ、そっか」

僕の言葉に、銀さんは視線をウロウロと彷徨い始めた。
なんか顔赤い気が・・・少しだけ気になったけど、構わず
言葉を続けた。

「ま、銀さんが進んでやるとか、お嫁さん貰うとか、
そうなったら別ですけど。」

そういう予定、あります?と聞いたら、凄い勢いで首を振り、否定された。

ばっ!坂田ファミリーこれで最終形態なの!!
そんな予定は皆目ございませんから安心しろや、コノヤロー!!!」

や、安心できねーよコノヤロー。

いい年して予定がないってなんだそりゃ。と思ったものの、ホッとしたのも
事実なので黙っておく。

・・・あれ?なんでホッとしたんだろ、僕。

自分の事なのに判らなくって、少し首を傾げる。
すると、反対側のソファに座っていた銀さんが、僕の隣までやって来て
腰ほ下ろした。
そして僕の肩にコテンと頭を乗せてくる。

「な?それじゃオマエ、ずっと銀さんと居てくれるって事でOK?
ずっと傍で世話してくれんの?」

銀さんがおずおずとした視線を投げかけつつ、そう言ってくるものだから、
僕は自分の疑問をとりあえず脇にどかした。

「家族ですからね。も~当たり前な事聞かないで下さいよ」

アホですか、アンタは。笑ってそう言うと、銀さんは頭を下げて僕の肩に頬を摺り寄せた。
でも、やはり銀さんも同じように笑ったらしい。
微かな振動が肩から伝わり、

「確かに」

銀さんの嬉しそうな声が聞こえた。

・・・ま、こんな銀さんを見れるのなら、少しぐらいウザくてもいっか・・・


そして僕は、その後も度々回答者へと変身する事となる。

*******************************
坂田、ちょっと自覚ありな銀→新

拍手[2回]


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