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一人、呑気にソファに寝転びながらジャ○プを読んでいると
大きな音を立てながら階段を上がってくる音がした。
どうやら買い物に行っていた新八達が帰って来たらしい。
ってかもう少しお上品に上って来れないもんかねぇ。
ババァにどやされっぞ。
そう思っていたら、案の定下から『うるせーっ!!!』と言う
怒鳴り声が聞こえた。
序に新八の謝る声も。
・・・やっぱりな。
何時もの事・・・と、再びジャ○プの世界に戻ろうとした所で
景気良く玄関の戸が開く音がした。
・・・や、だからお上品に開けろよ、オマエ等。
幾ら景気良く開けたって、その戸は壊れていくばかりだから。
景気、どんどん悪くなるから。
しかし、銀時の想いも虚しく、二人の足音(+一匹)はそのままの勢いで
居間へと向かってきた。
「ただいま帰りました~」
「工場長のお帰りネ。頭を垂れて出迎えるヨロシ」
「おぅ、ご苦労~。ってか、工場長はそんな偉くねぇぞ~」
「オマエもナ。このマダオがっ!!!!」
ジャ○プから顔を上げず、寝そべったまま二人を出迎えると、
神楽が銀時の腹目掛けて飛び掛ってきた。
そのせいで自然と銀時の口から無残な音が飛び出てくる。
新八は買い物袋片手にそれを見、一瞬気の毒に思うが、何時ものことか・・・
と、神楽に手加減するように一言だけ注意し、そのまま台所へと
消えていった。
「あ・・・愛が全然見えねぇ・・・」
っつうかどけ、神楽!!銀時は読んでいたジャ○プを放り投げ、
未だ人の腹の上に乗っかっている神楽を睨み付けた。
が、反対に睨み返され、ちょっとだけ怯む。
「・・・んだよ。酢昆布と言う名の給料ならねぇぞ?」
「違うネ!銀ちゃん、銀ちゃんの将来の夢は何アルカ?」
「はぁ?なんだ?行き成り」
神楽の突然の質問に、銀時は眉を顰めた。
「幾ら将来性のないマダオで、死んだ目をしてても夢ぐらい
持っててもいいネ。
寧ろ夢ぐらい見てないと可哀想ヨ」
「おぉぉぉおい。なんか酷い事言ってない?
酷い事言ってる気がしないぃぃ!!?」
てか、なんでそんな事突然聞くんだよ。捲くし立てて来る神楽の頭を
軽く叩き、そう聞くとようよう神楽は質問の意味を話し始めた。
なんでも買い物帰りに真選組の連中に会ったらしい。
で、何時ものように神楽は沖田と死闘を繰り広げ、新八と土方は
それを見守っていたらしい。
・・・てか何時もの事ながら何やってんだよ、神楽も沖田君も。
そこは流れ弾宜しく偶然装ってヤッとけって、多串君を。
で、頃合を見て新八が止めに入り、別れる間際に多串君が
新八に言ったらしい。
「そんなトコに居たんじゃ、将来真っ暗だぞ」
・・・と。
大きなお世話だコノヤロー。
自分の周囲を確認してからモノを言えってんだ。
それともそれを確認した上での捨て身の助言ですか?
眉を顰める銀時をよそに、神楽は興奮気味に話を続けた。
「で、ここに来るまでに新八と将来の夢について話してたネ」
勿論私はパピーを超えるエイリアンハンターヨ。そう言って笑う神楽に、
銀時は微かに口元を緩め、そうか。とその頭を優しく撫でる。
そして新八はなんて言ってたのか・・・と問い掛けた。
すると視線を上げ、少し首を傾げながら、神楽はその時の会話を
思い起こし、言葉を続けた。
「確か・・・道場復興とか言ってたけど・・・でもやっぱり
ココに居るんだろうな~って言ってたアル」
私もそうネ!ニシシッと笑う神楽に、銀時はむず痒いやら照れ臭いやらで
少しだけ乱暴に神楽の頭をかき混ぜ、今と変わんねぇじゃねぇか。
とぶっきら棒に告げ、放り投げたジャ○プへと手を伸ばした。
「そう!だから私言ったネ!新八はお嫁さん貰わないアルカって?」
神楽のその言葉に、銀時の体がピクリと反応する。
が、それに気付かず、神楽は言葉を続ける。
「そしたら新八、『いつかは貰うんじゃないかな?』って言ってたネ。
どんなのが良いか聞いたら、優しい人って言ってたヨ」
あの駄眼鏡、範囲広すぎヨ。ふ~っと息を吐き、オーバーアクション気味に
肩を竦める神楽に、銀時はジャ○プに視線をやり、興味なさ気に
相槌を打った。
「で、銀ちゃんの将来の夢は何アルカ?」
興味津々と言った神楽の視線を感じながらも、銀時はジャ○プから
視線を移さず、
「・・・夢じゃねぇけど、決まった事ならある」
「何ネ?」
「優しい人に、俺はなる」
とだけ簡潔に答えた。
それに対し、神楽の視線が、冷たく、痛い視線に変わった気がするが
そんなもの構やしない。
っつうか、これは夢じゃなくて決定事項だから!
銀さん、優しい人になるから!!
そう思っていると、ポンポンと神楽に方を叩かれた。
「・・・ま、夢見るだけなら罪にはならないアルヨ」
「や、夢じゃないからね?」
本当だからね?
ちなみにもう一つはやっぱり害虫駆除だから。
危険な出会いは、確実に、木っ端微塵に、
徹底的に潰していこう。
そしてウェルカム、ハッピーライフだ、コノヤロー。
銀時は手にしていたジャ○プを再び放り出し、ソファから身を離した。
「新ちゃ~ん、銀さん暇なんだけど、なんかやる事ある?」
そう言って台所に行ったら、物凄く驚いた顔に出迎えられた。
酷くね?銀さん、やる時はやる子よ?
で、誰よりも優しい人よ?
だから、夢でも何でも、銀さん以外の人を横に置くんじゃネーヨ。
銀時はそう思いながら、何れ迎える未来に向けて、
自称優しい笑顔をニンマリと浮かべた。
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彼の夢は新ちゃんの真っ当な将来設計を潰す事(笑)