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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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その日、久しぶりに仕事が続いたので、久しぶりに自分の金で呑もうと
思った俺が馬鹿でした。

「あ・・・」

「「あ・・・」」

気分良く暖簾を潜った瞬間、視界に飛び込んでくる古くからの知り合い
であり、今現在知り合いと言えない・・・と言うか言いたくない
二つの顔。

だからなんで普通に呑んでんだよ、
指名手配犯共!!!!

「なんで居んのよ、お前ら。こんな顔見ながらじゃ
悪酔い決定じゃねぇか!」

狭い店内故に見なかった振りをする事も出来ず・・・と言うか、桂達の隣しか
席が空いておらず、渋々ソコに座る。

「なら帰ればいいだろう」

ムッとして桂が言い返してくるので、俺は小さく鼻を鳴らした。

「なんで善良な一市民である俺がテメー等のせいで予定を変えなきゃ
いけねぇんだよ。って事でオヤジ、
とりあえず警察に一報

「馬鹿か貴様!!呑み屋でとりあえずと言ったら
まず芋焼酎だろうが!!!」

「馬鹿は本当、オマエな。ツッコミ所もチョイスも間違ってるから。
ま、いいや。とりあえずビールね。
コイツの伝票で」

そう言えば再びヅラが騒ぎ出してくる。あ~ウルセェ。

片手で耳を塞ぎつつ、出されたビールをグイッと飲み干す。
うん、美味い!!人の奢りだと思うと格別だなぁおい。

少しだけ機嫌を取り戻し、手酌でビールを注ぎながら、隣を見る。

「・・・で?なんでオメー等が二人で居んの?」

ってか俺等、高杉に喧嘩売られて買って叩き返して啖呵切らなかったっけ?
訝しげに見れば、二人は一瞬お互いを見やり、

「「いや、そこで偶々会ってな」」

「そこってドコォォォォ!!?一体どんな奇跡が起これば袂を分かち合った
テロリスト同士が偶々出会うってんだ、えぇ!!?」

至極当然の様に答えられ、ついツッコミを入れてしまう。
馬鹿だ馬鹿だと思ってたが、やっぱり馬鹿だ、こいつ等。

「別にいいだろうが、酒を呑む位よぉ」

空気読めよなぁ的に高杉が肩を竦める。
いや、お前が空気読めよ。って言うか世間の空気を読めよ。
明らかにオマエ、表通りを堂々と、しかもそんな派手な形で歩ける
立場じゃねぇからな!!?

「全くだ、小さい事でグダグダと・・・カルシウムが足りないんじゃないのか?」

芋焼酎を呑みながら、ヅラが高杉の言葉に同意するように頷く。
ウルセェよ。さっきまでビールの一本や二本で騒いでたヤツに言われたく
ねぇんだよ。
っつうか全然小せぇ事じゃねぇからな!?

ヅラ達の言葉に一々言いたい事が出てくるが、じっと口を閉じる。
もうね、アレだよアレ。付き合ってたらマジ疲れるから。

さっさと呑みまくって退散しよう。と、黙ったまま空けたグラスにビールを
注いでいくが、こいつ等の口は止まらない。

「あぁ?カルシウムじゃねぇだろ。
コイツの場合は脳みそが足んねぇんだろ?」

ニヤニヤと笑って言う高杉。
あ~、無視だ無視。でもムカつくから
どっかのバカ皇子の如き声に声変わりしろ。

「それもそうだが、苛々にはカルシウムが・・・ってあぁ、銀時は違ったな。
糖分が足らないから苛々するんだろう」

子供か、オマエは。そう言って溜息を吐くヅラ。
んまい棒を常に持ち歩いてるヤツに言われたくないんですけどぉぉお!!
でも確かに糖分も足らねぇから寄越せ、マジで。

「あ?なんで足らねぇんだぁ?この糖分馬鹿の事だから、
年がら年中貪り食ってんじゃねぇのか?」

頑張って無視していると、変な所に高杉が食いついてきた。
・・・いや、お前俺の事どんな風に思ってたんよ?
確かに理想だけどね!?それ!!

するとヅラのヤツが小さく笑うのを感じた。
訝しげにチラリと視線をやれば、ヅラは満面の笑顔で。

「いや、そうもいかないだろう。何しろ今は新八君が居るからな。」

そう言い、満足げに頷いた。

ちょっ!オマッ何言ってくれてやがるんですか、コノヤロー!!!
確かに新八に糖分制限だされてますけど、今言う事ねぇだろうがぁ!!
隣見ろって隣!!危険なテロリストがいらっしゃるでしょうがぁぁ!!
変に新八の名前覚えられたらどうすんだよ、オイィィ!!!

尚もクドクドと新八がいかに出来た少年であるのかという事を
口にしているヅラの頭を思いっきり叩く。

「何をする、銀時!!新八君の良い所を言っているだけではないか!
それともアレか?ヤキモチか?」

「ちっげーよ!!オマエ何気軽に新ちゃんの名前出してくれてんのぉ!!?
これ以上人様に言えない様な交友関係を広めさせようとすんじゃねぇよ!
大体新八の良い所なんざぁ俺だけが
知ってれば良い事なんですぅ!!」

「いや、それがヤキモチだろう。
それより新八ねぇ・・・おい銀時。
新八はちゃんと万国旗飾ってたか?」

お互い立ち上がり、襟元を掴みあってヅラと怒鳴りあってたら
不意に高杉から問い掛けられた。

「・・・・・・・・・・・・あ?」

「いやだから万国旗だ。ちゃんと持ち帰っただろう?新八は」

まさか俺の祝いを持って帰らなかったって事ぁねぇよなぁ?と、
妙に凄みのある笑みを浮かべて告げてくる高杉。

・・・いや、怖くねぇから。
口に出してる言葉が万国旗だからね?
ってかなんで万国旗???

だが・・・と、その言葉に何かが引っかかり、急いで記憶を探る。

そう言えばアレは新八の誕生日、沢山の荷物を抱えて万事屋に
やって来たっけ。
その中に確か・・・・

「っておぉぉおおおい!!オマエ会ったのか!?
会っちゃいましたか!?新八に!!!」

ヅラを押しのけ高杉に詰め寄れば、あっさりとそれを認められる。

「大丈夫だ、ちゃんと祝ったから」

「問題はソコじゃねぇぇぇぇ!!!
無断で会ってんだよ!
ってか誕生日にテロリストに祝われるって
どんな確立だよ!!」

「安心しろ、銀時。俺もその場に居たから」

「安心できねぇよ!!
テメーもテロリストじゃねぇかぁぁぁ!!!」

「本当はを出したかったんだがよぉ。アレか?オマエん所は
生き物禁止してんのか?」

「おぉい!自分のキャラ忘れんじゃねぇぞコラァァ!!!
ってかウチには既にデッケーのが居るからこれ以上は禁止だぁぁぁあ!!!」

「あ、ウチもダメだぞ?エリザベスが居るからな?
だがしかしあの愛くるしい円らな瞳もまた肉球に負けず劣らず・・・」

「あぁ、判った。・・・オラヨ」

頬を軽く染めつつヅラがそう言った瞬間、高杉のヤローがパチンと
指を鳴らした。
その瞬間・・・

 

 

 

 

 


          クルッポー♪

 

 

 

 

 

 

「それ、新八にやっといてくれ」

「って、人の髪の毛から勝手に
鳩出してんじゃねぇぇぇ!!!!!」


平和の象徴を頭の上に置きながら、とりあえず心の平和の為に
俺は戦う事にした。

で、ボロボロになった帰り道で鳩も逃がした。
中々俺の頭の上から下りたがらなかったが、きちんと降ろした。

後は新八の所にあるであろう万国旗だ。
なんか例えテロリストからの訳の判らない贈り物だとしても、
新八の性格なら几帳面に飾っていそうだ。

・・・うん、よし。燃やそう。
とりあえず燃やそう。
塵も残らぬよう燃やしつくそう。

そんで当分は家で呑む事にしよう。
やっぱアレだ。
人の奢りより、新ちゃんにお酌してもらった方がウメェや、うん。


そう心に誓った銀時の頭上で、鳩の妙に明るい鳴き声が聞こえた。

********************
新ちゃん誕生日話のその後。
ホント、色々すんませーん!!!(土下座)
なんか某様から場外乱闘要請が来たので(笑)
やらかしちゃいました☆(反省の色が見えねぇぇぇ!!!)

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「そう言えば、なんでアンタあんな所で土下座してたんです?」

言え、言えと煩い大人の口を無理矢理手で塞いだら、今度はその掌を
ペロリと舐められ、つい足を踏みつけてしまった。
考えてみれば、銀さんは裸足のままだったので、相当痛かったのだろう。
ギロリと睨まれる。・・・が仕方ないじゃないか。

一昨日のアンタからの言葉から、今この時まで、僕の心は滅茶苦茶
傷ついていたのだ。
そう簡単に言ってやるかっての!!
第一人の手を勝手に舐める方がいけないんだし。

しかし、未だ抱き締められたままだが、「好きと言え」と言う
銀さんからの要求は止まっている。
このチャンスを生かして話題転換だ!!・・・とばかりに、疑問に
思っていた事を聞いてみた。
すると銀さんは、あっけらかんとした顔で、

「んなの知ってたからに決まってんじゃん」

と答えた。
いや、そうでしょうけどね。
でも僕、一応振られた感じだったでしょ?
昨日だってその傷心に赴くまま無断欠勤した訳ですし。
なら、今日だって来るかどうか判らなかったでしょ?

ぎゅうぎゅうと抱き締められてる体を少しだけ離して首を傾げ、見上げると
銀さんが あ~ だの う~ だの言いながら僕から視線を逸らした。

その姿にますます首を傾げ、名前を呼ぶ。
すると銀さんは観念したのか、少し小さな声で呟いた。

「・・・・お妙に聞いた、今日は来るって」

「姉上に?銀さんが?」

まさか変な事は言ってないだろうな・・・そんな思いが顔に出ていたのだろう、
銀さんはコトリと僕の肩に顔を埋めた。

「いや、正しくは神楽が・・・」

「神楽ちゃんが??」

「おう、腹が減って生死の危機、明日にはちゃんと来るかっ・・て」

ちなみに昨日の夜から下のお登勢さんの所に避難中らしい。
銀さんの言葉に、僕は一瞬呆然としてしまった。

「はぁ!?」

なんで僕が一日休んだだけでそんな重大な危機に直面してんの!?
って言うか僕が居なくたって、銀さんがご飯作れば問題ないじゃん。
・・・あ、もしかして・・・銀さんも落ち込んでてくれたのかな?
どうしようって悩んでてくれたのかな?
それで何も手に付かず、結果神楽ちゃんのご飯も作れなかったのかな?

そう思って、ほんの少しだけ嬉しさが込み上げてきた。

「一応・・・な、俺も作ろうとしたんだよ、飯。だけど駄目でよ」

「銀さん・・・」

ボソボソと肩口から聞こえてくる銀さんの声に、僕はそっと手を上げ
その髪に優しく触れ、

「台所にはさ、包丁あるじゃん。だからさ・・・」

あ、一応夢の中の僕の事、気にしてくれたのかな?
包丁見ると、その時の事思い出してイヤだったとか・・・

「見ると、新八を刺しに行かなきゃとか思ってさ。」

「おいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」


そのまま見た目通り柔らかい銀髪を力いっぱい引っ張った。


「・・・いてぇ・・・」

当たり前です!何ですか、その思考回路!!糖ですか!?
糖がドコかをショートさせてるんですか!!?

「いや、でも我慢したよ、銀さん」

そんな自慢げな顔しないで下さい。
偉くないですからね!?ある意味偉かったけど、違いますからね!?

ま、すっげー心揺れたけどな

「揺れないで下さい!なんで両想いなのにそんな殺傷沙汰起こさないと
いけないんですか!!?」

「うん、だからな?我慢した俺、すっげー偉くね?」

そう言ってヘニャッと笑い、銀さんは小さな音を立てて僕の米神に唇を
落とした。

「誰かに取られるぐらいなら・・・って思ったけどな。
その考え、すっげー魅力感じたけどよ。
でもその前に俺のモンにして離さなきゃいいだけだもんな」

言いながらも、銀さんは唇を落とすのを止めない。
それが落とされる度に、僕の顔は熱くなっていき、俯いていった。
そして最終的に、銀さんの唇が僕の髪へと落とされる。

「オマエも、オマエの未来も、全部銀さんに頂戴」

言っとくけど、銀さんの執着心は凄いよ?幸せそうに言う
銀さんに、僕はちょっとだけ意地悪な心が沸き起こる。

「・・・駄目ですって・・・言ったら?」

上目遣いにそう言うと、銀さんはニヤリと笑い、

「そりゃあ言うだけ無駄ってもんだな」

だから最初に謝ったじゃん?そう言うと銀さんは僕の後ろ髪を掴んで
顔を上げさせ、僕の元へと唇を落としてきた。

 

僕の好きになった人は、大人なのか子供なのか
判らないトコがあって。

妙な所で短絡的で、傲慢で。

でもそんな所も可愛いと思ってしまう僕だから。

それなりにお似合いなのかもしれない。

 


・・・でも、暫くは銀さんを台所には近づけないようにしよう。

******************************
て事で、今度こそ本当に終わりです。
包丁に心惹かれる銀さんが書きたかっただけです。
あ~、すっきり(笑)

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大人ってやっぱり卑怯だ。
今になってそんな事言うなんて、子供以上に手が付けられない。

あ、でもだから『大人』なのかな?

 


『僕とアンタの事情 3』

 


「・・・・・・・・・で?」

土下座した状態から顔だけ上げている銀時に、新八は白けた目を向けた。

「で?って・・・ちゃんと聞いてたのかよ?」

「聞いてましたよ、アンタのくっだらない夢物語を」

僕が結婚を決めて、銀さんに報告したらしい。
それで銀さんはお赤飯を炊こうとしていたのだが、気付けば
包丁で僕共々、その顔も知らないお嫁さんを刺し殺してしまったそうだ。


って言うかなんで包丁?
・・・どこの火サスだ、コノヤロー
せめて刀とか持ち出してこいや、手近で済ませてんじゃねぇっ!!


「って言うか、それで謝るぐらいなら、今すぐ眠って
夢の中の僕に謝ってきて下さいよ」

そう、そんな夢の中の惨劇を、現実の僕に告白して謝罪されたって
どうしようもない。
って言うか、一昨日の事があるんだから、今アンタに謝られると
滅茶苦茶心が痛いんだっつーの!
なに、この大人。何時も通りにも程があるだろう!!

そんな事を思っていると、銀さんが不思議そうに首を傾げた。
・・・こっちの方がよっぽと首、傾げたいんですけど。
なんですか?と、少しキツめの声で問い掛けると、銀さんは
小さく手を横に振り、

「え?・・・あ、いやいや夢の中のオマエ関係ないじゃん。
俺、一昨日のことで謝ってんだもん」


・・・最悪だ、この大人。
夢の中の僕、可哀想!全然反省してないよ、刺したのに!!
って現実の僕も可哀想だってーのっ!!!
勘違い扱いの上、再度拒否ですかコンチキショー。


悲しみを通り越し、込み上げて来る怒りのまま手を握り締めていると、
足を崩した銀さんが頭の後ろを掻きながらボソボソと呟きだした。

「いや、だってよ?銀さん滅茶苦茶頑張って我慢して言ったのによ?
ドコの馬の骨か判らねぇ女にオマエ取られて?
考えてみればその時点で自動的にソイツ、オマエの家族になる訳じゃん?
それって酷くね?銀さん、可哀想じゃね?」

ウルセー!!可哀想なのは確実に僕でしょうが!!
大体何なんですか、我慢って!そんなに僕の気持ちは気持ち悪いですか!!」

「いや、すっげー気持ちいい」

涙が出そうになるのを堪えて、でも大声は我慢できずそう叫べば、
銀さんは嬉しそうにそう答えた。
その対応に、思わず出そうだった涙が引っ込みそうだった。

「・・・へ?」

「いや、だからオマエの気持ち、すっげーいい。最高。嬉しい」

一昨日とは打って変わった銀さんの言葉に、僕の頭はショート寸前だ。
ポケッとしてしまった僕を置き去りに、銀さんは尚も言葉を続ける。

「だからな、ワリィ。一昨日の銀さんは、ナシ。」

大体アレだよ。オマエがそんな出会いしないように銀さんが見張っとけば
いい話だもんな。・・・等と満足げに言う大人に、子供の僕は
どう答えればいいか判らない。


って言うか、銀さんが判らない。


「えっと・・・謝ったのは一昨日のって事で・・・それって、え?」

すると銀さんはニヤリと笑ってゆっくりと立ち上がり、
玄関の扉を背にしていた僕の方へと近づいてきた。
そして両手を伸ばし、僕を囲むようにして扉に手をつけると、ぐっと
顔を近づけ、

「それもあるけど・・・本当悪ぃな、もうマジ離してやれねぇ」

だからゴメン。と、怖いぐらい真剣な表情を見せた。

「気付いちまったんだわ。家族っつっても、それで終わりがなくなろうとも
どうしようもねぇ。オマエが他のヤツのモンになるのが許せねぇ。」

そう言って、扉についていた手で僕の頭を掴み、固定し、視線を合わせた。
僕はと言えば、突然の事と銀さんの迫力に、頭がついて行かない。
力を込めていた両手を、微かに動かせるぐらいだ。

「オマエのが本当は勘違いだったってのでも構やしない。
オマエがいつか終わらしたくなったとしても、関係ねぇ。
・・・・・俺のモンだ、新八」

 

・・・なんだ、コレ。
どうやら銀さんは言いたい事は全部言い切った様で、先ほどの怖いぐらいの
表情を綻ばせ、ぎゅうぎゅうと僕の頭を抱え込んでいる。
お陰で僕の視界は、真っ暗だ。
序に、頭の中は真っ白だ。
本当、なんだコレ。
一昨日からの僕の気持ちは!?痛みは!?涙は!?

あぁ、もう大人って最悪。卑怯。ズルイ。


でも、こんな大人の言葉に嬉しがってる僕が一番最悪。

 

「な、新八。やり直させて。もっかい、言って」

頭の上から銀さんの優しい声が落ちてきた。


言えるか、バカヤロー。
あんなの、妙なテンションの時じゃないと言えないんだっつーの!
判れよ、馬鹿!
好きだよ、コノヤロー!!


「なぁ~、言えって」


一昨日からの涙とは違った涙が盛大に溢れ出して、何も言葉に出来なかった
僕に、再度銀さんから要求が下る。


うるさいっての!もう黙れよ!てか判れよ!!


とりあえず僕は言葉の変わりに、折れよ!!!とばかりに
銀さんの背に廻した腕に力を込めた。

 

こんな最悪で卑怯で愛しい大人、

離せないのはこっちの方だ、コンチキショー。
******************************
とりあえず馴れ初め終了(笑)
最悪銀さんが好物です、私(待てι)

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俺は今、台所で格闘中だ。
理由は簡単、赤飯を炊くのだ。

新八の為に

 

『僕とアンタの事情 2』

 

思えばアイツは最初から目の離せないヤツだった。
不器用なダメガネかと思えば、いやいやどうして。
心に一本、まだ細いながらも確りとしたモノを持っていた。

そして半ば無理矢理ウチの助手に納まり、働き始めた。

これがまた、呆気に取られるほどの働き者。
万事屋の仕事なんかないってのに、それならば・・・と家の事を
しだした。
それまでも、一応人並みの事はやってはいたのだが、新八は違う。
妥協と言う言葉を知らないのかって程の働きっぷりだ。

おまけにソレを俺にまで求めてくる。

読み終わった本は片付けろ。
洗濯物は籠に入れろ。
おまけに、帰ってきたら『ただいま』で、食べる前は『いただきます』だ。

それまで一人でやってきただけに、中々ウザイものがあった。

・・・けれど、どこかくすぐったい暖かさもあって。

大体直ぐに辞めると思ったんだよ。
そんな几帳面なヤツが、俺について来る筈がない。
だって給料もまともに払わない。
起こされなければ昼まで眠っているような俺だ。

なのに、アイツは最後には 仕方ないですね って許してくれるんだよ。

どんなに勝手に歩いても、一生懸命追っかけてきてくれるんだよ。


・・・もうさ、オマエおっさんをどうする気よ?
もう荷物なんて持たないって、大切なモン、作らないって
決めてたんだぜ?
なのにさ、


暗い夜道帰ってきて、明かりがついてる自分んちを見た気持ち、判るか?

いつの間にか自然と口にしていた『ただいま』の言葉。

それに当然の様に返ってくる、オマエの『お帰りなさい』の言葉。

判るか?それがどんなにこっ恥ずかしくて嬉しかったか。

俺に無条件で笑顔をくれて、本気で心配して怒ってくれて。

オマエと会ってから、俺のそれまでの世界が一気に晴れた気がして


・・・気が付けばどうしようもなく惚れていた。


でも俺は男な訳で。
おまけに大人な訳で。
子供なオマエにそんな事を告げれる訳がねぇんだよ。

だってそんな事言ったら、オマエ俺から離れるだろ?

今まで通りの笑顔を向けてくれないだろ?

例えうまくいったとしても、その先にあるだろうナニかを
知ってるぐらいには大人なんだよ、俺。

そんなの絶対イヤだ。耐えらねぇよ。

でも普通の上司と助手ってのだけじゃイヤだ。
そんな絆、脆過ぎるだろ。もっとどうしようもなく頑丈なモンが欲しい。

だからオマエが『家族と思ってくれていい』って言ってくれた時、
コレだ!と思ったね。

だってよ、家族だったらもう離れねぇだろ?
別れの時なんて、来ないだろ?

なら、それでいい。
・・・それが、いい。


そう思ってたのに、行き成り新八は俺に『好きだ』と告げてきた。

本当、オマエ銀さんをどうしたいのよ。

俺はヤダよ。嬉しいけど、本当に本当にすっげー嬉しかったけど。
でもそれでどうなんよ?
オマエまだ若いじゃん。十代じゃん。
この先色んなヤツに会うだろ?んで、俺より好きなヤツが出来たら
それで終わりじゃんか。
『家族』に終わりはねぇけど、『恋人』には終わりがあるんだぜ?

オマエにそんな事言ったら、『そんな事ない』って言うだろうけど、
先の事なんて誰にも判んねぇだろ。

現に俺だって、こうしてオマエと会えたんだ。

会って、色んなもんが変わっていったんだ。


だから、俺は新八に告げた。その気持ちは勘違いなのだと。


始まらなければ、終わりも無い。
『恋人』にならなきゃ『家族』のままだ。
でも、さすがに言った俺も辛くて。
まるで自分の気持ちも否定してるみたいで、キツくて。
新八を残して出て行った後、少し泣いたのだけれど。

本当ならあの時、新八の気持ちを受け入れてしまいたかった。
例え本当に新八の気持ちが勘違いであっても、
自分のモノにしてしまいたかった。

でも、その後に来るだろう『終わり』が怖かった。

だって一度手にしたら、もう二度と離せない。
そんな事になったら、新八共々この暖かな世界を壊してしまいそうだ。


・・・こんなに好きなのに。


『家族』でいいんだ。『他人』よりも近い、終わりの無い『家族』

その結果、今も新八はここに居る。
少しぎくしゃくしたけれど、それまでの様に接してくれるようになった。

暖かい世界、変わらないオマエの笑顔。

あぁ、やっぱりあの時の俺の決断は間違ってなかった。

そう思って、再び赤飯を炊く用意をする。
アレから年月は過ぎ、新八は嫁さんを貰うことになった。

「一番に銀さんに紹介したくて」

そう言って連れて来た嫁さん候補は、中々愛らしい娘さんだった。
でも、やっぱり恥ずかしそうに頬を赤らめて笑う新八の方が可愛い。
そう思うのも仕方ない、だって俺は『家族』なのだ。
『家族』だから、赤飯も炊くのだ。


だけど、何故だろう。

さっきから涙が止まらないし、

赤飯に関係ない、包丁ばかり手にしてしまうのは。

************************
もう少しだけ続きますι

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僕は銀さんが好きだ。
最初はそんな事に気付きはしなかった。
・・・いや、どこかで逃げてたんだ。
自分の気持ちから。
   

 
『僕とアンタの事情』

 

だってずっと一緒に居ると言ったんだ。
家族だと思ってくれ、と言ったんだ。

今更それが恋愛感情だなんて、言える訳がない。
だって僕も銀さんも男同士。
銀さんの答えなんて決まってる。

そしたら、もう一緒になんて居られない。

それだけは、絶対にイヤだった。


けれど、気持ちはどんどん大きくなっていって。

押さえ込むのもキツクなって来て。

言わないと・・・告げないと、そう思ってきたのに。
銀さんが優しく触れたりするから。
ふわりと柔らかい笑顔を向けてくれたりするから。

だから一昨日、とうとう僕の気持ちは溢れ出してしまい、
その気持ちは言葉となって銀さんの元へと飛び出してしまった。

「好きです」

そう告げた後の銀さんの行動は、予想通りのものだった。
一瞬目を見開いて驚き、次に視線を逸らせる。
知ってますか?アンタ、困ると頭の後ろを無意識に掻くって事。
表情は何時もと変わらなくても、その態度で困りきってる事が判る。

そして告げられた言葉がコレ。

「ま、思春期にはそういう勘違いする時期もあらぁな」

あ、大丈夫、銀さんはちゃんと家族的に好きだから。そう言って背を向け、
その後銀さんは夜になっても帰って来なかった。

・・・多分これが大人の態度なんだろう。
銀さんにしては、偉いと思う。
けど、振られたことに関係ないし、大人は大人でも、
卑怯な大人の態度だと思ってしまう。
だって僕の真剣で、それはもう気付いた時にはご先祖様にまで心の中で
謝り倒したぐらいの覚悟と、知らない間に涙が出て来てしまうほどの
想いは、すっぱり勘違いと言う事にされてしまったのだ。

切ない、切な過ぎる。

でも銀さんの気持ちもなんとなく判る。
だって助手である僕に、突然告白されたのだ。
女の子ならまだしも、男の、一回りも離れた子供に。
それは・・・なかった事にしたいだろう。
勘違いと言う事にしておいて欲しいだろう。
でも・・・認めて欲しかった。

僕が、銀さんを、勘違いではなく、ちゃんと好きだと言う事を。

僕だって最初は在り得ないと思ったさ。
それまで男の人にそんな事を思ったことなんかなかったし、
普通に可愛い女の子が好きなのだ。
それがなんでまた、死んだような目をしたマダオを好きにならなきゃ
いけないんだ。
給料だって定期的には貰えないし、暇さえあれば糖分摂取しようとする
糖尿予備軍だ。
お金ないのにパチンコに行くし、弱いくせに酒飲みだし。
僕より年上で、体もゴツクて。

・・・けれど、銀さんがいいと思ってしまったのだ。


口ではなんと言っても、困っている人を見捨てて置けない人。

他人の為に傷を負う事を躊躇しない人。

心の中に、折れることの無いまっすぐなモノを持っている人。


そんな愛すべき、マダオを。

 

で、現在僕は万事屋の前に居る。
別に改めて告白しに来た訳ではない。
勘違いなんかじゃない、認めてくれ、と言いに来た訳でもない。
これ以上傷口を広げたい訳でも、勿論ない。
昨日は失恋した時のセオリー通り、泣き暮れてしまった。
と言うか、一昨日帰ってからすぐにだ。
よく泣く方だと自分でも自覚しているが、本当に凄かった。
それだけ銀さんの事が好きだったのだとまた自覚して、更に泣いた。
なので本当なら今日も休んでしまいたかった。
なかった事にされた僕の恋を、もう少し悲しんでいたかった。

けれど我が家には、そう言う訳にもいかない事情があって。

姉上の手前、今日も家に居る・・・と言う事は出来ない。
だって理由を聞かれたら、どうしようもない。
言ったら言ったで、引き篭る以外何も出来ない状態にされそうだし。
昨日だってギリギリの所で交わしていたのだ。
かと言って、家と万事屋意外に行く所もない。

・・・一体どんな顔で銀さんと会えばいいんだろう。

多分銀さんは変わらない態度で接してくれると思う。
だって、なかった事にしたんだからね!
これで気まずい雰囲気を出しやがったら、大人としてどうかと思う。
最後まで徹してこそ、大人と言うものだ。
でも、僕は会いたくない。
だって子供ですからね!
おまけに目が腫れてるしね!
思春期だそうですから?それぐらい思っちゃうのは当然でしょ?

あ~、いっその事居なきゃいいのに。

・・・なんてね。それはそれで悲しいものがある。
だって、なかった事にされた僕のこの気持ちは、今もこうして
僕の中に確かに存在しているのだから。

でも、何時までもここでこうしている訳にも行かない。
一つ大きく息を吐き、覚悟を決めて玄関へと手を掛けた。
そして勢い良く開けてみると・・・

 

「・・・何してんですか、アンタ」

 

何故か玄関で土下座している銀さんが居た。

・・・大人って何考えてんだか、やっぱ判らない。
でも最悪だと言う事は、よく判った。

*************************
ちょっと長くなりそうなので、分けます。

拍手[2回]


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無駄語りご案内
銀魂の新八受け中心、女性向けブログです。 BL、やおいなどの言葉を知らない方、また、知っていて嫌気をを感じる方は、ご注意を。 また、出版社様、原作者様、その他関係者様方とは一切関係ありません。
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