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僕は銀さんが好きだ。
最初はそんな事に気付きはしなかった。
・・・いや、どこかで逃げてたんだ。
自分の気持ちから。
   

 
『僕とアンタの事情』

 

だってずっと一緒に居ると言ったんだ。
家族だと思ってくれ、と言ったんだ。

今更それが恋愛感情だなんて、言える訳がない。
だって僕も銀さんも男同士。
銀さんの答えなんて決まってる。

そしたら、もう一緒になんて居られない。

それだけは、絶対にイヤだった。


けれど、気持ちはどんどん大きくなっていって。

押さえ込むのもキツクなって来て。

言わないと・・・告げないと、そう思ってきたのに。
銀さんが優しく触れたりするから。
ふわりと柔らかい笑顔を向けてくれたりするから。

だから一昨日、とうとう僕の気持ちは溢れ出してしまい、
その気持ちは言葉となって銀さんの元へと飛び出してしまった。

「好きです」

そう告げた後の銀さんの行動は、予想通りのものだった。
一瞬目を見開いて驚き、次に視線を逸らせる。
知ってますか?アンタ、困ると頭の後ろを無意識に掻くって事。
表情は何時もと変わらなくても、その態度で困りきってる事が判る。

そして告げられた言葉がコレ。

「ま、思春期にはそういう勘違いする時期もあらぁな」

あ、大丈夫、銀さんはちゃんと家族的に好きだから。そう言って背を向け、
その後銀さんは夜になっても帰って来なかった。

・・・多分これが大人の態度なんだろう。
銀さんにしては、偉いと思う。
けど、振られたことに関係ないし、大人は大人でも、
卑怯な大人の態度だと思ってしまう。
だって僕の真剣で、それはもう気付いた時にはご先祖様にまで心の中で
謝り倒したぐらいの覚悟と、知らない間に涙が出て来てしまうほどの
想いは、すっぱり勘違いと言う事にされてしまったのだ。

切ない、切な過ぎる。

でも銀さんの気持ちもなんとなく判る。
だって助手である僕に、突然告白されたのだ。
女の子ならまだしも、男の、一回りも離れた子供に。
それは・・・なかった事にしたいだろう。
勘違いと言う事にしておいて欲しいだろう。
でも・・・認めて欲しかった。

僕が、銀さんを、勘違いではなく、ちゃんと好きだと言う事を。

僕だって最初は在り得ないと思ったさ。
それまで男の人にそんな事を思ったことなんかなかったし、
普通に可愛い女の子が好きなのだ。
それがなんでまた、死んだような目をしたマダオを好きにならなきゃ
いけないんだ。
給料だって定期的には貰えないし、暇さえあれば糖分摂取しようとする
糖尿予備軍だ。
お金ないのにパチンコに行くし、弱いくせに酒飲みだし。
僕より年上で、体もゴツクて。

・・・けれど、銀さんがいいと思ってしまったのだ。


口ではなんと言っても、困っている人を見捨てて置けない人。

他人の為に傷を負う事を躊躇しない人。

心の中に、折れることの無いまっすぐなモノを持っている人。


そんな愛すべき、マダオを。

 

で、現在僕は万事屋の前に居る。
別に改めて告白しに来た訳ではない。
勘違いなんかじゃない、認めてくれ、と言いに来た訳でもない。
これ以上傷口を広げたい訳でも、勿論ない。
昨日は失恋した時のセオリー通り、泣き暮れてしまった。
と言うか、一昨日帰ってからすぐにだ。
よく泣く方だと自分でも自覚しているが、本当に凄かった。
それだけ銀さんの事が好きだったのだとまた自覚して、更に泣いた。
なので本当なら今日も休んでしまいたかった。
なかった事にされた僕の恋を、もう少し悲しんでいたかった。

けれど我が家には、そう言う訳にもいかない事情があって。

姉上の手前、今日も家に居る・・・と言う事は出来ない。
だって理由を聞かれたら、どうしようもない。
言ったら言ったで、引き篭る以外何も出来ない状態にされそうだし。
昨日だってギリギリの所で交わしていたのだ。
かと言って、家と万事屋意外に行く所もない。

・・・一体どんな顔で銀さんと会えばいいんだろう。

多分銀さんは変わらない態度で接してくれると思う。
だって、なかった事にしたんだからね!
これで気まずい雰囲気を出しやがったら、大人としてどうかと思う。
最後まで徹してこそ、大人と言うものだ。
でも、僕は会いたくない。
だって子供ですからね!
おまけに目が腫れてるしね!
思春期だそうですから?それぐらい思っちゃうのは当然でしょ?

あ~、いっその事居なきゃいいのに。

・・・なんてね。それはそれで悲しいものがある。
だって、なかった事にされた僕のこの気持ちは、今もこうして
僕の中に確かに存在しているのだから。

でも、何時までもここでこうしている訳にも行かない。
一つ大きく息を吐き、覚悟を決めて玄関へと手を掛けた。
そして勢い良く開けてみると・・・

 

「・・・何してんですか、アンタ」

 

何故か玄関で土下座している銀さんが居た。

・・・大人って何考えてんだか、やっぱ判らない。
でも最悪だと言う事は、よく判った。

*************************
ちょっと長くなりそうなので、分けます。

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