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ボーナスって何ですかね。
今の所噂でしか聞いた事のない僕にとっては、
完全なる未知的存在なんですけど。
ってか寧ろ都市伝説に近いと言ってもいいですね。
あ、違うか。それは給料の事でしたっけ。
「って事で銀さん。今日家の事のお手伝い、
お願いしてもいいですか?」
年末は忙しくなるから、今から色々やっときたいんで。
淡々と話していた新八は、にっこり笑うとそうお願いしてきた。
・・・うん、お願いだ、あくまで。
例えその手に呑み屋の請求書が握られていても、
額にピクピクと青筋が浮かんでいようとも、
お願いには変わりはない。
あ~、こんなに可愛くお願いされちゃ~、
聞かないわけにはいかねぇよな、オイ。
本当、銀さんてば愛妻家っ!
勿論気分良くお手伝いさせて貰いますっ!
だからそろそろ定春の解除をして下さい。
アルコールが抜ける前に、血と魂が抜けきるんで。
「・・・で、何コレ」
恐妻・・・基愛妻である新ちゃんのお願いを聞き届け、
家事の手伝いを大人しくしている訳だが・・・
「何ってお手伝いして貰ってるんですけど?」
俺の疑問に、後ろから新八の不思議そうな声が返ってくる。
うん、確かにお手伝いしてたよね。
ちゃんとお風呂掃除してたし、その後新八に呼ばれて
台所に行けば、棚の上の掃除をお願いされたし。
でもさ、でもよ?これって・・・
「・・・普通に負んぶじゃね?」
そう、台所の掃除が済んだ新八は、同じように棚の掃除を
終えた俺の背中に突然飛びついてきたのだ。
予想外の出来事に、え、これなんてフラグ?なんて驚いてた俺に、
新八が言った言葉が
「じゃあ次は居間の掃除に行きましょう」
・・・だった。
・・・いや、いいんだけどね?居間の掃除。
それに今日一日お手伝いするって言った銀さんが借り出されるのも
判るんだけどね?
でも・・・なんで負んぶ?
「だって銀さんが言ったんじゃないですか、
ちゃんとお手伝いしてくれるって」
俺の疑問を不満と受け取ったのか、少しだけ新八の声が
尖るのが判った。
あ~、チキショー。きっと今頃可愛らしい唇をほんの少しだけ
尖らせてんだろうなぁ。
本当、なんで負んぶなんだよ。
顔が見えねぇじゃねぇか、コレッ!!
せめて抱っこだったなら・・・って、いやいや
負んぶだからこそ、堂々と新八のケツに触れられてるんだしな。
そうだ、銀時。ちょっと冷静になろう。
二兎を追うものは結局何も得られねぇんだ。
ならばここは我慢してこの感触を・・・や、待てよ?
抱っこでも抱え方によっちゃケツ、触れねぇ?
「あ、手が滑った~」
「っ!!!ちょ、新ちゃん、それ絞まってるからっ!」
「だって落ちそうだったんですもん」
「その前に銀さんが落ちそうだったよ!?」
突然キュッと首を絞められ・・・(いや、掴んでたよね、アレ。
確実に確実に銀さんの命を掴みに掛かってたよね!?)
慌てて頭を振って新八の手を振りほどき、抗議の声を上げれば、
プイッと視線を逸らされた。
この野郎・・・幾ら銀さんが愛妻家でも、
許せるものと許せねぇもんがあんだぞ、コラ!
勿論これは許すけどね!
だって『もん』とかっ!!!
その上プイッてオマ・・・
見えたからね、肩越しでもばっちり見えたからね、
そのツンデレ具合っ!!
よっしゃ、次はデレだ。どんと来い。
ウェルカムだ、デレ。
オマエの真なる力を見せ付けてくれぇぇ!!!
「・・・銀さん、顔怖いです。
いいからさっさと居間に行ってくださいよ」
ニヤニヤして待っていると、呆れたような顔で新八が
睨んできた。
どうやらデレてたのは俺の顔だったらしい。
お陰で新八のデレは無くなってしまった・・・
俺の馬鹿っ!!
・・・ま、それでも新八の顔がちょっと赤かった気がするから
良しとしよう。
ヘイヘイと軽く答えて新八の体を背負いなおし、
居間へと向う。
「ちなみにそれが終わったら、今度は洗濯物ですからね」
「はいはい、その時もちゃんとお運び致しますよ。」
「当然です。それ込みのお手伝いですもん」
そう言って、背中の新八はクスクスと笑った。
すみません、そんなお手伝いなら毎日させて下さい。
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なんかうっかりした(コラ)