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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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その日、新八が街を歩いているとあるモノが目に入ってきた。

「あ・・・」

その瞬間、新八の足はピタリと止まる。

実は前々から興味があったりしたのだ。
でも、態々そう言う所まで足を運ぶと言うほどでもなく、
機会を逃していて・・・

「・・・ちょっと行ってみようかな?」

そう呟いた新八の視線の先、ソコには移動式の献血所があった。

 

 

チラチラと耳にする話では、献血するとジュースを
貰えたりするらしい。
しかも最近は、そう言った所ではジュースやDVDを見放題、
中には占い等もしてくれる所があるらしい。

別にそんなのが目当てじゃないのだけれど。
や、そりゃ~貰えたら嬉しいけどね、でもそれ以上に
献血自体に憧れてたりするわけで。
だってさ、なんとなく献血って
大人って感じがするんだよね~。

それこそ、世の為、人の為・・・みたいな。
や、そこまで大それた事は考えてないけどね!
でもやっぱ子供は入れない場所だし、大人だけに許されている
掛け替えのない行動だとは思う。


そんな少しだけキラキラとした目で見詰めていると、
中から見慣れた人物が出てきた。

が、新八としては見慣れた人物なだけに、ソコから出てきたのが
信じられずちょっと目を丸くする。

「え?長谷川さん?」

「お、新八君。何?買い物?」

思わず声を出すと、中から出てきた長谷川は軽く腕を
押さえながら新八の元へと歩いてきた。

「いえ、暇なんでちょっと散歩してるだけなんですけど・・・
え?もしかして長谷川さん、献血してきたんですか?」

そう問い掛けると、長谷川は まぁね。 と言いながら
照れ臭そうに頭を掻いた。
その言葉に、新八の目はますます輝く。

マダオ、マダオと言われてはいるが、やっぱり元エリート。
本当はちゃんとした大人なんだな~。

密かに新八が尊敬していると、もう一人中から
見慣れた人物が降りてきた。

「お~い、長谷川さん、忘れ物~」

「って、銀さん!?」

「ン?あ、新八。どったの、買い物?」

「いや、暇だから散歩中だって。
ダメだよ~、銀さん。フラフラしてないでちゃんと仕事しないと。」

「長谷川さんだけには言われたくねぇな、それ」

そう言いながら、銀時は二人に近付くと、手にしていた袋を
長谷川へと手渡した。

「え?銀さんも献血してきたんですか?」

まさかっ!と目を丸くして新八が問い掛ける。

今日は朝からフラフラと出掛けて行ったので、またパチンコにでも
行っていると思っていたのだ。
なのに、出てきた所は大人の遊技場ではなく、献血で。

長谷川さんといい、銀さんといい、本当はちゃんとした
大人なんだな~。
それ以外が大部分を占めてて、
全然気が付かなかったよ!

輝きがました視線で銀時を見ていると、いや、それがな~。と
曖昧に言葉を濁らされた。
そんな銀時に新八が首を傾げていると、長谷川が手を軽く
振りながら新八の問いかけに答えてきた。

「いや、献血したのは俺だけで、銀さんはダメだったんだよ」

ちょっと引っかかっちゃったんだよね~。と言われ、
銀時は うっせぇよ。と長谷川の背中を膝でどついた。

「?銀さん、出来なかったんですか?
もしかして糖尿のせい?」

「いや、違うからね?
まだギリ寸前だから、それっ!」

そう言われ、他に原因が思いつかない新八は首を傾げる。
だが、一応献血しようと思ったのは間違いないらしい。

再び尊敬の気持ちが沸きあがってきた新八だった。

 




 

・・・・が。

 





「いや~、それにしても良かったよ。
もうパチンコで金吸い取られちゃってさ、
ジュースも買えない状態だったからね」

「俺だってそうだってぇの!なのに出来なかったしよぉ。
って事でちょっとそれ寄越せって」

「ちょ、止めてくなんい!?俺の血液の代価だから、それ!
今日唯一の栄養補給だから!」

「俺にとっても唯一の糖分補給なんだよっ!」

一つの袋に手を入れて争っている大人二人・・・いや、
マダオ二人に、一気にそんな気持ちは粉散した。

「ちょ、何してんですか!見っとも無い!!」

ってか僕の夢を壊すなっ!
え、何この人たち。もしかしてジュース狙いなの?
ジュースの為に献血してきたの!?

「んだよ、別に見っとも無くはねぇだろ。
血とジュース、ある意味等価交換だ。」

「や、銀さん献血してないよね?
俺の血との等価交換だからね、これ!」

「誰の血だろうと一緒だろうが、赤いんだからよ」

「いんや違うね、今の銀さんの血はきっとだよ。
冷酷無比な冷たい色をしてるって絶対!」

「・・・その前に、一本のジュースを奪い合ってる姿は
十分に見っとも無いですよ」

あぁもういいですっ!未だ醜い争いを繰り広げている二人に
新八は叫ぶと、フンと鼻息荒く拳を握り締め、

「僕が献血に行って貰って来ますから!」

そう高らかに宣言した。

うん、そうだよ。別に僕はジュースに釣られてる訳じゃないし。
ただ純粋に献血したいだけだし。

・・・あ、ちょっと大人っぽいなコレ。
ってか絶対この二人よりいい大人っぽいよね、コレ!
だって献血するし、ジュースなんかにも釣られてないしっ!

自分の発言に満足げに口元を緩ませる新八の前で、
ポカンとしていた二人だったが、
次の瞬間、言葉を濁しつつ視線を逸らしていった。

「あ~・・・新八君?」

「はい?何ですか?」

「いや~その・・・さぁ。気合入ってるトコ悪ぃんだけど・・・
多分オマエ、無理だわ」

言い難そうに告げてくる銀時に、新八の首はコテンと傾げられる。

「え、何でですか?普通の献血なら僕の年でも
出来ますよね?」

「ん~、まぁ出来るんだけどよぉ・・・」

ちょ、長谷川さんさっきの紙見せて。そう言うと銀時は
長谷川の持っていた袋から一枚の紙を取り出した。
そしてそれを不思議そうな顔をしている新八へと渡す。

「これがどうしたんですか?」

「・・・まぁ見てみ」

そう言われ、何ともいえない表情をしている二人を前に、
新八は渡された紙へと視線を落とす。
そこには献血における注意事項と、条件が書かれていて。

「・・・別に年齢も大丈夫ですし、該当する項目もないですけど・・・」

「いや、あんだろ」

よく見てみろって。一度顔を上げた新八だったが、
銀時に言われてもう一度視線を戻す。

別に今現在服薬もしてないし、持病もない。
外国にも行ってないし、ピアスだって開けてない・・・が。

 

 

 

 

「・・・・あ」

 

 

 

一項目だけ、確かに該当するものがあったりした訳で。




瞬間的に頬を赤く染める新八に、まぁあれだ。 と
銀時は肩を抱き寄せた。

「銀さんの該当したのもそれって事でよ。
献血はこの先ずっと出来そうにもねぇけど、
こればっかりは仕方ねぇしなぁ」

頷きながらポンポンと新八の肩を叩く銀時に、新八は何も言えず
ただ只管に紙を見詰めていた。

や、だってさ。これって・・・いや判る、判るよ?
理論上でも衛生上でも理解できるしその通りだと思うよ?
でもさ、でもさ・・・

 

大人な世界に憧れてたのにぃぃぃ!!!!

 


「いやいや、これに該当した時点で十分大人だって。
思いっきり大人の世界に
足を踏み入れ捲くってるって!」

「うっせぇよ、この腐れ天パッ!
っつうかずっとって何ですか、ずっとって!!」

「ずっとはずっとだよ。何言ってんの?
銀さんがオマエ手放す訳ねぇじゃん。
って事でこの先献血によるジュースにありつけない
可哀想な銀さんに、速やかにそれを譲ってください」

「何で!?ってかいいじゃん!ジュースより
全然いい目見てんじゃん、ソレッ!
掛け替えのないモノ手に入れてんじゃん!!」

「いや、ここはジュースの為に我慢しましょう。
これに該当しないよう、清く正しい生活に戻しましょう、銀さん!」

「や、どっちも無理」

「「堂々と言ってんじゃねぇぇぇ!!!」」

 


・・・とりあえず、僕の献血デビューはまだまだ先になりそうです。

 


・・・・・・・・・ってかいつか来るのかな、そんな日。

**********
多分無理です(おいι)
ちなみに該当した項目は・・・アレです(笑)
・・・・私の時は喘息でしたが(泣)

 

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