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日も変わろうかと言う時間、銀時と新八はそっと細心の注意を払いながら
神楽の寝床でもある押入れの扉を開けた。
「あ、ありましたよ、銀さん」
「ってかよぉ、これ本当にいいのか?
だって酢昆布だぜ?しかも入れるのは靴下の中って・・・
これって何重の拷問?
どっちに対しても匂い半端ねぇと思うんだけど!?」
「しょうがないでしょ?神楽ちゃん、プレゼントは
靴下の中に・・・って友達から聞いてきちゃったんですから」
それにこの靴下はまだ未使用です。ボソボソと言われ、
銀時は渋々神楽の枕元にある靴下の中へと酢昆布の塊を入れた。
そして再びそ~っと押入れの扉を閉め、静かにその場を後にする。
「あ~、もうマジ緊張した。」
居間まで戻り、銀時と新八の二人はホッと胸を撫で下ろす。
一度寝たらある程度の騒音など無視して朝までぐっすりな神楽だが、
今夜だけは別だ。
「神楽ちゃん、サンタ捕獲するって意気込んでましたもんね」
新八は苦笑し、眠りに付くまで気合十分に張り切っていた
神楽の姿を思い浮かべた。
寧ろ来るまで起きていると言う神楽に、サンタの姿を見たら
次の年からはプレゼントは貰えないだの何だのと
冷や汗を掻きながら胡散臭い説明をしたのだけれど、
どうやらそれを信じてくれたようだ。
「ったく、誰だよサンタなんて考えたヤツは。
言っとくけどあれだよ?普通に不法侵入だからね?あのおっさん。
しかも子供しかプレゼント贈らないって物凄い差別主義者だから。
よし、今度会ったら殴っとこう」
「知り合いかよ。
ってか変な事言って夢を壊さないで下さいよ、もう」
ほら、もう寝ましょう。新八はそう言うと銀時の背を押し、
そのまま布団が敷いてある和室へと足を進めた。
ちなみに 寒いだろうから。 と銀時が新八の布団へと
入ってこようとしたが、やんわりと言葉で、
けれども態度はきっぱりと、力の限り叩き出したので
無事眠りの国へと旅立つことが出来たのであった。
「・・・え、何、これ」
次の日、何時もの様に目覚めると、新八の枕元に小さな紙袋が
置いてあった。
確か寝る前には何もなかったと思うんだけど・・・と新八は
不思議に思い、首を傾げる。
だが、その紙袋はちゃんと新八の枕の横に置いてあって。
・・・もしかしてクリスマスプレゼントだろうか。
ちらりとまだ眠っている銀時を見てそんな事が頭を過ぎるが、
それはもう昨日の夜のウチに貰っている。
なら何だろう?
とりあえず布団の上に座り袋を開けてみると、中から出てきたのは
新品の足袋が一足。
そしてこの家で足袋を穿いているのは自分しかいない訳で。
新八はクスリと口元を緩ませると、隣で寝ている銀時へと
視線をおろした。
「有難うございます、銀さん。」
新八はそう一人呟くと、寝ている銀時の頬に小さく唇を落とし、
早速その足袋を穿いて・・・
「ぅわっ!」
突然横から出てきた腕に、腰を抱きこまれた。
「ちょ、銀さん!?」
見れば新八の腰には銀時の腕が回っており、埋められた顔からは
銀時の嬉しそうな笑い声が聞こえてきていた。
「・・・何なんですか、もう」
ってか起きてたんですか、アンタ。と先程してしまった自分の行動に
頬を染めながら、新八は腹にある銀時の頭をポカリと叩いた。
けれど銀時からは笑い声しか返ってこず・・・
「・・・銀さん、アンタ何時からMに趣旨変更したんですか?」
「いや、してないからね?
堂々とドS路線突き進んでるから、銀さん。
今はただサンタからのプレゼントに喜んでるだけだから、
そこら辺疑わないでくれる?」
「まず頭の正常さを疑いたくなるんですけど。
ってかプレゼント?」
訳が判らず首を傾げていると、銀時は少しだけ体を離し、新八の足元を
指差した。
ソコには真新しい足袋を穿いた新八の足が・・・
「銀さんが用意して寝床に置いといたからね、それ。
いや~、中々気の利いたことしてくれるじゃねぇか。
銀さんの一番欲しいもんだよ、コレ」
そう言って再び新八を抱き締めてくる銀時に、新八は
いや、これあったの僕の枕元ですから。・・・とか、
しかも穿いたかどうか確り確認してた感じじゃね?・・・とか、
ってかプレゼントって言うより、完全罠じゃん。・・・とか。
色々と思ったが、口には出さず、仕方ないな・・・と苦笑を浮かべて
そっと銀時の背中に腕を回した。
うん、仕方ないよね。
だって僕もコレが一番欲しかったのだ。
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この後まったりする間もなく、テンション高めの娘が乱入(笑)