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ポカポカと暖かい日差しの中、神楽は何時ものように
傘を差し、跳ねるように道を歩いていた。

ただ、少しだけ違うのがその格好。
神楽の後を追うように、ヒラヒラと薄紅色のスカートが舞う。
それがまた嬉しくて、神楽は頬を緩めてぴょんと跳ねた。

 





その日、神楽はお妙に呼ばれて新八の家に行っていた。

なんでも部屋の掃除をしていたら、昔着ていた物が
出てきたらしく、数枚ではあったが洋服も出てきた為、
神楽にどうか・・・と呼ばれたのだ。

昔から着物派だったお妙なので、洋服は殆ど着ておらず、
それは新品同様だった。

「良かったわ、丁度良くて。」

ニコニコと笑うお妙を前に、神楽は嬉しそうに
薄紅色のワンピースの裾を翻した。

「本当にいいアルカ?私が貰っても」

「勿論よ。私はもう着れないし、神楽ちゃんが
着てくれれば嬉しいわ」

よく似合っているわよ。お妙にそう言われ、神楽は照れ臭そうに
頬を緩ませた。

「でも私、こう言う服初めてヨ」

「大丈夫。十分可愛いわよ。あ、そうだ。それ、着て帰る?
きっと新ちゃん達、びっくりするわよ」

一応洗ってあるし・・・

まるでちょっとした悪戯を思いついたかのように告げてくるお妙に、
神楽は暫し悩む。

普段の神楽の格好は、大抵がチャイナだ。
その中にはドレスっぽいものも含まれているが、よく動く為
中にスパッツ等を穿いている。

それが、今着ている物は今まで縁のなかった、
フワフワとした裾の広がるワンピース。
それが何処か気恥ずかしくて、神楽は少し迷ってしまった。

まぁ貰った以上何時かは着るのだろうけど、でも・・・

 

びっくりはびっくりでも、自分の体調の方に対してだったら
どうしてやろう。

 


可愛くて驚くのならまだいい。
照れ臭いけど、拳一つで許せる範囲だ。

でももしこの格好を見て、熱でもあるのか!?と驚かれたら・・・

 


折角の綺麗な薄紅色が、真紅に染まる事になってしまう。

それはちょっとイヤだ。
折角綺麗な色なのに。

 


「ね、神楽ちゃん」

少しだけ顔を伏せて黙り込む神楽の髪飾りをそっと取りながら、
お妙は優しく声を掛けた。

「こうすればもっと似合ってるわ。
だから新ちゃん達にも見せてやって?」

そう言ってお妙に下ろした髪をそっと撫でられ、神楽の胸が
ほこりと暖かくなる。

・・・うん、今なら少し染みがつくくらいで許せる気がするアルヨ。

お妙の言葉に、神楽はニコリと笑うと控えめに頷いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

その後、ワンピースのまま家路についたのだが、神楽の考えは
杞憂に終わっていた。

顔見知りに会うとまず驚かれたが、それでも皆直ぐに笑い、
よく似合ってると言ってくれたのだ。

その度に神楽の胸はほっこりと暖かくなる。

・・・まぁ一部例外はあったが。

 


「なんでィその格好。
精神攻撃かますなんて、少しは知恵がついたじゃねぇか

お陰で今夜魘されそうだぜ。会うなりそう言って嫌な顔をしたのは
言うまでもなく沖田だ。

とりあえず何時もなら拳の一発乱発ぐらいするのだが、
今の神楽はそれ所ではない。

・・・やっぱりこう言う反応ネ。

沖田でさえそうなのだから、銀時達も似たような事を言う可能性が
高まった。

・・・まぁ手放しで褒められたら褒められたで気色悪いのだが。

思わずげんなりとした顔をしていると、隣に居た近藤が
軽く沖田の頭を叩いて諌めた。

「こら、総悟。そんな事言うもんじゃねぇぞ?
意外と似合ってて可愛いじゃないか」

やっぱり女の子なんだなぁ。なんて笑う近藤に、少しだけ神楽の
心にほっこりが舞い戻ってくる。

「ってか意外ってどう言う意味ネ。
私は何着ても似合って当然ヨ」

「あはは、そうだったな。すまんすまん」

だが素直にそれを受け取るのは恥ずかしいので、何時ものように
口答えしてみれば、近藤は気を悪くする事もなく、豪快に笑って
謝罪してきた。

・・・案外いいヤツネ、ゴリの癖に。

「でも本当よく似合ってるよ。
なんて言うのかな・・・うん、服がいいな、服が
こう可愛らしくて楚々としていて・・・
あぁ、まるでお妙さんのようだ」

 

 

 

 

・・・やっぱりゴリラはゴリラネ。

 

 

 

 

野生の勘か、それともストーカーとしての本能か・・・

まぁどちらもだろう。

何処かうっとりとした表情でこちらを見てくる近藤から
逃げるように、神楽はさっと身を翻してその場を後にしたのだった。

 

 

 

 



 


さぁ、本番はここからだ。

漸くついた万事屋の前で、神楽は一つ大きく深呼吸をした。

とりあえず、沖田のような事を言ったら大輪の花を咲かせよう。

目にも鮮やかな真っ赤な花を。

けれど褒められたら・・・それはそれで恥ずかしいので
やっぱり花を。

・・・まぁその時は気持ち、量は少なめに。

・・・まぁその時は軽く蕾程度に。

 

 


・・・出来るかな?

 


「ま、いいネ。
女は度胸、男は大凶ヨ!」

神楽は固く拳を握り締めると、勢い良く玄関の扉を開けたのだった。

 

 

 

 

 

その日、万事屋にどんな花が咲いたのかは判らないが、
お妙に貰ったワンピースは今も綺麗なまま、時折万事屋周辺で
ヒラヒラ舞っていると言う。
 

**********
多分坂田あたりに大輪の花が(笑)

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