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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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銀さんってもしかして鈍い?

最近、そんな疑問が僕の中に沸きあがっている。

 



 

実は僕、何の因果か銀さんが好きだったりする。

・・・うん、判ってる。
判ってるから、ツッコミ所満載なこの感情。
だって年の差とか性別とか言う前に、
相手が銀さんだからね!?
それだけでツッコムトコには困らないだろう。

なにせ銀さんだ。

それだけで全ての説明が終わるってモンだ。


・・・でも、あぁ見えて結構ツボの押し所はピンポイントだったりする。


それは止まった僕の背をポンと押してくれた時だったり。

大きな背中で守ってくれた時だったり。

その大きな背中を預けてくれた時だったり。


それは日常でも変わらなくて。


他人に見せない顔を見せてくれたり。

我が侭のような甘えを見せてくれたり。

そうかと思えば大人らしく、僕を甘やかしてくれたり。


その度に、僕のツボはギュッと押されてしまうんだ。
現に今だって・・・


「ほら、コレだろ?」

そう言って銀さんが渡してくれたのは、上の棚から取ってくれた
ガラスの器だ。

今夜は素麺にしましょう。と言ったら、

「確か去年、上の方にしまっちまっただろ、器」

そう言って態々読んでいたジャ○プを置いて
台所まで来て取ってくれた。

大丈夫だって言ったのに、落っこちてきたら危ないから・・・だって。

チキショー、こっちとらこれ以上アンタに落ちる方が
危ないんだよっ!

「・・・有難うございます」

その優しさが嬉しくも辛く、複雑な心境で一応お礼を言えば、
銀さんはどう思ったのか困ったように苦笑を浮かべた。

「しゃ~ないだろ?銀さんの方が背が高いんだからよ。」

こう言うのは高いヤツの仕事なんだよ。そう言って僕の頭を
ワシャワシャと掻き混ぜた。

「・・・何時も仕事なんてしないくせに」

大きな掌の感触が、また僕のツボをギュッと押しそうになったので、
慌てて距離を置いてじっとり睨んでみた。
すると銀さんはうっと言葉を詰まらせ、行き場のなくなった掌を
ワキワキと動かした。

「あ~・・・それはまぁアレだ。
新ちゃんを危険から守るのが銀さんの真なる仕事なんで?」

「なんですか、それ」

何時もの軽口だと言うのに、思いっきり胸が高鳴ったのを感じた。

本当、何言ってんだよ、この人!!
そう思ってんなら、僕のこの状況をどうにかしてくれよ。
色々危険だから、本当!!

多分顔も赤くなっているだろう。僕は慌てて顔を伏せて
銀さんの視界から顔を隠した。

どうも僕は顔に出やすい性質らしい。
実は既に神楽ちゃんや姉上には僕のこの気持ちがバレてたりする。

その時の事は・・・あまりと言うか本気で思い出したくない。
思い出したら最後、往来で土下座して
回りたくなってしまうから。

で、何だかお登勢さんにもバレてるような気がするんだよね。
なんか視線が生暖かいし。
後桂さんとかにも。この間なんて

「どうしようもないヤツだが、あぁ見えて中々良い所が・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ま、それは置いといて、どうか末永くよろしく頼む」

とか言われたし?
ソコまで言ったなら、
どうにかして良い所捻り出してみろよっ!
とか思ったけどね!?
一瞬、本気でなんでそんな人好きになったのかな?って
思ったからね!!?

ってかその前になんでバレてんだよぉぉぉ!!!!

で、なんで気付かないんだよ、本人がっ!!

あ、違う違う。バレちゃまずいよ、これは。
だって銀さん、僕の事そんな風に思ってないしね。
この間エロ本ワサッと出てきたからね。

バイ~ンだったから、色々。

だから、僕はこの気持ちを封印しなきゃいけないんだけど・・・

 

「どったの?新ちゃん」

なんて言いながら、態々僕の顔を覗きこんでくる馬鹿のせいで
そう簡単にはいかないんだ、コレが。

気持ちを封印する事もさせず、その気持ちにも気付かない。
明らかに僕の八つ当たりなんだけど、やっぱり思わずにはいられない。

「・・・銀さんの鈍ちん!」

思いを篭めまくってそう言ったら、銀さんは慌てて再び僕の
頭をワシャワシャと撫でてきた。

「だ、大丈夫だって!ほら、新ちゃん成長期じゃん?
その内ぐんぐん背も伸びて、銀さんなんか追い越しちゃう・・・
ってそれはダメだな。そこまでは伸びないで。
ってか伸びるな。そのままでお願いします」

今のサイズが丁度良いから!そのまま~そのまま~。
なんて真剣な表情で僕の頭に呟いていた。

・・・やっぱり鈍いや。
ってか僕の成長期に呪いを掛けるなコノヤロー。

 

 

僕はその手を振り払って、今夜の銀さんの素麺には
色つきのモノを一本も入れてやら無い事にした。


・・・あぁ、でも入れちゃうんだろうなぁ、僕。
だって銀さん、アレが入ってるとちょっと嬉しそうなんだもん。


未だ何か喚いている銀さんに背を向けて、
僕はそっと息を吐いた。

 

 

 

 

どうかお願いだから。
勝手に僕の気持ちに気付いて、
無難に、けれどすっぱりと断ち切って下さい。

***************
珍しく銀←新。
・・・矢印がなくなるまで
行ったほうがいいですかね?(聞くなι)
 

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日差しの強い午後、買い物へと向う神楽と新八の目に、
見慣れた人物達が入ってきた。

「こんにちは、土方さん、沖田さん。
暑い中ご苦労様です」

嫌な顔をする神楽を余所に、律儀に挨拶をする新八。
された二人は些か億劫そうに、それでも軽く手を挙げ答えた。

「全くでさァ、こんなクソ暑い中仕事させるなんて
拷問だと思いやせんか?」

「テメーはさっきまでファミレスで涼んでただろうが」

「ってかそんな暑苦しい格好を見せられるこっちの方が
拷問ネ。どうにかするヨロシ」

「何でィ、それは脱げって事かィ?
セクハラの現行犯でひっ捕らえるぜィ」

「なら銀ちゃん捕まえるヨロシ。
何時だって新八に対してセクハラ現行犯ヨ」

「・・・親告するか?
今なら最優先で処理するぞ?」

「鉄拳制裁で即処理してますからいいです。
ってか本当、暑そうですよね、その隊服」

ギリギリと睨み合って剣呑な雰囲気を醸し出している神楽と沖田。
そして同情気味に、けれどどこか楽しげに言ってくる
土方に新八はバサリと切り捨てると、しみじみと二人の格好を
見て呟いた。

ただでさえ暑いのに、真選組の隊服は黒くしっかりとしている。
しかも二人は首元にスカーフまで巻いている始末だ。

「暑そうじゃなくて暑いんでさァ」

「でしょうね」

心底嫌そうに答える沖田に、新八も少し同情する。

「だから去年は夏服を考えたんだけどねィ。
どっかの耐える事こそもまた美学・・・
だけどタバコとマヨだけは除外・・・はっ、当たり前ぇだろ?
アレは除外とかじゃなくて特別なんだよ、you see?
なんて言ってそうな馬鹿が廃止しちまったんだけどねィ?」

「おい、誰が馬鹿だ・・・
ってか色々混ざってんじゃねぇかぁぁ!!
大体あんなオフザケの産物なんて許可出来るか!!」

バシンと良い音を立てて沖田の頭を叩く土方に、
一体どんな産物だったんだろう・・・と一瞬興味が沸いた
新八だったが、あの沖田が産み出した産物だ。
聞いただけで後悔してしまうようなものなんだろう。
自分で答えを出し、口にするのを止めた。

「ってぇなぁ。見たかい?今の。
たかが少し暑いぐらいでここまでイラつくなんて、
ソコが知れるってもんでさァ」

「暑さぐらいならここまでイラつかないんだがなぁ!?」

「ちなみに今年の夏服は、ギリギリラインな短パンでさァ」

「何処がギリギリィィ!?
ウチの威厳がギリギリラインだわ、そんなのっ!!」

「・・・既に軽く突破してるネ、そんなライン」

思わずげんなりしてしまう新八の横で、神楽が酷く呆れた表情で吐き捨てた。

・・・うん、確かに軽く突破してるよね、そんなライン。
夏服云々の話じゃないよね。
でも、その前に・・・

「そんな集団が居たら、ますます暑苦しくなると思うんですけど。
主に視界的に」

寧ろある意味暴力だ。

新八がそう告げると、沖田は一瞬目を丸くし、次に何か考えるように
眉を顰めた。

「・・・確かに自分自身にもダメージが返って来る
ある意味諸刃の剣的存在
でさァ。
仕方ねぇ・・・土方さん、ちょっとここから遠く離れた場所で
この夏を過ごして来て下せェ。
勿論夏服着用で」

「何でだよ。
そこまでして短パン履かせてぇのか、テメーはっ!!」

「人を変態みたいに言わねぇで下せェ。
俺はただ、少しでも暑い夏を涼しく過ごしてもらいたい
ってよりもおもっくそ笑われてる土方さんが
見たいだけでさァ」

「変態っつうか悪趣味にも程があんだろう。
ならまず最初にテメーで実践してみろやっ!」

「おいおい、聞いたかィ?
俺にギリギリライン短パンを履かせようとしてますぜィ?
変態じゃね?
寧ろセクハラじゃね?
現行犯逮捕な上切腹ものじゃね?」

怒り狂う土方を軽くあしらいつつ、沖田が新八へと近付き、
その肩に腕を回してそう問い掛ける。

「なら銀ちゃんもそうするヨロシ。
この間暑そうだからって新八の袴を脱がそうとしてたネ。
でも足袋だけは脱ぐなって命令してたヨ」

「・・・やっぱ親告しとけって。
何よりも速やかに処理してやっから」

「大丈夫です。
もう本気で処理しましたから。
でも薄着にはなりたくなる暑さですよね~。」

沖田さん達は色も黒いから余計に暑くありません?
そう言って新八は肩に腕を回している沖田へと目をやった。

「そうなんでさァ。
だから新しい隊服として涼しげな全身シースルー
推してるんですけどねィ」

「最早服として役にたってねぇよ!
何ソレ、弱点晒しまくりじゃねぇかぁ!!」

「ちなみに土方さんのは特注で、馬鹿には見えないと言う
素材で作られた隊服
を・・・」

「寧ろ馬鹿にしか見えねぇだろ、ソレ。
オマエはどんだけ俺を笑いものにしてぇんだ、あぁ!?」

「それはもう全力で笑いものにしつつ、
亡き者にしたいんでさァ」

「なら銀ちゃんもやっとくヨロシ。
この間シースルーのセーラー服を新八の着替えと
交換しようとしてたヨ」

「・・・親告・・・」

「本体毎即刻燃やしましたから大丈夫です」

にしても・・・


「暑いですね~」


ボソリと呟いた新八の言葉に、残りの三人も力なく頷いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・何やってんの、こんなトコで。」

「あ、銀さん」

「そっちこそ何やってるネ、セクハラ塊な銀ちゃん」

「よし、親告しろ、親告。
今なら即受理だ」

「旦那ァ、ダメじゃないですかィ。
喋る言葉にはきちんとピー音被せて下せェ」

「後全身にモザイクナ」

「ま、現行犯逮捕にしとくか。
受理すんのも面倒臭ぇ」

「なんで行き成り犯罪者扱いぃぃ!!?
ちょ、新八!?なんとか言ってくんないぃぃ!!?」

「あ~、暑いな~」

「え?スルー!?」

「そういやぁ夏服意外にも考えたんですけどねィ・・・」

「こっちもスルーかよっ!
おいこら、冤罪被せといてそれも無視かコノヤロー」

「安心しろ、犯罪は消えねぇ」

「寧ろ積み重なっていくだけネ」

「元々ねぇし、積み重なってもいかねぇよ!
なんだコレ。何がどうなってんのか全然判んねぇんだけどぉ!?」

「銀さん、大きな声出さないで下さいよ。
暑苦しい」

「・・・すみません、銀さん的にはものっそく
涼しい・・・ってか寒いです、その視線」


***************
暑い=坂田苛めは公式でいいです(待てι)

 

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なんとなく遊びに行く気にもならず、ソファにダラリと寝転びながら
雑誌を読んでいると、サカサカと箒片手に動き回っていた
新八に、自分のモノ位少しは片付けなさい。と小言を言われた。

全くケチ臭い事を言うヤツアル。
たかが読み終わった雑誌やら酢昆布の空き箱やらを
そこら辺に放置しといただけでこれヨ。
どうせ掃除してるんだから、序にやっちゃえヨ。
ってか年頃の娘の世話が出来るんだから、有難く
進んで行動するヨロシ。

そう言い返したら、じっとりとした呆れたような視線と

「・・・それ、銀さんも同じこと言ってたよ」

年頃の娘じゃなくて、愛しの旦那とか言う妄想をほざいてたけど。

と言う事を言われ、私が颯爽と片付けを始めたのは言うまでもない。

 








とりあえず雑誌を適当に積み上げ、空箱をゴミ箱に捨てると
新八から 有難う とにっこり言われ、ちょっと気分が良くなった。

良い事すると気持ちが良いってこう言う事ネ。

序とばかりに他に手伝うことはないカ?と聞くと、新八は
少しだけ目を大きく広げ、次にヘラリと頬を緩ませた。

「有難うね、神楽ちゃん。そうだね~、掃除はもう終わるし、
後は洗濯物干すだけだから・・・あ、銀さん起こしてくれるかな?」

「え?銀ちゃん寝てるアルカ?
ってか居るアルカ?」

「あはは・・・朝方までは居なかったけどね。
で、グダグダ煩いから寝かしたまんまにしてるけど、
そろそろ・・・ね?」

そう言われ時計に目をやれば、確かに例えどんな状態であっても
起こしたくなる時間だ。

「了解ネ。
グダグダ言ったら首の骨が逝かれるぐらい容赦なく
揺すり起こしてやるヨ」

力強く宣言する言葉をそのまま表すように
拳を握り締めると、新八の口元が少しだけ引き攣ったような
気がしたが、気のせいと言う事にしておいた。

マダオに容赦も同情も必要ないネ!

 

 

 

 

 

 

「銀ちゃ~ん、いい加減起きるヨロシ。
いつまでも夢の世界にしがみ付いてんじゃねぇぞゴラァァ!!!」

「ギャホッ!!!!!」

和室の襖を開けると共に、叫びながらジャンピングアタックを
決めたが、敵もさる者。

目蓋は開けたものの、
未だ起きる気配がないネ。

「おいコラ、銀ちゃん。
起きろヨ、起~き~ろ~っ!!!!」

なのでそのまま銀ちゃんの腹の上に腰を降ろしたまま、カクリと
力なく寝こけている首元を掴むとガンガンと揺らしまくる。

・・・が、首はカクカクと揺れるだけで、
指一本動く気配がない。

本当、マダオもここまで極めると凄すぎるネ。

ある意味感心しつつも、ここで諦めてたまるかと
揺する手に力を篭めた。

 

 

 

 


それからどれくらい時間がたったのだろう。
襖の向こうから新八がヒョイッと顔を出した。

「どう?銀さん起きた?」

「全然ダメネ。全く起きる気配がしないヨ」

そう言って手を離せば、ドサリと銀ちゃんの体が布団へと沈んだ。

「・・・・・・・・ぅわ・・・」

「それより見るヨロシ。
銀ちゃんてば目ぇ開いて寝てるヨ。
間抜け面もいいトコネ」

ぷぷっと笑って銀ちゃんの顔を指差せば、何故か恐る恐る
近付いてきた新八がそれを覗き込んで はは、本当だ。 と
ボソリと呟いた。

「ってか銀ちゃん、髪と同じで目も白いネ。」

「・・・・そだね」

「こんなに全開にしてて、目が乾かないアルカ?」

「・・・・そだね。可哀想だし、閉じとこうか。
ちょっと怖いし」

そう言うと新八は少し震える手で銀ちゃんの目元を覆い、
開いていた目蓋をそっと閉じさせた。

「?何やってるネ、新八。
別に口は開いたまんまでもいいネ」

「あ~、うん。そうなんだけど、ちょっと息の確認を・・・
あ、大丈夫だネ。微かだけど」

新八は少しだけホッと息を吐くと、ニコリと私の方へと
顔を向けた。

「有難う、神楽ちゃん。もういいから買い物にでも行こうか?」

「銀ちゃん起こさなくていいアルカ?
甘やかしたら付け上がるネ」

「・・・うん、多分起きれないだろうし、
甘やかしてもいないから、きっと」

そう言った新八の口元は、緩やかに笑っていたけど、
なんとなく頬が引き攣ってるような感じがした。

うん、やっぱりあの寝汚さは誰でも呆れる程ネ。

「新八も苦労するアルナ」

あれじゃあ毎朝起こすのも一苦労だろう。
そう思いしみじみと呟けば、

「・・・本当にね」

と、滅茶苦茶心の篭った声で返された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よし、そんな新八の為に、これからは私が銀ちゃんを起こしてやるネ!

***************
それ以降、誰よりも早起きな坂田。

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※ア/ニ/銀・164話が元になってます。










 

そう言えば・・・とそれぞれがのんびりとした時間を
過ごしている午後、ポツリと新八が声を零した。

「この間変な人に会いましたよ」

「あ~?何々、帰り道で何かバサッと見せられちゃった?
大丈夫だって、あれはちゃんと銀さんがお仕置きしといたから」

「え?なんで知ってんですか?
確かあの時、一緒に居ませんでしたよね?」

言われた言葉に驚いて問い掛ければ、ジャンプ片手に踏ん反り返って
椅子に座っていた銀さんは、ゆったりと首を振った。

「でもアレだわ、『・・・ちっせ』はないわぁ。
せめて『きゃっ』とか言って欲しかったな~、アレ。
・・・ま、どっちにしろ見る影もないぐらいに
にちっさくしといたけどね、銀さん」

「や、だからなんで居るんだよ、そこに。
ってか一体何をどうしたんですかぁぁ!!?」

「あ、それともアレ?何時も誰かに見られてる気がする的なヤツ?
何か部屋の家具が変わってるみたいな?
洗濯物が足りなくなってるぅ・・・みたいな?
それなら安心しろ、気のせいかほぼ俺だ」

「安心できるかコラァァァ!!!
何あっさり犯罪告白してんですかっ!」

思わずソファから立ち上がり、そう訴えると反対側のソファに
寝転び、雑誌を読んでいた神楽ちゃんがじっとりと視線を
向けてきた。

「新八、構うだけ無駄ネ。
大体何時も変なヤツが一緒に居るんだから、
そんな話題珍しくも何ともないネ」

「おいおい、何だよ。
姉弟揃ってストーカー被害か?
先越されちまったなぁ、オイ」

「安心して下さい、当事者ですから、アンタが」

って違ぇよっ!!とテーブルを一つ叩き、僕は一つ息を吐いて
気を落ち着かせると再び腰を降ろした。

「そうじゃなくてですね・・・なんかその机の引き出しから
出て来たんですよ、変な人が」

そう言って銀さんが座っている椅子の前にある机を指差せば、
二人とも視線を送り、次に互いに目を合わせて へっ と笑った。

「うんうんそうだね~。
引き出しから出てくればそりゃ~変な人だわ」

「それ以外言いようがないネ」

「・・・なんですか、その微妙な生温い肯定。
ちょ、やめて下さいよ、なんかものっそく恥ずかしいんですけど、僕!!」

せめて肯定するなら驚いて欲しい。
それか普通に馬鹿にして欲しい。

少しだけ頬が熱くなるのを感じながら訴えると、はいはいととても
適当な返事が返って来た。

・・・チキショー、何処までも適当にしやがって。

「そりゃ信じられませんけどね、そんな話!
大体青くて丸いアレかと思ったら、モノクロで色なんか判んない
単なるオッサン
でしたし。
僕の子孫に頼まれて来たとか言ってたのに人違いだったし」

言えば言うほど自分でも訳が判らなくなってくる。
・・・本当にあったのかな、アレ。

そう思ってると、そりゃそうだろ。と銀さんの声が聞こえてきた。

「何がですか?」

「オマエの子孫に・・・ってトコだな。
人違いも何も、いないからね?存在しないから、子孫」

「なんでだよ!
そんなの判らないじゃないですか!もしかしたら僕だって・・・」

銀さんの言葉にそう返せば、あ~・・・と数回頷いた。

「だな、もしかしたら新八にだって子供が産めるかも
しれねぇしな。
うん、希望は捨てちゃいけねぇな。
よし、判った、仕込みは任せろ」

「いや、任せられねぇよ。
なんで僕が産む事になってんですか!」

「え?じゃあやっぱ子孫は無理じゃん。
ま、アレよ。永遠の新婚気分を味わえるんだから
それぐらい諦めとけよ」

「だから誰と誰が新婚んん!!?
諦められるか、そんなもんと引き換えにぃぃぃ!!!」

「大丈夫ネ、新八。
私がちゃんと孫を抱かせてやるヨ」

「なんで孫ぉぉぉ!!!?」

「おいおい、あんまり早く作んなよ?
銀さん、まだジイサン呼ばわりされたくねぇからな?」

「そう言う問題じゃねぇぇ!!」

 


僕はそう怒鳴りながら、少しだけこの間の変な人に会いたくなりました。

・・・うん、話を聞いて貰えるのって凄く大事だ。

******************
とりあえず『子孫云々』の所で、
「いや、そんな筈はねぇ」と思った方は同士です。

拍手[3回]


 


本日も朝っぱらから通い慣れた三途の川へと旅立っている近藤を
介抱していると、見慣れた人物が庭へと姿を現し、

「お早うごぜぇや~す。今日朝から回収に来やしたぜィ・・・
って事で早速何か寄越して序に賛辞を並べまくって下せェ」

「え?何そのオブラートに包んでるけど
明確なカツアゲ」

一見爽やかな笑顔でカツアゲされました。

 

 

 

 

 

「あ~あ、今日もまた見事に魂切り離してまさァ
何か寄越せよ」

「や、まだ切り離してないですからね?
ギリギリ繋がってますから、魂の糸」

「ギリギリ繋がってるのは警察としての立場でさァ
何か寄越せよ」

「そこがまだ繋がってるのが不思議なんですけどね~」

「本当、権力って素敵でさァ何か寄越せよ」

「え?揉消し肯定宣言!?
ってさっきから何語尾につけてんですかぁぁぁ!!!」

ウザッ!マジでウザッ!!と、縁側で横になっている近藤さんを
挟んで顔を向かい合っている沖田さんに突っ込む。

「ん?何か聞こえやしたかィ?
あ、きっとアレでさァ、天の声か神の声でさァ。
その通りにしとかねぇと、容赦ない不運を落とすぜィ」

「白々しい上に自ら神発言だよ。
大体高給取りが薄給・・・と言うか寧ろ無いに等しい中で
なんとか生活している少年から何を奪う気ですか」

しらっと、しかも怖い事を言い切られたのでそう訴えると、
沖田さんは一瞬キョトンとし、次に違う違うと軽く手を振って笑った。

「奪うんじゃなくて、貢がせるだけでさァ」

「・・・それ、もっと酷くなってますからね?」

見た目がいいだけに、沖田さんの笑顔はとても爽やかで
清々しいが、言ってる言葉はとんでもなく真逆の存在だ。

ウンザリしながらそう言うと、沖田さんは僕の言葉が
気に入らなかったのか、ムッと唇を尖らせた。

「酷いも何も、今日はそう言う日なんでさァ」

「一体どんな日ですか、そんなモノがまかり通る日ってのは」

「んなの誕生日に決まってんだろ」


溜息を吐きつつそう言った所、とても簡潔な答えが返って来た。

あぁ、誕生日ね、誕生日。
若干間違っている様な気がしないでもないが、
ある意味あっていると言えばあっている・・・のかなぁ?
でも、この人にかかればそう言う事になっちゃうんだろうなぁ・・・

 

 

 

 

「・・・って、はぁ?」

 

 

 

 


返って来た言葉に、そんな風に思考を飛ばしてしまったけど
直ぐに戻ってきて驚いてしまった。

「え、誕生日って・・・」

改めてそう聞いてみると、僕の心情が判ったのか
非常にいい笑顔を浮かべた沖田さんがゆったりと頷いた。

「今日は俺の誕生日なんでさァ」

さぁ、心置きなく賛辞を述べまくった後何か寄越しなせェ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと・・・何もありませんけど」

と、とりあえず横たわっている近藤さんをそっと沖田さんの方へと
押してみる。

「いっその事ない方が有難てぇでさァ」

が、直ぐに押し返されてしまった。

いや、それこっちの台詞だから。
でもそれならそれで・・・と。

「ならお言葉に甘えて・・・お誕生日おめでとうございます。」

言葉だけを贈る事にして軽く頭を下げた・・・が、
途中でペシリと沖田さんの手が額に当てられ、そのまま
押し上げられてしまった。

そして目の前に近付けられたのは、やっぱり何か良い笑顔の沖田さん。

「男たるもの、早々人様の言葉に甘えちゃダメですぜィ?」

「・・・社会と生活が厳しすぎるんで、
せめて言葉にぐらいは甘えたいと思うのですが・・・」

「甘い言葉には気を付けた方がいいですぜィ?
その裏には社会や生活の厳しさが生温く思えるほどの
モノが隠されてるのが常でさァ」

「・・・みたいですね」

ニコニコと楽しそうな沖田さんに、逃げるのは無理だろう・・・と
諦めた僕は、もう一つ息を吐き出した。

うん、他の人の甘い言葉は違うかもしれないけど、
この人の場合はきっとそれが正しい。

だって雰囲気には全く隠されてないもの。
なんか駄々漏れだもの、甘くないものが。

「ま、そんなに期待もしてないんで
朝御飯ぐらいでいいでさァ。ちゃんと抜いてきたんで」

「ある意味思いっきり期待してるじゃないですか、それ」

全く・・・と額に当てられていた沖田さんの手を離し、
僕は朝御飯の準備をするべく、その場から腰を上げた。

「そんなに大層なモノ出せませんからね?」

そう言うと、沖田さんは後ろ手についてゆったりと
その場に体を落ち着かせた。

どうやらこの場で朝食が出来るのを待つつもりらしい。

「判ってまさァ。
あ、ローソクは恥ずかしいんでやらなくていいですぜィ?」

「ケーキ出せってか!?
んなもの用意してある訳ないでしょ!!
ご飯にお箸突き刺して出しますよ!?」

ヒラヒラと手を振って僕を見送る沖田さんに一喝し、
僕はそのまま足取り荒く台所へと足を進めた。

 

あぁ、でも戸棚に頂き物のお饅頭があったっけ。

 

とりあえずおまけとしてそれでも出してあげよう。
本当は今日万事屋に持っていくつもりだったけど、
仕方ないよね?

だって今日はそれがまかり通る日だもの。

僕の吐いた溜息と重なって、後ろの方から楽しげな鼻歌が聞こえてきた。


***************
遅れましたが沖誕話。

拍手[0回]


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