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銀さんってもしかして鈍い?
最近、そんな疑問が僕の中に沸きあがっている。
実は僕、何の因果か銀さんが好きだったりする。
・・・うん、判ってる。
判ってるから、ツッコミ所満載なこの感情。
だって年の差とか性別とか言う前に、
相手が銀さんだからね!?
それだけでツッコムトコには困らないだろう。
なにせ銀さんだ。
それだけで全ての説明が終わるってモンだ。
・・・でも、あぁ見えて結構ツボの押し所はピンポイントだったりする。
それは止まった僕の背をポンと押してくれた時だったり。
大きな背中で守ってくれた時だったり。
その大きな背中を預けてくれた時だったり。
それは日常でも変わらなくて。
他人に見せない顔を見せてくれたり。
我が侭のような甘えを見せてくれたり。
そうかと思えば大人らしく、僕を甘やかしてくれたり。
その度に、僕のツボはギュッと押されてしまうんだ。
現に今だって・・・
「ほら、コレだろ?」
そう言って銀さんが渡してくれたのは、上の棚から取ってくれた
ガラスの器だ。
今夜は素麺にしましょう。と言ったら、
「確か去年、上の方にしまっちまっただろ、器」
そう言って態々読んでいたジャ○プを置いて
台所まで来て取ってくれた。
大丈夫だって言ったのに、落っこちてきたら危ないから・・・だって。
チキショー、こっちとらこれ以上アンタに落ちる方が
危ないんだよっ!
「・・・有難うございます」
その優しさが嬉しくも辛く、複雑な心境で一応お礼を言えば、
銀さんはどう思ったのか困ったように苦笑を浮かべた。
「しゃ~ないだろ?銀さんの方が背が高いんだからよ。」
こう言うのは高いヤツの仕事なんだよ。そう言って僕の頭を
ワシャワシャと掻き混ぜた。
「・・・何時も仕事なんてしないくせに」
大きな掌の感触が、また僕のツボをギュッと押しそうになったので、
慌てて距離を置いてじっとり睨んでみた。
すると銀さんはうっと言葉を詰まらせ、行き場のなくなった掌を
ワキワキと動かした。
「あ~・・・それはまぁアレだ。
新ちゃんを危険から守るのが銀さんの真なる仕事なんで?」
「なんですか、それ」
何時もの軽口だと言うのに、思いっきり胸が高鳴ったのを感じた。
本当、何言ってんだよ、この人!!
そう思ってんなら、僕のこの状況をどうにかしてくれよ。
色々危険だから、本当!!
多分顔も赤くなっているだろう。僕は慌てて顔を伏せて
銀さんの視界から顔を隠した。
どうも僕は顔に出やすい性質らしい。
実は既に神楽ちゃんや姉上には僕のこの気持ちがバレてたりする。
その時の事は・・・あまりと言うか本気で思い出したくない。
思い出したら最後、往来で土下座して
回りたくなってしまうから。
で、何だかお登勢さんにもバレてるような気がするんだよね。
なんか視線が生暖かいし。
後桂さんとかにも。この間なんて
「どうしようもないヤツだが、あぁ見えて中々良い所が・・・
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ま、それは置いといて、どうか末永くよろしく頼む」
とか言われたし?
ソコまで言ったなら、
どうにかして良い所捻り出してみろよっ!
とか思ったけどね!?
一瞬、本気でなんでそんな人好きになったのかな?って
思ったからね!!?
ってかその前になんでバレてんだよぉぉぉ!!!!
で、なんで気付かないんだよ、本人がっ!!
あ、違う違う。バレちゃまずいよ、これは。
だって銀さん、僕の事そんな風に思ってないしね。
この間エロ本ワサッと出てきたからね。
バイ~ンだったから、色々。
だから、僕はこの気持ちを封印しなきゃいけないんだけど・・・
「どったの?新ちゃん」
なんて言いながら、態々僕の顔を覗きこんでくる馬鹿のせいで
そう簡単にはいかないんだ、コレが。
気持ちを封印する事もさせず、その気持ちにも気付かない。
明らかに僕の八つ当たりなんだけど、やっぱり思わずにはいられない。
「・・・銀さんの鈍ちん!」
思いを篭めまくってそう言ったら、銀さんは慌てて再び僕の
頭をワシャワシャと撫でてきた。
「だ、大丈夫だって!ほら、新ちゃん成長期じゃん?
その内ぐんぐん背も伸びて、銀さんなんか追い越しちゃう・・・
ってそれはダメだな。そこまでは伸びないで。
ってか伸びるな。そのままでお願いします」
今のサイズが丁度良いから!そのまま~そのまま~。
なんて真剣な表情で僕の頭に呟いていた。
・・・やっぱり鈍いや。
ってか僕の成長期に呪いを掛けるなコノヤロー。
僕はその手を振り払って、今夜の銀さんの素麺には
色つきのモノを一本も入れてやら無い事にした。
・・・あぁ、でも入れちゃうんだろうなぁ、僕。
だって銀さん、アレが入ってるとちょっと嬉しそうなんだもん。
未だ何か喚いている銀さんに背を向けて、
僕はそっと息を吐いた。
どうかお願いだから。
勝手に僕の気持ちに気付いて、
無難に、けれどすっぱりと断ち切って下さい。
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珍しく銀←新。
・・・矢印がなくなるまで
行ったほうがいいですかね?(聞くなι)