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※ア/ニ/銀・164話が元になってます。
そう言えば・・・とそれぞれがのんびりとした時間を
過ごしている午後、ポツリと新八が声を零した。
「この間変な人に会いましたよ」
「あ~?何々、帰り道で何かバサッと見せられちゃった?
大丈夫だって、あれはちゃんと銀さんがお仕置きしといたから」
「え?なんで知ってんですか?
確かあの時、一緒に居ませんでしたよね?」
言われた言葉に驚いて問い掛ければ、ジャンプ片手に踏ん反り返って
椅子に座っていた銀さんは、ゆったりと首を振った。
「でもアレだわ、『・・・ちっせ』はないわぁ。
せめて『きゃっ』とか言って欲しかったな~、アレ。
・・・ま、どっちにしろ見る影もないぐらいに
にちっさくしといたけどね、銀さん」
「や、だからなんで居るんだよ、そこに。
ってか一体何をどうしたんですかぁぁ!!?」
「あ、それともアレ?何時も誰かに見られてる気がする的なヤツ?
何か部屋の家具が変わってるみたいな?
洗濯物が足りなくなってるぅ・・・みたいな?
それなら安心しろ、気のせいかほぼ俺だ」
「安心できるかコラァァァ!!!
何あっさり犯罪告白してんですかっ!」
思わずソファから立ち上がり、そう訴えると反対側のソファに
寝転び、雑誌を読んでいた神楽ちゃんがじっとりと視線を
向けてきた。
「新八、構うだけ無駄ネ。
大体何時も変なヤツが一緒に居るんだから、
そんな話題珍しくも何ともないネ」
「おいおい、何だよ。
姉弟揃ってストーカー被害か?
先越されちまったなぁ、オイ」
「安心して下さい、当事者ですから、アンタが」
って違ぇよっ!!とテーブルを一つ叩き、僕は一つ息を吐いて
気を落ち着かせると再び腰を降ろした。
「そうじゃなくてですね・・・なんかその机の引き出しから
出て来たんですよ、変な人が」
そう言って銀さんが座っている椅子の前にある机を指差せば、
二人とも視線を送り、次に互いに目を合わせて へっ と笑った。
「うんうんそうだね~。
引き出しから出てくればそりゃ~変な人だわ」
「それ以外言いようがないネ」
「・・・なんですか、その微妙な生温い肯定。
ちょ、やめて下さいよ、なんかものっそく恥ずかしいんですけど、僕!!」
せめて肯定するなら驚いて欲しい。
それか普通に馬鹿にして欲しい。
少しだけ頬が熱くなるのを感じながら訴えると、はいはいととても
適当な返事が返って来た。
・・・チキショー、何処までも適当にしやがって。
「そりゃ信じられませんけどね、そんな話!
大体青くて丸いアレかと思ったら、モノクロで色なんか判んない
単なるオッサンでしたし。
僕の子孫に頼まれて来たとか言ってたのに人違いだったし」
言えば言うほど自分でも訳が判らなくなってくる。
・・・本当にあったのかな、アレ。
そう思ってると、そりゃそうだろ。と銀さんの声が聞こえてきた。
「何がですか?」
「オマエの子孫に・・・ってトコだな。
人違いも何も、いないからね?存在しないから、子孫」
「なんでだよ!
そんなの判らないじゃないですか!もしかしたら僕だって・・・」
銀さんの言葉にそう返せば、あ~・・・と数回頷いた。
「だな、もしかしたら新八にだって子供が産めるかも
しれねぇしな。うん、希望は捨てちゃいけねぇな。
よし、判った、仕込みは任せろ」
「いや、任せられねぇよ。
なんで僕が産む事になってんですか!」
「え?じゃあやっぱ子孫は無理じゃん。
ま、アレよ。永遠の新婚気分を味わえるんだから
それぐらい諦めとけよ」
「だから誰と誰が新婚んん!!?
諦められるか、そんなもんと引き換えにぃぃぃ!!!」
「大丈夫ネ、新八。
私がちゃんと孫を抱かせてやるヨ」
「なんで孫ぉぉぉ!!!?」
「おいおい、あんまり早く作んなよ?
銀さん、まだジイサン呼ばわりされたくねぇからな?」
「そう言う問題じゃねぇぇ!!」
僕はそう怒鳴りながら、少しだけこの間の変な人に会いたくなりました。
・・・うん、話を聞いて貰えるのって凄く大事だ。
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とりあえず『子孫云々』の所で、
「いや、そんな筈はねぇ」と思った方は同士です。