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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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神楽も銀時さんも出掛けてしまった午後。
新八は何時ものように家事に勤しんでいた。

「掃除も済んだし・・・後は・・・」

持っていた掃除機を片付け、次の仕事をやろうとしたその時、
新八の耳に聞きなれない音が入ってきた。

あれ・・・なんだっけ、この音・・・

暫しボウッと考えていると、同じ音が再度連続で鳴らされた。

「・・・て、チャイムの音じゃん!!ちょ、はーい、今行きま~す」

あまりに鳴る機会のないチャイムの音に、その存在を忘れてしまっていた
ようだ。
新八は恥ずかしさのあまり頬を染めながらも、急いで玄関へと向かった。

もしかしたらお客様かもしれないのにっ!

確立は低いけれど・・・と微かな希望を抱き、お待たせしました。と
扉を開ければ、そこには・・・

「お~、金時は居るがか?」

あははは と、無駄に爽やかに笑いつつ、立っている坂本の姿があった。

 


「粗茶ですが・・・」

銀時はいないが、忙しい中やって来たのだろう坂本をそのまま帰すのも
どうかと思い、新八は居間へと案内し、お茶を入れた。

「ボクは偉いのぅ。あんまり構わんでいいきに。酌してくれれば

「いや、お茶ですからね、これ」

無理です。と、手招きする坂本に笑顔で、けれどもきっぱりと断ってから
新八は向かいのソファへと腰を下ろした。

「しっかりしとるのぅ、ボクは」

「姉にタバコに火を着けさせたり酌をさせたがるような輩には
厳しく接しろと言い付かっているもので」

新八の答えに坂本は、そりゃぁいい姉上じゃ。と笑うと、キョロリと
辺りを見回した。

「で、金時はドコに行ったがか?」

「ん~・・・多分パチンコだとは思うんですが・・・」

「なんじゃ、金時はいい年してまだ銀玉遊びか」

仕方ないのぅ。笑う坂本に、新八も苦笑を零す。
 

・・・って言うか、そこは間違えないんだ。


新八が変な所で感心していると、ならば・・・と坂本が新八へと視線を移し、

「で、ボクはき○玉遊びはするん・・・」

っておぉぉぉぉぉぃっ!!!何でソコで間違えるの!?
さっき言ってましたよね?ちゃんと言えてましたよね!!?」

安心したのも束の間、何でもないように出された言葉に、新八の
ツッコミが冴える。

「なんじゃ、ボクはまだしたことないがか?ならわしが一つ・・・」

何ソレ、そのままの意味ぃぃ!?
いいですから、したいとも思わないし、する予定も未来永劫ないですから、
そんな遊びぃぃぃ!!!

軽い笑い声と共にゴソゴソとし出す坂本に、慌てて立ち上がり、
その手を止めようとテーブルに身を乗り上げて近付いた。

だって、こんな真昼間からそんなモノ、見たくもない。
本当に、心底マジで。

必死に手を伸ばした所で、パシッとその手を坂本に掴まれた。

「じゃあわしが遊ばせてもらうぜよ」

「へ?」

言われた意味が判らず、顔を上げれば、そこには今までの笑いとは
違い、ドコか背筋が冷たくなるような笑みを浮かべた坂本が。

「坂本さ・・・」

一瞬固まってしまった体で目の前の男を見詰めれば、坂本はその笑みを
益々深め、空いている方の手を新八へと伸ばしてきた。

その手の意図に気付いた新八は、慌てて体を引こうとするが、
思ったよりも強く腕を掴まれているせいで、あまり意味をなさない。

「ちょっ!何すんですか、アンタ!!」

それでもなんとか逃げながら、怒鳴りつけると、坂本はニヤリと笑ったまま
尚も追いすがる。
そしてとうとう袴を掴まれ、その手が中へと進入しようとし始め、
新八の背筋がますます凍った。

「坂本さん!!」

「なぁに。金時が銀玉で遊んでるなら、ボクとわしはき○玉遊びを・・」

「するかボケェェェェェェ!!!」

逃げる事が適わないと観念した新八は、ならば・・・と坂本に向かって
身を乗り出し、力の限り頭突きを咬ましたのだった。

 

 


「・・・ボクはつれないのぅ」

「当たり前です」

トラウマを植付けに来たんですか、アンタは。低い声でそう言い捨てながらも、
濡らして来たタオルでソファに横になっている坂本の鼻を冷やす新八。

「いやいや、植え付けたいのはトラウマじゃくて種じゃき

うぉぉぉぃ!ドコまでセクハラ気分!!?
爽やかにとんでもない事言わないでください!」

全くもう・・・新八は大きく溜息を吐くと、冷やすのに邪魔なサングラスを
取ろうと手を伸ばした。
するとまた坂本にその手を掴まれる。

その行為にビクリと体を竦めると、それに気付いた坂本がクスリと笑った。

「・・・・なんですか」

ビビッてしまった事と、それに気付かれ笑われてしまった事に
新八はムッと口を尖らす。

「大丈夫じゃき。もうあんな遊びはしないき、安心するぜよ」

坂本はそう言って新八を宥め、掴んでいる手に口元を寄せた。
次の瞬間、可愛らしい音と生々しい感触が手に感じられ、
新八の顔は真っ赤に染まる。

「なっ・・・」

突然の事に口をパクパクと開けるだけで言葉に出来ない新八を余所に、
坂本はもう一度とばかりに、今度はベロリとその手を舐め上げ、

「次は遊びじゃなくて本気じゃ、新八」

そう言って、ニヤリと口元を上げたのだった。


*******************
春日様から頂きましたリクエスト
「いつもの如くヘラヘラしているが
グラサンの奥の目が獣の坂本に喰われる新八」
え~・・・すみません。食われませんでした(笑)
本当、仇返しになってしまいましたが・・・如何なもんでしょうι
少しでも気に入って頂けたら嬉しい限りなのですが・・・(滝汗)
って言うか坂本の口調が判りませんでした~。
色々とエセですみませんι
こんな調子ですが、これからもどうぞよろしくお願いします!
 

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最近銀さんが変だ。
気がつけば家事を進んでやってくれてる。
おまけに買出しなんかにも自主的に着いて来てくれる。

・・・ま、そこら辺は大人として当たり前の事なんだけどね?
銀さんとしてみると・・・変だ。
だって買出しに着いて来ても、お菓子を強請らないって!!

なので、何時もより一緒にいる時間が長くなってるんだけど、
銀さんは僕と視線を合わせない。
話掛けても上の空で、雰囲気が妙に食い違ってしまう。
そんな状況がここの所続いていて、

本当、居た堪れない。

神楽ちゃんもそれを感じているのか、ご飯を食べると
すぐに遊びに行ってしまった。

・・・あ、これは何時もの事か。

で、僕はと言うと、いい加減こんな雰囲気はイヤなので、真っ向勝負に
出る所だ。

全くページの進んでいないジャ○プを手に、ソファに座っている銀さんの
前に湯呑みを置き、僕は勢い良くその隣に腰を降ろした。
その瞬間、銀さんはびっくりした様に僕を見ると、キョロキョロと辺りを
見回し、慌てたように其処から立ち上がろうとした。

「・・・どこ行くんですか?」

そうは行くか!と、銀さんの袂を握り問い掛けると、そぉ~っと視線を
横に流し、 か、厠? と答えた。

・・・アンタ、さっき行ったばっかりじゃん。

そんな思いを込めてギロリと睨むと、銀さんは呻きながらも大人しく腰を
降ろした。
・・・が、ソロソロと僕との距離を取ろうと、移動していくのが
目に入る。

全く、往生際の悪いっ!!

「銀さん!!」

僕は離れた以上にグイッと銀さんに近付いてやった。
すると大袈裟に体を竦め、視線を彼方此方へと飛ばし始めた。
そんな銀さんの顔を両手で掴み、無理矢理視線を合わせる。

「・・・銀さん、どうしたんですか、一体」

何かありましたか?成るべく優しい声でそう問い掛けると、銀さんは
眉尻を下げ、序に視線も下げてしまった。

「・・・なんかあったのは・・・新八じゃん」

再度問い掛けようとしたその時、ポツリと銀さんの口から言葉が漏れた。

「別に何もないですよ?」

「あっただろぅが・・・ソレ」

銀さんの言葉に首を傾げると、チラリと僕の頬へと視線を上げた。


・・・やっぱりこれか・・・


予想していたとは言え、その理由に僕は溜息が出る思いだった。

数日前、僕達万事屋にゲーム機を買う為仕事が来た。
その時、ちょっとした事があり、真選組とゲーム対決する事となったのだが、
そのゲームのせいで、僕は銀さんに殴られてしまったのだ。

「別にアレは銀さんが悪い訳じゃないでしょうが」

その時の状況を思い出し、僕は銀さんにそう告げる。
ま、確かに痛かったけどね。でももうそんなに目立たないし、
あの後ちゃんと謝ってくれたし、どっちかって言うと
神楽ちゃんにボコられてた桂さんの方が可哀想だったし。

「それにアンタ、よく神楽ちゃんとか叩いてるじゃないですか」

そんな気にしないで下さいよ。そう言うと、それまでガックリと肩を
落として落ち込んでいた銀さんが顔を上げた。

「ばっか!アレは単なる躾だしつけ!意味なく叩いてる訳じゃねぇよ。
っつーか新八を殴るとかよぉ、本当、マジありえねぇよ」

ごめんなぁ。そう言って僕の手に自分の手を添え、優しく撫でてくる
銀さんに、ほんの少し顔が火照るのを感じた。

「銀さん、Sだけどさ、愛妻家なのよ。大事にしたいのよ。
なのにあんなゲーム如きでよぉ。本当情けねぇよ」


いや、その言葉は嬉しいんですけど・・・妻って。
この場合やっぱり僕の事を指してるんですよね?
ムカつくけど・・・なんか大切にされてるのは判って・・・
どうしよう、嬉しくて恥ずかし~!!!
ってこんな自分が余計恥ずかしいわっ!!!


ますます顔を赤らめる僕に気付かず、銀さんの言葉は続いていく。

「あぁいうのはさ、銀さんの趣味じゃないのよ。Sだけど。
いや、Sだからこそ違うのよ。SにはSなりの愛情込めたやり方って
もんがあってだな?それが本来のあるべき姿勢ってもんなのによぉ」

そう言ってガクリと俯く銀さんに、僕はちょっと首を傾げる。


・・・なんか、変な方向に話が行ってる気が・・・








「・・・勃っちまうんだもんなぁ、アレで」

「ぎゃぁぁぁぁ!!変態ぃぃぃ!!!」

思わず僕は銀さんの頭に頭突きをかましていた。


どうやら銀さんは、反省していると同時に、今までの自分の
性的姿勢に疑問を抱き、悩んでいたらしい。

って言うか、そんなもん同時進行すんなボケ。


違っ!新八、本当誤解だから!銀さんSだけど新八の事は
マジで大事だから!泣かしたいよりも笑ってて欲しいから!
いや、寧ろ鳴かしたい方向ですから、
夜通しと言うか年中無休で!!

「うっさい!!この変態天パ!!!」

その後、前とは逆に銀さんを避ける僕に、必死に付き纏う銀さん。
それを悉く拳で沈めてる僕は・・・

Sに目覚めるのも時間の問題かもしれない。

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まだ夜も明けてそんなに経っていない頃。
土方は徹夜明けの体を引きずり自室に帰る途中で、山崎に呼び止められた。
少しでも体を横にして休みたい土方にとって、それは目つきも悪くなるのに
拍車を掛けたが、既に慣れつつある山崎にそんなものは効きやしない。

けれど、好き好んで八つ当たりを受けたい訳でもないので、山崎は
至ってシンプルに呼び止めた用件を告げた。
それを聞いた土方は、大きく溜息を零して項垂れ、あと少しで辿り着ける
自室に背中を向けた。

 


まだ人通りも少ない道を歩き、土方は無事目的地へと辿り着いた。
古くはあるが、それなりに立派な玄関の前で来訪を告げれば、
奥の方から少し高めの声が返ってくる。
そして軽い足音と共に、この家の住人である眼鏡の少年の姿が現れた。

「あ、土方さん。お早うございます」

「あぁ・・・何時も悪いな。で、近藤さんは?」

ニコやかに挨拶をしてくる新八に、軽く手を上げて答え、
土方は 庭か? と視線をそちらへと動かした。
そんな土方に、 それが・・・と、新八は困ったように眉を下げた。

「どうした?」

「いえ、あの電話した時は何時もどおり倒れてたんです、庭で。
で、電話した後縁側まで運んだんですけど、そこに姉上が来て、
ハーゲ○ダッツがないわね・・・って言った瞬間・・・」

「・・・・行ったのか」

「・・・はい。そりゃ~もぅ凄い勢いで飛び起きて、そのまま・・・
一応その後真選組に電話したんですけど、もう土方さん、出られた後
だったみたいで・・・」

すみません。と頭を下げる新八に、土方は出そうになる溜息を飲み込み、
下げられた頭へと手を伸ばす。

「別にオマエのせいじゃねぇだろ。気にすんな。それに元々は
こっちが迷惑かけてんだしな」

「あはは、そうでした。」

軽く撫でながら言う土方の言葉に、新八の顔に笑顔が戻る。
それに安心した土方は、少し待たせてもらえるか・・・と聞き、
了解を得ると家の中へと足を踏み入れた。

 

「にしても、今日は車じゃないんですね」

何時もなら気絶した近藤を迎えに来るので、大抵車でやって来る。
なので、今日みたいな事があったとしても、無線で連絡が行くのだが・・・
縁側へと案内した新八が不思議に思い聞いてみると、

「あぁ。徹夜明けでな、事故りそうだったんで歩きだ」

と言う答えと、小さな欠伸が返ってきた。
土方にしては珍しいその行動に、新八の目が少し見開く。

「・・・本当に眠そうですね」

「まぁな・・・ここの所忙しくてな、きちんと眠れたのは確か・・・」

縁側に腰を下ろしつつ、指折り数え始めた土方に、新八の顔が心配げな
ものへと変わる。

「大丈夫なんですか?」

「あぁ、今日は午後からだし、もう少しすれば少しは楽になるからな」

土方はそう言うと、新しいタバコを取り出し、火を着けた。
新八はそれを見ると、近くの座敷に常備されている灰皿を持って来て
土方の隣へと置いた。

「・・・わりぃな」

「いえ、これもう真選組専用なんで」

気にしないで使ってください。
笑ってはいるが、どこか怖いその表情に、土方は少し首を傾げる・・・が、
その専用灰皿を見て納得した。

・・・この薄っすらとついてる染みは近藤さんのか・・・

細い部分に見える赤い染みに、この灰皿の本来とは違う使用例に気付いた
土方は今度こそ大きく溜息を零した。

「本当・・・わりぃ」

「いえ、もう慣れました。あ、今お茶持ってきますね」

肩を落とす土方に、先程とは違った本当の笑顔を送ると、そのまま台所へと
姿を消した。

縁側に残ったのは土方一人。
ナニをする訳でもなく、ただ目の前の庭を見詰めていると、
ドコからか小鳥の鳴く声が聞こえてきた。
気温は寒くもなく、かと言って暑くもなく。

・・・今眠ったら気持ちいいだろうなぁ。

等と思ってしまうのも無理はない。
だが、ここはただでさえ迷惑を掛け捲っている志村家の縁側なのだ。
・・・まぁ万事屋には色々とこちらも迷惑を掛けられてはいるが、それは
あくまであの銀髪に・・・な訳で。
大体一般常識を考えても、そんなに親しくない人様の家で寝る事は
出来ないだろう。
年若いながらも、キチンと背筋が伸びている新八の事を、
土方は気に入っているのだ。
そんな少年の前で、だらしない態度を見せる事は出来ない。

土方は遠くなりそうな意識を戻す為、力いっぱい頭を振ると、
短くなったタバコを灰皿へと押し付け、新しいものを口に咥えた。

「あ、土方さん。吸いすぎですよ?」

すると、背後から咎める様な声が土方にかかった。
それを緩慢な動きで振り返ると、

「眠気覚ましだ」

とだけ答えた。
その答えに新八はムッと口を歪める。

「そんな不健康な眠気覚ましは止めて下さい」

はい、どうぞ。そう言って手にしていたお盆を置き、土方に進める。

「おい・・・これ」

見ればソコには暖かそんな湯気を出すお茶と、美味しそうなお握りが。

「朝ごはん、まだですよね?」

僕もまだなんで一緒に食べましょう。そう言って笑う新八に、少し戸惑う。
ただでさえ眠いのだ。これで腹を満たしたら、眠気所じゃなく
一気に爆睡だろう。

「で、食べたら少しでもいいから寝てって下さい。
どうせ近藤さんが帰って来るまで待ってるんでしょう?
時間は有効に使わなきゃ」

迷う土方を他所に、ニコリと笑って 頂きます。 
と言うと、新八はお握りの一つを手に取り、食べだした。

土方は、そんな新八にフッと笑いを零すと、同じようにお握りへと
手を伸ばした。

「って言うかマヨネーズはねぇのか?」

「中身はツナマヨですよ。それで我慢して下さい」

土方の要望をキッパリと斬って捨てると、新八が あ と声を零した。
その視線を追えば、そこには何処かの家で上げられていく鯉幟の姿が。

「そう言えば今日はこどもの日でしたね」

新八の言葉に、土方は今日の日付を思い出す。


疲れた体を引きずって、漸く休めると思えば、近藤の回収要請

しかも来てみれば本人はいなく、睡魔と戦いつつの待機状態。

あと数時間もすれば、また激務の始まりだ。

だが・・・


土方は手にしていたお握りに齧り付き、優雅に泳ぎ始めた鯉幟に目をやる。


穏やかな朝日の中、美味しい握り飯にありつけた。

しかもその後は、近藤が帰って来るまで・・・と言う期限付きではあるが、
安らかな睡眠時間を手に入れる事が出来た。

おまけに隣には、結構気に入っている眼鏡の少年だ。


・・・中々いい誕生日なんじゃねぇのか?これは。


「いい日になりそうですね、今日」

「・・・・だな」

青い空を見上げ、そう笑う新八に、土方は口元を緩く上げ、答えた。

*******************
少し遅れましたが、トッシー誕生日話です。

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「・・・ねぇねぇ、新ちゃん?」

何時もの如く寝汚い銀時達を叩き起こし、朝食の準備をしていると
ヒョコリと銀時が台所に顔を出した。

「なんですか~」

手元から目を離さず、声だけで答えると、いや~、あのさ~・・・と
言いつつ銀時が新八の横までやって来て、軽く肩を叩いた。

「も~、なんですか!あと少しでご飯出来ますから、
向こうで待っててください」

「いや、そうじゃなくてさ。・・・これ、なに?」

「これ?」

漸く銀時の方を見た新八に、銀時は着ていた着流しの袖を広げた。

「・・・なんか変ですか?」

「ばっか。オマエ良く見てみって。ホラここ、ここ」

「ここ?」

首を傾げる新八に、銀時は脇の部分を指差す。
新八はよく見えるように眼鏡を掛け直しながら近付くと、そこには・・・

「・・・ナニ、これ」

ペタリと貼られたセロテープがあった。

「なんか破れてるのの上に貼られてるんだけど・・・」

言いながら、爪でカリカリとセロハンテープの上を引っかく銀時。
新八も釣られるように指でその上を辿る。
そして記憶の中から、なんとかこの状況を説明できるものを
探り出そうとし、

「・・・そう言えば一着破れてたのがあって、後で繕うと除けてたのが
あったのにはあったんですけど・・・」

そこまで言って、新八はあっ!と声を上げた。

「ん?ナニ」

「いや・・・昨日珍しく神楽ちゃんがお手伝いしてくれたんですけど・・・」

洗濯物を畳むぐらいなら、そんなに被害も出ないだろう。出るとしても
皺ぐらいだ。
そう思い、神楽に頼んだのだが・・・

「・・・途中でセロテープはドコか聞かれました」

何するか聞いても答えてくれなかったんですけど・・・これだったのか~。
そう言って新八はクスリと笑い、セロテープの部分に触れた。

「神楽ちゃん、直してくれたんですね」

「おいおい、銀さんの一張羅を工作気分ですか?」

全くあの娘はよぉ。そう言いながらも、銀時の口元は緩んでいて、新八の笑みも
ますます深まる。

「で、どうします?他の出しますか?」

新八が聞くと、銀時はん~と唸りながら頭を掻き、

「ま、いいや。面倒臭ぇし」

「そうして下さい。僕も出すの面倒臭いし」

「ちょっ!愛がない、愛がないよ、新八君~!!
そこはもっと大っぴらに出して行こうよ!!!

「ないものは出せませんよ、銀さん」

え?なにその無駄に爽やかな笑顔台詞とあってないよね?
明らかに間違ってるよね?ソレェェ!!!」

「そうですかぁ~?」

嘆く銀時を横目に、新八は楽しげに朝食の準備を着々と進めていく。

 


その日、何時もよりもほんの少しおかずの量が多かったり、
銀時のくれる、給料と言う名の酢昆布が、何時もより多かったりして、
神楽は不思議に思いながらも、大いに喜んだのであった。

 


「・・・でも、何時までもテープのままじゃな~」

折角直してくれたのに、洗濯の時に取らないといけないんですよね。
そう言って新八は洗濯籠の中に入れられていた銀時の着流しを
手にした。

「・・・お裁縫、教えたら覚えてくるかな、神楽ちゃん」

「とりあえずちゃんと片付けを覚えさせてからにしてくれな、奥さん」

針、危ねぇし。何時の間に来たのか、廊下からヒョコリと顔を出している
銀時が、ニヤニヤと笑いながら新八の独り言に答えた。

「・・・ま、銀さんのはこのままでいっか。神楽ちゃんのは
僕がやればいいし

っておぉぉぉいっ!!銀さんの言葉は無視ですかぁ!?
って言うか着物も銀さんも放置プレイ!!?
寂しくて泣いちまうだろうが、コラァ!!

「あ、神楽ちゃんの練習用に丁度いいのが・・・」

うぉぉぉいぃっ!!それ銀さんの口ィィィィ!!!
ちょっ、おま本当・・・すんませんでしたぁぁぁ!!!!

*******************
傘の話で神楽がお裁縫出来たのを見て、
新八が教えてたら微笑ましいなぁ・・・とv
・・・ま、坂田氏にとっては微笑ましくもなんともないんですが(笑)
でもきっとチラチラジャ○プから盗み見しててニヤけてるんだぜ。
で、気が付けばファンシーなアップリケを縫い付けられてるんだぜ、
着流しに(笑)

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「そう言えばコレ、貰ってきたんです」

皆で使いましょうね。そう言って新八が持ってきた紙袋から取り出したのは、
新品のドライヤーだった。

「別に今使ってるのも壊れてねーだろ」

新八の作った朝食を食べながら、何で貰ってきたんだ?と聞くと、

「姉上の同僚の方が、懸賞で当たったらしいんです。
でもそのちょっと前に、新しいのを買ってしまったらしく、
いらないからって貰ってきたんですよ」

「ふーん・・・ま、当たるとは思わないからな」

ま、タダならいいけどさ、今のどうするよ。味噌汁を啜りながら
言うと、向かい合わせで飯を流し込んでいた神楽がバンッ!とテーブルに
箸を置いた。

「アレ、駄目ネ。熱いでやっても時々冷たくなるヨ」

「馬っ鹿、オマエあれだよ?ヤツは俺らの心配をしてくれる憎いヤツよ?
あんまり熱過ぎると髪が痛むよ~って、心配してくれてんのよ」

「寧ろ風邪を引く方を心配をして欲しいです。」

「で、今度のはきちんと熱い旋風を巻き起こしてくれるアルカ?

「いや、そこまでいかないから。普通だから。」

「なんだよ~、オイ~。ツマンネーヤツだな、コノヤロー」

「おいいぃぃぃぃぃぃぃ!?ナニ求めてんの?
ドライヤーにナニ求めてんの!?

ケッとばかりに鼻を鳴らし、ご飯の続きを始める神楽にキチンとツッコミを
入れ、新八は あ、でも・・・と呟き、

「マイナスイオンを噴出すらしいですよ」

ニコリと笑った。

 

 

その後、マイナスイオンの底力を見たいと、朝っぱらから風呂に入ろうとする
神楽を止め(そんな余裕は万事屋にはない)なんとか過ごした本日。

少し早い夕食を終え、まず神楽が入り、次いで銀時の番になった。
風呂に入る頃にははしゃいだ声と共に、ドライヤーの音が響いていたので、
今頃はマイナスイオンとやらの効果を実感している事だろう。

・・・けど、マイナスイオンの効果ってなんだ?
天パの性格矯正でもしてくれるってーのか?
オイオイ、あんま舐めてもらっちゃ困るぜ、コノヤロー。
是非お願いしますっ!!!

わしゃわしゃと、銀時は洗い終わった髪をタオルで適当に拭きつつ、
風呂場を出た。
途端、聞こえてくる楽しげな声。

「おいおい、あんま騒ぐとババァが殴りこんで来るぞ」

そう言って居間に戻れば、突然腹部目掛けて飛び込んでくる弾丸の如き
物体。

「ぐふぁうっ!!」

「見るヨロシ、銀ちゃん!髪、サラサラネ!!凄いヨ、マイナーネオン!!」

「神楽ちゃん、マイナスイオンね」

「ほら、見るヨロシ。白目剥いてんじゃねーヨ、マダオォォ!!!

あまりの衝撃に返答も出来ない銀時の襟首を掴み、ガクガクと物凄い
勢いで揺さぶる神楽。
それに漸くの事意識が戻りつつあった銀時が、なんとか頭を叩いて
止めさせた。

「テメー、銀さんの『死んだような目』『死んだ目』
なるとこだったじゃねーか!!!」

「んだよ~、似たようなもんだろ~」

ムスッとしながらも、神楽は自分の頭を叩いた銀時の手を取り、
ほら、サラサラネ。と、自分の髪へと導いた。

「あ~、はいはい・・・ん?」

銀時はダルそうにしながらも、その髪を撫で、そして少し目を丸くした。
その表情に、神楽はニッと笑みを零すと、

「ね、凄いアル」

と嬉しそうに銀時に告げた。

「じゃ、僕も入ってきますね。」

そんな二人を見ていた新八は、手にしていたドライヤーをテーブルの上に
置くと、神楽の頭を拭き終えたタオルを片手に風呂場へと向かった。

残されたのは、自慢げな神楽と感心気に神楽の髪を撫でる銀時。

「きっと銀ちゃんもサラサラになるネ」

「あ?あ~・・・いやいや、銀さんそんな気にしてないから。
気にしてないけど・・・アレだ。オマエがそんなに言うなら
俺もこれで乾かしてやるかな、うん」

「・・・別に其処まで言ってねーヨ。」

「いやいや、言ってるって。銀さん判ってるって!」

本当、しょうがねーなー。そう言って白けた目を向ける神楽を余所に、
銀時は新しいドライヤーへと手を出した。

 


「・・・・・アレ?」

「・・・銀ちゃん、変わってないアル」

「いやいやいや、そんな事は・・・って、アレェェェ!!?

乾かし終わった自分の頭をワサワサと触る銀時。
けれどそれは期待していたモノとは違い、寧ろ慣れ親しんだもので。

「やっぱ天パは天パ~ネ」

語尾を伸ばすなぁぁ!!っつーかなんだよ、コレ!不良品か!?」

「不良品じゃないネ。私のはサラサラヨ。ま、良かったアル。
天パの勝利ネ!

そんな勝利はいらねーんだよ!!
おいコラ頑張れよ、マイナスイオン。
オメェはこんなトコで負けるヤツじゃねぇだろぉぉ!!

「・・・アンタ、マイナスイオンとどんな関係なんですか・・」

ドライヤー片手に騒いでる二人に、新八が同じように頭を拭きながら
居間へと戻ってきた。
それに銀時は振り返ると、不良品だだの、根性なしだ、
だのとドライヤー片手に訴えた。

「んな訳ないでしょうが・・・」

「んじゃオマエも早くコイツで乾かせ!」

溜息を吐く新八を引き寄せ、自分の前に座らせると、銀時はドライヤーの
スイッチを入れてやや乱暴に乾かし始めた。

 

「ホラ見ろ。新八も変わんねぇじゃねーか、やっぱ不良品だ」

「本当アル・・・」

強制的に乾かされた髪を二人掛りでワシャワシャと掻き回される。
え、そんな事は・・・と新八は慌てて付いていた解説書を手に取る。
そしてある程度読み進めると、なんだ・・・とホッと笑みを零した。

「やっぱり不良品じゃないですよ。ここに元々髪が真っ直ぐで
まとまり易い人には効果が見えにくいってありますもん」

「へ?」

「なんだ、それじゃやっぱ天パの完全勝利ネ!」

「だからそんな勝利はいらねーんだよ、
クソがぁぁぁ!!!」

叫びと共にドライヤーを床に叩きつけようとした銀時を、神楽が
華麗な足蹴りで止め、そのまま二人で乱闘へと傾れ込む。
それを眺めていた新八が、

「って言うか、髪の短い人も効果が見えにくいってあるんだけど・・・」

と言う呟いたのも知らずに。

*********************
・・・ヤツの力は半端ねぇ(真剣)

拍手[2回]


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