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「・・・ねぇねぇ、新ちゃん?」
何時もの如く寝汚い銀時達を叩き起こし、朝食の準備をしていると
ヒョコリと銀時が台所に顔を出した。
「なんですか~」
手元から目を離さず、声だけで答えると、いや~、あのさ~・・・と
言いつつ銀時が新八の横までやって来て、軽く肩を叩いた。
「も~、なんですか!あと少しでご飯出来ますから、
向こうで待っててください」
「いや、そうじゃなくてさ。・・・これ、なに?」
「これ?」
漸く銀時の方を見た新八に、銀時は着ていた着流しの袖を広げた。
「・・・なんか変ですか?」
「ばっか。オマエ良く見てみって。ホラここ、ここ」
「ここ?」
首を傾げる新八に、銀時は脇の部分を指差す。
新八はよく見えるように眼鏡を掛け直しながら近付くと、そこには・・・
「・・・ナニ、これ」
ペタリと貼られたセロテープがあった。
「なんか破れてるのの上に貼られてるんだけど・・・」
言いながら、爪でカリカリとセロハンテープの上を引っかく銀時。
新八も釣られるように指でその上を辿る。
そして記憶の中から、なんとかこの状況を説明できるものを
探り出そうとし、
「・・・そう言えば一着破れてたのがあって、後で繕うと除けてたのが
あったのにはあったんですけど・・・」
そこまで言って、新八はあっ!と声を上げた。
「ん?ナニ」
「いや・・・昨日珍しく神楽ちゃんがお手伝いしてくれたんですけど・・・」
洗濯物を畳むぐらいなら、そんなに被害も出ないだろう。出るとしても
皺ぐらいだ。
そう思い、神楽に頼んだのだが・・・
「・・・途中でセロテープはドコか聞かれました」
何するか聞いても答えてくれなかったんですけど・・・これだったのか~。
そう言って新八はクスリと笑い、セロテープの部分に触れた。
「神楽ちゃん、直してくれたんですね」
「おいおい、銀さんの一張羅を工作気分ですか?」
全くあの娘はよぉ。そう言いながらも、銀時の口元は緩んでいて、新八の笑みも
ますます深まる。
「で、どうします?他の出しますか?」
新八が聞くと、銀時はん~と唸りながら頭を掻き、
「ま、いいや。面倒臭ぇし」
「そうして下さい。僕も出すの面倒臭いし」
「ちょっ!愛がない、愛がないよ、新八君~!!
そこはもっと大っぴらに出して行こうよ!!!」
「ないものは出せませんよ、銀さん」
「え?なにその無駄に爽やかな笑顔。台詞とあってないよね?
明らかに間違ってるよね?ソレェェ!!!」
「そうですかぁ~?」
嘆く銀時を横目に、新八は楽しげに朝食の準備を着々と進めていく。
その日、何時もよりもほんの少しおかずの量が多かったり、
銀時のくれる、給料と言う名の酢昆布が、何時もより多かったりして、
神楽は不思議に思いながらも、大いに喜んだのであった。
「・・・でも、何時までもテープのままじゃな~」
折角直してくれたのに、洗濯の時に取らないといけないんですよね。
そう言って新八は洗濯籠の中に入れられていた銀時の着流しを
手にした。
「・・・お裁縫、教えたら覚えてくるかな、神楽ちゃん」
「とりあえずちゃんと片付けを覚えさせてからにしてくれな、奥さん」
針、危ねぇし。何時の間に来たのか、廊下からヒョコリと顔を出している
銀時が、ニヤニヤと笑いながら新八の独り言に答えた。
「・・・ま、銀さんのはこのままでいっか。神楽ちゃんのは
僕がやればいいし」
「っておぉぉぉいっ!!銀さんの言葉は無視ですかぁ!?
って言うか着物も銀さんも放置プレイ!!?
寂しくて泣いちまうだろうが、コラァ!!」
「あ、神楽ちゃんの練習用に丁度いいのが・・・」
「うぉぉぉいぃっ!!それ銀さんの口ィィィィ!!!
ちょっ、おま本当・・・すんませんでしたぁぁぁ!!!!」
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傘の話で神楽がお裁縫出来たのを見て、
新八が教えてたら微笑ましいなぁ・・・とv
・・・ま、坂田氏にとっては微笑ましくもなんともないんですが(笑)
でもきっとチラチラジャ○プから盗み見しててニヤけてるんだぜ。
で、気が付けばファンシーなアップリケを縫い付けられてるんだぜ、
着流しに(笑)