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最近銀さんが変だ。
気がつけば家事を進んでやってくれてる。
おまけに買出しなんかにも自主的に着いて来てくれる。
・・・ま、そこら辺は大人として当たり前の事なんだけどね?
銀さんとしてみると・・・変だ。
だって買出しに着いて来ても、お菓子を強請らないって!!
なので、何時もより一緒にいる時間が長くなってるんだけど、
銀さんは僕と視線を合わせない。
話掛けても上の空で、雰囲気が妙に食い違ってしまう。
そんな状況がここの所続いていて、
本当、居た堪れない。
神楽ちゃんもそれを感じているのか、ご飯を食べると
すぐに遊びに行ってしまった。
・・・あ、これは何時もの事か。
で、僕はと言うと、いい加減こんな雰囲気はイヤなので、真っ向勝負に
出る所だ。
全くページの進んでいないジャ○プを手に、ソファに座っている銀さんの
前に湯呑みを置き、僕は勢い良くその隣に腰を降ろした。
その瞬間、銀さんはびっくりした様に僕を見ると、キョロキョロと辺りを
見回し、慌てたように其処から立ち上がろうとした。
「・・・どこ行くんですか?」
そうは行くか!と、銀さんの袂を握り問い掛けると、そぉ~っと視線を
横に流し、 か、厠? と答えた。
・・・アンタ、さっき行ったばっかりじゃん。
そんな思いを込めてギロリと睨むと、銀さんは呻きながらも大人しく腰を
降ろした。
・・・が、ソロソロと僕との距離を取ろうと、移動していくのが
目に入る。
全く、往生際の悪いっ!!
「銀さん!!」
僕は離れた以上にグイッと銀さんに近付いてやった。
すると大袈裟に体を竦め、視線を彼方此方へと飛ばし始めた。
そんな銀さんの顔を両手で掴み、無理矢理視線を合わせる。
「・・・銀さん、どうしたんですか、一体」
何かありましたか?成るべく優しい声でそう問い掛けると、銀さんは
眉尻を下げ、序に視線も下げてしまった。
「・・・なんかあったのは・・・新八じゃん」
再度問い掛けようとしたその時、ポツリと銀さんの口から言葉が漏れた。
「別に何もないですよ?」
「あっただろぅが・・・ソレ」
銀さんの言葉に首を傾げると、チラリと僕の頬へと視線を上げた。
・・・やっぱりこれか・・・
予想していたとは言え、その理由に僕は溜息が出る思いだった。
数日前、僕達万事屋にゲーム機を買う為仕事が来た。
その時、ちょっとした事があり、真選組とゲーム対決する事となったのだが、
そのゲームのせいで、僕は銀さんに殴られてしまったのだ。
「別にアレは銀さんが悪い訳じゃないでしょうが」
その時の状況を思い出し、僕は銀さんにそう告げる。
ま、確かに痛かったけどね。でももうそんなに目立たないし、
あの後ちゃんと謝ってくれたし、どっちかって言うと
神楽ちゃんにボコられてた桂さんの方が可哀想だったし。
「それにアンタ、よく神楽ちゃんとか叩いてるじゃないですか」
そんな気にしないで下さいよ。そう言うと、それまでガックリと肩を
落として落ち込んでいた銀さんが顔を上げた。
「ばっか!アレは単なる躾だしつけ!意味なく叩いてる訳じゃねぇよ。
っつーか新八を殴るとかよぉ、本当、マジありえねぇよ」
ごめんなぁ。そう言って僕の手に自分の手を添え、優しく撫でてくる
銀さんに、ほんの少し顔が火照るのを感じた。
「銀さん、Sだけどさ、愛妻家なのよ。大事にしたいのよ。
なのにあんなゲーム如きでよぉ。本当情けねぇよ」
いや、その言葉は嬉しいんですけど・・・妻って。
この場合やっぱり僕の事を指してるんですよね?
ムカつくけど・・・なんか大切にされてるのは判って・・・
どうしよう、嬉しくて恥ずかし~!!!
ってこんな自分が余計恥ずかしいわっ!!!
ますます顔を赤らめる僕に気付かず、銀さんの言葉は続いていく。
「あぁいうのはさ、銀さんの趣味じゃないのよ。Sだけど。
いや、Sだからこそ違うのよ。SにはSなりの愛情込めたやり方って
もんがあってだな?それが本来のあるべき姿勢ってもんなのによぉ」
そう言ってガクリと俯く銀さんに、僕はちょっと首を傾げる。
・・・なんか、変な方向に話が行ってる気が・・・
「・・・勃っちまうんだもんなぁ、アレで」
「ぎゃぁぁぁぁ!!変態ぃぃぃ!!!」
思わず僕は銀さんの頭に頭突きをかましていた。
どうやら銀さんは、反省していると同時に、今までの自分の
性的姿勢に疑問を抱き、悩んでいたらしい。
って言うか、そんなもん同時進行すんなボケ。
「違っ!新八、本当誤解だから!銀さんSだけど、新八の事は
マジで大事だから!泣かしたいよりも笑ってて欲しいから!
いや、寧ろ鳴かしたい方向ですから、
夜通しと言うか年中無休で!!」
「うっさい!!この変態天パ!!!」
その後、前とは逆に銀さんを避ける僕に、必死に付き纏う銀さん。
それを悉く拳で沈めてる僕は・・・
Sに目覚めるのも時間の問題かもしれない。