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新八と神楽は仲が良い。
偶に喧嘩もするけれど、気が付けば仲直りしている。
ぶっちゃけ、本物の兄弟よりも仲が良いかもしれない。
・・・ま、これは神楽限定だけどな。
新八のシスコンぶりは筋金入りだからね。
まぁ既に家族のようなものであるから、それは別に
いいんだけどよ・・・
その日、朝珍しく自主的に起きると、既に押入れは蛻の殻だった。
思わず時計を見れば、奇跡の時間、六時半。
俺以上にありえない神楽の起床に、大きく頭を傾げる。
あ、でも腹が減ったら起きそうだ、あいつは。
そんな事を思って台所へ行こうとした時、玄関の開く音と
二人分の聞き慣れた声が耳に入ってきた。
「あれ?銀さんが起きてる。
これなんて白昼夢?」
「本当ネ。もしや腹が減って起きてきたアルカ?」
「テメーじゃねぇんだからんな事で起きるか。
単なる奇跡だ」
どうもまだ頭が働いていないらしい。
なんか自分さえも敵に回した気分だ。
ってかオマエらもそれで納得すんなよ。
頼むから否定する優しさを持ってくれ。
「まぁいいや。朝食の用意するんで、少し待って下さいね」
軽く流し、新八が台所へと向う。
それを見送り、俺は顔を洗う為行き先を台所から洗面所へと
移した。
そして居間へと帰ってくれば、ソファに座り、ニコニコと嬉しげに
手元を見ている神楽。
「なんだ、そりゃ」
覗いてみれば、綺麗に並んで押された判子の数々。
・・・あぁ、そう言えば何が楽しいんだか
ラジオ体操に行ってるって言ってたっけ、コイツ。
という事はその帰りにでも新八と会ったって感じか・・・
神楽が居なかった理由と、新八と共に帰って来た理由が
判り一人納得していると、神楽の手元のカードが二枚ある事に
気付いた。
不思議に思い聞いてみると、なんと新八の分だという。
「え?新八も一緒に行ってんの?」
そう言うと丁度朝食を運んできた新八が、何当たり前の事
聞いてんだ。という表情を向けてきた。
「幾ら明るいって言っても、まだ人通りも少ないですからね。
神楽ちゃん一人で行かせられる訳ないでしょ?」
何かあったらどうすんですか。と少し怒って言う新八に
ちょっと首を傾げる。
や、コイツにある何かって何ですか?
聞いてみたいが怒られそうなので止めておく。
うん、少しは頭が動いてきたな、俺。
「大体一人じゃ起きれないでしょ、神楽ちゃん」
あ、それは納得。
俺は大きく頷いた。
・・・ってかそれなら新八は何時に起きてここに
来てるんだろう。
今日、それを理由に泊まっていけと言ってみようと心に誓い、
俺は出来立ての朝食に手を合わせた。
昼頃、買い物に行くと言う新八に、今朝心に誓った事を
言ってみた。
すると難なく了解を貰えて、ほんの少しラジオ体操に感謝する。
ウキウキ序に買い物に付き合おうかと聞けば、
それはいいです。と答えられた。
なんでも神楽が荷物持ちとして一緒に行くらしい。
・・・成る程、これ程の適任者はいないな。
大半が神楽の胃袋に入るもんだし。
・・・で、さぁ。ちょっと聞きたいんだけど・・・
「なんでオマエ等手ぇ繋いでんの?」
そう、一体どういった訳か、目の前の二人は仲良く手を繋いでいたりする。
や、前から偶に繋いでるけどね?
だからこそ、前々かせ聞いてみたかったんだけどね?
すると、神楽と新八は一瞬顔を見合わせ、次にコトリと
首を傾げた。
まさに『何か変?』『ん~?別に~?』状態だ。
「や、だから手・・・」
それでも負けずに再度問い掛けてみると、新八が だって・・・と
口を開いた。
「神楽ちゃん、すぐにどっか行っちゃうんですもん。
危ないでしょ?」
・・・いや、だからオマエは一体神楽を何歳だと・・・
「財布の中身、並びに通帳の残高が」
そう言った新八の視線は、何処か遠くを見ていた。
・・・うん、そうだね、ごめん。
神楽が何歳とか、そう言うのが問題じゃなかったな。
神楽が神楽である事が問題だったな。
俺は心を篭めて、『気をつけていってらっしゃい』と
二人を送り出すことにした。
夜、今日は新八がお泊りと言うことで少しだけ下のババァの
トコで呑んで帰ってくると、何故か新八が風呂場の前に座っていた。
しかもどうやら神楽が風呂に入っているらしい。
おいおい、何やってんの?それ、神楽よ?
銀さんじゃないだよ?
間違ってんじゃねぇよ。
「間違ってるのはアンタの思考回路ですよ」
「げっ!銀ちゃんそこに居るアルカ?
新八、さっさと追い払うヨロシ!」
風呂場から聞こえてきた声に、新八は はいはい。と腰を上げると、
呆然と立っている俺の背を押して居間へと移動させた。
「え?何?なんでこうなんの?
ってかオマエ何やってたんだよ」
「僕は神楽ちゃんの話し相手ですよ。
一人で入ってるのって暇なんですって。
ってか当然でしょ。神楽ちゃんもお年頃なんだから、
少しは気をつけて下さいね?」
新八はそう言うと俺をソファへと座らせ、神楽に呼ばれるまま
風呂場へと戻っていった。
・・・多分、思考回路が間違ってるのは
俺だけじゃねぇ。
そう思い、文句を言いに行ったら、ものっそいスピードで
濡れタオルが顔に飛んできやがった。
・・・タオルって人、殺せるよな、これ。
その後も、夜寝ているとお腹が空いたと神楽が起こしに来て、
新八が夜食を作りに行ったりだとか。
(ちなみに俺がお誘いしたら、顔面に拳が飛んできた)
ご飯が足りなくなれば新八が自分の分をあげたりとか。
(しかもあーんって!!)
俺はお菓子一つしか許してくれないのに、神楽は
二つまでかってやったりしたとか。
(おまけに帰りにまた手を繋いでいて、俺には代わりにと
荷物を渡された)
友達の家まで迎えに行ったりだとか・・・
(酔い潰れた俺の場合は、その辺に捨てられた)
「・・・オマエ、神楽の事甘やかし過ぎじゃね?」
「だって可愛いんですもん」
「銀さんも十分可愛いと思うんだけど・・・」
「だって可愛いんですもん」
「いや、だから」
「だって可愛いんですもん」
「・・・・」
その日、俺が枕を濡らしたのは言うまでもねぇよ、コンチキショー。
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五万打企画第八弾。友人かがみからのリクで
「私の愉快な日常を銀/魂キャラで」
と言う事で、愉快かコノヤロー。
最初はスルーする気満々だったんですが、
「絶対スルーするよね」と言われたので
あえて書きましたよ、えぇ!
ちなみに姪と私のささやかな日常話です。
・・・可愛いんだから仕方が無い。
以上で五万打企画は終了となります。
参加して下さった皆様、読んで下さった皆様、
本当に有難うございましたvvv
これからもどうぞよろしくお願いしますv