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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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ある日、街中を歩いていると『お兄さん、お兄さん』と
声を掛けられた。

・・・あぁ、またか。

僕は声を背に、大きく息を吐く。

とりあえず聞こえる声からすると、相手は男性だ。
そうなると大抵声を掛けてきた用件が読めてくる。

多分強制ATMか街角アンケートだ。

どうも僕は気弱に見えるらしく、こういう輩が後を絶たない。
ちなみにちらしやらティッシュやらもガンガン
目の前に差し出される性質だ。

・・・や、それは嬉しいんだけどね?
今日もがっつり山ほど貰ったけどね?
ちらしだって、家に帰ってメモ用紙にする予定だけどね?

でも、それ以外は歓迎できない。・・・と、僕はその声を
無視して進もうとしたが、相手もしぶとく、
声だけでなく僕の肩を掴んできた。

あ~、もう面倒臭いなぁ!

ここはガツンと言ってさっさと帰ろう・・・と、僕は
目一杯顔に迷惑ですと書いて振り返り・・・




「あぁ、やっとこっち見た。
ね?ちょっと俺に殺されてみない?」




視線の先で物凄い笑顔を浮かべている神威さんの言葉に、
本気で泣きたくなった。

「あ、間違った。君相手だったら
ちょっと俺に犯されてみな・・・」

「すみません、ちょっと浮かれてました。
ガツンなんて言えるレベルじゃありませんでした。
え?何コレ。普通に歩いてただけなのに、
なんで突然死亡フラグ?
しかも回避不可能的な!!」

「やだな~、死亡フラグだなんて。
どちらかって言うと痴情フラ・・・」

「言わせねぇよ!?
無理ですから、どちらも拒否しますから。
全力でフラグ折にまわりますからね、僕っ!!」

ニコニコと笑顔のままでとんでもない事を言い出す神威さんに
そう言い渡すと、 なんだ残念。 と全く残念そうでない顔
向けられた。

・・・なんだろう。ほんの数分の間で
物凄く疲れたんだけど。

もう今すぐにでも家に帰って倒れ込みたい気分なのだが、
目の前の神威さんから逃げ切れる可能性がまったく
見えない
ので、小さく息を吐き出すだけにしておく。

・・・ってかこの溜息で僕の今の気持ちを判ってくれないかな~?

なんて希望を持ちながらちらりと見てみれば、
満面の笑みでコトリと首を傾げ、差していた傘の持ち手を変えて
空いた方の手でガシリと僕の腕を掴んできた。

・・・ですよね~。
判る気、サラサラなさそうですし、
判っても気にしなさそうですもんね~。
寧ろ判っててやってそうですもんね~。

「で?今日はどうしたんですか?」

溜息を吐くぐらいは許されるだろう・・・と、僕は再び盛大に
息を吐き出しながら問い掛ければ、暇だったから。と
なんとも簡潔で判りやすいお答えが返って来た。

あぁ、そうなんですか、お暇だったんですか。
ちなみに僕は暇じゃないんですけどね?
この後買い物に行って万事屋に帰って洗濯物とか取り込んで
お風呂の掃除なんかもしなくちゃいけないんですけどね?

・・・ま、貴方には全く関係ない事なんで、
絶対無視されそうですけど、そこら辺。

とりあえず僕は暇潰し相手に選ばれてしまったらしい。
お茶でも飲む?と手を引かれ、近くの公園へと連れ込まれてしまった。

・・・うん、とりあえず公園で本当に良かったと思う事に
しておこう。

 

 

 






 

「しかし不思議なトコだね、ここは」

言葉通りお茶を買って貰い、公園のベンチに二人で腰掛けていると
不意にそんな事を言われた。

「何がですか?」

問い返せば、これこれ。と言って大量のポケットティッシュを
ポケットから取り出してきた。

「タダでこんなにくれるなんて、変だよね?」

「あ~、そうかもしれませんね?
僕なんかはもう普通になっちゃいましたけど」

寧ろ買うのが勿体無くて、自ら貰いに行く勢いだ。
だが、神威さんにとっては不思議らしい。
他にもこんなのを貰ったと色々と出してくる。

そう言えば神楽ちゃんも最初は不思議がってたっけ。

ポケットティッシュを貰い、

『本当にいいのか、後悔しないアルカ!?』

と何度も念押ししていた記憶がある。

「ま、いいんじゃないですか?
配ってる方もお仕事ですし、貰えるものは貰っとけば」

「そっか。じゃあこの金も遠慮なく貰って・・・」

「ちょっと待ってください」

そう言った神威さんの手元には、何故だか数個の財布があって。

「ちょ、アンタ何やってんですかぁぁ!!!」

「ん?や。なんか歩いてたらくれたんだよ、自主的に」

・・・すみません、それどんな状況ですか。
寧ろどんな状況下を作り出してたんですか、アンタ。

「ちなみにこっちは気持ち悪いおっさんがくれたヤツ」

そう言って出したのは、帯にくるまれた分厚い札束で・・・

「・・・本気で何やってんですか」

ってかどんな意味で差し出したか判らないけど、
ものっそい勇者がいたもんだな、おい!

「ま、これだけあれば一食分ぐらいにはなるよね。
奢ってあげるから一緒に食って、んで食わせて」

「すみません、色々ツッコミたいんですが
あり過ぎて面倒くさいんでとりあえず・・・」

ニコニコな神威さんの言葉に手を翳して待ったを掛け、


「お先失礼しまっす!!!!」

 

と、僕が勢い良く逃げ出したのは言うまでもない。














逃げ切れたどうかは・・・また別の話・・・なんだけどね。


************
五万打企画第七弾。白様からのリクで、
「神新で新ちゃんをナンパ」というものでしたが・・・
如何だったでしょうか。
なんか所々不適切な兄ちゃんが出てきてしまった
ような・・・ι

こんな感じになってしまいましたが、
少しでも気に入って頂けたら嬉しい限りです!

企画参加、有難うございましたvv

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