忍者ブログ
銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



 

既に恒例となりつつある、万事屋での怪談話。

何時通りの時間帯、何時も通りの面子。

そんな中・・・


「いや~、こんな事してたなんて知らなかったですよ」

「・・・なら知らないままで良かったんじゃね?」


地味なモンが一つ、ニコヤカに増えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 


「ってか何でテメェまで居んだよ。
来んなよ、帰れよ。序にコイツ連れてけよ」

「無理言わないで下さいよ、旦那。特に最後部分。
それに俺、今休憩時間ですから」

まぁだからこそ隊長を連れ戻すよう言われたんですけど。
そう言う山崎は、暢気に沖田の隣に座ったままお茶をズズッと啜った。

「なら尚更言うとおりにしろよ。
命令だろ?命令優先だろ?」

「それはそうなんですが・・・」

「山崎ぃ、休憩はきちんととんな」

「了解です、隊長」

「優先すべき順番、間違ってね!?」

アホかっ!!と叫ぶ銀時の横で、同じようにお茶を啜っていた
新八が、まぁまぁと苦笑して宥めてくる。
ちなみにその反対側では神楽が座っており、
銀時は二人に挟まれている形になっている。

ので、銀時は早々に諦めの体制に入った。

どうやら色々気に食わない事が盛り沢山だが、それ以上に
今の体勢は幸せらしい。

故に、怒りは然程続かない。

やってられねぇ。とばかりにダラリと背凭れに体を預けた銀時を
横目に、神楽が山崎へと声を掛けた。

「ってか特別に入れてやるから、なんか話せヨ」

「いや、なんかって言われても・・・」

怪談でしょ?そう言い、何かあったかな・・・と、山崎は
天井へと視線を向けた。

そして暫し考えた後、何か思い出したのかポンと軽く手を叩く。

「まぁそんなに怖くはないんだけど・・・」

そう言い、沖田から手渡された懐中電灯を顔の下から照らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


これは少し前の張り込みの時の話。


「・・・今日も動きはなし・・・か」

夜も更けきった頃、山崎はカーテンを少し開けた部分から、
目的である部屋を見詰めていた。

既にその部屋の人物は眠ったらしく、窓の明かりは消えている。

山崎は深々と息を吐き出し、覗いていた双眼鏡から目を離した。

ここに来て既に一週間、流石にずっと同じ体勢で居る時間が長い為、
肩や腰にくる。

山崎はクルクルと軽く肩を回すと、敷きっぱなしにしている
布団へと腰を下ろした。

大体のサイクルは判ってきているので、今から少しだけ
仮眠が取れる。

それでも一応は・・・と、山崎はカーテンを少し開けたまま、
そちらに向けて体を横たえた。

道を挟んだ向かい側、そこに対象者の部屋がある。

本当なら少し離れていた方がいいのだが、これはこちらが気を付けていれば
いい事だ。

それにここは長い間人が住むことはなく、空き部屋だったと言うので、
無人を装っていれば警戒される事はないだろう。

それにしても・・・と、山崎は窓を眺めながらぼんやり考える。

部屋は角部屋、まだ新しいし、交通の便も買い物もいい。
結構な好条件だと思うのだが、なんでずっと空き部屋だったんだか。

・・・まぁ怪しいヤツがお向かいさんってのがあるけどね。

そんな事を思って小さく笑い、山崎はそのまま暫しの休息を得るべく、
瞳を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

 


眠りに落ちてどれだけ経ったのか、不意に山崎の意識が浮上した。
何か変な感じがしたのだ。

「・・・何だ?」

まだぼんやりする頭で、それでも窓の向こうに視線をやる。
すると、少しだけ開いているカーテンの隙間に、白いものが見えた。

山崎は一瞬にして目を覚まし、慌てて体を起こそうとし・・・
ピタリと動きを止めた。

最初、対象者に動きがあったと思ったのだ。
窓の向こうはまだ暗くて、対象者の部屋は真向かいだ。
そんな中、白いものが見えたのだから、明かりがついたとか
そう言ったものだと思ったのだ。

と言うか、それ以外考えられないだろう。

だってここは角部屋で。
直ぐ前は道になっていて。
しかも部屋の位置は三階で。
おまけにベランダもない窓なのだ、そこは。

なのに・・・


固まる山崎の視線の先。

 

 

 






そこには、カーテンの隙間から大きな目が
こちらをじっと見下ろしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 


「ぎゃぁぁぁぁぁっ!!!!!」

ボソリと言いおわった後、間を挟む間もなく叫び声が響いた。
言うまでもなく、銀時だ。

そんな銀時に、山崎が大袈裟だなぁ、なんて苦笑する。

「そんなに怖くなかったでしょ?
ただ見られてただけですし」

ねぇ。山崎はそう言って新八達に話を振った。

「そうですよ、全く銀さんってば怖がりなんですから」

「怖がりってなんだよっ!
違うから、そんなんじゃないから」

「なら離して下さい、手」

「そうネ、汗ベトベトで気持ち悪いヨ」

「うるせぇよ!暑いんだから仕方ねぇだろ!?
ってかなんでそんなに平然としてんだよ、お前らっ!!」

銀時は嫌がる新八達の手を握ったまま、そう力説する。
それに沖田はフルフルと緩く首を振った。

「判ってねぇですねィ、旦那ァ。
どうせその目は『様子を見に来た近藤さんか土方さん』って
オチがついてんですから、怖がる必要ねぇでさァ」

「そうそう、もうオチが読めてきたネ」

「マジでか。
んだよ、態々雰囲気作ってやって損したぜ」

「なら離して下さい、手」

ギャアギャアと騒ぎ出す銀時達に、山崎はコトンと首を傾げた。

「局長達じゃないですよ?」

 

「「「「・・・へ?」」」」

 

山崎の言葉に、銀時達は間抜けた顔を向けた。
そんな四人に、山崎は笑顔でその時の状況を説明する。

「その日は偶々上の連中に呼び出されてて、しかも
次の日もまた早くから呼び出されてるとかで、
そこから近かったその部屋に来てたんですよ、二人とも。
だからその時は既に横になってましたね。
第一大きさ的に人じゃなかったですよ、アレは」

やだなぁ、もう。そう言って笑う山崎に、銀時達の顔色が
悪くなっていく。

「え・・・じゃあ今の本当の怪談・・・」

「ん?そうだよ?だって怪談大会なんでしょ?」

まぁ怪談って言うか実体験なんだけど。
あくまで笑ってそう告げてくる山崎に、
今度は四人分の悲鳴が万事屋内に響いたのであった。
 

********
偶にはオチのないものでも・・・(笑)

拍手[8回]

PR

[464] [463] [462] [461] [460] [459] [458] [457] [456] [455] [454
«  Back :   HOME   : Next  »
無駄語りご案内
銀魂の新八受け中心、女性向けブログです。 BL、やおいなどの言葉を知らない方、また、知っていて嫌気をを感じる方は、ご注意を。 また、出版社様、原作者様、その他関係者様方とは一切関係ありません。
HN:
太門
性別:
非公開
フリーエリア
ご感想、きりのいい数字等踏まれましたら、お気軽にドウゾ☆
バーコード
ブログ内検索
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]