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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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おぅ、長谷川さん。今日も元気にやってっか?
あ?パチンコでクリティカルヒット食らった?
何やってんだよ、あんた。
アレだよ?今日平日だよ?
普通なら仕事に精出してる日だろうがよ。

は?俺に言われたくないって?
おいおい、舐めてもらっちゃ困るなぁ。
言っとくけどアレだから。
俺、仕事帰りだから。
一仕事してきたから、今日。

ってパチンコじゃねぇよ。
ちゃんと汗水垂らした仕事だよっ!

本当さ、パチンコなんてやっても時間と金の無駄だよ?
いい加減、それに気付かなきゃ駄目だよ、本当。
え?だから俺には言われたくないって?
一昨日の自分の行動を思い出せって?

・・・長谷川さん、人間そんなチマチマと
過去に拘ってちゃちっちゃくなる一方だぜ?

はぁ?あの後座ったヤツ、直ぐ出たの?
え?連チャン?マジで!?
くっそぉ、やっぱあん時もう少し打っときゃ・・・
って、確かあの時、もうやめた方がいいって言ったの、アンタだったよなぁ!?
ちょ、ざけんなよっ!どうしてくれんだよ、俺のドル箱ぉぉ!!
あぁ!?過去に拘るなって?
誰だよ、んな事言ったヤツァ!
色んな事に拘ってこその男だろうがよぉぉ!!!!

 

・・・ったく、アンタに関わると碌な事ねぇぜ。
だから俺に言われたくねぇって?
うるせぇよ、もう。
飽きたよ、そのやり取り。
アンタの転落人生ぐらい飽きたよ。
一体どんだけお涙頂戴の不幸ドラマ繰り返すつもりよ。
もう全国民の涙で海が作れるよ?

安堵と笑いの涙で。

やっぱさ、安心出来るよね、そういうの見ると。
あ~、俺まだまだ幸せだなぁ~って。

や、元々幸せだけどね、俺。

あ?どこら辺がだって?んなの見て判んだろ。
ほら、この首元辺りとか・・・

・・・気付いた?気付いちゃった?
いや~、実はさぁ、俺昨日誕生日だったんだけどよ。
あ、祝いの言葉とかはいらねぇから。
なんか長谷川さんからだと祝いじゃなくて呪いになりそうだから。

ま、例えそんなのがきても今の俺なら全然平気だけどね。

や、それはいいとして・・・なんかさ、新八達が
超張り切っちゃってよ。
もういい年だし?誕生日祝って貰うってのも・・・なぁ?

でもそんなの許してくなんくてよ、もう参っちまったよ。
神楽なんか新八と一緒に夕飯作ってくれたりよ。
隠れてケーキなんか注文しててくれてよ。
おまけにコレ。このマフラー、新八の手編みだぜ。

俺はんなの恥ずかしいって言ってんのによ。
折角の誕生日なんだから・・・ってさ。
風邪引かれると困るから・・・ってさ。

そこまで言われちゃぁ祝られるしかあるめぇよ。

ま、糖分は何時でも欲しいし、時期的にも寒くなるしな。
仕方ねぇから受け取ってやったって訳よ。

・・・あ?今日はそんな寒くないだろうって?

おいおい、長谷川さん。
屋根無しのマイホーム住みなお陰で、肌の感覚、鈍くなってね?
寒いって、今日。
もうマフラーしないと外出られないぐらい寒いってっ!

っと、こんな無駄な時間過ごしてる暇なんかなかったっけ。
じゃあな、長谷川さん。

あ?んな急いで用でもあんのかって?
・・・まぁ用って言やぁ用・・・かな。
ほら、昨日色々として貰ったって言ったじゃん?

あくまで俺は別にどうでも良かったんだけどね。

でもよ、やっぱ祝って貰ったからにはお返ししてやんねぇとな。

だから今日は俺が夕飯作ってやろうって思ってよ。
ま、偶には肉食いたいし?
丁度仕事もあった事だしな。

少し奮発して、すき焼きでも・・・って呼んでねぇよ。
欠片も呼んでねぇよ、アンタの事ぁ。

は?少しでいいから幸せを分けてくれ?
おいおい、長谷川さん。
この滲み出る幸福感のお零れに預かりたい気持ちは
重々判るけどよぉ・・・








零れ落ちた幸せも全部、俺のもんだから。

**********
欠片も渡す気はありません(笑)
 

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朝、何時もの様に万事屋へとやって来ると、そこには
信じられない光景が広がっていた。

信じられない光景・・・それはまず、ここにはいない人達が
居た事
で。

や、居るには居るんだけどね、何時も。
別にそれ自体、不思議でも何でもないんだけどね。

でも、起きてるって事が本気で不思議だ。
寧ろ怪奇現象だ。

しかもその内の一人は朝食を作っていて、
もう一人はその手伝いなんかをしちゃってたりして。

え、これ何てドッキリ?

そんな事を考えてしまった僕は、決して悪くないと思う。
だって目の前の二人、妙にニヤニヤしてるしね!

思わず身構えてしまった僕に、ニヤニヤ笑いの二人は
爆弾発言をかましてくれたのだった。





・・・あ、そう言えば今日、僕の誕生日だ。

 









考えてみれば去年もそうだったっけ・・・と、銀さんが淹れてくれた
お茶を飲みながら、ぼんやり思う。

僕が来る前に起き出して、朝食の支度を自主的にして。
その後もこんな感じだったっけ・・・と、何時もより居心地の悪い
ソファに座りながら、目の前の光景を眺めた。

何時も洗濯機に洗濯物すら入れない銀さんは洗濯物を干していて、
汚す専門の神楽ちゃんはパタパタとハタキをかけている。

そして僕はと言えば、折角の誕生日なんだからゆっくりしとけ。
と言われ、居心地悪くソファの住人だ。

なら休みにしといてくれればいいのに。
ポツリと呟けば、凄い剣幕で怒られた。

そう言う問題じゃないらしい。
ならどんな問題なんだろう。

まぁいいや。
碌な答え返ってきそうにないし。
何にせよ・・・兎に角居心地が悪い。

だって基本、僕は動くのを苦にしない性質なのだ。
貧乏性とよく言われるけど、こればかりは仕方が無い。
しかも他の、滅多に動かないあの二人が働いているのだ。

悪い気もするし、何よりワキワキする。

あぁ、もう銀さんたら皺伸ばさずに干してるしっ!
それじゃ乾いた時皺くちゃになっちゃうじゃないですかっ!
ってかパンツは隠して干してくださいよ。
なんで前面に出していくんですかっ!
見せたいんですか!?
その『闘魂』パンツを見せびらかしたいんですか!?
あ・・・でも流石に神楽ちゃんのは隠してくれた。
うん、ですよね。それ前面に出したら
そこから突き落としてやる所でしたよ。
って、僕の足袋、何処に隠してんですか。

銀さんの懐で人肌乾燥ですか。

突き刺して
突き落としていいですか、もう。


って、神楽ちゃん、それパタパタ超えてるから。
パタパタ超えてバッキバキ言ってるから。
もうハタキじゃなくて、単なるタタキだからぁぁ!!?
何?何か嫌な事でもあったぁぁ!!?
あ・・・しかも折れたし。
いや違うから。そのハタキ、全然弱くないし古くもないから。

自然現象じゃなくて、単なる破壊現象だから。

・・・うん、明日はもう少し早めに来ようかな。
掃除に時間掛かりそうだし。

あ・・・そう言えば去年も同じ様な感じだったっけ・・・

思わず遠い目をしてしまったのも無理はないと思う。

ちなみに定春は僕の足元だ。
何でも僕を監視しつつ、癒してくれてるらしい。

や、確かに動物って心癒してくれるけどね。
フワフワしてるし。

でも、今、夏なんですけど。

フワフワってよりムワムワって感じなんですけど。
汗がジワジワ出てきてるんですけどぉぉ!!?

第一今すぐ家事を交代してくれたら、それだけで
十分心癒されると思うんだよね、もう。

と、言う事で。

うん、確かに銀さん達の気持ちは有難いし嬉しいんだけどね?

「銀さん、神楽ちゃん」

僕は手にしていた湯飲みを静かに置き、慣れない作業に戸惑っている
二人の名前を呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 


「いいって言ってんのに・・・」

「全く、貧乏性にも程がアルヨ。」

ブツブツと不満顔で呟く二人に、まぁまぁと苦笑を浮かべ、
僕はゴミを集めた袋の口を閉じた。

結局あの後、渋る二人を宥めながら家事へと参戦したのだ。

うん、やっぱり動いてる方がよっぽどいいや。

自然と浮かぶ笑みに、銀さんの唇が尖る。

「折角ゆっくりして貰おうと思ったのによぉ」

「あはは、気持ちだけで十分ですよ」

それに・・・と、それぞれ道具を持って掃除をしている
二人に目をやる。

「掃除も洗濯も、後ゆっくりする事も
一人でするより三人でする方が断然いいですもん」

だからちゃっちゃとやって、三人でゆっくりしましょうね。


その瞬間、不満の色に染められてた顔がゆっくりと緩んでいく
のが見えて、僕の顔もますます緩んでいったのだった。

**********
短いけれどなんとか間に合った新ちゃんハピバ話。
・・・新しいキーボード・・・慣れるまで時間が掛かりそうです(涙)
 

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その日、銀時はカンカンと照りつける太陽を背に、
どんよりフラフラウザイオーラ山ほど振り撒きながら
歩いていた。

近付いたら最後、自分にまでそのオーラが移りそうな・・・
と言うかきっと無理矢理にでもお裾分け
されるであろう勢いだ。

現に銀時の視線は、何時もの死んだ目ではなく、
巻き添えにしたい精神で生き生きとしている。

そこに一人の黒い影が声を掛け、
遠巻きにしていた街の人達が哀れみの視線
安堵の溜息を零した。

何も知らないで可哀想に・・・でもこれで
自分達に被害は来ないだろう。

だが、そんな気持ちも声を掛けた人物をちゃんと見る事で
あえなく粉砕される。

だって・・・・

 


「あれ?旦那ァじゃないですかィ。
今日も元気そうで何よりでさァ」

 


笑顔で声を掛けた人物は、何時だって何かを
巻き添えにしている人物
だったのだから。

その瞬間、それまでも遠巻きにしていた街の人達が
一気に距離を取ったのは言うまでもない。

 

 

「・・・沖田君、これの何処が元気そうに見えるのか
聞いてもいい?」

「何言ってんでさァ、常日頃ゴロゴロしっぱなしの旦那が、
起きて歩いてるってだけでも奇跡みたいなもん
でさァ」

あ、だったら今日ってのは間違ってやしたね、すいやせん。
なんて全く悪びれない表情で言われ、銀時の頬がヒクリと引き攣った。

「沖田君は今日絶好調みたいだね~。」

「あ、判りやすかィ?ちょっと三日ぐらい連休貰いやしてねェ。
お陰で身も心もリフレッシュしまくりでさァ。
やっぱりね、仕事も大事ですけど、ちゃんと休みも取らなきゃ
駄目ですね、気分が違いまさァ」

「沖田君はしっかり休み取ってると思うけどね?
日々と言うか結構?
って言うかさぁ」

そこまで言うと、銀時はギロリと恨みがましい視線を
沖田へと向けた。

「その三日のお休みのせいで、銀さんものっそく絶不調なんですけどぉ!?」

「おや、そうなんでィ?」

しらっとした顔で返す沖田に、銀時がダンッ!と力強く
足を踏みしめる。

「ったりめぇだろうがっ!
なんでテメーの休みに合わせて新八達も休みなんだよっ!!
しかもラブラブな恋人達の為のイベントである七夕込みなんて、
嫌がらせにも程があんだろうがっ!!
どうせなら神楽だけを連れ出す優しさを見せて下さいっ!
門限は四時でっ!」

「旦那ァ、新八への名誉毀損で捕まえますぜィ?
しかもチャイナだけって・・・
この街を赤い血で染め上げたいんですかィ?
って言うかあれは金のない新八達への思いやりでさァ。
プレゼントはいらないから、一緒に遊べって言う」

銀時の勢いに、沖田は軽く肩を竦めながら
呆れた口調で返す。

実際、沖田は三日間、新八の家でお泊りし、神楽も込みで
ダラダラと遊んでいたのだ。

まぁ神楽はお妙と一緒に居る方が多かったが。

「なら誕生日だけで良かっただろうが。
何で三日間んん!!?しかも俺を仲間外れって
納得いかないんですけどぉ!?」

「安心して下せェ、
土方さんや近藤さんも仲間外れでさァ。
大人にはきちんと金を使って貰うんで。」

ちなみに・・・と沖田は銀時の目の前に指を
三本立てた。

「前夜祭に本番、そして後夜祭でさァ。
あ、そう言えば七夕なんてもんもソコに含まれてやしたねィ。
大丈夫でさァ、俺達はばっちりやったんで」

「俺はやってねぇぇぇ!!!」

叫ぶ銀時に、沖田はキョトンと目を丸くする。

「あれ?やってねぇんですかィ?
確か旦那、前もって笹用意してませんでしたっけ?
こ~んなでっかいヤツ」

「おぉぉぉいっ!大根丸出しな演技なんですけどぉぉ!?
って言うか知ってたのかよっ!確信犯かよっ!」

「人聞きの悪い事言わないで下せェ。
ただ、旦那のトコも七夕すんのかな?でもま、いっか。
って思っただけでさァ」

「余計最悪なんですけど!?」

それに・・・と、憤る銀時を無視して沖田が言葉を続けた。

「旦那みたいに年中仕事もなく一緒に居る訳じゃ
ねぇんですから、偶にはいいじゃねぇですかィ。
大人気ねぇですぜィ?」

「・・・イベント狙いは大人気なくねぇってか?」

「そりゃ大人気ねぇでしょ。
でも旦那、俺まだ未成年なんで。
ちなみにずっと未成年なんで」

そこんとこ宜しく。と、沖田はにんまりと口元を上げると、
呆気に取られている銀時に背を向けてその場から去っていった。

残るは先程とは段違いにウザイオーラを背負った銀時。

街の人々がより一層距離を取ったのは、言うまでもない。


*******
沖田のお陰で七夕イベントは毎年スルーです。

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「おめでたい日だって言うのに、大変ですね」

何時もの様に近藤を迎えに来た土方に向かって、
新八は苦笑を浮かべてそう告げてきた。

それに土方は は? と首を傾げる。

いや、こんなのは何時もの事じゃね?
決して慣れたくはなかったのだけれど。
大体おめでたい日ってのは何だ?

近藤さんの頭は何時でもおめでたいぞ?

そんな疑問が顔に表れたのだろう、新八は一瞬キョトリとし、
コテリと小首を傾げた。

「もしかしてまた忘れてます?」

今日、誕生日でしょ?そう言われ、漸く土方は今日が自分の
誕生日だと言う事を思い出した。

思い出しはしたが・・・押し寄せてきたのは嬉しさとか
気恥ずかしさとかではなく、物凄い虚しさだけで。

だってオマ・・・誕生日だと言っても仕事は山ほどある訳で。
しかもその中の一番最初の仕事が近藤さんの回収
そしてこの後はきっと、とんでもない事が自分を待っているのだ。

良い事なんてものでは全くなく、不幸丸出しの出来事が
部下とか総悟とかS王子とか総悟とか・・・

まぁ総合して悪魔の手によって、
強制的に

・・・本当、何なんだろう、あいつは。
何時も命を狙われてはいるが、この日ばかりは特別だ。

生まれてきた事を祈ってくれるのではなく、
生まれてきた事を呪いたくなる勢い
で色々仕掛けてきやがって。

そんなに俺が嫌いか?
いや、嫌いなんだろうけどさっ!
心底嫌いなんだろうけどさっ!
好かれてたらそっちの方が驚きだけどなっ!?

でも限度があると思うんですけどぉぉ!?
・・・とつい出てきてしまった溜息に、新八は哀れんだ視線を
投げかけてきた。

「・・・まぁお仕事、お忙しそうですもんね」

誕生日も忘れちゃいますよ。そう言ってはくれるが、
多分違う。

いや、仕事が忙しいってのは本当だが。
しかも仕事以外も忙しいってのもあるが。

それ以上に思い出したくない記憶として
封印されているんだ、きっと。

部下とか総悟とかS王子とか総悟とかのせいで。

「えっと・・・何か欲しいものとかあります?」

遠くへ行きてぇなぁ~。なんてつい意識を飛ばしていると、
新八が不意にそんな事を言ってきた。

「あ?」

「いえ、何時もお世話になってますし、お誕生日ですし。
って言ってもそんなに高いものは買えないんですけど」

プレゼントしますよ。なんて笑う新八に、ちょっと涙が出そうになった。

だが、何時も世話になっているのはこちらの方だ。
別に俺ではないのだけれど。
主に少し先で倒れこんでいる人物なのだけれど。

でも、世話になっているのは確かだし、それに自分は年上だ。
年下に何かを強請る程落ちぶれては居ないし、
何より給料をちゃんと貰っていなさそうな少年に
お金を使わせるのは忍びない。

だが、新八はもうやる気満々なようで、

「何がいいですか?肩でも揉みます?
それとも腰でも揉みます?
あ、足とかも結構いいんですよ?」

なんて嬉々とした表情で言ってくる。

・・・ってかマッサージしかなくね?
何その母の日とかに贈りそうな肩揉みチケットォォ!!?

ま、あれだけどね?
最初っから強請ろうとは思ってねぇけどな!?
でも・・・やっぱり給料少ねぇんだなぁ、こいつ。

なんて、さっきとは別の意味で涙が出そうになった。

なんかもう、こっちが何かを買ってやりたい。

だが・・・そうだなぁ・・・もし本当に貰える事が出来るのならば・・・

「・・・安らげる時間が欲しいな」

いや、本当に。

思わず出た心の声に、新八はパチリと一回瞬きをし、
そして何かを納得したように大きく頷いた。

「判りました。じゃあちょっと待ってて下さい。
近藤さん、埋めてくるんで」

「おぉぉぉおいっ!!!
ちょえぇ!?何でそんな結論んんん!!?」

早速とばかりに縁側から腰を上げる新八を、慌てて引き止める。
すると新八はキョトリととても不思議そうな顔で見返してきた。

「え?だって土方さん、安らげる時間が欲しいって・・・」

近藤さん埋めたら、結構安らげますよね?そう言う新八に、
いやいやいや・・・と首を振り、とりあえず腰を下ろさせた。

「や、確かに安らげるかもしれねぇけどな?
その前に近藤さんが安らかになっちまうだろうが」

「そうですね。おまけに姉上も心安らげます」

にっこり笑う新八。
っつうかそっちが本命じゃね!?

「・・・とりあえずまだ止めといてくれ。
と言うか別に今のは本気じゃなくてな?」

「う~ん・・・だったら銀さんですか?
確かに街中とかで会うと、いっつも喧嘩してますもんね。
でも、そっちは安心して下さい。
向こう一週間ぐらいは出会いませんよ」

ちょ、万事屋ぁぁぁ!!!?
何やったんだ!?何やっちまったんだ、お前ぇぇ!!!

ニコニコと笑う新八に、一瞬寒気が走る。

・・・いや、落ち着け、俺。
きっとアレだ。仕事か何かでここを離れてるんだ、うん。
何だ、仕事なさそうな感じの癖に、本当は忙しいんじゃねぇか、おい。

・・・それならそれで、新八がここでのんびりしてる
理由が判んねぇんだけどな

ま、人数がそんなにいらない仕事なんだろう、うん。
そうだ、そう言う事にしておこう、俺。

確認は絶対ぇしねぇけど。

その後も色々と考えている新八に、もういいから。と告げようと
した所で、不意にゾクリとした感触が全身を駆け巡った。
そして・・・

「面倒なんで、アンタ自身が安らかになりなせぇ」

悪魔の声と共に、何かの衝撃が俺に襲い掛かってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?土方さんどうしたんですか?」

ドサリと音がして新八が視線を向けれると、そこには縁側から
落ちて地面の上に横たわっている土方と、
それを縁側から見下ろす沖田の姿があった。

「あぁ、急に睡魔に襲われたんだろ。
見なせぇ、安らかな寝顔じゃねぇか」

「本当だ・・・て、土方さんって目を開けて眠る人なんですね。
白目顔で面白いですよ」

「本当でぃ。写メ撮っといてやろ。」

「でも・・・こんなトコで寝ると風邪引いちゃいますよね。
どうします?起こしますか?」

「いや、疲れて寝てるんだろうから、起こすのは悪ぃや。
何か掛けて・・・って、あぁ、丁度いいじゃねぇか。
土掛けといてやろう。
知ってますかィ?土って案外暖かいんだぜィ?」

「へ~、そうなんですか。」

ザカザカ土方に土を掛けていく沖田から、新八はそっと
視線を外した。

これは多分優しさとかそう言うものでは決してないと断言できる。
・・・だが、それを発言する勇気は新八にはなく。


すみません、土方さん。
近藤さん達はどうにかなるかもしれませんが、
この人だけは無理です。

ってか無謀の域です。

まぁでも・・・と、土を顔以外に満遍なく掛けられた土方を
チラリと見る。

・・・うん、経緯はどうあれ、土方さん寝てるし。
寝るってのは体を休めてるって事だし。

「・・・ゆっくり休んで下さいね」

出来れば今日が終わるまで。

それが一番の幸せ・・・と言うか安全策だ。と
心を込めて合掌したのであった。

***********
ぎりぎり間に合ったぁぁ!!!!

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「新八!買い物に行って来てやるから
何買うかさっさと白状するヨロシ」

「いや、言葉悪いからね?
お使い頼むのに白状するもなにもないから」

ニコニコと笑って手を差し出す神楽に、新八は少しだけ片頬を
引き攣らせたが、すぐに苦笑へと変えて財布の中から
お金を取り出した。

 






 

 

「おいおい、静かに下りろって何回言えば判るんだぃ?」

店の前を掃除していたお登勢が、
上から元気良く降りてくる神楽を見て大きく息を吐く。

「遊びに行く前からそんなに元気なんじゃ、
途中で疲れちまうだろ?」

「ハッそんな軟な体力じゃないネ。
それに今から行くのは遊びじゃなくてお使いヨ」

自慢げに胸を張る神楽に、少しは軟になってもいいんだけどねぇ。
と呟きながらも、続いた言葉にお登勢は少しだけ目を丸くする。

「なんだい、今日もお使いかい?
珍しい事が続くもんだねぇ」

確か昨日も行ってたんじゃなかったかぃ?と聞くお登勢に、
神楽はフフンと鼻を鳴らす。

「昨日だけじゃないヨ。一昨日も行ったネ。
お陰でもう買い物のプロネ」

お金も買い物メモもばっちりヨ。そう行って首から下げられている
赤地に可愛らしい桃色の花が刺繍されている
少し大きめの財布を突き出した。

それにお登勢はやんわりと口元を上げる。

「じゃあそのプロの腕前を試してみるかね?」

そう言って神楽に財布を開けるよう言うと、
自分の懐から財布を取り出し、そこから出したお金を
神楽の財布の中へと仕舞い込んだ。

「煙草を一箱買ってきておくれ。
釣りは駄賃としてやるからさ」

お登勢の言葉に、神楽の目が輝く。

「任しとくアル!
お菓子買って余ったら煙草買ってきてやるヨ!」

「おぉぉぉい、買い物のプロ!!?
それじゃ全然ダメじゃないかい!」

そう言うも神楽は既に走り出していて、お登勢は全く・・・と
苦笑すると、煙草を取り出して火をつけた。

 

 

 



 

 

 


「お、破壊兵器が堂々と大手を振って歩いてやすぜィ。
ちょっくら地に沈めてきていいですか?土方さん共々」

「んな事したらここら辺一帯が言葉の如く地に沈むわ。
ってかなんで俺共々ぉぉ!!?」

「・・・相変わらず馬鹿そのものネ」

買い物にいく途中、暴言を吐きながら歩いてくる沖田と土方に、
神楽はケッと舌打ちをする。

本来なら言葉の前に拳を繰り出すのだが、今は無理だ。
そんな事をして万が一汚れがついては堪らない。

神楽は言葉だけ吐き出す事にして目の前の二人を睨みつけた。

「おい、遊びに行くのは構わねぇがモノは壊すんじゃぇぞ」

「判りやした。
今日は大人しく昼寝だけする事にしまさァ」

「テメーに言ってんじゃねぇよっ!!」

パシリと沖田の頭を叩く土方に、神楽は人差指を立てて
チッチッチ と舌を鳴らす。

「何時までも私をそこらの洟垂れのガキと一緒にするんじゃないネ。
今から行くのは遊びじゃなくてお使いヨ」

そう言ってお登勢に見せたように、首から提げている財布を
二人の前に突き出した。

土方と沖田はそれに一瞬目を丸くするものの、直ぐに
口元を微かに緩ませた。

「ほ~、偉いじゃねぇか。
誰かさんにもその心意気を見習って欲しいもんだなぁ、おい」

「全くでさァ、見習えよ、土方」

「俺じゃねぇよっ!!」

ったく・・・と言いながら、土方は吸っていた煙草を
ポケットから出した携帯灰皿に押し付けた。

「ま、落とさねぇように気をつけるんだな」

「そんなドジはしないネ。それにもし落としても大丈夫ヨ」

神楽はそう言うと手にしていた財布を開け、中から一枚の
紙切れを取り出した。

「ホラ、落としても誰のか判るように
銀ちゃんが書いて入れてくれたネ」

そう言って見せる紙には、意外と綺麗な字で
神楽の名前と万事屋の住所、電話番号が書かれていた。

「これさえあればちゃんと戻ってくるアル」

そう言ってニコニコ笑う神楽に、なら・・・と
沖田は懐から薄いケース入れを取り出した。

「これも入れときなせェ。そうすりゃ中身諸共返ってくる
確立が上がりまさァ」

そう言って神楽に渡したのは、一枚の紙で・・・

「って、なんでテメーが俺の名刺持ってんだぁぁ!!?」

「あ、本当だ。俺のじゃねぇや。
ミスプリントですかねィ?」

「そんな正解が一欠けらもねぇのは、
最早ミスプリントと言わねぇよ!」

「安心して下せぇ、土方さん。
別にこればら撒いてアンタの評判落とすとか、
そんな事しか考えてねぇんで」

「全く安心出来ねぇよな、それ。
寧ろ不安しか残されないよな、それぇぇ!!」

「・・・なんかマヨの呪いが掛けられた気がするヨ」

「なら序に俺の呪いも掛けといてやらァ」

怒鳴り続ける土方を余所に、沖田はもう一枚名刺を取り出すと
神楽へと手渡した。

「天下の真選組の名刺でィ。
入れときゃ誰も手出し出来やしねぇよ」

じゃあな。と言って歩き出す沖田に、土方は大きく息を吐くと
気ぃつけていけよ。と神楽に告げ、同じように歩き出した。

「・・・仕方ない、とりあえず貰っといてやるネ」

神楽はそう言うと、二枚の名刺を財布の中に入れ、
途中だった買い物への道を歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「あ?何やってんだ、オマエ」

頼まれたモノを全て買い終え、お登勢の煙草も買い、後は
後は帰るだけ・・・といったその時、
不意に神楽は背後から声を掛けられた。

振り返ればそこにはダルそうにこちらへと歩いてくる銀時が居て。

「銀ちゃんこそ何やってるネ。
パチンコか?またパチンコで叶わぬ夢でも見てきたアルカ?」

「うっせぇよ。俺が何時でもそんなガキ見てぇな事してると思うなよ?
今日はスロットだ」

「・・・どっちも同じネ」

白けた視線を向けてくる神楽をペシリと叩き、銀時は
神楽が持っていたビニール袋を取り上げた。

「お、お使いか?」

取り上げたビニール袋の中身を掲げ、入ってるものを眺めてから
そう聞くと、神楽はニンマリと頬を緩めた。

「そうヨ。私のお財布でばっちりお使いネ」

そう言って笑う神楽の首からは、大き目の赤い財布がぶら下がっていて。

「そっか・・・ならその内俺のお使いも頼むわ」

銀時はそう言うと、ポンポンと神楽の頭を撫でた。

「おぅ、私に任せるネ!
・・・あ!新八に定春!」

突然前を見てブンブンと手を振る神楽に、同じように目をやれば
少し離れた所に新八と定春の姿があった。

「どうしたネ、新八。
私、遅かったアルカ?」

足早に新八達の下へと駆け寄った神楽が、少し不安げに問い掛けると、
新八は 違う違う と笑って手を振り、

「定春の散歩がてらフラフラしてただけだよ。
それよりちゃんと買い物出来たんだね」

ご苦労様、神楽ちゃん。そう言ってやんわりと笑い、神楽の頭を
撫でてくる新八に、神楽もニヘッと頬を緩ます。

「この財布があれば百人力ヨ。」

有難うネ。笑う神楽に、新八の頬もますます緩む。
そして神楽は定春に飛びつくと、そのまま先に歩き出した。

その後ろを、新八と銀時が続く。

「・・・ですって。
気に入ってくれて良かったですね、銀さん?」

楽しそうに定春に財布を見せながら歩く神楽を見詰めながら、
新八は隣を歩く銀時に声を掛けた。

「・・・ま、すぐ飽きなきゃいいけどな。
ってか腹減ったわ、銀さん。」

さっさと帰んぞ。そう言って新八の頭をポンと叩く銀時の
頬は、仄かに赤くなっているような気がして。

新八は はいはい。 と緩む頬を押さえ、銀時と共に
神楽の後を追ったのであった。

*************
遅れましたが神楽ちゃんハピバ話。

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銀魂の新八受け中心、女性向けブログです。 BL、やおいなどの言葉を知らない方、また、知っていて嫌気をを感じる方は、ご注意を。 また、出版社様、原作者様、その他関係者様方とは一切関係ありません。
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