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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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「そう言やぁ新八、その手、どうした?」

放課後、何時ものように先生に手伝いを要請され、
とりあえず資料の整理をしていると、不意にそう声を掛けられた。

「・・・別になんでもないですよ。それより早く手ぇ動かして
下さいよ」

止まってますよ。頬杖を着いてこちらを見ている先生に
そう告げると、僕は机の上に揃えた資料を抱え上げようとし、
そのまま止まってしまった。

何故なら、先生に手を捕まれたから。

そのままグイッと引き寄せられ、僕達は机を挟んで急接近してしまう。

「先生・・・」

手伝えって言ったのに邪魔してどうすんですか。
ってかやる気あんのか、コノヤロー。

そう言う気持ちを込めて視線を送ってみるが、先生には届かないようだ。
掴んだ僕の手を自分の目の前へと持ってくると、繁々と
先程から気になっているだろう部分を見詰め始めた。

「昨日はなかったよな、これ。」

どったの?火傷みたいだけど。僕の手から視線を動かさず、そう問い掛けてくる
先生に、僕は少しだけ溜息を吐いた。

本当、変な所で目敏いんだから。

「ちょっと料理しててやっちゃったんです、昨日」

答えない限り先生は開放してくれないだろう。
僕は簡潔に答えて、手を振りほどこうとしたが、先生はまだしっかりと
手を掴んで離そうとしない。

それどころか・・・

「おいおい気を付けろよ~。お前の体はお前一人のモノじゃないんだよ?」

そう言うなり、僕の手の火傷をペロリと舐めた。

「ちょっ!!!何してんですか、アンタ!!!」

舐めた!!この人、人の手勝手に舐めたぁぁぁ!!!!
慌てて手を引っこ抜こうと力を込めるが、それ以上の力で
捕まれてる為、どうしようも出来ない。

焦る僕に先生はちらりと視線を向けると、

「ん~消毒消毒」

と、先程よりもねっとりと舌を這わせ、パクリと口を開けて
その部分を覆ってしまった。

が、その後も先生の口の中で舌は動いているようで、
火傷の部分の上を熱い何かが動いている感触が掌から伝わってきた。

目に見えない分、余計それが生々しく感じ、僕は大きく体を
震わせてしまう。
その反動で、折角集めた資料が机の上から流れ落ちてしまった。

けれど僕はそれ所では無いわけで。

「せ、先生っ!ホント、もうやめ・・・」

自然と震えてしまう腕の先で、先生は漸く視線を上げ、
ちゅっと最後に小さい音を立てて僕の手から口を離すと、
掴んだ手をそのままに、僕の方へと体を起こした。

「ごめんごめん、悪かったって」

だから泣くな。そう言うと、今度は僕の目元へと軽く唇を落とした。
それにビクリと体を震わせるが、先生は気にしないで
そのまま僕の首筋へと顔を移動させた。

「でもお前が火傷なんかするから悪いんだろ?」

俺はこんなに大切にしてんのにさ。そう言ってクスリと笑う先生に、
僕は一度唇を噛み締める。

何か・・・と言うか色々言ってやりたいが、
言葉が出てこない。

せめて・・・と擦り寄ってくる先生から体を離そうとするが、
それも上半身が少し離れただけで終わってしまう。

しかも先生、寄ってくるし!!

も~、なんなんだよ、一体!!

怒りなのかなんなのか、僕の頬がますます熱くなっていく中、
先生はクンッと鼻を鳴らした。

「ん~、なんか今日、甘い匂いすんね、新八」

その言葉に、僕の体は小さく震えた。
先生はそれに気付いたのか、酷く楽しげな声を僕の耳元に
送ってくる。

「何時もはこんな怪我、しないよな?後こんな甘い香りも・・・」

なぁ新八?そう問い掛けてくる先生の顔は見なくても判る。
きっと滅茶苦茶いい顔で笑ってんだ、
この人はぁぁぁぁ!!!!

何も言えず視線を下に向けると、視界の隅でやっぱり上がってる
先生の口元が見えた。

「で?昨日何作ったの?」

おまけに声、メッチャ嬉しそうだし!
判ってるだろ、絶対アンタなんか気付いてるだろ!!

僕は未だ捕まっている手をギュッと握り締めた。

チキショー、こうなったら一人で食べてやる!!
寧ろ目の前で貪り食ってやるぅぅぅぅ!!!!

カバンの中にあるカップケーキを思い浮かべ、僕はそう固く誓った。


お祝いの言葉だって言ってやるか、コノヤロー!!!

***********************
坂田誕生日話・3Z版
・・・考えてみれば、通常版も誰も祝いの言葉を
言ってねぇぇぇぇ!!!(笑)

 

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「銀時?」

夕方、久しぶりに入った仕事を終え道を歩いていると、
不意に名前を呼ばれた。

振り返ってみれば見慣れた顔で、俺は一つ息を吐く。

それは呆れからだったのか、久しぶりの仕事に疲れたからだったのか、
それとも・・・

俺はその先を考えるのを放棄し、声を掛けてきたヅラに対して
軽く手を上げた。

 

 


「で?何をしてるんだ、お前は」

「何って・・・お前にたかってる」

あの後、渋るヅラを引きつれて近くの団子屋の軒先に腰を落ち着けた俺は、
ヅラの問い掛けに簡潔に答える。
勿論手の中には愛しの団子だ。

そんな俺をヅラは白けた目で見、無言で俺の頭を叩いた。

「ってぇ!何すんだテメー!!」

「馬鹿か、お前は。そんな事を聞いているんじゃない。
フラフラとこんな所で何をしているんだと聞いているんだ」

またパチンコか!?ヅラの言葉に俺は軽く隣にある足を蹴飛ばす。

「ばぁか。仕事だ、仕事」

そう答え、残っていた団子を口の中へと放り込んだ。
すると、酷く驚いたような声が隣から発せられた。

「銀時・・・お前熱でもあるのか!?」

「ある訳ねぇだろ!!ってなんで写メ撮ろうとしてやがんだコラァア!!
ってかなんで携帯ぃぃ!?
何処の女子高生気取りだコノヤロー!」

「最近持ったのだ。いいだろう、エリザベスと家族割りだぞ?」

自慢げに携帯を掲げているので、持っていた串を思いっきり
投げつけてやる。

どうやら上手い事刺さったようで、文句を言ってくるが無視だ、無視。
ってかどうやって契約しやがった、指名手配犯め。
俺だってなぁ、金さえあればとっくの昔に契約してんだよ。
家族割りをフルに活用しまくってやってんだよ。
江戸一番の仲良し家族、坂田家を舐めんなよ!?

そう言い、追加の団子を頼もうとした所で、横からヅラに
止められてしまう。

「なんだよ、けち臭ぇなぁ。別にいいだろ、団子の一皿や二十皿」

「良くないわ!!何処に行った、
その間の皿は!!!」

と言うか・・・そう言うとヅラは先程俺が投げつけた串を皿に戻し、

「ならばこんな所で油を売っている場合ではなかろう。
早く帰ったほうがいいのではないか?」

特に今日は。そう言って緩く口元を上げた。
ソレに対し、俺は小さく舌打ちをする。

「・・・覚えてたのかよ」

「いや、忘れていたな」

面白くなさそうに言う俺に、ヅラはシレっと答えると、

「だが昨日リーダー達と偶然会ってな。相談されたのだ」

お前の欲しいものは何か・・・と。そう言い、何処か嬉しそうに
笑って団子と一緒に頼んだお茶に口をつけた。

「お前の事だから欲しいのは常に糖分だろうが、
糖分はあげられないし・・・かと言って糖分以外欲しいものが
判らない
し・・・と困っていたぞ?」

ヅラの言葉に、俺は へ~ と適当に返事を返すと後ろ手を付き、上へと
視線を向けた。

ってかそれ、糖分しか出てきてねぇじゃねぇか。
どんだけ俺=糖分の図式が設立されてんだよ、
間違ってはねぇけど。

少しだけムッとする俺の横で、ヅラは尚も言葉を続けた。

「だからせめてケーキと、何時もより豪華めに料理をするのだと
言っていたな、新八君は。ちなみにリーダーは肩叩き券を
プレゼントすると言って、止められていた」

その時の様子を思い出したのか、ヅラはクスリと笑みを零した。

よし、ナイス新八。
神楽に肩叩きなんぞされたら、
俺の誕生日が命日とドッキングする所だ。
そんなサプライズは心底遠慮する。
けど・・・そうか~、やっぱりそうか~・・・

俺は片手を挙げ、クシャリと自分の髪を掴んだ。
ヅラはソレと共に何を思い出したのか、顎に手を当て、
微かに首を傾げる。

「それと、仕事の予定も入ってないから、特別に一日ダラダラ
させてやる・・・とも言っていたのだが?」

「・・・急に入ったんだよ、仕事」

そう、急に入ったのだ、一人分。
だから今朝、さっさと仕事に出掛けたのだ。
慌てるアイツラを置いて。

「なら早く帰ったらどうだ?こんな所でグダグダしていないで」

もう仕事は終わったのだろう。と言うヅラに、うるせぇよ。と答える。

本当、うるせぇ。
いいだろうが、俺がどうしようと。
大体ここを何処だと思ってやがる、天下の甘味屋だぞ?
居座る気もたかる気も満々だってぇの!

すると、俺の考えが読めたのか、ヅラは深々と溜息を吐いた。

「全く・・・いい大人が何を照れてるのやら・・・」

「ばっ!なんで俺が照れなきゃいけねぇんだよ!!」

その言葉に、思わず俺はヅラへと顔を向けてしまった。
ヅラはそんな俺に呆れた視線を寄越し、

「その顔で言っても説得力はないな」

そう言ってまた一つ、溜息を零した。
俺はヅラの言葉にグッと息を吸うと、そのままカクリと肩を落とし、
両手で顔を覆った。

「・・・最悪だ、テメー」

普通こう言う場合は見て見ぬ振りするだろうが。そう文句を言うと、

「ウジウジしているお前が悪い」

と、キッパリと言われた。
クソ、一々はっきりと言いやがって。

仕方ねぇだろうが、慣れてねぇんだからよ、こう言うのは!!
だってお前、アレだぞ?
アイツラは内緒で頑張ってたらしいけどよ、
新八は、なんかちょっと前から全身に甘い匂い纏わせてたんだぞ!?
手には火傷のあとなんかあったんだぞ!?
菓子系なんて作った事、なさそうなのによぉ。
練習用のケーキ、どうしたんだって話だよ!
俺には糖分禁止させといて、自分はケーキな毎日ですかってんだ。
悔しいから甘い匂いの新ちゃんを食べさせてください。
ケーキがないなら、
甘い匂いの新ちゃんを食べれば
いいと思います!!

・・・て、やらなかったけどね、銀さん。
俺、超空気読めるから。
読めすぎて手、出せなかっただけだから。
へタレとかじゃ本当ないから。

で、神楽はよ、なんかやっぱコソコソやってんだよ。
新八に字、習ったりしてよ。
俺?勿論見ない振りよ。当たり前だろ?
銀さん、空気読める大人だから。
だって珍しい事もあるもんだ・・・って覗いたら、ものっそい嫌そうな目

「見てんじゃねぇよクソ天パ」

って言われたからね!殺気、駄々漏れだったからね!!
あれ、空気よんでなかったら死んでたから、本当。

そんな感じで二人ともソワソワウキウキしててよ。
今日に近付けば近付くほど、それが増して行って?
そんな中で、俺はどんな態度でいればいいんですかって話だよ。
嬉しいやらこっ恥ずかしいやら・・・なんかもう判んなくなって
泣きそうになってきちゃったんだよ、バカヤロー。

俺は顔を覆った手で、前髪を勢い良くかき回した。

「・・・帰りたくねぇなぁ」

ポツリと零せば、ヅラに鼻で笑われた。
ヅラの癖に生意気な。と、睨みつけると呆れた視線を返された。

「だからそんな顔で言っても説得力ないと言ってるだろう。
ニヤけてるぞ、お前」

「あぁ!?俺、今テメーの事睨みつけてんですけどぉぉ!?」

日本語は正しく使ってくださ~い。そう言うが、ヅラの
意見は変わらないらしく、緩く首を振られる。

「確かに睨んでるし困ってるようでもあったがな・・・
ずっと嬉しそうだぞ、銀時。」

そう言って口元を上げ、ヅラは持っていた湯呑みを置いた。

「だが、そろそろ覚悟を決めたほうがいい」

ホラ。とヅラは視線を投げた。
つられてその視線を追えば、少し向こうに見慣れた頭が二つと大きな塊が一つ。

「どうやら待ち草臥れたらしいな」

クスリと笑われ、俺は小さく呻きながらガシガシと頭を掻いた。

「あ~、クソッ!!どうすんだよ、コレ!!」

ヤバクね?丸判りじゃね!?
頑張れよ、俺。
蘇れ、鉄壁のポーカーフェイスゥゥゥ!!!

頬を叩いたり、摩ったりして頑張っていると、バシンと力強く背中を
叩かれた。
その拍子に体が前に倒れ、僅かに腰が上がる。

「っなにすんだヅラァァァ!!!」

そのまま立ち上がり、振り返って叫べば ヅラじゃない!!と
お決まりの言葉が返って来るが、それも直ぐに終わる。

「そんな事よりさっさと行け、銀時。
無駄に足掻いてもそのダラケタ顔は治らん」

「ダラケタって何だ!?
さっきニヤけたツラって言ってませんでしたかぁ!?」

言い募るが、ヒラヒラと追い払うように手を振られてしまう。

「どっちも然程変わらんから安心しろ。
それに・・・そのままの方があの子達も喜ぶだろうよ」

「・・・うるせぇよ、馬ぁ鹿」

笑ってそう言われ、俺は舌打ちを打つとヅラに背を向けた。

見ればこちらに気付いたのか、見慣れた頭たちが向ってくるのが判った。
その光景に、やぱり少し泣きたくなって逃げ出したくなる。


だって仕方ないだろう、あれは俺が欲しかったものなのだ。

ずっと願っていたものなのだ。


一番、一番欲しかったものなのだ。


願ってたけれど、切望していたけれど、

まさか本当に手に入るとは思ってなかったものなのだ。


「祝い代わりにここは奢ってやるから行け」

背中に掛けられた言葉に、ショボイ祝いだな。と憎まれ口を叩いて
手を振り、俺はゆっくりと足を動かした。

ゆっくりゆっくり、せめてこの頬の熱がもう少し冷めるまで。

けれどそんな俺の願いも虚しく、俺の欲しかったモノ達は
スピードを上げてこちらへと向ってくる。

ホント、お子様な、お前ら。
もう少しでいいから空気読んでくれ。
どうしようもない大人の気持ちを察してくれ。

そんな切実な心情も読まれる事無く、俺のずっと欲しかったモノ達は
むず痒い言葉と共に勢い良く俺の元へと飛び込んできた。


判ったよ、判りましたよ!!
開き直ってやるよ、コンチキショー!!!


俺は飛び込んできたモノ達を力強く抱き締め、
幸せと言うものを満喫した。

・・・あ、やべ。ホント泣きそう。


****************
誕生日おめでとう、坂田コノヤロー!!!!
 

 

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「・・・本当に寝ちまったよ」

ギャーギャーと騒ぎつつも無理矢理三人で寝転んだのは少し前。

もう暑いわ狭いわ、川の字って言うよりも単なる塊じゃね?
寧ろ馬鹿じゃね?

そう思いつつも、抱え込んだ温もりは手放すことは出来ず、
そのまま寝転んでいたのだが・・・

「疲れてたのかねぇ・・・」

肩肘を突いて少しだけ体を起こし、隣で眠っている新八の前髪を手に取る。
暑さからか、薄っすらと汗を吸い込んだその髪は、いつもよりも
しんなりと銀時の手から落ちた。

日頃から忙しなく自分達の世話をする少年は、昼寝とは無縁だ。
それも今はまだ昼前。

幾ら無理矢理寝かしつけたとしても・・・珍しい事この上ない。


「ま、アイツは仕方ねぇけどな」

新八の向こうから聞こえるもう一つの寝息に、銀時は口元を緩めた。

少し前、神楽に相談されたのだ。


金を寄越せ
 と。


あ・・・いやいや、あれは相談じゃねぇな。
脅迫、もしくは強盗が正しい、うん。

だって殺気が駄々漏れだったもの。

身の危険を感じながらもとりあえず理由を聞いてみると、
新八の誕生日を祝いたいから・・・
と言う事だった。

馬鹿だなぁ、オメーは。だからお子様だってんだよ。
なんでも金に頼んじゃねぇよ。ようは気持ちだ。
心を込めて祝いの言葉を贈り、その日はお妙のトコでもババァのトコでも
泊まりに行きゃぁそれだけで喜ぶってもんなんだよ。


俺が。



そう提案したらボッコボコにされた。
本当に、懇切丁寧に隅々までボコられた。

その上奪われた財布の中身を見て、再度ボコられた。

仕方ねぇじゃん!!俺だってなぁ金に物を言わしたかったよ!!
だから頑張ったんだよ、頑張ってサムに会いに行ったんだよ!

なのにマ○ンちゃんすら出て来ねぇって
どう言う了見だ、コラァ!!

だが、暴れても金は降って来ないし、時間も止まらねぇ。
序に見送った魚群も戻っては来ねぇ。

で、せめて・・・と考え付いたのが、新八のお手伝いって訳だ。

・・・ま、夕食は少しばかり豪華にするけどな。
ケーキもバッチリ作るけどな。

でもそれらに神楽は手を出す事が出来ない。
ってか出させん。

糖は俺が仕切る。

その気合が伝わったのか、それとも自分の腕前が判っているのか
神楽は文句を言わず、その代わり
新八が帰ってからチラシで部屋を飾るモノを作ったり、
今日も早く起きて掃除の真似事なんぞをしていた。

「・・・これじゃ、今日はずっとこのまんまだな」

少しばかり不満だが、仕方ない。
だって今日は新八の誕生日で、俺達は家族なのだ。


妙が最初を取ったのなら、最後は俺達だ。

間に誰が入ろうとも、これだけは譲れない。


「・・・しっかし凄い量だったな・・・」

ポツリと呟き、俺は新八の持っていたバッグを思い浮かべた。

確認はしていないが、きっとあれらは他のヤツラからの誕生日プレゼント
なのだろう。

・・・ま、こればっかりは仕方ねぇか。
新八の誕生日だ、祝いたくもなるだろうよ。
うん仕方ない仕方ない。

仕方ねぇからちょっと漏れなく俺から呪われろ。

いやいやヤキモチとかじゃねぇよ?
やっぱここはお礼として呪い返さないとな、うん。
あ?字が違う?そっかぁ?
ま、字面が似てんだからいいだろ、別に。

しかし・・・アレだ。あのバッグだけは別な。
だってアレは俺が道端で

『奥さんにど~ぞ☆』

って貰ったのと一緒じゃねぇかぁぁぁあ!!

誰だ、勝手に俺の奥さんにやったヤツァ。

ったく、誰だか知らねぇがきちんと教えなきゃダメみてぇだな。
やっぱ言葉って大事だ。
宣言も大事だ。

けれど拳はもっと大事だ。

え?いやいや違うよ?暴力なんかじゃないよ?
ホラよく言うじゃん?

拳で語り合う・・・みたいな☆

ま、アレだけどね。語り合わないけどね。
寧ろ一方的に語らせて貰うだけだけどね、俺が。

 

そう心に誓い、拳を握り締めていると、新八が微かに身じろいだ。

おっといけねぇ。殺る気が出ちまったか。

慌てて体の力を抜くと、新八の体からも力が抜けたのが判った。

「間抜けなツラだなぁ、おい」

思わずツンと頬を指で突くと、その顔がフニャリと笑ったので、
つられて俺の頬も緩む。

うん、やっぱり最後はきっちり貰おう。
家族の時間も大切だが、二人の時間も大切だ。

どうせ神楽は早々に寝てしまうだろうし、新八には頑張って
日付が変わるギリギリまで起きてて貰おう。

もし寝てしまっても、起こしてしまおう。

文句を言われてもそうしよう。
だって仕方ねぇだろ?

今日は新八の誕生日なんだからよ。

 

最初は妙に、間は他のヤツラに、で最後は俺達に。

そして最後の最後は 俺に。


「贈らせてくれよ、なぁ?」


願いを込めて、俺は新八のやわっこい頬にそっと唇を落とした。

*********************
誕生日話のその後です。
今回も言いませんでしたが、Mag.さんの想像通り
最後を狙いまくりです、坂田(笑)

感想、有難うございましたvv
メッチャ励みになります~vvv
 

拍手[3回]



お登勢さんがくれたのは、白い割烹着だった。

「禄でもないやつ等だけどね、これからもよろしく頼むよ」

そう言って笑うお登勢さんに、僕は曖昧な笑みを返した。

うん、確かに今使ってるの、古くなってたしね。
家事するのにあると便利だしね。
お登勢さんの心遣いも、とっても嬉しいしね。

でも、ちょっと違うと思うのは僕だけなのかな?

お登勢さんの中で、僕はどんなポジションなんだろう。と、真剣に
考えつつ、僕は改めて御礼を言うと、今度こそ万事屋へと
足を進めた。

 


「・・・なんか丸聞こえなんだけど・・・」

僕は玄関の前に立ったまま苦笑を浮かべる。
どうやら今は掃除の最中らしい。

『ちょ、マジ神楽やめろって!!それはもう掃除じゃねぇぇぇ!!!』

『何言ってるネ!部屋の中をこんなに綺麗にしたのに、
言い掛かりか、コノヤロー!!』

『綺麗にしたって・・ゴミと一緒に
家具も放り出してんじゃねーか!!
何コレ、
すっきりし過ぎて寂しさ爆発ぅぅぅ!!??』

『あ、もう一つ最大のゴミを忘れてたネ』

『ちょっ!!それ銀さんんんんんん!!!!!』

そんな会話と共に、凄い音も聞こえてくる。

・・・うん、掃除じゃなかったね。
破壊活動だよね、きっと。


『あ~、もうどうすんだよ。来るなよ~新八まだ来るなよ~
大丈夫、お前は空気読める子だから。だからまだ来るな・・・』

『銀ちゃん、新八、何時もより遅いネ。
どっかでボーっと空気読んでるアルカ?』

『あぁ!?・・・ゲッ、本当じゃねぇか!!!何やってんだ、アイツ!!
まさかドッカのおっさんに捕まってたりしねぇだろうなぁ?
あ~、もうさっさと来いってんだよ!!!!!』

『・・・どっちアルカ』


・・・本当、どっちだよ。

でも、これ以上何かされるとこれからが大変なので、僕は息を一つ吸うと
玄関へと手を伸ばした。

「お早うございま~す」

その瞬間、居間の方から大きな音と、銀さんの潰れるような声が聞こえた。
慌てて向かうと、微妙に位置がずれている家具と、足を抱えて
蹲っている銀さん。そして・・・

「遅いネ!ダメガネ!!めでてぇなぁコンチキショー!!」

僕の胸元に抱きつき、そんな祝いの言葉らしきものを告げてくる
神楽ちゃん。

「めでたいから代わりに掃除しといたネ!これで一つ仕事が減ったアル」

嬉しいカ?と、顔を上げ、自慢げに聞いてくる神楽ちゃんに
思わず笑みが零れる。
僕はそっとその頭に手を乗せ、優しく撫でると感謝の言葉を
口にした。

「有難う、とっても嬉しいよ。でも女の子がそんな口きいちゃダメでしょ」

「誕生日に細かい事言うなや、ぱっつぁんよぉ。
そんなんだから一つ年取っても眼鏡が外せないアル」

「いや、年齢重ねても眼鏡は外れないからね?
寧ろ重ねれば重ねるほど、眼鏡率高くなるからね!?」

ってか眼鏡馬鹿にすんなー!!と突っ込むものの、どうしても普段のような
迫力は出ず、神楽ちゃんに抱きつかれたまま二人でニヘッと笑いあう。

「おいおい神楽ぁ。てっめぇ~一人でさき越しやがって!!!」

何時の間に復活したのか、足を引きずりながらも僕達の傍に
来ていた銀さんが、神楽ちゃんごと僕をぎゅっと抱き締めてきた。

「銀ちゃん、加齢臭で噎せ返るアル。離れるヨロシ」

「こっちこそ酢昆布の匂いで目がすっぱいんだよ!!テメーこそ離れろ!!」

ギューギューと抱き締めあいながら口喧嘩を始める二人に
僕は身動き一つ出来ない。

幾ら午前中であっても、流石にここまで引っ付かれてると暑い。
てか苦しい。

・・・・で、恥ずかしい。


「・・・いや、二人ともそろそろ離れようよ」

お腹減ったでしょ?ご飯作りますから・・・そう言うとそれまで
睨み合ってた二人が一斉に僕の方へと視線を向けた。

「「ダメだ・ネ!!!」」

「今日はず~っと三人一緒ネ!!」

そう言うと神楽ちゃんは僕の胸元に顔を埋めた。

え?いや、あのず~っとって・・・ご飯は?
てかもしかしてずっとこの体勢なのぉぉ!?

困惑気味に、いつの間にか僕の背後へと移動していた銀さんに
視線を向けると、

「そうそう。最初と、それと今までの時間を他のヤツラに譲ったんだ。
これから先は坂田家のもんですぅ

って事で今日はお泊りな。そう言ってニヤリと笑い、僕の首筋へと
鼻先を埋め、

「・・・んで、最後は銀さんに頂戴」

耳元でボソリと囁かれた言葉に、僕は頬が熱くなるのを感じた。

いやいや、これはきっと暑いせいだ。
うん、そのせいだ、絶対!!
と言うか、今日は僕の誕生日なんだから、貰うのは僕なんですけど!!


あぁ・・・でも。


体に感じる柔らかい体温を感じながら、僕は視線を室内へと流した。

そこには綺麗とは言い難いけど、確かに掃除された部屋が見えて。
所々に色とりどりの紙で作られた飾りがあって。
ってあぁ、アレはチラシで作られてるのか。
どうりで色に統一感がない筈だ。

本当、ショボさ爆発だなぁ。

でも、どうしようもなく嬉しいなぁ。


つい頬を緩ませていると、定春がノシノシとやって来て僕達の足元に
座り込み、頭を擦り付けてきた。

「あ、忘れてたネ。定春もだから三人と一匹でず~っとネ!」

定春に気付いた神楽ちゃんが、その頭を撫でてニシシと笑う。

「だな。あ、でも風呂の時どうすんだよ。
壊れるぞ、ウチの風呂」

僕の肩に顎を乗せ、真剣な顔でそんな事を言う銀さん。

「いや、壊れてるのはアンタの頭ですから。
心配するとこ違うでしょ!」

ペシリと銀さんの額を叩きながらも、やっぱり何時もの様なツッコミは
出来ない僕。

あぁ、もうホントどうしよう。

暑いのに、苦しいのに、恥ずかしいのに。

嬉しくて幸せで仕方ないんですけど。



「もしかして買い物行くのも皆一緒?」

ならたくさん買えるなぁ・・・財布が許す限りだけど。なんだか照れ臭くて
そんな事を呟けば、目の前の神楽ちゃんがニシシと笑った。

「当たり前ネ!なんの為に銀ちゃんの手が
二つついてると思ってるカ。
全部持たせるヨロシ」

「おいぃぃい!!!銀さんの手は荷物を持つ為にあるんじゃねぇよ!!
こうやってだなぁ、新ちゃんを抱き締める為に・・・」

「じゃあ神楽ちゃん、その時は手、繋いでこっか?」

「って無視ぃぃぃぃぃ!!?こんなに耳元で叫んでるのに
無視ですかコノヤロー!!!」

「仕方ないネ。がっちり掴んで離さないでいてやるゼ☆」

「ちょ、ぐらさんんんんん!!?
いやいや、そこは離して行こうよ。
銀さんにも分け与えてあげようよ。」

僕の肩から顔を出して言い募る銀さん。

・・・や、煩いから。本当。

僕と神楽ちゃんは顔を合わせ、仕方ないね~。とばかりに息を吐く。

「仕方ないネ。新八、小指ぐらいは与えてやるネ」

「ん~・・・ま、仕方ないか」

「いやいやいや、小指っておまっ・・・」

「で、今日は皆で一緒に寝るアル!」

「あぁ、いいね。川の字になって寝ようか?」

「ぁあぁ!?ちょっと待てって!!さっき言ったじゃん?
新ちゃんは銀さんと二人で
布団は一つ、けれど枕は二つ~♪みたいな感じでだなぁ!?」

「神楽ちゃん、僕、定春で」

「おぉ、立派な川の字アル」

「おぉぉおおおおいぃぃい!!!銀さんんん!!!
ソコ、銀さん忘れてるから!!!」

「あ、じゃあ銀さんは送り仮名部分をお願いします」

「どうやって!!?」

ギャーギャーと騒ぐ銀さんに、僕と神楽ちゃんは笑いを隠せない。
クスクス笑っていると、後ろの銀さんが この悪ガキ共が!! と
僕の腰に回していた腕に力を込めてきた。
そして、

「おりゃぁああ!!こうなったら真の川の字を見せてやらぁ!!」

そう言って神楽チャン毎僕を抱き上げてしまった。

「ちょ?銀さん!!?」

「キャッホゥウ!昼寝カ?昼寝するアルカ?」

今日は早起きしたから眠気バッチリネ!!そう言って笑う神楽ちゃんが
落ちないよう、僕は回していた手に力を込めた。
それを見届け、銀さんはよしとばかりに口元を上げると、
傍らに座っていた定春を見た。

「おら、定春も来い。ってもお前は装飾部分だからな。
川の字は神楽と新八と銀さんだから。」

そう言ってドカドカと和室へと向かっていく。

どうやら本気で昼寝するらしい。
ってかまだ昼寝って時間じゃないんですけど!?
って銀さん、布団敷きっぱなし!!!
起きたらすぐ仕舞えって言ってあるのに!!

そうは思うが、どうも今日の僕はツッコミが甘い。
何も言えず、ただ頬が緩んでいく。

・・・ま、偶にはいいよね?
だって今日、僕の誕生日だもん。

ゴロリと寝かされ、川の字と言うには妙に幅の細いものになりながら、
僕はゆったりと目蓋を閉じた。



朝から色んな人と会って。

沢山の言葉を貰って。

そして今、こんな温かいものを貰って。


ま、少し暑いけどね。

ちょっと狭いけどね。


でも多分、僕はこの日一番の幸せモノだ。


「あ、ちなみに今日が終わってもずっと一緒だからな?」

「当然ネ!万事屋は三人と一匹で万事屋ヨ!!」

「寧ろ坂田家な?坂田さん一家な?」

「はいはい。ホラ、寝るなら寝てください。
で、起きたらまず買い物ですからね~」

「「あいよ~」」

******************************
誕生日おめでと~、新ちゃん!!!
これで一応終了です。ここまでお付き合いして下さり、
有難うございましたv

・・・てか今気付いたけど坂田、お祝いの言葉言ってねぇぇぇえ!!!(爆)

拍手[2回]



土方さんに貰ったビニール袋を片手に、僕は万事屋へと
向かっていた。

本当、貰っといて良かったよ、これ
だってなんかもう色々ギューギュー詰めだもん。

最初はマヨとエリザベス(ぬいぐるみ)と駄菓子が詰まった紙袋しか
入ってなかったビニール袋だが、沖田さんが言っていた事は本当だったらしく
巡察している真選組の人に会うと、その度にお祝いの言葉とちょっとした
贈り物を貰う羽目になり、今ではパンパンに膨れ上がっている。

既に許容量はオーバーしている感じだが仕方がない。


だって懐には
絶対何も入れたくないしね。



ちなみに先程会った山崎さんからはミントンのセットを貰った。

・・・この人もお約束を外さない人だよな~。

でも、流石にそれは持つ事も、ましてやビニール袋に入れる事も出来ないので、
後日ミントンをする約束をし、その時に持ってきて貰う事にした。

折角持ってきてくれたのに悪かったな~、と思ったけれど、ミントンの
約束をした為か、山崎さんは嫌な顔一つせず了解してくれた。

良かったけど・・・これからまだ巡察をしなければいけない
山崎さんは本当に良かったんだろうか?

ミントンのラケット片手に巡察の集団に戻る姿を見て、
少しだけ不安になった。


と言うか、それを見ても
誰も気にしない所が不安になった。


なんかもう基本装備扱い?

 

しかし・・・重いな~。
幾ら一つ一つは軽いものだと言っても、数があるとさすがに重い。
しかもビニール袋だから手に食い込むし。

全く、近藤さんも碌な事しないな!
隊員の人達も、そこまで付き合わなくてもいいのに。

でも、嬉しいのも本当なので、ちょっとだけ頬が緩む。

「あれ?新八君?今日は遅いね~」

持つ手を変えた所で声を掛けられる。
振り向けば、其処には片手を懐に入れ、こちらへと
歩いてくる長谷川さんの姿が。

「お早うございます。今日はちょっと色々あって・・・」

苦笑して言葉を返すと、長谷川さんはちらりと視線を僕の手元へと向け、

「あぁ、お早う。・・・凄いね~、なんかあったの?」

と、問い掛けてきた。
う~、自分で言うの、恥ずかしいんだけどな。
でも、ビニール袋の中には綺麗にラッピングされている物もあるので
(ちなみにそれはスキンヘッドの人がくれた物で、物凄く恐縮してしまった)
素直に言う事にした。

すると長谷川さんは一瞬目を丸くすると、すぐに細めて笑い、

「そいつぁ~めでてぇなぁ。おめでとう」

と、お祝いの言葉をくれた。
その言葉と優しい表情に、僕は嬉しいのだがどこかやっぱり恥ずかしくて
頬が熱くなるのを感じた。
それを誤魔化すように頭を軽く下げる。

「有難うございます」

「そっか~、誕生日か~。俺も何か上げれればいいんだけど・・・」

そう言って苦笑し、首筋を掻く長谷川さんに、僕は慌てて首を振った。

「そんな!お祝いの言葉だけで本当、嬉しいです!!」

って言うかこれ以上は本当、無理。
もう下のほうにあるエリザベスなんて、見たら夢に出てきそうなぐらい
歪んでるから!!

そんな思いを詰め込み長谷川さんに告げるが、納得はしていないようだ。
少し何かを考えるように空中に視線を飛ばしていると、

「あ、そうだ!」

丁度いいのがあった。と。長谷川さんはズボンの後ろへと手をやった。
そしてそこからビニールに入った長細いものを取り出してくる。

「これ、貰ったのはいいけど使わないからどうしようかと
思ってたんだよね」

新八君なら使うでしょ。そう言ってビニールを外し、中の物を広げる。

「これって・・・・」

エコバッグ?

広げられた物から視線を上げると、微妙な顔をした長谷川さんが居た。

「ん~、なんか道端で配ってたんだよ。奥様にどうぞ~☆・・・とか
言われてね」

ははは、と乾いた笑いを上げる長谷川さんに、何も言えなくなる。

グラサンの奥で何かがキラリと光った気がしたが、気のせいにしとく。
さすが僕。
伊達に今日、
一つ大人になった訳じゃない。

「有難うございます。早速使わせて貰ってもいいですか?」

にっこりと笑みを浮かべると、グラサンを直す振りをしながら
そっと涙を拭いて頷く長谷川さんから視線を外し、その中に
ビニール袋の中身を移していく。

うん、大きさもあるし、なんと言っても持ち手がビニールじゃないから
手が痛くならないや。

「買い物の時も使わせて貰いますね」

まぁこの袋が一杯になる事はないと思いますけど。そう言って笑うと、
銀さんも仕方ねぇなぁ。 と長谷川さんも笑ってくれた。

うん、やっぱり笑ってくれてた方がいいや。
こっちも気まずくならなくて済むし。

「うん、新八君が使ってくれるなら貰った甲斐もあるってもんだな」

じゃあ、引き止めて悪かったね。長谷川さんはそう言うと
僕の頭を優しく一撫でし、その場を後にした。

その背中が少し嬉しそうで、僕の足取りも再び軽いものとなった。

 


うん、エコバッグって凄いや。

 

 

 




何時もより遅くなってしまった時間に漸く万事屋へと辿り着いた。

銀さん達、起きてるかな~?・・・起きてないよね、きっと。

これまでの労力と、これから使うであろう労力を思い浮かべ、
一つ重い息を吐き、階段を登ろうとした所で、僕は店から顔を出した
お登勢さんに捕まった。

やばっ!今月の家賃、まだだったよ!!!

慌てて頭を下げようとしたが、その前に店の中へと連れて行かれてしまう。

「あの~・・・」

そこで家賃をもう少し待って貰えるようお願いしようとすると、
お登勢さんは苦笑し、

「全く、銀時も仕方ないヤツだね。どうせ家賃はまだなんだろう?
それは直接アイツに言っとくから」

アンタにはコレだよ。そう言ってカウンターに置いてあった紙袋を
僕の方へと差し出してきた。

「・・・え?」

「えっ・・・て。ここに来るまで色んなヤツに貰ったんだろう?
それと一緒さ」

お登勢さんは小さく笑うと、僕が持っていたバッグを顎で指し、
空いている手にその紙袋を乗せた。

「誕生日だろ?おめでとう、新八。
アンタ、良くやってくれてるからねぇ。大したもんじゃないけど、
アタシからの誕生日プレゼントだよ。」

柔らかい笑みでそう告げてくるお登勢さんに、僕は目をパチクリ
させてしまう。

だってまさかお登勢さんまで知ってるとは思わないよ!!

僕の疑問が判ったのか、お登勢さんはタバコに火をつけ、一つ息を
吸うと

「何日か前から上は大騒ぎさ。気付かない方が馬鹿だよ」

全く、煩いったらありゃしないね。そう言って笑い、細い煙を
吐き出した。

言われて耳を澄ませば、確かに聞こえてくるバタバタとした音と、
着慣れた声達。

どれだけ大きな声で話しているのか、時折聞こえてくる言葉の
数々に、僕もそっと笑みを零した。

***************************************
後一話でお終いです!漸く辿り着きました~(笑)

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