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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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「お、万事屋だ」

車での移動中、ふと外を見ていた近藤が呟いた。
それに釣られるように土方も窓の外を見る。

言葉通り、気に食わない面を真ん中に、見慣れた三人組が
呑気に道を歩いている。

「なんだ?昼真っからプラプラと・・・
いいご身分だな、コンチキショー」

こっちとら昨夜の捕り物から不眠不休で働いてるってのによ。

土方の舌打ち交じりの呟きに、近藤の顔に苦笑が浮かぶ。

「まぁいいじゃないか。
俺達はその為に働いているんだから」

「その中に奴も入ってると思うと吐き気がするがな」

遠くなっていく三人の姿を見送りながら、土方が吐き捨てる。
そんな土方に、助手席から沖田が声を掛けた。

「あぁ、そりゃ確実にさっき食った犬の餌のせいでさァ。
吐瀉物器官に詰まらせて逝っちまえよ、土方」

「おぉぉい!何不吉な事言ってんのぉぉ!!?
ってか犬の餌ってなんだ、犬の餌って!
土方スペシャル舐めんなよ、ゴラァァ!!」

「舐めてんのはアンタ自身でさァ。
全ての食べ物とに謝って切腹して下せェ」

「よぉし、判った。
だからちょっと耳貸せ、そぎ落としてやっから」

狭い車内で顔を突き合わせて睨み合う二人に、
近藤が まぁまぁ と間に入る。

「しかし、本当に仲が良いんだな、あの三人は」

大抵三人で居ないか?近藤に言われ、そう言えば・・・と
土方も先程の光景を思い描いた。

朝、新八が万事屋に行く時は別だが、自分が見かけるのも
大抵先程のように三人並んで歩いている。

まぁ偶に新八一人で買出しにいく所や、銀時と共に
バイクに乗って居る所も見かけるが。

「知ってますかィ?あれって立ち位置決まってんですぜィ」

そんな事をぼんやり思っていると、不意に沖田が
面白そうに話し出した。

「ん?そうなのか?」

沖田の言葉に、近藤が不思議そうな声を上げる。
それに沖田は一つ頷くと、指を三本立てて見せた。

「まぁ絶対って事はないかもしれやせんが、
大抵旦那が真ん中でさァ」

そう言って中指を指差し、で後の二人が両サイドっと・・・と、
残りの指を示した。

「あぁ!そう言えばそうだな。」

沖田の言葉に、近藤が軽く手を叩く。

「なんか万事屋の後をピョコピョコ着いてってるって感じだな。」

いや~、可愛いなぁ、二人とも。
そう言って笑う近藤に、土方が緩く口元を歪める。

「どっちかってぇと両脇固められて寄り道とか
しないようにされてんじゃねぇか?」

ほっとくと碌な事しやがらねぇからな、あの馬鹿。

「いや、それがね」

鼻で笑う土方だったが、直ぐに沖田の言葉に遮られた。

「この間、やっぱりさっきみたいにプラプラしてる三人を見かけやしてね?
暇だったからボーっと見てたんでさァ」

「おい、ちょっと待て。
この間って何時だ?確かここ一ヶ月、今回の捕り物の為に
休みなしだったよなぁ!?
暇な時なんて少っっしもなかった筈だよなぁ!!?」

「あ、じゃあ一ヶ月前って事で。
っつうかもう黙ってろよ、土方。
話がすすまねぇじゃねぇか、
空気読めよ、本当。」

「オマエが空気読めよ。
何みんなが働いてる時にサボってんだ、コノヤロー」

「まぁまぁ、もう過ぎちまった事は仕方ねぇじゃねぇか、トシ。
で?三人を見てて何かあったのか?」

再び険悪な空気が流れ始めた二人に、近藤が
苦笑しつつ入って話を進める。

沖田はそれに一つ息を吐くと、先程の続きを話し始めた。

「いや、そん時もやっぱり旦那が真ん中だったんですけどねィ?
なんかの拍子に新八が転びかけたんでィ」

で、さっと旦那が手を伸ばして助けた・・・と言う沖田に、
近藤と土方はチラリと視線を交わした。

「まぁ・・・普通そうするよなぁ」

「あぁ。ってかそれが何だよ」

揃って首を傾げる二人に、沖田は呆れたように肩を竦めた。

「ったく、二人とも気が早いでさァ。
俺もそん時はそう思いやしたけどねィ?」

そう言い、沖田は片手を広げた。


 

まず、その後神楽が何かを見つけたらしく、車道に飛び出そうと
したのを銀時が捕まえ。

新八が街頭アンケートに捕まりそうになったのを
間に入って阻止し、

はしゃいで後ろ向きに歩き出した神楽が電柱に
ぶつかりそうになるのを止め、

新八に変なチラシが渡されそうになった所を、
すかさず自分が受け取って、




二人に何かある前に、銀時がさり気なく手を出す。
そんな事柄を一つ出すたびに折っていく沖田の指は、
何度か折っては伸ばしを繰り返し、近藤と土方の顔を
唖然とさせた。


「って事は何か?万事屋は・・・」

「その為に真ん中に居るって事か?」

沖田の言葉が確かなら、そう言う事だろう。
真ん中に居れば、二人への対処もしやすい。

それに沖田はニヤリと口元を緩めた。

「ま、旦那は無意識みたいですけどねイ」

いい加減アホらしくなって、その後 大変だすねィ。て
声を掛けたら、何がだ? と不思議そうな顔をされたし。

そう言う沖田に、近藤の口元にも笑みが、
土方の顔には呆れた色が浮かぶ。

「なんだ、やっぱり仲が良いんだなぁ、あの三人は」

「ってか過保護過ぎるんじゃねぇのか?」

 

 


もうすれ違って大分過ぎたはずなのだが、三人の耳には
面倒臭そうな、それでいて楽しそうな声が聞こえてきた気がした。

********
過保護坂田。

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