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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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その日、新八と二人で買い物へと来ていた。

何時もの八百屋で野菜を見ていると、不意に背後から
声を掛けられた。
二人して振り返ると、声を掛けた男は

「やっぱり志村じゃん」

なんて言ってきやがった。
何、知り合い?なんて新八に視線を向けるが、
当の本人は酷く曖昧な顔で え~っと・・・なんて
微妙な返事を返してくる。

なんだ、知り合いじゃねぇのか。

・・・て、じゃあ何だよ、この馴れ馴れしさは。
何?ストーカー?
おいおい、俺を差し置いて
いい度胸じゃねぇか、コノヤロー。

なんて思ったのだが、声を掛けてきた男は俺達の様子に
気付く事無く、久しぶりだな~、元気だった?なんて愛想良く
話を進めてくる。

こうなると、新八の性分として『どちら様ですか?』なんて
事は聞けないだろう。

ちらりと見れば、愛想笑いをしながら話を合わせているが・・・


多分、頭の中の引き出しを必死に
引っ掻き回しているんだろうな、これ。


それが丸判りで、ちょっと笑える。
そして焦ってる顔がものっそく萌える。

もう少しこのまま眺めていたいが、でもこのまま思い出せずに別れたら、
きっと気になりまくりで仕方なくなるだろう。

それはイヤだ。
悩む姿も可愛いんだが、それは坂田家限定での事。
それ以外の事で悩むなんて、銀さん許しませんよ!?

って事で、遅まきながらも助け舟を出す事にした。
本当にストーカーだったらヤバイし。

だが、ちらちらと耳に入ってくる話題からすると、どうやら新八が
昔働いていたバイト先で一緒だった奴らしい。

羨ましいな、コンチキショー。
新八のドジッ子ぶりを堪能しまくりか、おい。

だが、これは使える・・・と、そこからさり気なく話題に入っていけば、
男は漸く俺に気付いたらしく、自己紹介をしてきた。

その瞬間、新八の目が輝いた。
どうやら思い出したようだ。

どうよ。銀さん、やる時はやる子でしょ?

フフン。と気分良く新八を見るが、どうも思い出せた事で
とてもすっきりしたらしい。
何時も以上にニコニコと話を続けている。

・・・いや、まず銀さんに向けろよ、その笑顔。

でも、今まで思い出せなかった事への罪悪感もあるのか、
新八はこちらに気づく事も無く、愛想良くその男と
話を続けている。

こうなると俺は完璧蚊帳の外だ。
さすがにそんな状態の中、無理矢理入り込んではいけない。

だってそんな事をすれば、新八の怒りが直撃する、きっと。

折角上げた俺の株を下げさせてたまるか。

って事で、俺は株を上げるのと、心の広い所を見せ付けるべく、
新八に 先買い物しとくから。と言って八百屋のオヤジへと
足を向けた。

ま、耳はきっちり二人の会話に向いてるんだけどな。

だって、オマ・・・新八のドジッ子振りな話なんて、
宝物以外の何物でもねぇだろうが。
その上、レジの扱いに必死だったって・・・

その記憶、俺にくんねぇかなぁ。

それが無理なら、いっその事記憶失っちまえよ。

俺以外にそんな美味しい記憶があるってのが
まず許せねぇ。

後でぶん殴ってみるか。なんて思いながら、新八の買い物メモに
書かれていた品物をオヤジへと告げる。

・・・が、何故だかオヤジはポカンと間抜け面だ。

「おい、お客様が目の前に居るんですけど?
え、何コレ。もしかしてセルフサービス?
持てるだけ持ってっていいってヤツ?」

「いや、それだとまんまサービスだから。
大出血所か首つる羽目になるサービスだからぁぁ!!」

いそいそと目の前の野菜に手を伸ばしていると、
オヤジが本気で泣きながらすがり付いてきた。

ちっ!正気に戻りやがったか。
ってかそんなツラで寄ってくんじゃねぇよ!
マジ泣きは新八のしか見たくねぇんだよ。
でも実際そんな顔されちまうと、胸が痛くて仕方ねぇんだよっ!

・・・なぁ、銀さんどうすればいいと思う?

オヤジのツラに手をやり、力任せに引き離して聞けば、
知らねぇよ、そんなのっ! と返された。

使えねぇなぁ、おい。

舌打ちをしつつ、再度オヤジに注文の品を告げる。
その通りに野菜を入れながら、オヤジは それにしても・・・と
先程の間抜け面の理由を話し出した。

「新八君、志村って名前だったんだねぇ。
なんか変な感じだよ」

そう言って苦笑するオヤジに、俺は首を傾げる。

「なんだよ、知らなかったのか?」

「そりゃ~俺の前じゃ名前でしか呼ばれてないからねぇ。
だから『新八』君って認識してたってぇか・・・寧ろ

 

 








『坂田新八』って感じだったよ」

 

 













「・・・オヤジ、釣りはいらねぇよ」

「や、これじゃ足りないから。
お約束はいいから、銀さん。
ってか・・・え?銀さん?なんか顔、赤く・・・」

「お~い、新八~。オヤジがこんなにオマケしてくれたぞ~」

「ちょ、銀さんんん!!?」

 

 

うるせぇよ。不意打ちに弱ぇんだから、もう黙ってろよ。

*********
多分神楽も『坂田』認識されてます。

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