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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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「・・・本当に寝ちまったよ」

ギャーギャーと騒ぎつつも無理矢理三人で寝転んだのは少し前。

もう暑いわ狭いわ、川の字って言うよりも単なる塊じゃね?
寧ろ馬鹿じゃね?

そう思いつつも、抱え込んだ温もりは手放すことは出来ず、
そのまま寝転んでいたのだが・・・

「疲れてたのかねぇ・・・」

肩肘を突いて少しだけ体を起こし、隣で眠っている新八の前髪を手に取る。
暑さからか、薄っすらと汗を吸い込んだその髪は、いつもよりも
しんなりと銀時の手から落ちた。

日頃から忙しなく自分達の世話をする少年は、昼寝とは無縁だ。
それも今はまだ昼前。

幾ら無理矢理寝かしつけたとしても・・・珍しい事この上ない。


「ま、アイツは仕方ねぇけどな」

新八の向こうから聞こえるもう一つの寝息に、銀時は口元を緩めた。

少し前、神楽に相談されたのだ。


金を寄越せ
 と。


あ・・・いやいや、あれは相談じゃねぇな。
脅迫、もしくは強盗が正しい、うん。

だって殺気が駄々漏れだったもの。

身の危険を感じながらもとりあえず理由を聞いてみると、
新八の誕生日を祝いたいから・・・
と言う事だった。

馬鹿だなぁ、オメーは。だからお子様だってんだよ。
なんでも金に頼んじゃねぇよ。ようは気持ちだ。
心を込めて祝いの言葉を贈り、その日はお妙のトコでもババァのトコでも
泊まりに行きゃぁそれだけで喜ぶってもんなんだよ。


俺が。



そう提案したらボッコボコにされた。
本当に、懇切丁寧に隅々までボコられた。

その上奪われた財布の中身を見て、再度ボコられた。

仕方ねぇじゃん!!俺だってなぁ金に物を言わしたかったよ!!
だから頑張ったんだよ、頑張ってサムに会いに行ったんだよ!

なのにマ○ンちゃんすら出て来ねぇって
どう言う了見だ、コラァ!!

だが、暴れても金は降って来ないし、時間も止まらねぇ。
序に見送った魚群も戻っては来ねぇ。

で、せめて・・・と考え付いたのが、新八のお手伝いって訳だ。

・・・ま、夕食は少しばかり豪華にするけどな。
ケーキもバッチリ作るけどな。

でもそれらに神楽は手を出す事が出来ない。
ってか出させん。

糖は俺が仕切る。

その気合が伝わったのか、それとも自分の腕前が判っているのか
神楽は文句を言わず、その代わり
新八が帰ってからチラシで部屋を飾るモノを作ったり、
今日も早く起きて掃除の真似事なんぞをしていた。

「・・・これじゃ、今日はずっとこのまんまだな」

少しばかり不満だが、仕方ない。
だって今日は新八の誕生日で、俺達は家族なのだ。


妙が最初を取ったのなら、最後は俺達だ。

間に誰が入ろうとも、これだけは譲れない。


「・・・しっかし凄い量だったな・・・」

ポツリと呟き、俺は新八の持っていたバッグを思い浮かべた。

確認はしていないが、きっとあれらは他のヤツラからの誕生日プレゼント
なのだろう。

・・・ま、こればっかりは仕方ねぇか。
新八の誕生日だ、祝いたくもなるだろうよ。
うん仕方ない仕方ない。

仕方ねぇからちょっと漏れなく俺から呪われろ。

いやいやヤキモチとかじゃねぇよ?
やっぱここはお礼として呪い返さないとな、うん。
あ?字が違う?そっかぁ?
ま、字面が似てんだからいいだろ、別に。

しかし・・・アレだ。あのバッグだけは別な。
だってアレは俺が道端で

『奥さんにど~ぞ☆』

って貰ったのと一緒じゃねぇかぁぁぁあ!!

誰だ、勝手に俺の奥さんにやったヤツァ。

ったく、誰だか知らねぇがきちんと教えなきゃダメみてぇだな。
やっぱ言葉って大事だ。
宣言も大事だ。

けれど拳はもっと大事だ。

え?いやいや違うよ?暴力なんかじゃないよ?
ホラよく言うじゃん?

拳で語り合う・・・みたいな☆

ま、アレだけどね。語り合わないけどね。
寧ろ一方的に語らせて貰うだけだけどね、俺が。

 

そう心に誓い、拳を握り締めていると、新八が微かに身じろいだ。

おっといけねぇ。殺る気が出ちまったか。

慌てて体の力を抜くと、新八の体からも力が抜けたのが判った。

「間抜けなツラだなぁ、おい」

思わずツンと頬を指で突くと、その顔がフニャリと笑ったので、
つられて俺の頬も緩む。

うん、やっぱり最後はきっちり貰おう。
家族の時間も大切だが、二人の時間も大切だ。

どうせ神楽は早々に寝てしまうだろうし、新八には頑張って
日付が変わるギリギリまで起きてて貰おう。

もし寝てしまっても、起こしてしまおう。

文句を言われてもそうしよう。
だって仕方ねぇだろ?

今日は新八の誕生日なんだからよ。

 

最初は妙に、間は他のヤツラに、で最後は俺達に。

そして最後の最後は 俺に。


「贈らせてくれよ、なぁ?」


願いを込めて、俺は新八のやわっこい頬にそっと唇を落とした。

*********************
誕生日話のその後です。
今回も言いませんでしたが、Mag.さんの想像通り
最後を狙いまくりです、坂田(笑)

感想、有難うございましたvv
メッチャ励みになります~vvv
 

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