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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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土方さんに貰ったビニール袋を片手に、僕は万事屋へと
向かっていた。

本当、貰っといて良かったよ、これ
だってなんかもう色々ギューギュー詰めだもん。

最初はマヨとエリザベス(ぬいぐるみ)と駄菓子が詰まった紙袋しか
入ってなかったビニール袋だが、沖田さんが言っていた事は本当だったらしく
巡察している真選組の人に会うと、その度にお祝いの言葉とちょっとした
贈り物を貰う羽目になり、今ではパンパンに膨れ上がっている。

既に許容量はオーバーしている感じだが仕方がない。


だって懐には
絶対何も入れたくないしね。



ちなみに先程会った山崎さんからはミントンのセットを貰った。

・・・この人もお約束を外さない人だよな~。

でも、流石にそれは持つ事も、ましてやビニール袋に入れる事も出来ないので、
後日ミントンをする約束をし、その時に持ってきて貰う事にした。

折角持ってきてくれたのに悪かったな~、と思ったけれど、ミントンの
約束をした為か、山崎さんは嫌な顔一つせず了解してくれた。

良かったけど・・・これからまだ巡察をしなければいけない
山崎さんは本当に良かったんだろうか?

ミントンのラケット片手に巡察の集団に戻る姿を見て、
少しだけ不安になった。


と言うか、それを見ても
誰も気にしない所が不安になった。


なんかもう基本装備扱い?

 

しかし・・・重いな~。
幾ら一つ一つは軽いものだと言っても、数があるとさすがに重い。
しかもビニール袋だから手に食い込むし。

全く、近藤さんも碌な事しないな!
隊員の人達も、そこまで付き合わなくてもいいのに。

でも、嬉しいのも本当なので、ちょっとだけ頬が緩む。

「あれ?新八君?今日は遅いね~」

持つ手を変えた所で声を掛けられる。
振り向けば、其処には片手を懐に入れ、こちらへと
歩いてくる長谷川さんの姿が。

「お早うございます。今日はちょっと色々あって・・・」

苦笑して言葉を返すと、長谷川さんはちらりと視線を僕の手元へと向け、

「あぁ、お早う。・・・凄いね~、なんかあったの?」

と、問い掛けてきた。
う~、自分で言うの、恥ずかしいんだけどな。
でも、ビニール袋の中には綺麗にラッピングされている物もあるので
(ちなみにそれはスキンヘッドの人がくれた物で、物凄く恐縮してしまった)
素直に言う事にした。

すると長谷川さんは一瞬目を丸くすると、すぐに細めて笑い、

「そいつぁ~めでてぇなぁ。おめでとう」

と、お祝いの言葉をくれた。
その言葉と優しい表情に、僕は嬉しいのだがどこかやっぱり恥ずかしくて
頬が熱くなるのを感じた。
それを誤魔化すように頭を軽く下げる。

「有難うございます」

「そっか~、誕生日か~。俺も何か上げれればいいんだけど・・・」

そう言って苦笑し、首筋を掻く長谷川さんに、僕は慌てて首を振った。

「そんな!お祝いの言葉だけで本当、嬉しいです!!」

って言うかこれ以上は本当、無理。
もう下のほうにあるエリザベスなんて、見たら夢に出てきそうなぐらい
歪んでるから!!

そんな思いを詰め込み長谷川さんに告げるが、納得はしていないようだ。
少し何かを考えるように空中に視線を飛ばしていると、

「あ、そうだ!」

丁度いいのがあった。と。長谷川さんはズボンの後ろへと手をやった。
そしてそこからビニールに入った長細いものを取り出してくる。

「これ、貰ったのはいいけど使わないからどうしようかと
思ってたんだよね」

新八君なら使うでしょ。そう言ってビニールを外し、中の物を広げる。

「これって・・・・」

エコバッグ?

広げられた物から視線を上げると、微妙な顔をした長谷川さんが居た。

「ん~、なんか道端で配ってたんだよ。奥様にどうぞ~☆・・・とか
言われてね」

ははは、と乾いた笑いを上げる長谷川さんに、何も言えなくなる。

グラサンの奥で何かがキラリと光った気がしたが、気のせいにしとく。
さすが僕。
伊達に今日、
一つ大人になった訳じゃない。

「有難うございます。早速使わせて貰ってもいいですか?」

にっこりと笑みを浮かべると、グラサンを直す振りをしながら
そっと涙を拭いて頷く長谷川さんから視線を外し、その中に
ビニール袋の中身を移していく。

うん、大きさもあるし、なんと言っても持ち手がビニールじゃないから
手が痛くならないや。

「買い物の時も使わせて貰いますね」

まぁこの袋が一杯になる事はないと思いますけど。そう言って笑うと、
銀さんも仕方ねぇなぁ。 と長谷川さんも笑ってくれた。

うん、やっぱり笑ってくれてた方がいいや。
こっちも気まずくならなくて済むし。

「うん、新八君が使ってくれるなら貰った甲斐もあるってもんだな」

じゃあ、引き止めて悪かったね。長谷川さんはそう言うと
僕の頭を優しく一撫でし、その場を後にした。

その背中が少し嬉しそうで、僕の足取りも再び軽いものとなった。

 


うん、エコバッグって凄いや。

 

 

 




何時もより遅くなってしまった時間に漸く万事屋へと辿り着いた。

銀さん達、起きてるかな~?・・・起きてないよね、きっと。

これまでの労力と、これから使うであろう労力を思い浮かべ、
一つ重い息を吐き、階段を登ろうとした所で、僕は店から顔を出した
お登勢さんに捕まった。

やばっ!今月の家賃、まだだったよ!!!

慌てて頭を下げようとしたが、その前に店の中へと連れて行かれてしまう。

「あの~・・・」

そこで家賃をもう少し待って貰えるようお願いしようとすると、
お登勢さんは苦笑し、

「全く、銀時も仕方ないヤツだね。どうせ家賃はまだなんだろう?
それは直接アイツに言っとくから」

アンタにはコレだよ。そう言ってカウンターに置いてあった紙袋を
僕の方へと差し出してきた。

「・・・え?」

「えっ・・・て。ここに来るまで色んなヤツに貰ったんだろう?
それと一緒さ」

お登勢さんは小さく笑うと、僕が持っていたバッグを顎で指し、
空いている手にその紙袋を乗せた。

「誕生日だろ?おめでとう、新八。
アンタ、良くやってくれてるからねぇ。大したもんじゃないけど、
アタシからの誕生日プレゼントだよ。」

柔らかい笑みでそう告げてくるお登勢さんに、僕は目をパチクリ
させてしまう。

だってまさかお登勢さんまで知ってるとは思わないよ!!

僕の疑問が判ったのか、お登勢さんはタバコに火をつけ、一つ息を
吸うと

「何日か前から上は大騒ぎさ。気付かない方が馬鹿だよ」

全く、煩いったらありゃしないね。そう言って笑い、細い煙を
吐き出した。

言われて耳を澄ませば、確かに聞こえてくるバタバタとした音と、
着慣れた声達。

どれだけ大きな声で話しているのか、時折聞こえてくる言葉の
数々に、僕もそっと笑みを零した。

***************************************
後一話でお終いです!漸く辿り着きました~(笑)

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