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銀さんは掴み所がない人らしい。
・・・そうかな?
「いや、そうかな?って言われてもなぁ」
ってか本人に聞くかな、それ。呆れた顔で僕を見る銀さん。
あぁ、こう言う表情は読みやすいな。
僕は向いのソファに座っている銀さんを見詰めながら、
少し冷めたお茶を口にした。
「だってそう言われたんですもん。
なんか何考えてるか判んないって」
「んなの誰のでも判んねぇだろうが。
あ、でも安心しろ、オマエのはちゃんと判ってるから。
銀さんの事しか考えてないのは丸判りだから」
「やっぱりその死んだ目がいけないんですかね?」
「え、スルー?
ってか違うからね?あくまで死んだような目だから、銀さんのは。
それよりもその『死ねばいいのに』みたいな目を止めてくなんい?
本気で哀しくなるから、銀さん!!?」
アホな事を言い出す銀さんをじっとりと睨みつけていると、
必死な感じで訴えてきた。
あ、本当だ。
僕の考えてる事、ちゃんと判ってるや。
「・・・ね、なんでそんなに驚いた顔してんの?
え、何?本当にそう思ってたりした訳ぇぇ!!?」
「じゃあどこら辺が判りにくいんですかね?」
「いや、だから銀さんの言葉無視しないでくれる?
本当にそうだったのかな?とか思っちゃうからっ!
何か涙出てきそうになるからっ!!」
「ならあえて深く突っ込まないで下さいよ。
折角人が止めを刺さないように
気を使ってんですから」
「・・・既に遅くね?その気遣い」
カクリと項垂れる銀さんを放っといて、僕は再び銀さんを
観察する事にした。
確かに死んだ目からは、何を考えているかは判らない。
態度だって飄々としてるし、表情もそんなに豊かではない方だと思う。
それだけ見れば、やっぱり何考えているか
判らない・・・って感じになるのかな?
僕も最初はそう思ってたし。
でも・・・と、目の前でいじけ始めた銀さんを見詰める。
今では結構判りやすい人だと思うんだよね、僕。
糖分を目にすれば頬が緩むし、ジャ○プを読む目は
意外と真剣だ。
僕と神楽ちゃんが喧嘩してれば、困ったような仕方ないなぁみたいな
暖かい視線をくれるし、
反対に二人で仲良くしてれば、嬉しそうな顔をしてるし、
時に入れて欲しげな顔もする。
甘えたい時はそっと寄って来るし、
僕等を甘えさせたい時は、何かウズウズしてる。
ちなみに全然読めない時は、大抵僕等に関わらせたくない
事がある時だ。
こう言う所は本当頑固だから、絶対僕等にそれを気づかせたりはしない。
・・・ま、それでも何かあるな・・・とは気付くので、
無理矢理関わるんだけどね。
そう言う時の銀さんは、ちょっと怒ってるような顔をする。
・・・多分心配からそうなるんだろうけど。
「ま、アレだ。銀さんはミステリアスな所が売りだから?
そこから掴み所がないって言われるんじゃね?」
別に死んだような目のせいじゃねぇし。
そうブチブチ言う銀さんは、未だ絶賛イジケ中だ。
こうなると面倒臭い・・・いやいや、ウザイんだよねぇ。
顔を逸らしている銀さんを見て、ちょっと笑う。
うん、やっばり銀さんは・・・
「ね、銀さん」
「あ?」
「大好きですよ」
そう言ってにっこり笑えば、銀さんは一瞬目を丸くしてこっちを見、
だけどすぐに慌てて思いっきり顔を逸らせた。
「あ~っ!うっせぇうっせぇ!!
さっきから訳判んない事ばっかり言いやがって。
銀さんからかうのがそんなに面白いですかコンチキショー!!」
そう怒鳴るが、赤く染まった耳はちゃんと見えてるわけで。
他の人には掴み所がない人でも、
僕にとってはやっぱり判りやすい人です。
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どんなに隠そうとしても、身内にはモロバレ。