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「・・・マジでか」
パチンコでの勝負に敗れ、真っ白に燃え尽きたまま帰った俺は、
目の前に広がっている光景にポカリと口を開けた。
その光景とは、万事屋の和室に広がっていて。
中では巨大に横たわる定春を枕に、
新八と神楽が丸くなって眠っていたりして。
・・・あぁ、これが。
俺はその時、天使というものの存在を認識した。
最近妙にちっちぇえ感じが目について仕方ない新八。
そのパーツの一つ一つが妙に可愛くて仕方なかったのだが、
どうやらそれは、パーツだけではなかったらしい。
と言うか考えてみれば、一つ一つが可愛いんだから、
その集合体ともなれば、とんでもねぇもんが
出来上がるわけだよ、オイ。
しかもその隣には、これまたちっちぇえ神楽が同じように
丸くなってて?
そんでもって、ちっちぇえ手同士が微かに重なり合ってたりして?
ちょ、ヤバクね?
本気で可愛いんですけど、ウチの子達ぃぃ!!!!
うわっ!なんかもう見せびらかしたい。
寧ろ自慢しまくりたい。
声の限りに叫び倒したい。
・・・や、しないけどね。
だってコレ、銀さんのだから。
他のヤツラに見せるなんて勿体無くて出来るかってぇのっ!
あ、でも自慢はしよう。
特に長谷川さん辺りに自慢しまくろう。
で・・・と。
俺は静かに和室を後にした。
だってコレは写真に残しとかなきゃ不味いだろ、人として。
とりあえず色んな角度から写真を撮り終え、満足した所で
再びマジマジと眠っている二人と一匹を眺める。
新八は神楽の方に向いて丸まっており、
神楽は新八の方を向いて丸くなっている。
そして二人のオデコは、コツンと合わせられていて。
・・・なんかもう、二人纏めてワシッと両手の中に掴めそうな
気がしてくる。
・・・て、いけるんじゃね?これ。
思わず手が伸びるが、直ぐに我に返り、フルフルと頭を振った。
あ、危ねぇ。
そんな事して起こしたら最後、一瞬にしてこの天国絵図が
地獄絵図へと早代わりだ。
や、起きててもちっちゃくて可愛いんだけどね。
なにしろ、それ以上に
でかい鬼っこを隠し持ってるから、この二人。
多分、起こしたら最後、その鬼っこ達も覚醒して
騒ぎ出すのは目に見えている。
特に今日はパチンコで負けてきたから、その覚醒具合も
物凄いだろう。
仕方無しに伸ばしていた手を方向転換し、微かに合わされている
手へと向けた。
そして指先で新八の手をチョンチョンと突くと、ギュッとそのちっちぇえ手で
指を握られた。
うおっ!なんだこの可愛い反応っ!!
思わずもう片方の手も、神楽へと向けてみる。
するとやはり、同じようにギュッと握られた。
うぉぉぉ!!!ヤバイッ!これはヤバイっ!
ちょ、誰か写真撮って、写真っ!
って、誰も居ねぇよっ!!
んだよ、使えねぇなぁ。
どうせ暇してんだから、そこら辺プラプラ歩いてろよ。
主に長谷川さんとかよぉ。
ま、いいや。
そんな無理言うのもなんだし、やっぱり見せるのは勿体無ぇ。
と言うことで、俺はせめて脳裏に焼き付けるべく、
その光景をひたすら見続けていた。
あ・・・てかコレ、間に入ったりしたりなんかしたら、
もっと幸せじゃね?
自分のナイス考えに、にんまりと口元を緩め、
早速行動に移そうとした時、急に俺の視界は真っ黒に埋め尽くされた。
そして次の瞬間、今まで見ていた光景と違い、
何処かの川が目の前にあって・・・
てか、川の向こうで俺を手招きしてんのは誰だ。
「ね、銀さん大丈夫かな?まだ目が覚めないんだけど」
そう言って新八は、銀時の頭に空いた穴にガーゼを押し当てた。
手当てを受けている銀時は、勿論夢の中だ。
・・・いや、寧ろ死の国一歩手前だ。
新八達が昼寝をしていた時、不意に蛙の潰れるような声がしたと思ったら、
何故か首の上が定春の顔と言った銀時が
自分達の足元に倒れていた。
急いで定春を引き離し、呼んで見たのだが・・・
「平気ネ。銀ちゃんの寝起きが悪いのは何時もの事ヨ。
それより新八、今日の夕飯は何アルカ?」
「ん~、なんか違うような気がするけど・・・ま、いっか。
なんか自業自得な気配がするし。
あ、今日の夕飯はカレーだよ。お肉ない変わりに量は
あるから、いっぱい食べてね」
「おぉ!カレーなら質より量ネ!
銀ちゃんに負けないくらい、全身からカレー臭出す勢いで
食べつくしてやるヨ!!」
「や、それ加齢違いだからね」
じゃあ準備手伝ってね。と言う新八の声に、神楽は力強く返事をすると、
仲良く和室から出て行ったのであった。
その後、残された銀時は、夢の中で進んでいた川の中身が
カレーへと変わり、無事生還を果たす事が出来たらしい。
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坂田家的日常話(笑)