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どうやら俺はとんだ馬鹿らしい。
・・・や、それ酷くね?
新八の目を掻い潜ってやって来た俺の天国、甘味所。
そこでまったりと幸せに浸っていると、それをぶち壊す
輩が視界の中に入ってきやがった。
いや、そんな顔したいは俺の方だから。
ってかそんな顔するぐらいなら無視してそのまま行けよ。
それはそれでムカつくから、
後で後ろから石投げるけどな。
だがそんな願い虚しく、近付いてくる空気が読めない男が一人。
「あれ?旦那じゃねぇですか。
真昼間からこんな所で暇潰しなんていい御身分ですねィ。
あ、ネェちゃん団子と茶、追加ね~」
「サボる気満々なヤツに言われたかねぇよ。
ってかさ、空気読んでくんない?
今俺、ものっそく嫌な顔してたよね!?
会いたくないオーラバリバリに出してたよね?」
「俺も思いっきり出してたけどな」
隣に腰を降ろして来た沖田に二人してムスリと告げると、
大きく息を吐きながら緩々と首を振った。
「何言ってんでさァ。
読んだからこその行動に決まってまさァ」
「・・・あっそ」
こいつに常識を求めた俺が馬鹿だった。
大きく息を吐き、俺は食べかけの団子を。
上司としての威厳全くなしなマヨは新しいタバコへと火を着けたのだった。
いや、本気で注意しとけよ、そこは。
「所で旦那、新八はどうしたんでィ?」
キョロリと辺りを見回しながら問い掛けてくる沖田に、
ん~、家じゃね?と答えると、一瞬大きく目を見開かせた。
「・・・珍しいな」
言われて視線をやれば、土方も少し驚いたかのように
目を開いている。
「珍しいも何も普通じゃね?これくらい。」
ってか一緒に来たら甘味どころじゃねぇだろ。
呆れたように言えば、納得したのか何度か小さく頷いていた。
・・・にしてもそんなに一緒に居るかねぇ。
思わず呟けば、今度は俺が呆れた顔を返された。
「何今更言ってんでさァ。
見掛ける度に一緒に居るじゃないですかィ」
「何度言ってもニケツやめねぇしな」
そう言われ、チラリと自分の行動を思い返してみる。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・居るか、うん。
起きてから・・・ってか起こしてもらってから新八が家に帰るまで、
大抵新八は俺の傍に居る。
少し視線を下げると目に入ってくる小さな頭は、
既に視界の中にあるのが当たり前な状態だ。
一人で気ままに過ごすのが日常と化していた俺にとっては、
窮屈な感じがするかと思ったが、何て事はない。
新八の作る空気はとてつもなく居心地が良いのだ。
少し高めの声で名前を呼ばれれば、なんかホッコリするし、
笑顔を見せられれば頬が緩む。
怪我した時にさせてしまう辛そうな顔は、酷く申し訳ない気がするが、
手当てしてくれる俺よりも小さい手は、暖かくて
直ぐにでも治りそうな気がしてくる。
新八の作る飯が楽しみで家に帰るようになったし、
有難うと言われたくて偶に手伝いなんてするようにもなった。
・・・柄じゃねぇと思うが・・・家族ってのは
きっとこう言うモンなんだろうなぁ。
ついボソリと言葉に出せば、
「あぁ、既に『嫁』扱いですかィ」
なんて言うとんでもない言葉が返ってきやがった。
「はぁ!?
ちょ、オマ何言ってんの!!?
ここはアレだろ、弟とかそう言うポジションだろ、普通!」
「いや、弟は飯作んねぇだろ、普通」
「属性新八だから仕方ねぇんだよ、ソコは」
そう訴えるが、目の前の二人は納得していないようだ。
ったく、なんでそんな風に思うかね?
そりゃぁそこら辺の脂ぎったヤローよりは断然可愛いけどな?
思わず頭なんて撫で繰りまわしたくなるけどな?
序にお尻なんてのも撫でたくなるけどな?
あ、いやいや。
それは手の位置が丁度いいトコにあるから仕方ねぇって。
や、してねぇよ?本当にするわけねぇだろうが
そんなイケナイ事。
だってオマエ、手を繋ぐのだってマジドキドキだったからね?
は?繋いだのかって?
したから言ってんだろ、その感想を。
もうさ、本当ヤバイって。
ちゃんとさ、修行とかしてんだろうな。
ちょっと固くなってんだよ、アイツの掌。
でさ、家事のせいなのか少しざらついててさ。
なのに俺の掌にすっぽり包み込めちゃうんだよ、新八の手!
もうそれらが全部こう・・・キュッと来ちゃってさ。
離したくねぇって思ったからね、本気で。
あ?だから兄貴分としてだよ、兄貴分として。
ホラ、やっぱきちんと道を示さなきゃダメだろ?
・・・ダメなんだよ、手を引いてってやらないと。
あ~、でもそうすっと新八、すっげー恥ずかしそうにすんだよ。
顔なんてもう真っ赤よ?真っ赤。
それがまた可愛くてさ~。
この間なんて態々遠回りしちまったからね。
通常十分弱の道のり、四十分かけたから。
あ、真っ赤って言えばよぉ、この間膝枕して貰ったんだけどさ~・・・
「・・・旦那。惚気はもういいでさァ」
「惚気じゃねぇよ。何処聞いてたらそんな風になんだよ」
「何処を聞いてもそうとしか聞こえねぇよ、
この馬鹿」
****************
結局銀→←新(笑)
って事で姫りんご様。
やっぱりあの珍しさは一瞬で終わりましたよv(笑)
ってか無自覚と言うより、単なる天然変態さんのような・・・ι
こんなんでも萌えて頂けますかね?(無理だぁぁ!!)