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そろそろ風も寒くなってきた秋の日。
買い物からの帰り道を歩いていた新八は
巡察中だと言い張る沖田と会い、何時もの公園と来ていた。

が、生憎今日はオヤツもお茶も手元にない。

それに座ってから気付いたので、まぁ今日は何もなくていいか。
と新八は思っていたのだが、沖田は違ったらしい。

携帯を取り出したかと思うと何処かに電話し、

「焼き芋と茶、二人前」

とだけ告げ、そのまま通話を終了させてしまった。

「・・・なんですか、今の」

「神の声でさァ」

疑問に思った新八が問い掛けたが、返って来たのは答えのようで
全く答えではなかった。
だが、それ以上問い掛けても無駄だと理解しているので、
新八は そうですか。とだけ返すと、ぼんやりと
秋晴れの空を見上げたのであった。






 


「あ、やっぱりここだったんですね」

それから少しして公園にやって来たのは、やっぱりと言うかなんと言うか、
山崎その人であった。

「も~隊長、場所ぐらい言ってから切ってくださいよ~」

はい、焼き芋とお茶。と言いながら、沖田と新八にそれぞれ手渡す。

・・・ってか文句はそれだけなんだ。
凄いな、『神の声』

言葉ではそう思っていても、新八の視線は生温い。
幸い、山崎はそれに気付く事無く、新八の隣に腰を降ろすと
もう一つ焼き芋を取り出して二つに割った。

「あ、テメー何勝手に自分の分まで買ってきてるんでィ
厚かましいヤツでさァ。それも寄越せよ」

「どんだけ芋好きなんですか。
別にいいでしょ。どうせ休憩時間ですし、
それに自分のお金ですし」

「あ、そうだ。僕の分のお金・・・」

山崎の言葉に、新八が慌てて財布を出そうとするが、直ぐにその手を
止められた。

「別にいいでさァ、今日は山崎の奢りでィ」

「あ、やっぱり?
ってかなんで隊長が言うんですか、それ!!」

普通俺の台詞でしょ!?そう叫ぶ山崎を、沖田が鼻で笑い飛ばす。

「だれが言っても結果は同じだろうが。
んな事気にするなんざぁ器が知れるってもんだぜィ?
それとも何かィ?態々言って恩を着せたいってヤツかィ?
おいおい、こいつはとんだドS野郎でさァ」

「いや、結果は同じでも心象が違いますよね?
寧ろどんどん心象悪くなってる気がするんですけど!?
違うから、そんな気全然ないからね、新八君!!」

ニヤニヤと笑いながら言葉を綴る沖田に、山崎が必死に
弁解してくる。
それに新八は 判ってますから。 と苦笑を浮かべると
手にしていた焼き芋を微かに上げ、

「じゃあ遠慮なく戴きますね?有難うございます」

と礼を口にした。
その言葉に、若干山崎の目に涙が浮かぶ。

「うぅ、新八君は素直でいい子だね~」

「おいザキィ。なんかそっちの方が旨そうだから
ちょっと寄越せよ、
半分ぐらい」

「アンタは素直って言うより本能の赴くままって
感じですね。
ってか本当、どんだけ芋好きなんですかっ!!」

だが結局沖田に逆らう事が出来ず、半分を奪われてしまった
山崎は残った焼き芋を片手に深々と溜息を零した。

「えっと・・・こっち食べます?」

それを見た新八が、割って膝に置いていた半分の焼き芋を
山崎へと差し出す。

「え?や、いいよいいよ。
折角買ってきたんだから新八君が食べて。
隊長の理不尽には慣れてるから!」

新八の心遣いに山崎は慌てて手を振るが、新八は余計に
同情心が増したようだ。

「なら半分こで」

そう言って半分に割ってあったものを、さらに二つに割り、
大きい方を山崎へと差し出した。

「結構お腹膨れますから、これくらいが丁度いいですし」

どうぞ。と言って笑う新八に、山崎もそれ以上遠慮する事なく、
有難う。と嬉しそうに焼き芋を受け取った。

そして美味しそうに口にし、

「あ~本当いい子だよね、新八君は。
姐さんが羨ましいよ~」

俺もこんな弟が欲しかった。と深々と吐き出した。

「弟・・・ですか?」

「うん、そう!
ね、どう?俺みたいなお兄さん!」

欲しくない?と聞いてくる山崎に、新八と沖田は そう言えば・・・と
少し前までよく会話に上がっていた『お兄さん』の話題を
思い出した。

考えてみれば山崎だって年上だ。
しかも面倒見が良く、れっきとした真選組の一員なので
お金もそれなりに持っている。

現に今日だって焼き芋とお茶を奢ってくれているし。

それにパッと見だって、新八と兄弟と言っても通るだろう。

だが・・・と一瞬沖田と新八の視線が交わる。

そう、何故だか山崎と言う例えは一言も出た事がなかったりして。






「・・・地味だから忘れてたぜィ」

「だからこそ一番近いと思うんですけどね~」


深々と溜息を吐く二人に、山崎は訳が判らず、

「へ?」

と首を傾げたのであった。

**************
すっかり忘れてました☆(ひでぇι)

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