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とりあえず、今日は街全体がこんな調子だし、仕事もないだろう・・・
と言う事で、僕は万事屋を休む事にした。
・・・ま、こんな事になってなくても仕事なんかないんだけどね。
家事は山ほどあるんだけど。
ってかちゃんとご飯食べたかな、銀さん達。
そんな心配が生まれてくるが、それと同時にある疑問も浮かんでくる。
・・・果たして、銀さん達も性別が逆転しているのだろうか。
僕は洗濯物を干している手を休め、ちょっとだけ想像してみる。
・・・うん、休んで正解だったかも、僕。
だって絶対逆転してるしね。
それが判ってて自らトラウマ植え付ける趣味、ないから。
そう結論付けると、残っていた洗濯物を干し、空になった籠を
手に座敷へと戻る事にした。
それとほぼ同時に、姉上も中庭から戻ってくるのが見える。
「あら、新ちゃん。洗濯物干してくれたのね?」
有難う。と笑う姉上はとても優しげだが、微かに頬に付いている
赤いモノが全てを台無しにしている気がする。
って言うか・・・
「あの・・・もしかして・・・」
「あぁ、今死装束着たゴリラが徘徊してたのよ。
だからその願いを叶えてあげてきたわ」
この拳で。そう言って掲げた拳には、まだ瑞々しい赤いモノが
付いていたりして・・・
近藤さん、アンタなんでまたこんな時に・・・
状況が状況なんだから、マジで仕事して下さいよっ!
混乱してますよね、普通に皆っ!!
あ・・・でも近藤さんも女の人になってたりするんだよね、今。
・・・そりゃ~いつにも増して力が入るよ、うん。
でも、そうすると・・・
「それ、もしかして白無垢だったんじゃないんですか?花嫁的な」
「単なる視覚的暴力だったわね。
自分でもそう思ったんでしょ?だから態々着てきたのよ、死装束」
その点、新ちゃんは可愛いわよね~。と言って、姉上は
僕の頭に手を乗せてきた。
うぅ、普段なら恥ずかしくて仕方ないんだけど・・・なんでだろ。
今はそんなでもない・・・かな?
僕は赤くなっているだろう顔を俯かせて、ちらりと視線を上げてみた。
ソコには姉上なんだけど、姉上じゃない、優しい笑顔があって。
あぁ、兄が居たらこんな感じなのか・・・とちょっとだけ
頭を撫でてくる何時もより少し大きめな手に、心地よさを感じていた。
すみません、近藤さん。
後で必ず掘り返しますから。
そんな風に、穏やかな時間を過ごしていると、
不意に玄関から大きな物音が聞こえてきて、僕と姉上はキョトンと目を合わせた。
とりあえず普通のお客さんならそんな音は立てないし、
近藤さんが復活するのには早すぎる。
と言うことは・・・
思い当たる人物を思い浮かべながら、座敷からヒョイと顔を覗かせると、
ドタドタと廊下を歩いてくる足音が聞こえ、次に。
「お~、新八。来ないから来たぞ、銀さん」
機嫌良さ気にトラウマがやって来た。
や、行かなくても来るなよ。
「・・・て言うかなんで完璧パー子さんになってんですか、アンタ」
出迎えてもないのに勝手に上がりこんで来た銀さんは、
普段の姿ではなく、パー子の時に着る着物に身を包み、
何故かつけ毛もつけてばっちりメイクをしていた。
なんだろう、この人。
もしかして姉上と同じで楽しむ気満々!?
そんな思いが顔に出てしまったのだろう。
銀さんは僕に近付いてくると、パチンと僕の額にでこピンをお見舞いしてきた。
「ば~か。こんなバインバインな体で何時もの格好なんかしてみろ。
色んな部分がはち切れるからな?
だからと言って着るものだけ変えてもアレだ・・・
色んな意味で泣けてくるから、本当」
そう言って視線を逸らす銀さんに、僕もそっと視線を落とした。
うん、確かにそうですね。
トラウマなんて言ってごめんなさい。
真のトラウマはまだ他にありました。
「凄いネ、新八が女になってて、姉御が兄貴になってるネ」
思わずつけ毛なしのバインバインな銀さんを想像し、付け毛の有り難味に
改めて感謝していると、ヒョコリと見知った顔が銀さんの後ろから出てきた。
あ、でもやっぱりちょっと知らないや。
どうやら天人の神楽ちゃんも例外ではなかったらしく、
何時もより少しだけ鋭さが増した男の子の神楽ちゃんが立っていた。
こちらも色々考慮したらしく、何時ものお団子ではなく、
姉上と同じように後ろで一つに縛っているだけだ。
とりあえず来てしまったものは仕方がない。と、僕は銀さん達を
座敷へと招きいれ、お茶の用意をする事にした。
「しっかし違和感ねぇよな、お前ら」
僕の出したお茶を受け取りながら、銀さんがしみじみとした口調で
そう呟いた。
「って言うかお妙、本当に男になってんの?
何時もと変わんなくね?特に胸とか」
「やだわ~、銀さん。
未成年の前でそんな堂々としたセクハラ発言。」
その瞬間、物凄い速さで姉上の腕が伸びたのが見え、序に
何かが激しく潰れる音が聞こえてきた。
そ~っと視線を向けてみると、テーブルの上に見事に顔を
減り込ませている銀さんの姿が・・・
・・・うん、見えない見えない。
だって有り得ないもの、あんな減り込み方。
だからアレだ。眼鏡の調子が悪いことにしておこう、僕っ!
そう自分に言い聞かせてお茶を啜っていると、不意に目の前に
神楽ちゃんの顔が現れた。
「どうかしたの?」
マジマジと僕を見詰めてくる神楽ちゃんに、そう問い掛けると
新八もあんまり変わってないネ。とボソリと呟かれた。
「格好は女だけど、銀ちゃんみたいにバインバインになってないよ。
本当に生えたカ?」
そう言ってワシッと僕の胸へと手を伸ばしてきた。
「ちょっ!何してんの、神楽ちゃん!!」
慌てて逃げようとするが、何時の間に来たのか、後ろから
姉上に抱き込まれてしまい、身動きが取れなくなってしまった。
「姉上!?」
「うふふ、どう?神楽ちゃん。ちゃんと女の子でしょ?」
「おぉ!なんとなくあるヨ、新八っ!」
「いや、なんとなくって何!?
あっても嬉しくないけど、それもなんか物悲しいんですけどぉぉ!!?」
「あ、マジで?どれどれ、俺も・・・」
「テメーは自分ので
自給自足しとけやコラ」
目を輝かせながら僕の胸を触る神楽ちゃんに便乗しようとした
銀さんだったが、その手よりも早く姉上の拳が銀さんの顔へと
走った。
・・・銀さん、そろそろ学習して下さい。
畳みに倒れこみ、静かになる銀さんを横目に、それまで僕の胸を
触っていた神楽ちゃんが今度はその目を姉上へと向けた。
「姉御も本当になくなったアルカ?」
ちょ、神楽ちゃんそれ禁句っ!!
ってか今までの銀さんので学習はしてなかったのぉぉぉ!!!?
神楽ちゃんの発言に青くなっていると、背後でクスリと笑う
音がした。
あぁ、良かった。
流石の姉上でも、神楽ちゃんには手をあげないよね?
そう思い、安心して振り返ると・・・
「やだわ~神楽ちゃんたら。
・・・見て、判るわよね?」
手は上げてないけど修羅を纏った鬼人がいらっしゃいました。
その瞬間、神楽ちゃんの頭を掴み、土下座して詫びる僕が居た事は
・・・言うまでもないですよね、はい。
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すみません、終わりませんでしたぁぁぁ!!!(土下座)
もう少しだけお付き合い下さいっ!