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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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「でね、引ったくりにあって僕がそれを追いかけてたら、
偶々横の小道から銀さんが出てきて捕まえてくれたんだよ」

タイミングいいよね~、あの人。そう言いながら洗濯物を
畳んでいる新八の声が、幾分弾んでいるのが判る。
神楽は寄り掛った背中でそれを感じながら、適当な返事を返し、
酢昆布を齧った。

・・・って言うかタイミングがいいも何もないネ。

そもそも銀時は、新八が買い物に出掛けた後、まるで後を
追う様に万事屋を出て行ったのだ。
それを知っている自分からしてみれば、偶々なんかでは全く無く、
純然たる必然だ。

大体誘われた時に普通に答えればいいだけの話ネ。
なんで毎回渋るアルカ。

お陰で最近は荷物が多くなりそうな時や、お一人様~と言う
限定品がある時にしか誘われなくなっている。

・・・哀れなものネ。

毎度買い物に行こうとする新八の姿に、ソワソワしているものの
気付かれる事なく、一人で出掛けてしまう新八にカクリと肩を
落としている銀時の姿を、神楽はヘッと鼻で笑い飛ばした。
だが新八はそんな神楽に気付かず、一人で話を進めていく。

「やっぱりアレかな?
銀さんがアクシデントを引き寄せてるのかな?」

いや、違うネ。
銀ちゃんが新八に引き寄せられてるだけネ。勝手に。

・・・そう考えると、アクシデントを引き寄せてるのは新八アルカ?

ふと思いついた事を新八に言ってみると、え~。と嫌そうな声が
返って来た。

「やな事言わないでよ。言っとくけどそんな事ないからねっ!」

顔をクルリと神楽に向け、むっとした顔で言う新八に、
はいはい。と適当に返事を返す。

ま、アクシデントよりもっと最悪なのを
引き寄せてるけどナ。

「そりゃ~色々な事に巻き込まれるけどさ。
・・・あ、でもそんな時も大体銀さんが来てくれるっけ・・・」

僕、助けて貰ってばっかりだなぁ。少し落ち込んだ様な声で
ポツリと呟く新八に、神楽は器用に片方だけ眉を上げた。

・・・いや、その考えで行くと
新八は銀ちゃんにつけられてばかりネ。
アレあるか?志村家の遺伝子には
ストーカーホイホイの要素でも
組み込まれているアルカ?

大体何時も思うけどタイミング良すぎヨ。
なんであんなに丁度いい、見せ場ばっちりのタイミングで
出てこれるアルカ。
って言うかぶっちゃけ何で何時も新八の場所が判るネ。

新八レーダーでも付いてるアルカ?


それに私見てしまったネ。
前にやっぱり新八が危なかった時、これもやっぱりタイミング良く
出てきて助けた銀ちゃんが、新八の嬉しそうな顔を見た瞬間、
満足げにニンマリと口元を上げたのを。

・・・あの時の銀ちゃんは、無駄に煌いてたアルヨ。

「気にする事ないネ。
あれは既に銀ちゃんの趣味の域ヨ」

そう言うと、新八はクスリと苦笑し、人助けが?と答えた。

それにとりあえず頷いておく神楽。

ま、正しくは新八助け・・・って言うか
新八の前でカッコ付けるのが・・・ネ。

「でもそっか~・・・うん、そうだよね。
銀さん、あぁ見えて情が深いし」

情は情でも愛がつく情だけどな。
しかも新八限定。

「普段はあんなにやる気なさそうなのに、
いざという時はちゃんと決めてくれるし」

まさに不良が少し良い事をすると
ごっさ良いヤツに見える法則の応用ネ。

計算高いにも程があるヨ。
今度私も使ってみるアル。

「ちょっとだけ・・・ヒーローみたいだね?」

これからは偶に手伝いをして新八に褒めてもらおう。と
心に決めていると、ふふっと笑いながら新八がそんな事を口にした。

その顔は本当に、心の底からそう思っているようで、
私は本当に、心の底から同情した。

・・・騙されてるネ、新八。

だが、ここで新八曰くのヒーロー像を壊すほど、私は
子供ではない。

「あ、これ銀さんには内緒だからねっ!」

恥ずかしそうに顔を赤らめ、そう言う新八に私は素直に頷いておいた。

だって妙な計算ばかりして直球勝負に出ようとしない大人に
褒美をやる程、私は大人でもないのだ。

 

 

 

 

 

 




そんなある日、万事屋にきた仕事が、簡単な物探しから
物騒な事柄へと方向転換した。

・・・ま、何時もの事だけど。

その途中、やはり新八の危機にタイミングよく現れた銀ちゃんが
軽い怪我を負った。

・・・でも別行動してた筈・・・っていやいや、
もう突っ込まないネ。
突っ込まないけど、一つだけ言わせて欲しいアル。

銀ちゃん、なんで頭に
葉っぱが着いてるアルカ。
その葉っぱ、直ぐソコの垣根の葉とそっくりネ。
確か颯爽と出てきた場所は正反対のトコからだった筈ヨ。

まぁそんな疑惑が沸いたものの、とりあえず仕事は無事終了。
万事屋に帰って、銀ちゃんは新八に手当てして貰ってたアル。

新八は最初無茶をするなとか何とかお説教をしてたものの、
最終的に物凄くすまなそうな顔で銀ちゃんを労わってたネ。

そして今、軽い怪我ではあるものの、心配だから・・・と言って
万事屋に泊まる事にした新八は、着替えを持ちに家へと帰っている。

銀ちゃんに、ちゃんと休んでいるように言付けて。
なのに・・・・

 

「何やってるネ」

妙な気配に和室の襖を開けてみれば、大人しく寝ている筈の銀ちゃんが
うっすら汗を掻いて布団の上に座っていた。

「寝てろって言われた筈ネ。なんで起きてるアルカ。
汗まで掻いて」

どうやら新八に言われた事を無視して体を動かしていたらしい。
じっとりと見詰め、そう問い掛けると銀ちゃんは慌てた様に
パタパタと手を振った。

「あぁ!?これは・・・アレだ。
布団が暑くてよ~」

「昨日まで寒くて仕方ないから行火変わりに
一緒に寝てくれ
って
新八に頼んでたマダオは何処のどいつネ」

「ちょ、何で知ってるのぉぉぉ!!!?
ってかそれは昨日までの事だろうがっ!
天候は日々変化してんだよ」

「確かに変化してるけど、今日は寒の戻りだって
テレビでやってたヨ」

「ばっか。お前何でもかんでもテレビの情報を
鵜呑みにしてんじゃぇよ。
ヤツラの70%は嘘の情報なんだからよ」

限りなく嘘の塊で作られてる銀ちゃんに
言われたくないネ。
それよりも・・・と、微かに引き攣っている銀ちゃんの顔から
視線を、白い包帯が巻かれている部分へと移動させる。

「包帯・・・血が滲んでるネ」

そんなに深い傷ではなかった筈なのに。
言外にそう込めれば、銀ちゃんはそ~っと私から視線を逸らした。

「これは・・・アレだ。血じゃねぇから。
アレだ、アレ・・・あの・・・そう、苺シロップ!
や~、銀さんてアレじゃん?糖分がないと生きてけねぇじゃん?
そう、そうだよ。や~参ったなぁ、
見付かっちまったなぁ、おい。
あ、新八には内緒な?糖分摂取したって怒られっから」

参った参った。と困り顔で呟く銀ちゃんに、私はズイッと
手を差し出した。

「何?握手?」

「したら真っ白な包帯共々、その頭を真っ赤に
染め上げてやるネ。」

さっさと出すヨロシ。そう言うと銀ちゃんは渋々手の上に
300円乗せてくれた。

それを握り締め、にこりと笑うと少し出掛けてくると告げて
私は和室を後にする。

何か後ろで銀ちゃんがブツブツ言ってたけど、無視ネ、無視。
一々付き合ってたら時間が勿体無いヨ。

居間で寝ていた定春を呼び、そのまま玄関から外へと飛び出す。
目指すは愛しの酢昆布ネ。
あ、序に新八も迎えに行こう。
で、少しだけ遠回りして帰ってくるのだ。

そうすれば、安静にしていろと言われた銀ちゃんは
無駄に動き回って怪我を悪化させるだろうし、
その分新八が泊まる日数も増えるってものネ。

 

ちゃんとタイミングを計ってやるから、
怪しまれない程度に頑張るヨロシ。

計算高いのは大人よりも女の特権ネ。

 

今頃布団から起き上がり、精力的に動き回っているだろう
銀時を思い浮かべ、神楽はにししっと笑うと
進む足を軽く弾ませたのであった。

*******************
三万打お礼企画・第十弾。
蒼月様からのリクで「坂田の生息理由」と言う事でしたが
・・・こんな感じはどうでしょう?
ちょっとメールで盛り上がってた内容とは違った気がι
ってか寧ろ一番計算高いのは神楽ちゃんじゃね?(笑)

あ~、でも弄り具合が少なすぎた気がモリモリしますι
すみません、多分吉原炎上編を見過ぎてたせいです(おいι)

リベンジになったか怪しい限りですが、
少しでも楽しんで頂けたら嬉しいですvv

企画参加、有難うございました~v

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