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何時も行く甘味屋に行ったら、見慣れない顔の店員が居た。
お陰で注文の時、
「何時もの」
「・・・は?」
と言う非常に恥ずかしい会話をしてしまった。
やべ、何コレ。
久しぶりにパチンコで勝って、調子に乗ってただけに
非常に恥ずかしい。
やっぱアレだ。
幾ら懐に余裕が出来ても、
態度に余裕を出してはいけなかった。
人生、常に緊張感に包まれていなければダメだ。
だってその後、買い物に出てたらしい
新八にも見付かって、ものっそいお説教を受けたもの。
すみません、何時ものなんて嘘です。
そんなんで通じる程、甘味屋なんて通ってません。
本当です、信じてください。
って、何で今頃出してくんのかなぁ?店長ぉぉ!!!
や、すみませんね~、新人なんで判らなくって。とかいらないから。
全然判らないからね、銀さんもっ!
は?何時もの子、辞めたの?
あ~、そうなんだ~。良い子だったのにねぇ。
時々おまけとかしてくれたし・・・っていやいや違うから!
そんなのしてくれた覚え、全然ないからっ!
・・・って、あれ?もしかして新ちゃん、ヤキモチ?
糖分摂取に対してじゃなくて、ヤキモチ?それ。
馬っ鹿だな~。幾ら糖分好きでも、それ以上に新ちゃんの方が
好きなんだって、銀さん。
だから安心して・・・って本当すんませぇぇんっ!!
ちょっと本気で調子に乗ってましたぁぁぁ!!!
だからそれっ!幾らお団子の串でも、刺さると痛いからっ!
団子好きでも、流石に団子自体には
なりたくないから、銀さんっ!!
「全く!本当調子に乗ってると締めますよ!?
首とか首とか首とか」
怒り心頭といった感じで前をズンズン進んでいく新八に、
本当すんません。とカクリと肩を落として着いて行く。
ちなみに辛うじて首ではないが、軽くシメられた後だ。
色々痛いし、先程まで暖かかった懐も、軽く痛い。
ってか首ってなんだ。
そこを締められると調子に乗る所か、舟に乗る勢いなんですけど。
特に三途の川辺りにある。
「でも・・・そっか~。もう春ですもんね」
そう言う新八は、怒りを沈め少し寂しそうだ。
先程の店の子もそうだが、新八の良く行くスーパーでも、
顔馴染みのバイトの子が辞めてしまうらしい。
理由はそれぞれだが、大元は一緒。
違う所で新しい生活を始めるとか・・・
それはそれで喜ばしい事だが、やはり置いていかれる側としては
寂しいもんだよな。
例えそれが顔馴染みの店員だったとしても。
俺は少しだけ寂しそうな笑みを浮かべている新八を見て、
思わずその小さな頭に手を伸ばし・・・
「タイムセール前に半額シール貼ってくれたり、
集めてたスタンプを多めに押してくれたりしてくれたのに・・・」
「ってそこかよっ!
何ソレ、何処まで主婦根性育っちゃってるんですかぁぁ!!?」
撫でる代わりに軽く叩いた。
何すんですかっ!って睨まれたけど、銀さん悪くないから。
主婦根性が逞しく育つのは良い事だけど、
それはあくまで坂田家の主婦としてだから。
そんなちょっと好意入ってんじゃね?的な事は、
断固として跳ね返してください。
もし出来ないなら、銀さんに言って下さい。
容赦なく切り刻むから。
ほんの微かな兆しでも、芽は全て叩き潰すっ!
今度からは絶対買い物に着いて行こう。そう心に決めていると、
新八は叩かれた頭を撫でながら、口を尖らした。
銀さんだっておまけしてもらってたのに・・・とか何とか
言っているが、それは全然違う。
だって銀さん、新ちゃんしか見てないもん。
そう言うと、新八は 馬鹿な事ばっかり・・・と
口を尖らしたまま視線を逸らした。
でもその頬は赤く染まっていて・・・
俺の脳内はピンク色に染まりまくった。
やっべ、何コレ。
とんでもない破壊力なんですけどぉぉぉ!!?
お陰で銀さんの理性は木っ端微塵よ?
ま、元々そんなにないけどな。
でも恐怖心はちゃんとあるので、じっと拳を握り締める。
だってここ、大通りだからね?
こんな所で何かしたら、俺の頭が赤く染まるから。
一応学習能力あるからね、銀さん。
だからさっさと家に帰ってイチャコラしよう。
そう思い、でもせめてこれくらいは・・・と新八の手を取り、
そっと握り締めた。
少しドキドキしながら、ちらりと新八の方を見ると、ちょっと
恥ずかしそうだが、振り払いもせず着いてくるので
ホッと息を吐いた。
そしてふと思う。
もし・・・もしもだけれども、いつかこの手が自分から
離れていくかもしれない。
俺の知らない、新しい生活へと向っていくかもしれない。
それはちょっとした恐怖だ。
いや、とんでもない恐怖か。
「銀さん?どうかしましたか?」
そんな思いが出てしまったのか、つい力が入ってしまった手に、
新八が不思議そうな顔を向けてくる。
「ん?・・・いや、何でもねぇよ。」
そう告げるが、新八は納得していないようで、訝しげな視線を
向けてきた。
だが、こうなった俺が何も言わない事は知っているので、
ま、いいですけどね。と直ぐに小さな息を吐いた。
「でも新しい生活か~。寂しいけど、ちょっと憧れちゃいますね」
「え?何、新八。もしかして新しい生活してみたいの!?」
「や、その前に普通の生活が送りたいです。
ってか憧れてるだけで、そんな気はないですよ」
そう言って笑った新八だったが、俺は全く笑えねぇ。
ってか心臓バクバクだってぇのっ!
銀さん的に不適切な言葉はやめてくなんい!?
一瞬真顔になってしまった俺に気付いたのか、新八が
何かに気付いたように小さく口を開けた。
「もしかして銀さん・・・ちょっと不安になっちゃいました?」
「別に?」
新八の問い掛けにそう答えたのだが、あまりにも即答し過ぎたのが
悪かったのか、クスクスと新八が笑い出した。
あ~もう、うっせぇなぁ!
仕方ねぇじゃん、オマエがそんな事言うんだからよ。
仮定の話だとしても、俺にとっちゃ心底心臓に悪ぃんだよ。
ま、いいけどね。どっちにしろ離さないし。
大人なら笑って見送ってやれと言われるかもしれないが、
生憎俺は大人ではなく、万事屋銀ちゃんだ。
寧ろ笑って捕まえててやる。
ムスッとしていると、今度は新八の手からギュッと力が
込められるのが判った。
「安心して下さい。僕の居る場所はここですから。」
そう言った新八は、何よりも暖かい笑みを浮かべていて。
俺は黙って、その手を強く握り返した。
ならオマエは観念しろ。
俺の居る場所も、ずっとここだから。
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個人的ではありますが、団子様へvv
以下お返事。
態々のご挨拶、有難うございますv
こちらの方こそ、色々とご感想を頂き、
尚且つウチの銀新を気に入って頂けて
本当、幸せでした~vv
上の二人共々、寂しくはありますが
これからもこんな感じで居続けると思いますので、
またお気軽に遊びに来て下さいませvv
本当に有難うございましたv