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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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「あ、やっぱりこっちにあった。」

夜遅く、再び万事屋に来た・・・と言うか強制連行された
新八は、ここに来る羽目になった原因を見つけ、満足げに頷いた。
その背後に、のっそりと銀時が近付いてきて、箪笥の前に
座り込んでいる新八の後ろへとしゃがみ込む。

「あ、あったの?良かったな~。これでちゃんと寝れるじゃねぇか、
銀さんと」

「えぇ、安心し過ぎて横になったら三秒ほどで夢の中に
行けそうです。
一人で」

「いやいや、あれよ?一人でそんな所に行ったら寂しいから。
絶対寂しくて泣けてくるからね、
銀さんが」

「アンタがかよっ!
あ~、もういいですから、もう一回お風呂に入ってきて下さいよ。
冷たくなってますよ?体」

そう言うと、新八は後ろから伸びてきた銀時の手を叩き落とし、
着替えを手渡した。
そんな新八に、銀時は一瞬口を尖らすも、直ぐにニヤリと口元を上げる。

「別に風呂じゃなくても温まる事は出来ると思うんですけど?」

新ちゃんも冷たくなってるみてぇだし、どうよ?と、ニヤニヤと笑う
銀時の顔面に着替えを叩き付ける。

「・・・どうです?少しは暖かくなりました?
叩くと暖かくなるって言いますもんね。
なんなら全身隈なく暖めてやりましょうか?」

それなら僕も体を動かせて丁度暖かくなりますし。にっこりと笑って
言う新八だったが、目が怖いし、発言も怖い。
銀時はフルフルと頭を振ると、せめてこれだけは・・・と、
新八に先に寝ないように告げ、風呂場へと向っていった。


それを溜息混じりに見送った新八は、先程取り出した箪笥の中身を
再び入れていく。

本来は万事屋の箪笥なのだし、ここに住んでいる銀時や神楽の
モノしか詰まっていなかった箪笥。
だが、今入れている一段には新八のものばかりが詰まっている。

最初はなかったんだけどね。

自分の為に空けてもらった箪笥の一段を閉め、新八はくすりと笑みを零した。

 

 

 

最初の頃、まだ新八の私物はこの万事屋には無かった。
一応職場でもあるのだから、何かで持って来たにせよ、きちんと
持って帰っていたのだ。

「オマエさ、それ一々持ってくんの面倒じゃね?」

銀時にそう指摘されたのは、家から持ってきていた割烹着だった。

「毎日ここで使ってんだからさ、もう置いときゃいいじゃん」

そう言われ、確かにその割烹着は万事屋でしか使ってないし・・・
と置いていったのが最初だったと思う。

けれど・・・

 

「なんで毎回持ち帰ってるネ」

ある日、昼食後に神楽と並んで歯を磨いていると、
不意にそんな事を言われた。

「あれカ?普段もきっちり持ち歩いて、
清潔感でもアピールしてるアルカ?」

みみっちい男ネ。そう言われた先には、磨き終えてケースに仕舞った
自分の歯ブラシが。

「いや、そんなのアピールしてないからね?
ってかこれでどうやって周囲にアピールするの?」

「ならここに置いとけばヨロシ。
大体私と銀ちゃんのと二つだけなんて、
心底寒気がする光景ネ」

むすっとした表情で言われ、苦笑したものの確かにここでしか
使わないのだし・・・と、僕もそのまま置くようになった。


それからも、そんなやり取りが何度かあり、次第に万事屋に
僕自身の物を置くようになっていった。

定位置に置かれるようになった割烹着。
並んだ歯ブラシ。
いつの間にか客用から揃いの物に変わった茶碗や湯呑み。

そして・・・

 

「何やってんですか、あんた等」

ある朝何時もの様に万事屋に行ったら、珍しい事に二人の住人は
既に起き出していた。

それだけでも驚きなのに、何故だか箪笥の整理をしているではないか。

天変地異が起こったらこいつ等のせいですっ!!

・・・と、思わず全ての人々に謝りたくなったとしても、仕方ない事だろう。
それぐらい驚いたのだ、僕は。

だが、そんな僕の気持ちも知らずに、天災の原因となろう人物の
一人は、酷く満足げにこちらを見返してきた。

「新八っ!いいタイミングネ。ほらここ、新八のトコアル」

そう言って指差された所には、昨日まで銀さんの衣類が入っていた
箪笥の一段が。

なんの事か判らず首を傾げていると、他の段に衣類を仕舞いこんだ
銀さんが、ワシワシと頭を掻きながら答えを返してくれた。

「今朝早くに神楽に叩き起こされたんだよ。あ、文字通りな。
で、新八が毎日帰るのは着替えを置く場所がねぇからだ・・・って」

「私、寝ないで考えたヨ。着替えが無かったら次の日困るネ。
でもこれで大丈夫ヨ」

にししと笑い、そう告げると神楽ちゃんは ご飯ご飯~ と
和室から出て行ってしまった。

残されたのは、ポカンとそれを見送る僕と、銀さんの二人。

「・・・ま、アレだ。寂しかったんだろ、神楽も」

「え?」

そう言われ、僕は銀さんへと顔を戻そうとした所で、
ギュッと抱き締められてしまった。
突然の事に顔を上げようとするが、直ぐに銀さんの手が
僕の頭へと乗り、それ以上上げることが出来なかった。

「ちょっ、銀さん!?」

「って事でよ。姉ちゃんが心配なのも判るが・・・こっちの家にも
もっと居てくれや」

銀さんもちょっと寂しかったし。そう甘える様な声を耳元に落とされて
嫌と言えるわけもなく・・・


その日の内に、空いた一段には僕の着替えがすんなりと収まる事となり、
仕事に関係なく、泊まる回数も増えたのだけれど。

 

 

 

「でも、こんな時は面倒だよね。持ってくる手間は減ったけど」

「だったら、もう全部こっちに置いとけばいいじゃねぇか」

仕舞った箪笥を見詰めポツリと零せば、何時の間に風呂から出たのか、
背後から圧し掛かるように抱きついてきた銀さんにそう答えられた。

「何言ってんですか。そう言う訳にもいかないでしょ?」

後ろから腰に撒きつかれて来た銀さんの手をぺチリと叩けば、
拗ねた様な声が耳元で聞こえた。
それにクスリと笑い、今度は僕の方が寄り掛るように体を預ける。

銀さんはそれを確りと受け止めると、僕の肩口に顎を置き、
目の前の箪笥に視線をやった。
そしてゆるりと上がる口元。

「ま、いいけどな。少しずつでもこうして増えてってるし」

その声がなんだかとても嬉しそうで、僕は思わず、
銀さんの頬に唇を置いてしまったのだった。

******************
新八移住計画勃発中(笑)
 

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