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再び前言撤回。
ナイスパンチです、新八君。
と言う事で幸福を掴んだ俺は、すぐさまものっそい鉄拳を食らった。
チクショー、知らなかったんだから仕方ねぇじゃねぇか。
言わばアレだよ?事故みたいなもんよ?今の。
まぁ知ってても触ったけどね?
掴んだけどね、あの幸福的物体を。
「・・・ってかさぁ~」
殴られた上正座させられている状態で、目の前に仁王立ち
している新八を見上げる。
・・・ちっ、もう少しスカート短かったら見えてんのによ。
「なんですか謝罪、並びに慰謝料でも
払う気になりましたか?」
「それプラスお触り賃ネ。
幸せってもんはヨォ、タダじゃ掴めないんだぜぇ~
お客さ~ん」
「客じゃねぇよ。
ってか客だったらいいの!?金払ったらいいの!?
バッカヤロー、銀さんはそんな子に育てた覚えは
ありませんけど幾らですかっ!!?」
「幾らでもねぇよ。」
ってか反省しろっ!と言われ、新八に叩かれた。
いってぇなぁ、どうせなら蹴りにしろよ。
そうすれば多分痛みと共に幸せも見えてくるから。
・・・て、そうじゃなくて。
叩かれた場所を摩りながら、再び新八を見上げる。
「オマエ、さっきの本物?」
そう、聞きたい所はソコだ。
別にお触り賃じゃない。
・・・や、それも聞きたいけど。
すると新八は蔑んだ目を幾らか和らげ、眉を下げた。
「・・・多分そうです。なんか服も変わってますし」
「コレのせいネ」
そう言って神楽が差し出したのは、中身が空になった一本の瓶。
受け取って見てみれば、なんとも怪しい商品名と説明文が
書かれていた。
「新八・・・オマエそんなに神秘のベールを覗きたかったのかよ。
水臭ぇじゃねぇか。一言言ってくれりゃぁ
銀さんの神秘のベールを思う存分
覗かしてやったのによぉ」
「僕じゃねぇよっ!
大体これは神楽ちゃんが・・・って、
チャックを下ろすなぁぁぁ!!!!」
「うん、どうせなら人生の幕を下ろした方が
いいんじゃないかな?」
「「「え?」」」
突然入ってきた声に、新八は拳を振り上げ、神楽は足を振り上げ、
俺は神秘のベールに手を掛けたまま振り向けば、
窓辺に腰を降ろし、にこやかに手を振っている見覚えのある
顔を見つけた。
「ま、どっちにしろ俺がその内下ろすけどね?」
何なら今日でもいいよ?そう言って笑顔のままこちらに
近付いてくる姿に、神楽が素早く動く。
「神威!!オマエ何しに来たネ!」
「ん?いや近くに来たからちょっと他人の人生の幕を下ろしに。」
「そんな事しなくても、銀ちゃんは近いうちに強制的に下ろす
事になるネ!
特に社会的にっ!!」
「下ろさせねぇよ、どっちも。
人生においても社会的にもそんな気配サラサラねぇよ!
ってか何勝手に人の家に入ってきちゃってるの!?
俺の幸せ空間、土足で踏みにじらないでくれるぅぅ!!?」
「ですね。まず靴を脱いでください!」
「・・・や、そうじゃねぇだろ、新ちゃん」
「何言ってんですか!大事な事でしょう。
掃除をする身としてはっ!」
新八の発言にカクリと肩を落とし、ボソリと呟けば
凄い勢いで睨まれた。
はい、そうですね。
全く持ってその通りでございます。
でも実際問題、脱ぐよりもそのままお帰り頂く方が
よろしいかと思うんですけど、銀さん。
そんな切実な思いを余所に、新八は あ~もう泥だらけっ!
と怒りを滲ませながら神威の元へと近寄っていった。
その後ろで神楽がニヤニヤと笑う。
・・・や、神楽も違うから。
や~い怒られた~。なんて新八の背中から顔を出して
言ってる場合じゃないからね?
危ないから、その子。
銀さん、堂々と殺人予告されたからね?
・・・あ、でもされたのは俺だけだから
いいのか?
「大体そこは玄関じゃありませんよ?」
判ってます?と、腰に手を当て、
まるで子供に言い聞かせるように告げる新八に、
神威は笑みを深くした。
「ん~判ってるけど、面白いものが目に入ったからつい・・・」
そう言いながら脱いだ靴を手渡す神威に、
新八は一瞬目を瞬かせたが、直ぐにそれが
今の自分を指しているのだと理解し、深々と溜息を吐いた。
「あぁ、これですか・・・
確かに面白いもんですけどね・・・」
「で、神秘のベールってどれ?これ?」
俺にもちょっと覗かせてよ。そう言い、神威は少し体を
屈めると、勢い良く新八のスカートの裾を捲り上げた。
「ぎゃぁぁぁ!!!
な、何してんですかっ!!」
慌てて新八が手で押さえ込むが、裾を掴んでいる神威の手は
離されない。
それどころかギリギリと捲り上げていく。
「何・・・って神秘のベール覗いてんの」
「おぉ!これが神秘のベールだったアルカ!
新八、私にも覗かせてヨ」
ニコニコと笑みを絶やさない神威の言葉に、神楽の目も
キラキラと輝く。
そしてそのまま神楽も背後からスカートを捲り上げた。
「ちょっ!オマ・・っ馬鹿だろ、
本当馬鹿だろ、アンタ等ぁぁ!!!」
そう言って新八は片手を後ろへと回すが、
相手は夜兎の兄妹だ。
・・・敵うはずがない。
ってか丈夫だな、あのスカート。
つい呆然としつつも、しっかりガン見してしまう。
や、別に神秘のベールの中身が気になった訳じゃないよ?
あくまでホラ、よく破けないな~って感心してた
だけだからね?
寧ろ破けたら大変だし?
さっさと観念して手を離さねぇかなぁ・・・なんて
思ってただけだから。
主に新八が。
「って、アンタはさっさと止めろぉぉぉ!!!」
そんな思いが通じたのか、新八は潔く押さえていた手を離してくれました。
俺に向って、手にしていた靴を投げる為に。
・・・うん、銀さんもちょっと覗けたわ、神秘のベール。
直ぐに強制的に意識下ろされたけど。
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すみません、終わりませんでしたι