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折角の晴れた日、嬉々とした表情の新八が布団を干していた。
・・・や、本当嬉しそうな、オマエ。
確かにフカフカ布団は魅力的だけどよ、銀さんとしては
でっけー布団にちんまいオマエが押しつぶされないか
心配なんですけど!?
頼れよ、銀さんを。
言っとくけどアレよ?自分から手伝うなんて言えないからね?
結構なツンだから、銀さん!
でも頼ってくれたらデレ全開で行くから!
だから頼れ!!等と願いつつ見守っていたら、押しつぶされる事なく
新八は布団を干し終えてしまった。
本当、ハラハラで銀さんの心臓が押しつぶされそうだったけどね!?
ちなみに今日はお妙の友達が来るとかで、新八はお泊り決定済みだ。
だからこそ、嬉しそうに布団を干していたのだが・・・
・・・ここで一つ、問題が発生してしまった。
なんと神楽の気まぐれなお手伝い精神が発揮されてしまったのだ。
気が付けば俺の布団は洗濯機の中で水に浸されていた。
どうやら神楽は洗ったほうが綺麗になると
思ったらしい。
おまけにこびりついてる加齢臭も取れるかと思ったんだと!
本当、色んな意味で泣きたくなって来るよね、コレ!
ってかもう泣いていいよね、コレェェ!!
・・・しかし、よく洗濯機に入ったな、あれ。
で、よく壊れなかったな、洗濯機。
ずぶ濡れになっている布団を目の前に、少しだけ現実逃避する
俺と新八。
神楽は珍しくもシュンとして反省しているようなので、
あまり強く言う事も出来ず・・・
「とりあえず干しましょうか」
と言う新八の言葉に、とりあえず俺は だな。と頷くしかなかった。
・・・や、だって明らかに無理だろ、これ。
「・・・やっぱり無理がありましたね」
「・・・だよな」
夜も更けた頃、俺と新八の前にはしっとり濡れた布団が一枚。
・・・ま、当たり前だよな。だって布団だもん。
中身、綿だもん。
吸水力半端ねぇもん、これ。
とりあえず水か滴るといけないので、もう一度布団を干す。
で、残ったのは一枚の敷布団と、二枚の掛け布団。
そして枕が二つと、泊まって行く予定の新八。
こうなった原因の神楽と言えば、既に押入れの中で
夢の中だ。
「とりあえず僕、今日はソファで寝ますね」
幸いにも掛け布団は無事だし。そう言って枕を抱える新八に
ちょっと焦る。
だってオマエ、そんな寒くないって言っても
ソファは不味いだろ、ソファは。
そう言うと新八は、
「大丈夫ですよ、僕そんな大きくないし
丁度いいくらいじゃないですか?」
と言って笑った。
いやいや、笑い事じゃないから。
大体大きくないから余計心配だってぇの。
そんなちっこい体で風邪なんて引いてみ?
可哀想どころじゃねぇぞ!?マジで!!
ちっこい心臓やらちっこい肺やらがパンクしたらどうすんだよ!
ってかその前に俺の心臓がパンクするね、心配で!
あぁ、でも新八の事だ。
ここで俺がソファで寝ると言っても、絶対聞き入れないだろう。
なら・・・
「少し狭ぇけど、ソファよりはマシだろ?」
そう言って一緒に寝るように提案した俺は、多分間違ってない。
・・・早まったな・・・とは思ったけど。
「えっと・・・狭くないですか?」
遠慮がちにそう聞いてくる新八は、只今俺のすぐ隣に居る。
「ん~・・・ま、気にする程でもねぇな」
なんて答えるが、とんでもねぇ。
気になるぐらい狭くないんですけどぉぉ!!
ちょ、何コレ、普通に眠れるじゃん。
真ん中じゃないけど、はみ出ることもないからね、コレ。
ちょ、これ本当ヤバイ。
だってアレだよ?
神楽じゃねぇけど、ぐっすり寝て起きたら新八が
プチッてなってたらシャレになんないんですけどぉぉ!!
や、そんな寝相悪くないけどね?
でも人生何があるか判らないから。
もしかしたら盛大に寝返り打って、
プチっていっちゃうかもしんないからっ!
寝ている自分にまで責任持てないからね?
起きてる自分にも持てないけど!!
あ~、もうどうしよう、これ。
いっその事寝なきゃいいと思うが、この暖かい布団に包まってる限り、
それは無駄な抵抗のような気がする。
・・・仕方ねぇ。
俺はチラリと隣に視線を向け、
「・・・な、ちょっと抱きかかえて寝ていいか?」
と、問い掛けてみた。
とりあえず最初っから抱き枕みてぇに抱えて寝りゃ、
プチッと行くこともねぇだろ。
そう考えて言ってみたのだが、新八は狭いからだと思ったらしい。
「その方が少しは楽になるかもしれませんしね?」
新八はクスリと笑うと、じゃあお邪魔します。と言って
俺の方に体を寄せてきた。
その体に俺は腕を回し、ほっと一息つく。
あぁ、これで一安心・・・・
と思った俺の胸元に、新八が頭を摺り寄せてきて
少し笑った気配がした。
それがまた可愛いやら可愛いやら可愛いやら・・・
可愛いなぁ、おい。
・・・ってかさ・・・
・・・これはこれで問題ありじゃね?
その夜、俺が一睡も出来なかったのは言うまでもねぇ。
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