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戸惑いながらも恥ずかしそうに笑顔をくれる新八を
思う存分撮りまくった後、新八のお腹がクゥ~ッと可愛い
音を立てた。
・・・ちっ、ビデオもありゃ~今の音もばっちりだったのに。
って違う違う。
時計を見れば、もう夕飯に近い時間だ。
普通なら神楽の帰ってくる時間だが、今日はお妙と一緒に
九兵衛の所に行っているから問題なし。
アイツが居たら、絶対ぇ玩具にされるからな、こいつ。
俺は一先ず安心し、頬を赤らめてお腹を摩っている新八の頭を撫で、
夕飯を作る事にした。
・・・そう言えばなんで新八は普通にここに居るのだろう。
今までの事から、体に合わせて記憶の方も退化しているのが
判る。
ならば新八としては、ここは全く知らない場所で、
俺は知らないお兄さんだ。
普通なら家に帰りたいと泣くんじゃないか?
そう思い、さり気なく聞いてみると、既にヅラがフォローを
入れていたらしい。
なんでも家の者が用事で出掛けているので、帰ってくるまで
自分は『なんでも屋』に預けられているのだ・・・と。
「しんちゃんとぎんしゃん、おるすばんなの。すごいね~」
ニコニコと自慢げに言う新八に、もう一撫で。
うん、確かに凄いよその何でも信じる純粋さ。
でもとりあえずはヅラに感謝だ。
ハゲ散る呪いを少し弱めて、
前髪だけ残してやる事にする。
それよりも今は夕食だな・・・と、俺は久しぶりに
台所に立つ事にした。
子供が喜ぶものって言ったら・・・甘いもんだな、うん。
って事で甘いオムライス決定。
今日ばかりは新八も怒りはしないだろう。
だって今現在、俺の足元で目をキラキラさせてるし。
俺は安心して腕を奮うことにした。
ちなみに台所に移動する時も、作っている時も、常に足元に
新八がくっ付いていたのは言うまでもない。
それが可愛くて仕方ねぇのはもっと言うまでもねぇな、うん。
その後、一人だと危ないから・・・と膝に抱っこしたまま
オムライスを食べさせた新八は、片づけを終え、まったり
テレビを見ている今もしっかり俺の膝の上だ。
や、だって危ないからね、ソファの上だと。
転げ落ちたりしたら本当危ないから。
それ以外の理由なんて、微塵もないからね、コレ。
あぁ、でもご飯の時は降ろしておいた方が良かったか?
だってこの体勢、新八が美味しそうに食べてる顔が
見れなかったし。
あ、でもその分、アーンてしてくれたっけ。
本当、昔っから優しくて良い子で銀さんのツボに
クリティカルヒットな、新八。
なんか人参とかピーマンばっか
入ってた気がすっけど。
そんな事を思い返していると、不意にポトンと胸元に
小さな頭が落ちてきた。
「ありゃりゃ、寝ちまったよ」
覗き込めば大きな眼を閉じた新八がクークーと寝息を立てている。
や、まだドキドキビ○レデビューしてないんですけど。
寝る前にお休みのチューを教え込む
とかしてないんですけどぉぉぉ!!?
そうは思うが、どうにもこの寝顔を見ていると、無理矢理
起こす事は出来ねぇ。
「仕方ねぇなぁ」
苦笑を一つ零し、俺は布団を敷く為に一先ず新八を
ソファの上に寝かせようと腰を上げた。
が、確りとその小さな手は俺の着物を掴んでいたりして。
俺は悶死という言葉の意味を初めて理解した。
「銀さん、朝ですよ。起きて下さい」
その言葉と共に眼を開ければ、ソコには何時もの新八が居た。
あの後、なんとか新八を抱きかかえたまま布団を敷き、
同じように横になった俺はそのまま寝てしまったらしい。
・・・ってかもう効き目が切れたのか。
坂本の言葉を信じていなかった訳ではないが、
実際元に戻った新八を見て、少しホッとした。
あのままでも十分可愛かったが、色々と問題があり過ぎる。
「ちょっと!ちゃんと目、覚まして下さいよ?」
ご飯出来てますからね。そう言って和室を出て行く新八を
ぼんやりと見送り、俺も布団から出る事にした。
「なんか昨日の記憶が曖昧なんですけど・・・僕何時の間に
寝ちゃったんですかね?」
「ん~?曖昧って何処ら辺からよ」
一先ず顔を洗い、居間へと戻ってくると既に朝御飯が
並べられていた。
美味しそうに匂いにお腹を刺激されながらソファに腰を
降ろすと、新八からそんな質問がやって来た。
とりあえず下手な事は言えない・・・や、別に疚しい事とか
全然ないけど、一応ね、一応。
やっぱ自分の知らない間に子供に戻ってました~とか
言われたらちょっと凹むじゃん?
なんかやっちゃったかな?とか思っちゃうじゃん?
や、俺が・・・とかじゃなくて。
って事で探りを入れてみると、どうやらヅラが来た所から
曖昧になっているらしい。
なら子供に戻ってる時の事は、全く覚えていない訳だ。
「じゃあそこら辺からだろ。疲れてんじゃね?」
そう言うと新八は そうですかね~。と納得しきれていない
顔で、よそったご飯を渡してきた。
そしてそれを置こうとして、俺は初めて何時もと違う事に気付いた。
何時もなら向かい合って食べる筈なのに、何故だか今朝は
俺と新八の分が隣り合わせに並べてある。
「おい、新ぱ・・・」
「じゃ、とりあえず食べましょうか」
疑問の声を上げる俺を余所に、新八はそう言うと
俺の傍へと寄って来て、ポスンと膝の上へと腰を降ろしてきた。
「「・・・え?」」
「ぅわっ!ちょ、なんで僕こんなトコに!!?
す、すいません。すぐどきますからっ!!」
無意識にしてしまったのだろう。自分から腰を降ろしておいて
慌てだす新八に、俺は一瞬ポカンとしたものの、直ぐに
両腕を新八の腹の前へと出してどこうとするのを阻止した。
「おいおい、自分から来といてこんなトコは酷くね?」
「だからすみませんって!お願いですから離して下さいぃぃ!!」
あぁ、もうなんでぇぇ!!?と顔を真っ赤にしながら
暴れだす新八を、ますます力を込めて拘束しながら
俺はニンマリと口元を緩めた。
どうやら予想以上に、俺の膝は
子供の新八のお気に召していたらしい。
昨日とは違う重みに、それでも感じる幸せは同じなんだな~と
しみじみ思った、そんな朝だった。
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四万打企画第三弾。もんちょ様からのリクで
「天人のお菓子を食べてちっちゃくなった無垢で素直な新ちゃんに、
悪い大人の銀さんが大人げなく刷り込みをする」
・・・との事でしたが、如何だったでしょうかι
悪い大人の部分・・・と言うか、子供新ちゃんが
あんまり出せなかった気が・・・すみませんι
こんな感じになりましたが、少しでも気に入って頂けたなら
嬉しい限りですvv
企画参加、有難うございましたvv