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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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暖かい手で揺さぶられる感触と、僕の名前を呼ぶ声。

それに気付いた瞬間、僕の意識はドロリとした粘っこい世界から
一気に浮上した。







「大丈夫か?新八」

「・・・え?銀・・・さん?」

眼鏡がないせいでぼやけている視界の先で見つけた白い塊に、
思わず名前を呼べば、ホッと息を吐いたのが判った。

あれ?なんで僕・・・

ぼんやりとした頭で視界を動かせば、まだ薄暗いながらも
見慣れた万事屋の和室である事が判り、そう言えば
昨日は泊まっていったんだっけ・・・と思い出す事が出来た。

出来たのだが・・・


「えっと・・・どうかしました?」


とりあえず起こされる理由が判らない。


隣の布団から、上半身だけ僕の方へと身を屈めている銀さんを
見れば、何やら複雑そうな表情だ。

・・・まさかトイレか?
トイレについてってくれってかぁ!?

「いや、どうしたもなにもさぁ・・・本当、平気か?」

そう言って僕の目元を、親指でそっと撫でていく銀さんに
小さく首を傾げたくなる。

平気も何も、別に僕は眠ってただけだし、
トイレもそんなに切羽詰っていない。

それよりも・・・と、僕はもう片方の目元も撫でていく
銀さんの指先をそっと捕まえた。

「銀さんの方こそ平気ですか?」

なんか物凄く辛そうな顔をしてるし、それになんだか
撫でていった指先はひんやりと冷たい感触がした。

そう言うと、銀さんは微かに苦笑し、僕の頬を両手で包むと
コツンと額を合わせてきた。

「ん・・・大丈夫。オマエが平気なら銀さんも平気だ」

「なんですか、それ」

訳の判らない銀さんの言葉に、クスリと笑うと

「いいよ、判らないなら判らなくて」

と言って小さく僕の鼻先へと唇を落としてきた。
そしてそれは目元、頬へと続き、額にも一つ落ちる。

それがとても優しくて、柔らかくて、暖かくて。

一度浮上した意識が、フワフワとしたモノへと
変わっていくのが判り、僕はホッと胸を撫で下ろした。



あぁ、これなら大丈夫だ。



ぼんやりとした頭でそう思い、同時にあれ?と不思議に思う。

大丈夫って何が?
それに、銀さんはどうして僕を起こしたんだろう?

睡魔に負けそうになるのを何とか頑張ってそう問い掛けると、
銀さんは 一人が寂しかったから。 と答えてきた。

「何処だろうとさ、銀さんは新ちゃんと一緒がいいのよ」

そう言うと銀さんは だから布団も一緒でヨロシク。と僕の布団へと
体を滑り込ませてきた。
そしてあっという間に僕を全身で包み込むように
抱き締めてしまう。

何なんですか、それ。
って言うかそんな理由で起こされたの?

何時もならそう突っ込んで布団から叩き出す所だけど、
今日は何故だかそんな気が起きない。
寧ろ銀さんの温もりがとても愛しい。


何だろう、そんなに眠いのかな、僕。

だけど本当、銀さんの腕の中は暖かくて、安心できて。


僕は小さく息を吐くと、目の前にある胸元へと鼻先を埋めた。
そんな僕の頭を、ゆっくりと銀さんの手が撫でていく。

「な?やっぱ一緒がいいだろ?」


うん、そうですね。


「ま、イヤだって言っても離れねぇけどな。
だから何かあったら直ぐ呼べばいいんだよ。
何時だってオマエの傍に居るんだから」


・・・なんかそれ・・・


「ストーカーじゃねぇから。
寧ろヒーロー的な?って言うか恋人的な?
そう言う感じだから、銀さん」


はいはい、そうですねー。


「あ、信用してねぇな?
言っとくけどアレよ?それが例え夢の中だろうと
絶対ぇ乗り込んでくからな?」


・・・夢の中でも?


「あぁ、だから悪い夢見たら何時でも呼べ、新八。
怖い夢だったら銀さんがやっつけてやるし、
哀しい夢だったら笑わせてやる。
辛い夢だったら傍に居てやるし、
寂しい夢だったら抱き締めてやる」


本当に?


「馬っ鹿、銀さん舐めんなよ?
今から見る夢にだって、きっと俺が出てくるからな?
絶対ぇ今と同じように二人でラブラブしてっから。
あ・・・それいいな。
って事でこれから新八の夢にはレギュラー出演する事にします。」


・・・友情出演くらいにしといて下さい。


「却下。もう決定しましまたぁ。
ってか寧ろ愛情出演にすっか、もう。
総天然色っつうか総モザイク色な勢いで」


馬鹿な事ばっか・・・

 

 

 

 

 

 

 





「・・・・新八?」

ポツリポツリと返される言葉が完全になくなったのを感じ、
銀時はそっと新八の名を呼んだ。

胸元に埋められた顔を見れば、穏やかな寝顔がそこにはあって。

「今度は大丈夫そうだな・・・」

銀時はやんわりと息を吐いた。




それはほんの少し前。
不意に眠っていた意識の中に入り込んできた音があって、
未だ夜が明けきらない時間にも関わらず、
銀時は目を覚ました。

身を起こしてその音を辿れば、そこには何かに
魘されて涙を流す新八の姿が。



「一体どんな夢見たんだか・・・」

慌てて起こしたものの、本人はどんな夢を見ていたのかも
覚えていないようで、泣いているのにも気付いていない
ようだった。

「・・・間に合わなくてごめんな?」

でも今度はちゃんと行くから。
例え呼ばれなくても、絶対に行くから。

 

あぁ、でもとりあえず、今は二人で楽しい夢でも見ようか。

 


銀時は一つ、新八の頭に唇を落とすと静かに目を閉じ、
暖かくフンワリとした世界へと意識を落とした。

****************
四万打企画第六弾。Mag.様からのリクで、
「悪夢を見た新八が、銀さんに慰めてもらう話」
と言う事でしたが・・・如何だったでしょう?
ってか総モザイク色の夢の方が悪夢って
感じですねv(おいι)

こんな感じになりましたが、少しでも気に入って
頂けたら嬉しい限りですv

企画参加、有難うございましたvv

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