[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「思ったんですけど、銀さんなんかどうですかね?」
少しだけ曇った空の下、新八は汗をかいたラムネの瓶を
コクリと傾けた。
もう夏も終わりと言う事で、先程までスーパーで安売りされていた
品物だ。
ちなみに二本だと四円のお得。
なのでもう一本は隣に座っている沖田の手元にある。
「何がでィ?」
コクリとこちらも瓶を傾け、空いている方の手で駄菓子が
詰め込まれている紙袋を新八へと向けた。
こちらは沖田のサボリの結晶だ。
いただきます。と告げてゴソゴソと新八が紙袋の中を漁り、
小袋に入った菓子を手に取った。
「何ってアレですよ、『お兄ちゃん』です」
うわ、懐かしい~。と袋を開け、菓子を摘みながら
新八は沖田に答えた。
それに対し、沖田は少しばかり呆れた視線を返す。
「まだ考えてたんですかィ、アンタも暇だねェ」
「えぇ、暇ですよ。
もう三週間ばかり仕事ないですから」
それが何か?と笑う新八だったが、何かが笑っていない。
「・・・で、考えた末が旦那ですかィ?」
沖田はそれに触れず、話の先を求めた。
新八の手にしている瓶がミシリと音を立てた気がしたが、
それも気のせいと言う事にしておいて。
「ってかそれだと旦那が納得しねぇだろ?
まぁそう言うプレイもあるけどよ」
「知らねぇよ、そんなプレイ。
大体沖田さんてば、僕の欲しい『お兄ちゃん』像を
忘れたんですか?
まず金銭面的に考えてないですからね、それ。」
「・・・だねィ」
またもやものっそい笑顔で答えられ、沖田はそっと視線を逸らした。
どうやら新八の怒りは余程のものらしい。
「僕じゃなくて沖田さんの『お兄ちゃん』ですよ」
「俺?」
思いもかけない新八の言葉に沖田が聞き返すと、今度は
普通の笑顔で頷かれた。
「だって結構似てるじゃないですか、二人とも。
なんか飄々としてるし、ドSコンビだし。
まぁこんな兄弟が実際いたら
同じ町内には住みたくないですけど」
「寧ろ俺が同じ家に住みたくないでさァ」
ニコニコと告げてくる新八に、沖田は深い溜息を零す。
・・・まぁ趣味は合うだろうが、確実にかなり冷え切った
兄弟関係になるだろう。
・・・と言うか。
「なら、必然的に新八は俺の義姉ちゃんになる訳か・・・」
「はぁ!?」
「で、チャイナが姪か・・・やべ、果てしなくイラッと来た」
「や、なんで!?」
「あぁ?だって普通にイラッと来るだろ、あんな姪。
チクショー、絶対ぇお年玉なんてやらねぇからな。
そう言っといてくれや、義姉ちゃん」
「そこじゃねぇよ!
ってかなんで義姉さん扱いぃぃ!!?」
「仕方ねぇよ、幾ら新八が年下でも、兄貴の奥さんは
そう呼ばれる運命だからねィ。
ま、最初は慣れねぇかもしれねぇが我慢しなせェ」
「仕方なくねぇし我慢も出来ねぇよ!!!
ってか本当に思考回路そっくりだな、おい!!」
ってかこんな義弟もあんな旦那もいらねぇぇ!!
叫ぶ新八を余所に、沖田はニヤリと口元を上げ、
コクリと瓶を傾けた。
「で、今日の晩飯はなんでィ、義姉さん」
「・・・すみません、本気で止めてください、それ。
ってか何気に怒ってるんですか?怒ってるんですよね!?
変な事考え付いて
本っっ当、すんませんでしたぁぁ!!!」
******************
似てるけど兄弟としては無理(笑)