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銀魂(新八中心)の同人要素満載のサイトです。 苦手な方はご注意を。
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時々、僕は似たような夢を見る。
それは大抵僕が万事屋に泊まった時。

場所は何処かの家の中だったり、外だったり、戦場だったりと
違うけれど、出てくる人物はいつも一人。

それはまだ幼い男の子で、何をする訳でもなく、ボーっと何処かを
見上げている。

ずっとずっと、どの場所であっても
たった一人で。

でも僕はと言えばその男の子に声を掛ける事も、掛けられる事もなく、
ボーっと見詰めているしかなくて。

夢なんだから少しは自分の思い通りになってくれればいいのに・・・
と思いつつ、密かに、何処か見慣れているその子のフワフワとした
銀色の髪に触れてみたいと思っていた。

そんな思いが通じたのか、その日見た夢で、初めて男の子の視線が
僕の方へと向けられた。

最初は驚いたけど、その男の子も不思議そうにきょとんと、
これまた見慣れている赤い色の混じった瞳を大きく見開いていたので
思わずクスリと笑ってしまった。

そんな僕に少しだけ警戒心を解いたのか、男の子がポテポテと
直ぐ傍まで寄ってくる。

そして見上げてくる顔に、僕は あぁ、やっぱり。と納得して
視線を合わせるためにその場にしゃがみ込んだ。

『こんにちは。僕の名前は新八、君の名前は?』

怖がらせないように、男の子の小さな手をそっと握って問い掛けると、
男の子は少し考えた後、ゆっくりと口を開いた。

 





 

 

 

・・・所で僕はパチリと目を開いた。

見れば既に見慣れた万事屋の天井があって、差してくる光が
起きる時間だと僕に教えていた。

・・・本当、変な所で律儀な自分の体内時計が恨めしい。

折角あの子に触れる事が出来て、しかも話す事まで出来たというのに。
こんな時ぐらい少し狂ってくれてもいいんじゃない?
どうせ銀さん達だって、僕が起こさなきゃずっと寝てるんだし。
もういっその事不貞寝してしまいたい気分だ。
・・・って、そうだよ。今すぐ寝たら、もしかしたらさっきの続きが
見られるかもしれないじゃないか。

そう思った僕は、今日は少しだけ朝寝坊する事にして
再び目蓋を閉じた。

・・・が、なんとなく変な感じがして、また目をパチリと開ける。

違和感があるのは僕の右手だ。
なんか誰かに掴まれてる様な気がする。

・・・って、誰かも何もきっと銀さんだろうけどね。

また怖いテレビでも見て入り込んで来たのかな。と、僕は小さく息を吐き、
ゴロリと体を右側に向けた。

「・・・あれ?」

けれど想像していた場所に銀さんは居なく、ちゃんと自分の布団で
大人しく眠っていた。

勿論寒さもあってか、ばっちり首元まで布団を被っている。

・・・じゃあ僕の手を掴んでいるのは一体・・・

布団の中だと言うのに、一瞬にして体温が下がるのが判る。

え?ちょっと待って、ちょっと落ち着こう、僕。
もしかしたら気のせいって事も・・・ないね、うん。
なんかやっぱあるし。なんかフニフニしてるし。

「って、フニフニ?」

視線を銀さんに止めたまま、恐る恐る手を握り締めると、
フニフニと柔らかい感触がした。
しかも何だか小さいし、暖かい。

じゃあ神楽ちゃんか?とも思ったけど、記憶にある神楽ちゃんの手よりも
それは小さいものだ。

「・・・よし。男は度胸だ」

とりあえず暖かいのだから、銀さんの苦手なものでもないだろう。
と、僕は覚悟を決めてそっと布団を捲り、中を覗いてみた。

「・・・毛玉?」

思わずポツリと呟いてしまったのも無理ないと思う。
だってなんか白いフワフワしたのが捲った布団の中に居たのだ。

だが、それは毛玉なんかではなかったらしく、
モゾモゾと動き始めた。

そして見えてきたのは、現実でも夢の中でも見慣れた
赤みの差している、ボーっとした瞳で。

あれ?僕、実はまだ寝てるのかな?
もしかしてさっき本当に寝ちゃって、これは夢の続き?

呆然と夢の中で会ってた男の子を見ていると、
その子はあの時の様にゆっくりと口を開いた。

「ぎんとき」

「・・・え?」

突然言われた言葉に頭がついて行かず、気の抜けた声を出してしまった
僕に、その子はもう一度はっきりと言葉を綴った。

「だから、おれの名前、ぎんとき。
さっき言う前にいっちゃったろ?」

だから。と言ってギュッと僕の手を握ってくる感触が、
とても夢の中の事だとは思えず・・・

一先ず男の子には名前を教えてくれた礼を言い、
でも、念の為・・・と、枕元に置いてあった時計を
隣で気分良く眠っている銀さんに向けて全力投球してみた。

 

 

 

 

 

「ぎゃっ!!!!」

「・・・あ、夢じゃないや」

**************
六万打企画第六弾。之ノ字様からのリクですが・・・
すみません、もう少し続きますι

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